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 ★  あのねメール通信~福音館書店メールマガジン  2002年4月5日 Vol.5 ★
               
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         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆          

《1》 言葉の大切さを伝える『おおきなかぶ』 松居直
《2》 「母の友」編集室の窓から
《3》 『あなたの小さかったとき』著者・越智登代子さんのエッセイ
《4》 月刊誌最新号<2002年5月号>のご案内
《5》 4月の新刊・復刊のご案内
《6》 創立50周年記念講演会・広島会場のご案内
《7》 「あのねぶっくくらぶ」ホームページ受付中

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《1》言葉の大切さを伝える『おおきなかぶ』 松居直
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 人はひとりでは生きてゆけません。共に生きてゆく人が必要です。子どもにとっ
て共に生きてゆく人は家族です。親や兄弟姉妹です。ところがいまやその家庭とい
う、生活を共にする場が崩壊しつつあります。
 衣食住を共にしていても心がつながっていなかったり、気持ちがばらばらであっ
たり、食さえも共にしていなかったりといった有様では、子どもは“共に生きる喜
び”をしっかり体験できませんし、育つ力も、自分で生きてゆく力も身につきませ
ん。つまり大人になれないのです。
 過去にはムラ社会という地域の生活共同体がありましたが、都市化がすすむなか
でムラ社会は失われ、隣近所もなくなり、核家族化もすすみました。そしていまそ
の核家族の崩壊がおきています。子どもに居場所がないのです。
 しっかりした心の寄り所をもたぬ不安定な子どもが、幼稚園という集団生活の場
へ送りこまれてくる現状では、保育崩壊がおきることは目にみえています。学級崩
壊の根も家庭にあるとおもいます。一方的に教師や学校の責任にすることはできま
せん。子どもの育ちに全責任をもつのは親です。子どもは家庭で育ち、家から学校
や幼稚園に行って、必ず家に帰るのですから、家庭こそが子どもの生活の原点で
す。
 共に生きる場、生きる喜びを共にする家庭を支えているのは言葉です。言葉は人
と人をつなぐ目に見えない絆です。心さえ交わりあわせられるのです。家庭に言葉
が失われてゆけば家族は崩壊します。逆にゆたかなあたたかい言葉が親と子の間に
日常かわされていれば、子どもは安心して生きる場をもち、そのなかで育つ力を養
われます。
 そんな言葉の力を伝えてくれる絵本が『おおきなかぶ』です。とくに初めて幼稚
園生活をする子どもに、お父さんがぜひ読んでやってください。うんとこしょ、
どっこいしょ! とかけ声をかけて…。

(「全日私幼連PTAしんぶん」第457号より転載)

『おおきなかぶ』 A・トルストイ 再話/内田莉莎子 訳/佐藤忠良 画

松居直(まつい ただし)
1926年京都府生まれ。同志社大学法学部卒業。福音館書店の設立と同時に編集長に
就任。現在は相談役。編集長時代に月刊絵本「こどものとも」を創刊。児童文学な
どの評論活動も行う。絵本の作品は『だいくとおにろく』『ぴかくんめをまわす』
(ともに福音館書店)、評論に『わたしの絵本論』(日本エディタースクール)な
どがある。絵本の最新作に『桃源郷ものがたり』(福音館書店)。

『桃源郷ものがたり』 松居直 文/蔡皋 絵

『だいくとおにろく』 松居直 再話/赤羽末吉 画

『ぴかくんめをまわす』 松居直 作/長新太 絵

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《2》 「母の友」編集室の窓から
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 数日前、あるアニメ映画をめぐり、著作者はプロデューサーだとして、原作の漫
画家の主張を退けた判決がありました。アメリカではプロデューサーは大きな力を
持ち、社会的にも花形なのに、日本では影の存在でした。が、最近その活動が徐々
に注目されています。
 プロデューサーって何? ということで、「母の友」5月号では、「踊る大捜査
線 THE MOVIE」などのプロデュースで知られる堀部徹さんにインタビュー。その
結果、わかったこと:単行本の編集者に似ている――ただし、規模が違います。
1本の映画には、様々な分野の数え切れぬほどたくさんの人が関わっています。プロ
デューサーは、その、人の力をまとめあげ、見えないものを見える形に作り出す
仕事、と言えるでしょうか。
 違う職種の人の話は新鮮で刺激があり、世間の広さを感じさせます。いろんな仕
事、いろんな道があるんだなという感動を、子どもたちにも伝えてやりたいと思わ
せます。

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《3》『あなたの小さかったとき』著者・越智登代子さんのエッセイ
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“「あなたの小さかったときはね…」、親だけが知っている、珠玉の物語”

