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 ★あのねメール通信~福音館書店メールマガジン2010年3月3日 Vol.100 ★
            

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         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆

《1》 連載:絵本美術館の片すみで(最終回) 竹迫祐子
《2》 月刊誌最新号<4月号>のご案内
《3》 月刊誌編集部からこんにちは
《4》 『ゆかいな農場』の訳者、さくま ゆみこさんのエッセイ
《5》 3月の新刊のご案内
《6》 書籍編集部だより
《7》 原画展のお知らせ

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《1》連載:絵本美術館の片すみで(最終回) 竹迫祐子
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・『もけらもけら』山下洋輔 文/元永定正 絵/中辻悦子 構成

 「月齢の低い子どもには、絵本の絵は、はっきりとした輪郭線と明快な色彩で
なければ理解できません」と、K先生はおっしゃいました。35年前の幼児教育の
講義でのこと。「えっ、えー!?」と内心、声をはりあげました。私が好きなファ
ーストブック『いないいないばあ』も『おふろでちゃぷちゃぷ』も、どう見たっ
て「はっきりとした輪郭線」でも、「明快な色彩」でもありませんから……。 
 「例えば……」と例にあげられたのは、D・ブルーナの「うさこちゃん」。以
来、うさこちゃんには、鬱々と複雑な思いを抱くことになります。今にして思え
ば、ブルーナの絵本「うさこちゃん」は、結構、難解。デザイン化された主人公
は、さして表情が変化することなく、つぶやくような言葉とともに展開するスト
ーリーは、ある意味、抽象的。詩的で哲学的。赤ちゃん絵本の典型のように単純
に言い切られると、複雑な思いがあります。
 1990年に絵本『もけらもけら』が出版されたときには、お母さんや先生から、
「こんな絵本を出されては困ります」という苦情が出版社に寄せられたと、以前、
作者の元永定正さんが嘆きながら話してくださいました。絵は、日本の現代美術
の世界の大御所・元永定正。テキストは世界的なジャズピアニスト・山下洋輔。
「こんな絵本」とは、「どんなふうに読んだらいいのか分からない」絵本、とい
う意味ですが、大人の困惑とは裏腹に、概して子どもたちはこの絵本が好き。確
かに、私の経験でも、「もけらもけら でけでけ」と読み始めると、聞いている
大人たちは、なんだかバツの悪そうな表情ですが、その横で子どもたちはググー
ッと惹きつけられ、理屈抜きに絵本の世界に入ってきます。元永さんの抽象絵画
は、文字通り「はっきりとした輪郭線」と「明快な色彩」。リズミカルな画面構
成は、まさに絵のなかから音が聞こえてきそうな作品です。絵と音とが響きあっ
て、なんとも心地よい世界が展開します。一見すると、ストーリーの展開などま
ったくないような、それでいて色と形と音のストーリー展開をイメージしてしま
うような、不思議な世界。絵本が、人間の感覚にそのまま働きかけることを、こ
の絵本は見事に示したといえます。
 「『もけらもけら』は、パンドラの箱を開けた。この絵本のおかげで、なんで
もありになった」といった人がいます。ギリシャ神話にでてくるあのパンドラの
箱。開けるとさまざまな災いがでてきたという、あれです。
 赤ちゃんがキャッキャと体ごとで喜んでいる姿を見たり、自閉傾向があって日
ごろは絵本を読んでもらってもちっとも見ない子が、「もけらもけら……」と始
まるや、夢中になって聞き入っている。そんな光景にであうと、この絵本が生み
出したものは、むしろ、さまざまな災いからは遠いものであったように思えます。
 考えてみると、絵本に限らず、また、芸術表現に限らず、どのような分野でも
新しい試みは旧来の価値観からは異端と見なされ、批判の的になることが少なく
ありません。『もけらもけら』だけでなく、長さんの『ごろごろにゃーん』がで
たときも、「どう読んだらいいのかわからない」といった声はきかれましたし、
ちひろの『戦火のなかの子どもたち』がだされたときも、「子どもにこの絵本は
……」と、困惑した人がいました。
 10年20年と時が経過するなかで、かつては革新的な挑戦と思われた絵本も定番
となって愛されている、そんな絵本も少なくありません。『もけらもけら』が生
まれてきた背景には、そうした先人の試みや挑戦があり、また『もけらもけら』
がさらに新たな挑戦を生み出し、許容する土壌をつくりました。
 難しいのは、新しい表現の真価を見極めること。これは、美術の世界でも同様
で、評価の定まった作品を取り上げることはできても、新しい芸術表現への評価
は大層難しく、結果、評価することを避けたり、無批判にすべてを受け入れたり、
逆にすべてを排斥したり。極端な対応になることがままあります。
 美術館の片隅で、そんなことを考えながら、今日も絵本を開いています。

