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トラはネコから獲物を捕る技を教わりましたが……
著者紹介
大島英太郎(おおしま えいたろう)
栃木県生まれ。子どもの頃から生き物に興味をもち、10代の時から身のまわりの自然のなかで野鳥や昆虫の観察をしながら、絵を描きはじめた。 絵本に、『ねんにいちどののみのいち』(福音館書店「こどものとも年中向き」)、『みぢかなとりのずかん』『とりになったきょうりゅうのはなし』(福音館書店「かがくのとも」)などがある。栃木県小山市在住。
編集担当からのメッセージ
 この昔話は、中国では知らない人がいないほど有名です。故郷が中国であるぼくも、子どものころ、この話が大好きでした。なぜネコの拡大版のようなトラは木に登らないのか、なぜネコが高い屋上から飛び降りても怪我をしないのかなど、疑問に思っていましたから。
 10年も前だったでしょうか、大島さんにこの話をすると、大いに気に入ってくださいました。それから、このおもしろい話をいかに絵本にするかということがはじまりました。
 大島さんが描く動物や鳥の絵はたいへん巧みで、自然界の万物を心から愛している温かい気持ちが伝わってきます。以前、『ねんにいちどののみのいち』(こどものとも年中向き)を担当させていただいたときも、動物について教えられることがたくさんありました。今回も、時間をかけて完成度の高い絵本ができました。
 中国には、華南トラ、東北トラ〈アムールトラ〉などが生息していますが、絶滅の危機に瀕しています。一方、日本同様、多くの家庭でネコは家族のように暮らしています。同じ祖先をもっているのに、どうしてこんなにも違っているのか、トラとネコの話は、まだまだ奥が深そうです。
くわしい内容紹介
 むかしむかし、トラとネコは山のなかで暮らしていました。そのころ、トラはいまと違って、とてものろまで、狩りをするのが下手でした。いっぽうネコは、トラよりずっと体が小さいのに、毎日、たくさんの獲物を捕ってくるのです。そんなネコの姿をみるたびに、トラは、「いいなあ……おれもあんなふうに上手に獲物が捕れるようになりたいなあ!」と、思っていました。そこで、「狩りの方法をこのおれにも教えてくれよ!」と、ネコに頼みました。あまり熱心なので、ネコはとうとう教えることにしました……。
 自然界では、ネコやヒョウなどのネコ科の動物は木に登るのが得意で、ライオンもときどき木に登ります。ところが、トラだけは例外的に、ほとんど木に登ることがありません。このようなトラとネコの生態をよく知っている中国の人々が生み出した昔話を、絵本にしたものです。


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