日々の絵本と読みもの

いのちの喜びにあふれた熊谷守一の絵に、温かなことばが寄り添った絵本『はじまるよ』 

いのちの喜びにあふれた熊谷守一の絵に、温かなことばが寄り添った絵本

『はじまるよ』

孤高の画家であり「画壇の仙人」とも称された熊谷守一さん。自然の営みを飽くことなく見つめ、その晩年には、アリやカエルやカメなど、自宅の庭先の小さな生き物たちを描き続けました。単純化されたユーモラスな構図のなかに、いのちの喜びがあふれた数々の絵画作品を残しています。

ま ばゆい光を放つ朝の太陽、青空に羽を広げるクマンバチ、池をのんびり泳ぐカメ、動きまわるカエルたち、夜空に浮かぶ白い月……。絵本『はじまるよ』は、熊谷さんの絵のなかから子どもたちに身近なモチーフが描かれたものを選び、ゆるやかな一日の流れに沿って構成した絵本です。

それぞれの場面にあわせて素直であたたかな詩を綴ったのは、熊谷さんの画業を心から敬愛する、詩人のぱくきょんみさん。絵にそっと寄り添い調和したことばが、子どもたちを、いのちの喜びにあふれた熊谷さんの絵の世界にいざないます。

この絵本は、なにより幼い子どもたちに届けたいと願い作られましたが、温かな絵とことばが紡ぐ深遠な“いのちの讃歌”を、ぜひおとなの方にも手にとって感じていただけることを願っています。

また、2017年12月1日から、東京国立近代美術館で、没後40年の回顧展「熊谷守一  生きるよろこび」が開催されます。約200点の絵画作品が一堂に会します。2018年3月21日まで開催していますので、お出かけください。
http://kumagai2017.exhn.jp

2017.11.30

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