★『もけらもけら』
  山下洋輔 文/元永定正 絵/中辻悦子 構成 定価1260円


竹迫祐子(たけさこ ゆうこ)
1956年、広島生まれ。1984年よりいわさきちひろ絵本美術館(現ちひろ美術館・
東京)に入り、96年より安曇野ちひろ美術館に勤務。館内の展覧会企画をはじめ、
地方で開催される「いわさきちひろ展」を担当。共著に『ちひろ美術館が選んだ
親子で楽しむえほん 100冊』(メイツ出版)、著書に『ちひろの昭和』『岡本帰
一』『初山滋』(以上、河出書房新社)など。


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《2》月刊誌最新号<4月号>のご案内
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☆月刊誌最新号<4月号>は、ただいま発売中です。

◇◆こどものとも0.1.2.『まっててね』
              松野正子 文/鎌田暢子 絵 定価410円   ◇◆

子猫や子りす、人間の赤ちゃん……子どもの呼ぶ声に、お母さんが優しく「まっ
ててね」。ごはんをたっぷりもらって嬉しい笑顔です。

◇◆こどものとも年少版『あかいぼうし』
            岸田衿子 作/山脇百合子 絵 定価410円    ◇◆

女の子の赤い帽子。犬やゾウがかぶってみますが、うまくいきません。ウサギは
帽子をかぶらずにもっていきます。どうするのかな?

◇◆こどものとも年中向き『まどからのおくりもの』
             鈴木永子 作 定価410円          ◇◆

じゅんくんは病気のななちゃんに見せたかったアゲハが逃げてしまって落ち込ん
でいます。でも、そのアゲハは……。

◇◆こどものとも『のいちごつみ』
         さとうわきこ 作 定価410円            ◇◆

おいしいジャムを作ろうと、野いちごをかごいっぱい摘んだばばばあちゃん。ち
ょっと一粒食べてみようかねと食べはじめたら……。

◇◆ちいさなかがくのとも『はい! うさぎです』
             澤口たまみ 文/秦好史郎 絵 定価410円   ◇◆

うさぎさんに触ってみよう! お膝の上に「はい、どうぞ!」。ふわふわしてい
て、あったかい。触ってはじめて気づいたよ。

◇◆かがくのとも『このあいだに なにがあった?』
         佐藤雅彦+ユーフラテス 作 定価410円       ◇◆

「毛がもこもこ」の羊が「短い毛」の羊に。この間にどんなことがあった? 答
は「羊の毛を刈った」から。間に起こった出来事を推理する写真絵本。

◇◆おおきなポケット かがくのポケット「きりがみチョッキン」
    内田かずひろ 文・絵/テリー・スザーン 切り紙 定価770円   ◇◆

カニの子・チョッキンの案内で、簡単な形を組み合わせて、すてきな切り紙を作
ろう。他に楽しいお話2編。

◇◆たくさんのふしぎ『重さと力 科学するってどんなこと?』
           池内了 文/スズキコージ 絵 定価700円     ◇◆

月はいつも落ちつづけている!? 重さをめぐって考えながら、科学とはどんなこ
となのか、その道筋をまるごと感じる本。

◇◆母の友 特集「わかって安心! 子どものからだ」 定価530円    ◇◆

子どもの行動は発達過程と関連があるようです。「子どものからだ」について紹
介します。

★こちらから「母の友」4月号の目次をご覧いただけます。



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《3》月刊誌編集部からこんにちは
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☆毎月交代で月刊誌の編集部から読者の皆様にむけたメッセージをお届けしてい
ます。今月は「たくさんのふしぎ」編集部です。“「母の友」編集室の窓から”
も、毎月、このコーナーに掲載します。

