日々の絵本と読みもの

焼けたかな? 食べよかな? “鏡開き”に読みたい絵本『おもち』

焼けたかな? 食べよかな? “鏡開き”に読みたい絵本

『おもち』(「こどものとも年少版」2018年1月号)

松の内が終わると、鏡開きです。神仏にお供えしたおもちを下げて食べることで、力をいただくという風習です。地域によって日にちは異なるようですが、1月11日というところが多いようです。
今日はおもち好きの方に、特におすすめの絵本『おもち』をご紹介します。

この絵本では、少々古風に、火鉢に網をのせ、おもちを丁寧にじっくりと焼いていきます。関東の四角いおもち、関西の丸いおもち、両方焼いていますよ。「ちりちり ちりり」焦げ目がついたらひっくりかえして、反対側も焼きます。


いいにおいがしてきました。「ぷぅー ぷくっ」大きくふくらんで、焼きあがりました。焼きたてのおもちを、磯辺焼き、きなこもち、あんこもち、からみもち……。いろいろな味つけでいただきます。

この絵本をつくったのは、彦坂木版工房のおふたりです。木版で薄い色を重ねた繊細な表現が、きめ細やかなおもちの表情を伝えてくれます。そして、ちょうどよくついた焦げ目の美味しそうなこと! 香ばしいにおいがただよってきそうです。足かけ4年かけて制作する間には、実際におもちつきもしたとか。自分でついたおもちは、涙が出るくらい美味しかったそうです。

絵本『パン どうぞ』(講談社)など、食べ物の作品に定評のある彦坂木版工房ですが、じつは、作者のおひとり、もりといずみさんは、幼い頃たくさんのアレルギーがあって、みんなと同じ物が食べられず、なんでも食べられる友だちをうらやましく思っていたそうです。そんなもりとさんのために、ご両親は、食べられる食材を使って美味しい料理やお菓子を毎日作ってくれたそうです。そして、もりとさんはアレルギーを克服してから、「食べられる物は少なくても、工夫次第で普通の人より美味しいものを食べられていたのかもしれない」と感じられたそうです。

子どもたちが大好きなおもちの絵本。ぜひお子さんと一緒に読んでみてくださいね。
※小さいお子さんとおもちを食べるときは、のどにつまらせないように、小さくちぎってあげましょう。

2018.01.10

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