日々の絵本と読みもの

ブルーナさんが贈る数字の絵本『わたし たしざん できるの』『かぞえてみよう』

『わたし たしざん できるの』

子どもは、数を数えるのが大好き。数に興味を持ち始めた子どもにとって、ひとつひとつ指さしながら数えることは、自分の世界を広げてくれる楽しい体験です。うさこちゃんシリーズの作者・ディック・ブルーナさんの絵本『かぞえてみよう』には、思わず数えたくなるような色鮮やかなものが並んでいます。灯のともったろうそく、女の子のお下げに結ばれたリボン、りんご、スプーン、こうさぎ……。子どもにとって身近なものや、動物が次々と登場し、その横には大きく書かれた数字が配置されています。

そして、数を数えることから1段階進んで、全部でいくつになるかな? と興味を持ち始める子どもたち。『わたし たしざん できるの』はそんな子どもたちの「足してみよう」というわくわくした気持ちを満たしてくれることでしょう。1個のコップと1個のコップ、足したら2。青いはさみ2本と、赤いはさみ1本を足したら、3。赤い靴下2足と黄色い靴下2足、足したら4……。明快なフォルムと明るい色づかいの絵が、子どもを楽しく足し算の世界にいざないます。


ブルーナさんは、「絵本を見た子どもたちが『色や形、数というのはこんなにおもしろいものなんだ!』と感じてくれているとしたら、ぼく自身が絵本をつくりながら、それをおおいに楽しんでいるからなのだと思います」と語っています。勉強させるために作った絵本ではないからこそ、子どもたちの心を引きつけるのかもしれません。数を通して、子どもの世界が広がる喜びを、親子で体感していただけることを願っています。
 

2018.02.19

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