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ぼくの風船を追いかけて、せーの……
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深川直美(ふかがわ なおみ)
兵庫県神戸市出身。幼い頃からのマンガ好きがこうじて、絵を描きはじめる。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科中退後、ソフトウェア開発会社やウェブ制作会社でグラフィックデザイナーとして勤務。デジタルコンテンツのデザイン全般に関わる。2001年にフリーのイラストレーターとして独立。2003年、第134回ザ・チョイス準入選。2004年、個展「深川直美の大ジャンプ展」をきっかけに絵本を執筆。現在、雑誌・書籍・ウェブ等を中心に活動をしている。東京都在住。 |
深川直美さんのお姉さん、深川和美さんはすてきな歌手で、たいぶ前から、谷川俊太郎さんたちとともに、詩の朗読と音楽によるコンサートを全国で行っています。ぼくはファンで、お姉さんのほうを知っていました。ある日、「妹の個展をみませんか」と直美さんを紹介してくれました。その個展をみてびっくりしました。絵本を描いたことも考えたこともないという直美さんが描いた絵は、動きがあって、つながりがあって、とても絵本的だと思いました。聞くところによると、小さいころから絵本をいっぱい読んで育ったとわかりました。
その個展から絵本の企画が生まれて、着々と進めていきました。2年間のあいだ、数え切れないほど何度も何度も絵と文を描き直してくださり、ついに完成したのはこの絵本です。
自信をもってお勧めする斬新な感覚の絵本です。小さな風船から膨らんでいくファンタジー、ユーモアたっぷりの展開、清潔感のある美しい絵……有望な新人絵本作家として、これからも活躍していただきたいと思っています。 |
ゴンちゃんがお祭りでママに風船を買ってもらいました。「気をつけてもつのよ」とママがいったのですが、ヒュッと風が吹いて、ゴンちゃんは風船から手を離してしまいました。風船は、ふうわりふわふわ飛んでいきます。ママがあわててジャンプしましたが届きません。たこ焼き屋のおじさんは風船をつかまえようとして、飛び上がったひょうしにお店をひっくりかえしてしまいました。「そこの風船! とまらないと逮捕するぞ!」と警官が叫びましたが、風船は命令なんて聞きません。「グルルル! これはオレのだぜ!」「いや、オレのだよ」と、サーカスのライオン兄弟がけんかをはじめました。公園のハトたちがいっせいに飛び立って追いかけましたが、おしあいへしあいで、風船を見失ってしまいました。宇宙飛行士もロケットで追跡しますが、風船はつかまりません。こうなったら……、ゴンちゃんは大きく息を吸うと、低く身構えて、「せーの」……。
ユーモアたっぷりのストーリーに、コンピューターグラフィックスと水彩による美しい絵。斬新な感覚の絵本です。
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