◇◆「たくさんのふしぎ」編集部から◇◆

 3月号『おかし』は楽しんでもらえましたか? 通巻300号をむかえた月刊「た
くさんのふしぎ」(全300号の内容は 弊社HPでご覧いただけます)ですが、25
周年をこえても、いっそう元気に子どもたちと摩訶不思議な世界を共有したい!
というわけで、4月号の、宇宙物理学者の池内了さんと絵本作家スズキコージさ
んによる『重さと力』から再出発です!
 地球もリンゴに向かって落ちている? 月も地球に落ちている?? 重さがある
とは 力があることだ! さもあたりまえのように感じている現象も、よ~く考え
てみると、わかるようでわからないことだらけかもしれません。ムズカシイ物理
学の基礎の基礎ですが、池内さんのジャストでやわらかな文章と、コージズキン
の大胆でたのしい絵のチカラがあわさって、万物がそこここにあるさまを、まる
ごとごくりとのみこんでしまえます。1冊をとおして、科学するとはどういうこ
とかを体感できる作品です。
 つづく今年の「たくさんのふしぎ」には、草山万兎さん(動物学者・河合雅雄
さんです)による“自然のススメ”『オオムラサキ舞う森』、竹田津実さんが動
物の親子のありかたを見つめて書いた『キタキツネのおかあさん』、名ブックデ
ザイナー祖父江慎さんによるフッシギーな『もじのカタチ』。それから鳥の声の
聞き分けに、世界中の街で見つけた怪獣たちに、すてきにワクワク建築空間、竹、
白鳥、月にいく方法まで! 2010年もおもしろい作品が目白押し! これからも、
元気でバラエティゆたかな「ふしぎ」を、たくさんお楽しみください。

★こちらから「たくさんのふしぎ」をご覧いただけます。



◇◆「母の友」編集室の窓から◇◆

特集「わかって安心! 子どものからだ」

 新入園・進級と、子どもの環境が変わるときは、親も環境が変わります。新し
い場所でなくても緊張は生まれますし、時にはそれが不安を呼び起こすこともあ
るでしょう。でも、大丈夫、時間が解決してくれますから。子どもの成長は、体
を大きく育てるために、順番に少しずつ発育していきます。だから焦らないこと
です。親は、ともすれば子どもがすっかり大人と同じように行動できるものと思
いがちですが、そう思っていらっしゃる場合は、ぜひ4月号をお読みください。
子どもの体の発達について、ご紹介しております。
 また、子どもを産んだらすぐに親になって、子育ても順調にできるものだと思
いこんでいた親御さんにもエールを送る記事があります。「母の友」は、“ゆっ
くり子育て たっぷり絵本”を合い言葉に今年もたくさん企画していきます。福
音館ならではの絵本コーナーも充実。どうぞお楽しみに。

★こちらから「母の友」4月号の目次をご覧いただけます。


★こちらから「母の友」のブログをご覧いただけます。



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《4》『ゆかいな農場』の訳者、さくま ゆみこさんのエッセイ
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    長い年月の果てに
                     さくまゆみこ

 アメリカのミネソタ大学に絵本原画のコレクションを見にいったことがありま
す。日本から出かけていったグループの団長は今は亡き渡辺茂男先生で、私たち
はミネソタ大学の大学寮に泊まり、現地の絵本関係者と交流したり、ワンダ・ガ
アグの生家や子どもの本のお店を訪れたりしたのですが、なんといってもいちば
んすばらしかったのはアメリカの黄金時代の絵本の原画や資料を手にとって見ら
れた点です。私も白手袋をして、前もってリクエストしてあったセンダックの絵
本ダミーやバーバラ・クーニーやロジャー・デュボワザンの原画や資料を食い入
るように見て至福の時を過ごしました。
 ところで、この大学には小さな書店があり、私はある日そこで"The Wonderful
 Farm"というペーパーバックを見つけました。まず最初に目にとびこんできたの
は、ロバとガチョウと女の子2人を描いた表紙の絵でした。『ゆかいな農場』の
アメリカ版で、表紙ばかりでなく挿絵もモーリス・センダックがつけていました。
 私はその頃、冨山房という出版社に勤めてセンダックの本の日本語版も何冊か
担当していたので、早速この本を資料として買って帰りました。
 後にフリーの翻訳者になったとき、私はこの本のことを思い出し、日本の子ど
もたちにも紹介したいと考えて福音館書店にもちこんだのでした。
 幸い福音館書店でも気に入ってくださり、出版しようということになったので
すが、そこから先に大きな難関が待ち構えていました。契約は無事にできたので
すが、表紙についてどんなに連絡をとっても、センダック側から返事がこなくな
ってしまったのです。
 モーリス・センダックというのはとても気むずかしい人らしく、聞くところに
よると、原著出版社との契約書にも、「声を掛けていいのは○○と△△と□□だ
けである」と具体的な人物名が3名ほど明記してあるとか。それ以外の人は、た
とえエレベーターでセンダックと乗り合わせても、気軽にあいさつなどしてはい
けないらしいのです。またご老体でもあるので、めんどうなことは無期限に後回
しにしてしまうのかもしれません(ちなみに、同時期に別の出版社で進めていた
『ブルンディバール』というセンダックの絵本も、長いこと進行がストップして
いました)。
 何年もの間催促を繰り返していた福音館書店は、とうとう業を煮やしてセンダ
ックの挿絵をあきらめ、独自の挿絵を考えることになりました。その結果、最初
は英語から訳していた私も、もう一度フランス語から訳し直さなくてはならなく
なったのですが、そのあたりについては、この本の後書きを見ていただきたいと
思います。
 ともあれ、さとうあやさんが、センダック以上のあったかいすてきな絵を描い
てくださり、長いことお蔵に入ったままだった本が日の目を見ることになりまし
た。辛抱強く編集作業をしてくださったMさんと、装丁に苦心なさった森枝雄司
さんに感謝です。