 あるスイミングクラブでのこと、25メートルを初めて泳げた幼稚園くらいの男
の子に、コーチが弾んだ声をかけました。
 「すごい!、よくがんばった。お母さんに報告しようね」。すると、
 「やだよ、お母さんには言わないで。次は『50メートルがんばれ』って言われ
るもん」。驚くほど醒めた声が返ってきました。
 こうした自分の頑張りや、達成感を素直に喜べない子どもたちが増えています。
その背後には、もちろん、子どもを追い立てている親の存在があるのですが。
 わが子の元気な産声に、ただただ、その誕生を喜び、どんな小さなことでも、
 「ねえねえ、今日、声を出して笑ったの」、「おもちゃを自分でつかんだのよ」
と、その成長を見守り、親ばか丸出しで喜こべた赤ちゃん時代。多くの親の眼差し
には、成長への謙虚なよろこびや、健康への感謝があったはずです。それが、いつ
の間にか…。

 今から13年前、『母さんの小さかったとき』という絵本を脱稿したときから、
『あなたの小さかったとき』を書きたいと、ずっと思い続けてきました。
 当時、まだ小さかった娘に、話し聞かせていた即興話の人気リクエストが、この
二つだったからです。娘は、私の小さかったときの泣き笑い顛末記に溜飲を下げる
以上に、
 「あなたの小さかったときはね…」、
で始まる、自分の赤ちゃん時代の話に目をランランと輝かせていました。まるで、
親に愛されて、大切に育まれ、たくさんの喜びを与えてきた自分の存在を確かめる
かのように。
 また不思議なことに、イライラ、ガミガミ母さんになっていた私自身も、この話
をすると、なぜか優しくなれたのでした。よくぞ、ここまで大きくなった…と、忘
れかけていた親の喜びを再発見していたのです。

 子どもの成長と共に、親はつい、わが子の欠点ばかりが目につくようになりま
す。他の子が気になり、「もっともっと」と、お尻をたたきたくもなります。
 そんなとき、親子でちょっと立ち止まり、成長を確かめ合うことができたら。そ
んな願いを込めて、この絵本を創りました。(もちろん、わが子が、一人で大きく
なったような生意気な顔をしたときもですが)。
 この絵本をきっかけに、「あなたの小さかったときはね…」と、世界中で唯一、
親だけが語れる、かけがえのないわが子の成長物語が始まることを願っています。
 そして、子ども自身にも気づいて欲しいのです。生まれたときから一つ一つ獲得
してきた、自分の力の偉大さに。
 特に、兄弟が少なくなった今は、乳幼児に身近で触れる機会も少なくなりまし
た。その成長の素晴らしさを語る義務と、特権が親にはあり、それを聞く権利と楽
しみが、子どもにはあると思えてなりません。この絵本が、そうした糸口になれば
幸いです。

『あなたの小さかったとき』越智登代子 文/藤枝つう 絵

越智登代子(おち とよこ)
『生活図鑑』『母さんの小さかったとき』『ただいまお仕事中』(以上 福音館書
店)をはじめ、『そのとき役立つ介護読本』(東京書籍)、『親が65歳を過ぎたら
男が読む本』(ベネッセ)他。高齢者、教育、育児などを雑誌、新聞等に執筆のか
たわら、テレビ、シンポジウム等でも活躍。

『母さんの小さかったとき』越智登代子 文/ながたはるみ 絵

『生活図鑑』越智登代子 文/平野恵理子 絵

『ただいまお仕事中』越智登代子 文/秋山とも子 絵

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《4》 月刊誌最新号<2002年5月号>のご案内
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◇◆ こどものとも0.1.2.『えーん えんえん』
                           すとうあさえ 文/柚木沙弥郎 絵   ◇◆
赤ちゃんが泣いていると、ネコ、カンガルー、カバと次々にやってきて、遊んでく
れます。最後にやってきたのは、だれでしょう…?

◇◆ こどものとも年少版『はりがねハンガー』
            のさかゆうさく 写真・絵・文      ◇◆
 ハンガーを曲げたり、いくつも組み合わせたりすると、ぺんぎんやうさぎやぞう
に早変わり。最後は、恐竜まで登場します。

◇◆ こどものとも年中向き『だいすきセレスティア』 池谷陽子 作 ◇◆
 「私の家は牧場。たくさんの牛がいます。犬も猫も鶏もみんな雌牛のセレスティ
アが大好き。」布で描かれた詩情豊かな絵本です。

◇◆ こどものとも『トイレとっきゅう』 織茂恭子 作       ◇◆
 夜中にぼくが眠い目をこすりながら、おしっこにいったら、なんとトイレが遠足
に出かけてしまいます。困ったぼくは……。

◇◆ ちいさなかがくのとも『ちょうちょ くるかな』
                          山下恵子 文/広野多珂子 絵      ◇◆
 つつじの花のところでちょうちょがくるのをまっている女の子。じっとまってい
るうちに、つつじに集まるさまざまな虫の世界が見えてきます。

