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美しい南の海の中、迫力いっぱいのタコの絵本
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秋野和子(あきの かずこ)
1945年、岡山県生まれ。フリーのラジオリポーターを務めた後、ヨーロッパを経てカナダに5年滞在。絵本の仕事に亥左牟さんと共作の『とうもろこしおばあさん』 『はまうり』『サシバ舞う空』(以上福音館書店)などがある。
秋野亥左牟(あきの いさむ)
1935年、京都生まれ。1962年からインド、ネパール、ヨーロッパ、メキシコ、カナダに在住。絵本の仕事に『プンクマインチャ』『とうもろこしおばあさん』『はまうり』『サシバ舞う空』、詩画集に『おれは歌だ おれはここを歩く−−アメリカインディアンの詩』(金関寿夫訳)(以上福音館書店)がある。16年間の沖縄小浜島での暮らしを経て、広島県在住。 |
画家の秋野亥左牟さんは『プンクマインチャ−ネパールの民話』(福音館書店)のすばらしい絵で印象にとどめている方も多いことと思います。その秋野さんは世界各地を放浪されたあと沖縄の小浜島に住み、絵をかく漁師になりました。その16年間に海の中のタコを見つけたり食べたりして暮らし、小浜を離れるときにこの絵本を描いてくださいました。というわけで、この絵本には秋野さんでなければ表現できない迫力のあるタコの姿が描かれています。
文をかかれた和子さんは離島での暮らしで苦楽をともにされ、おいしいタコを料理し、この絵本の生き生きしたことばを描いてくださいました。
取材にうかがった時の小浜島での秋野さんたちの暮らしは、海と自然に囲まれて、トイレは自然のトイレだったり、お風呂は庭にあったり、お魚は七輪で焼いたり、というものでしたが、実にのびのびとしたものでした。やはり取材で見せていただいた海のなかも、この絵本の絵のように美しく、穴に隠れていたタコはやはりすごい迫力で墨をはいていました。
長い年月のなかであたためられたこの絵本をたくさんの子どもたちがタコの気持ちになって楽しんでくれることを願っています。 |
16年間沖縄の海で、タコを見、タコを捕って暮らしていた画家の秋野亥左牟さんが描いた楽しいタコの絵本です。タコは外敵から身を守るため「たこなんかじゃないよ」と、珊瑚になったり海草になったり水になったりする変身の名人。いざとなれば墨で姿をくらまし、おなかがすけば魚をがりがりむしゃむしゃ。そんなタコの姿が、タコを知り尽くした画家にしか描けない迫力で描かれます。そしてタコの住む海の中が、岩を削ってつくった顔料などもまぜながら美しい色彩で描かれます。
「たこは変身する。おれはたこを画いている間、たこと一緒に海草になったり、さんごになったり、透きとおった水になったり、化けまくって、しまいには自分で誰だか、たこだか、海だか、人間だか、わからなくなっていた。考えてみれば、人間も何者かに変身して生きている。例えばサラリーマンになったり、主婦だったり、大人になったり、子どもだったり、男や女を演じて生きている。そして夜の床の中ではじめて裸の自分を見いだし、<わたしはタコ、わたしはじぶん>とおもってねてしまう。」(「こどものとも」折り込み付録・作者のことばより)
リズミカルな楽しい言葉とともに、自分もタコになって「たこなんかじゃないよ」と楽しんでしまう絵本です。 |

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