★『ゆかいな農場』
  M・エーメ 作/さくまゆみこ 訳/さとうあや 画 定価1680円


さくま ゆみこ
東京に生まれる。東京都立大学人文学部仏語・仏文学科卒。出版社勤務の後、現
在はフリーの編集者、翻訳家。著書に『エンザロ村のかまど』(沢田としき 絵、
福音館書店)など。訳書には『シャーロットのおくりもの』(あすなろ書房)、
「クロニクル千古の闇」シリーズ(評論社)、『はみだしインディアンのホント
にホントの物語』(小学館)、『カマキリと月』(福音館書店)など多数。「ア
フリカ子どもの本プロジェクト」の代表も務める。


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《5》3月の新刊のご案内
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《3月3日(水)出荷開始》
★『おらんうーたんのおうち』
  岩合日出子 文/岩合光昭 写真 定価945円

オランウータンたちは森のことは、何でも知っています。彼らにとって、広い熱
帯雨林の森は、まさに住み慣れた「おうち」なのです。

★『ゆかいな農場』
  M・エーメ 作/さくまゆみこ 訳/さとうあや 画 定価1680円

この村では、動物も人間の言葉をしゃべります。農場や森に暮らす生き物たちと
幼い姉妹がくり広げる、おかしなおかしな物語。

★『わにわにのおおけが』
  小風さち 文/山口マオ 絵 定価840円

すてきなものを作ろうと、工作をはじめたわにわに。ところがハサミで指を切っ
てしまいます。ぐるぐるぐるぐる包帯を巻いて…。

★『くまさん おでかけ』
  中川李枝子 文/中川宗弥 絵 定価840円

くまさんがおでかけ。水たまり、じゃぶじゃぶ。石ころ、すってん。木いちご、
ぱくん。大きな木に、どん。さてさて、帰り道は?

★『チョコレートパン』
  長新太 作 定価840円

山の中に、チョコレートの池。え、みんな入っちゃうの? ナンセンスの天才・
長新太が描く、とびきり愉快で不思議な絵本。

《3月10日(水)出荷開始》
★『うさこちゃんのおうち』
  D・ブルーナ 文・絵/松岡享子 訳 定価735円

赤い屋根のおうちに住んでるうさこちゃん。コップやスプーン…。うさこちゃん
のお気に入りの持ち物がたくさん登場します。

★『うさこちゃん おばけになる』
  D・ブルーナ 文・絵/松岡享子 訳 定価735円

「おばけに変身してみんなを驚かしてやろう」と思いついたうさこちゃん。さっ
そく、お母さんに古いシーツをかぶせてもらって…。

《3月17日(水)出荷開始》
★『行け! シュバットマン』
  村中李枝 作/堀川真 画 定価1260円

正義のヒーロー「シュバットマン」のスーツアクターをつとめる母さんの熱い熱
い日々。ぼくも負けずに、オトコの闘いに!

★『絵本が目をさますとき』
  長谷川摂子 著 定価1575円

長年子どもと絵本を読みつづけてきた著者が、子どもへの思い、絵本への思いを
若い母親への手紙にこめてつづる絵本案内。

★『エディのやさいばたけ』
  サラ・ガーランド 作/まきふみえ 訳 定価1470円

自分の「はたけ」をもらったエディは土を耕し、種をまきます。種が育つには何
がいる? 害虫退治は? 収穫までエディの奮闘記。

《3月17日復刊》
★『すばらしいとき』
  R・マックロスキー 文・絵/渡辺茂男 訳 定価1575円

早春の静かな霧の朝。夏にはヨットを走らせると突然の嵐……。移りゆく自然の
中で、すばらしいときを過ごす少女の驚きと喜びが描かれます。

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《6》書籍編集部だより
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☆絵本・童話・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージを
お届けします。今月は絵本編集部です。