◇◆ かがくのとも『みんなで おちゃづくり』 笠野裕一 作     ◇◆
 お茶ってどうやってできるの? おじいちゃんといっしょに、手作りのお茶づく
りを体験します。お茶も大きな自然の恵みなのです。

◇◆ おおきなポケット【かがく】「ともだちにヤギ! 
                     こちら どうぶつ小学校」
                 福田豊文 作
           【ものがたり】「ねずみの じどうしゃ」
                   たしろちさと 作      ◇◆
【かがく】「ともだちにヤギ!  こちら どうぶつ小学校」
 動物園で好きな動物は? と大人に聞くと、ヤギはちっともでてきません。で
も、子どもをみていると…。身近な動物たちと友だちになる方法をご紹介します。
【ものがたり】「ねずみの じどうしゃ」
 おもちゃ屋のねずみが見つけた、古いミニカー。ねずみたちは、自動車を改造
し、町へと走り出しました……。 

◇◆ たくさんのふしぎ 『おおふじひっこし大作戦』
            塚本こなみ 文/一ノ関圭 絵       ◇◆
 毎年5月になると新聞、TVで紹介される「あしかがフラワーパーク」の大藤。
女性樹木医第一号の著者が語るその大藤ひっこしの顛末記。

◇◆ 母の友 特集“子どもに本は本当に必要だろうか”      ◇◆
 児童書の編集者、そしてビアトリクス・ポター研究の第一人者として知られる
ジュディ・テイラーさんが、絵本の大切さとその魅力を語ります。

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《5》 4月の新刊・復刊のご案内
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 今月は幼児絵本シリーズ3点、探険シリーズ2点など9点出版いたします。ま
た、1点、復刊・限定出版いたします。

《発売中》
◎雨の日、動物たちが色々な傘を持って登場!
『かさ かしてあげる』 こいでやすこ 作

◎5匹のこぶたと変幻自在なかげこぶたのお話
『こぶた かげこぶた』 小野かおる 作

◎どろだんご作りの名人になれるぞ!
『どろだんご』 たなかよしゆき 文/のさかゆうさく 絵

《4月10日(水)発売予定》
◎この本を開けば、あなたは海にいる気分
『海へさがしに』 デブラ・フレイジャー 作/井上荒野 訳

《4月17日(水)発売予定》
◎よみがえった古き良き時代の名作絵本
『なくなった あかいようふく』 村山籌子 作/村山知義 画/村山亜土 再話

◎気象の背後にあるすさまじい自然の力を究明
『地球気象探険 -写真で見る大気の惑星』
                   マイケル・アラビー 著/小葉竹由美 訳

◎頭のてっぺんからつま先までわかる1冊
『人体探険 -最新画像でながめる人体の不思議』
                  リチャード・ウォーカー 著/中野博美 訳

《4月24日(水)発売予定》
◎動物学校のカモノハシくんはだれの仲間?
『カモノハシくんはどこ?』
      ジェラール・ステア 作/ウィリー・グラサウア 絵/河野万里子 訳

◎ローラの母さん、キャロラインの少女時代の物語、待望の2作目
『十字路の小さな町 -クワイナー一家の物語2』
    マリア・D・ウィルク 作/ダン・アンドレイアセン 画/土屋京子 訳

【復刊 限定出版】
《4月10日(水)発売予定》
◎女の子の夢をこの上なくかきたてさせる絵本
『わたしのおふねマギーB』 アイリーン・ハース 作・絵/内田莉莎子 訳

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《6》 創立50周年記念講演会・広島会場のご案内
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 2月に創立50周年を迎えた福音館書店は現在、読者の方、子どもと子どもの本
に関わるすべての方に感謝の気持ちをこめて、記念講演会を全国で開催しておりま
す。今回は広島会場のご案内です。

開催日 2002年5月18日(土)14:00~17:30
会 場 中国新聞ホール(中国新聞ビル7階)
    広島市中区土橋町7番1号 TEL 082-236-2455
定 員 540名
主 催 (株)福音館書店
後 援 日本国際児童図書評議会(JBBY)
        中国新聞社
講師は元永 定正さんと中村 柾子さんです。
*詳細、申込方法等はホームページ上でご案内しております。お申し込みの締め切
りは2002年4月22日ですが、受付は先着順ですのでお早めにお申し込み下さい。

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《7》「あのねぶっくくらぶ」ホームページ受付中
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 毎月、選りすぐりの絵本を1冊お届けする「あのねぶっくくらぶ」。年齢、興味
に応じた6つのコースがあり、1年間と半年間の購読期間があります。ただいま4月
からの1年間と9月までの半年間の2つの期間のお申し込みをホームページでも受
付中です。9月と3月にはささやかなプレゼントもお届けします。締切は4月30日で
す。お申し込みお待ちしております。

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◆発行者:株式会社福音館書店 販売促進部宣伝企画課
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