◎絵本編集部から

 ディック・ブルーナさんの『ちいさなうさこちゃん』が日本ではじめて刊行さ
れたのが1964年。以後、40余年にわたってたくさんの子どもたちに支持されるロ
ングセラーとなりました。さて、そんな「うさこちゃん」のシリーズを含む、ブ
ルーナさんの絵本44冊が、4月に新しく生まれ変わります。
 大きく変わるのが、まず色。ブルーナさんは基本8色(ブルーナ・カラーと呼
ばれています)で絵を描いています。現ブルーナ・カラーは、初期のとは違って
渋めの落ち着いた色です。福音館版では2005年から現ブルーナ・カラーで絵本を
印刷してきましたが、それ以前の絵本は昔の色のままでした。今回の改訂を機に、
すべての絵本を現ブルーナ・カラーで制作します。新装版を手に取った方は、し
っとりと落ち着いた風合いのうさこちゃんに、びっくりされるのではないでしょ
うか。
 そしてもうひとつ、大きく変わるのが、書体です。今回の改訂にあたり、ブッ
クデザインをデザイナーの祖父江慎さんにお願いしました。祖父江さんは、毎日、
オランダ語版の原書とにらめっこしているうちに、もっと原書に近い書体が、そ
してこれからうさこちゃんの絵本に出会う子どもたちにとって、もっともっと楽
しくて読みやすくい書体があるのでは、と考え始めました。でも、いくら探して
もこれぞという書体がないのです。ならば、作っちゃえ! ということで祖父江
さんは、新しい書体を開発しました。その名も「ウサコズフォント」。
 ウサコズフォントはゴシック体なのですが、柔らかい曲線が使われていて、あ
たたかみとシャープさが共存している、なんともいいバランスの書体。ブルーナ
さん特有の太くしっかりした線とも見事に調和する文字です。
 最後に、これもだいじなことです。今までの「うさこちゃん」シリーズのセッ
トをもう一度見直しました。うさこちゃんの成長にあわせ、読者である子どもた
ちも手に取りやすいように、0歳から4歳まで、年齢別のセットに組みました。
もちろんこのセットケースも、祖父江さんのデザインです。
 幼いころから慣れ親しんできた「うさこちゃん」の絵本を、新しく作り変える
ことはとても責任重大なこと。でも、「うさこちゃん」をこれからの50年、いや
100年後の子どもたちにも手渡したいという思いで、今 祖父江さんと編集部が一
丸となって改訂作業をおこなっています。今を生きる、そしてこれからを生きる
子どもたちに、長く読み継がれるシリーズになることを願いながら。

★ディック・ブルーナ絵本シリーズは、以下のアドレスでご覧になれます。



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《7》原画展のお知らせ
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田中清代絵本原画展
会期:2010年1月30日(土)~3月30日(火)
会場:射水市大島絵本館 富山県射水市鳥取50
問合せ先:TEL 0766-52-6780
休館日:月曜
入館料:一般500円(400円)、中高生300円(240円)、小学生100円(80円)
   ( )内は20名以上の団体料金


ポーランドの絵本画家たち
会期:2010年3月2日(火)~5月9日(日)
会場:ちひろ美術館・東京 東京都練馬区下石神井4-7-2
問合せ先:TEL 03-3995-0612
休館日:月曜
入館料:一般800円、高校生以下無料
   20名以上の団体、学生証をもっている人、65歳以上の人は100円引き


ボフダン・ブテンコさん来る!
『しずくのぼうけん』の画家30年ぶりの来日
日時:2010年3月24日(水)
会場:教文館 ナルニア国 東京都中央区銀座4-5-1
問合せ先:TEL 03-3563-0730


ビアトリクス・ポター展
イギリスの自然を見つめて
会期:2010年3月5日(金)~4月12日(月)
会場:島根県立美術館 島根県松江市袖師町1-5
問合せ先:TEL 0852-55-4700
休館日:火曜
入館料:一般1,000円(800円)、大学生600円(450円)、
    小中高生300円(250円)
   ( )内は20名以上の団体料金


きみのみらい・みらいのきみ
かこさとしと探しにいこう、絵本の中へ
会期:2010年3月20日(土)~5月10日(月)
会場:日本科学未来館 東京都江東区青海2-3-6
問合せ先:TEL 03-3570-9151
休館日:火曜
入館料:無料



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