☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 ★  あのねメール通信~福音館書店メールマガジン  2002年11月6日 Vol.12 ★
                

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆          

《1》 冬の温かさを伝える『しんせつなともだち』松居直
《2》 「母の友」創刊50周年記念「こどもにきかせる一日一話」原稿募集
《3》 『かえるの平家ものがたり』著者・日野十成さんのエッセイ
《4》 11月の新刊・福音館文庫のご案内
《5》 月刊誌最新号<12月号>のご案内
《6》 「母の友」編集室の窓から
《7》 クリスマス・セレクション2002のご案内

*∴*∵*∴*∵*∴*∵*∴*∵*∴*∵*∴*∵*∴*∵*∴*∵*∴*∵*

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《1》冬の温かさを伝える『しんせつなともだち』松居直
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 冬の寒い日々に、親と子が寄りそって、物語を静かにゆったりと楽しむのは、最
高の絵本体験です。そこには親と子が共に居て、楽しいことばで包まれ、喜びを共
にする温もりがいっぱいあります。
 とりわけ日ごろいそがしいお父さんが、わが子を膝に抱いて絵本を読んでやって
くださると、お父さんの肌と心の温もりが伝わって、子どもにとってかけがえのな
い想い出となります。心が育てられるのは、そのようなひとときで、誰もまねので
きないことです。
 絵本には冬が舞台となっている物語に、とても印象深い作品があります。『しん
せつなともだち』もそんな一冊です。ひとは風や雪や氷の寒さに閉じこめられ、気
持ちが外にむかなくなると、楽しいもの思いにふけり、空想の世界に温もりを求め
るのかもしれません。そんなとき、ぜひ手にとっていただきたい絵本です。
 大雪のなか、食べるものがなくなったウサギが、食べものを探しにでかけて、お
いしそうなカブを二つも見つけ、一つは自分で食べて、もう一つは食べるものに
きっと困っている、友だちのロバの家へとどけます。
 ロバは留守でしたが、だれかが親切にとどけてくれたカブを、ロバは友だちのヤ
ギの家に置いてきます。こうしてヤギはシカのところへカブをとどけます。回り
回ってこのカブは、最後におもいがけぬ所へとどきました。だれの所へとどいたの
でしょう?
 40年ほど前に、中国の絵本で読んだこの物語は、フランスと日本でいち早く絵
本になりました。昔話によくある「ぐるぐるばなし」の手法を巧みに使い、子ども
が喜ぶことばの繰り返しをうまく取りこんで、他人へのおもいやりを教訓でなく楽
しく物語ります。贈り主が互いにだれかわからないけれど、自分のことを思ってく
れるひとが居ることを、カブをとおして感じます。
 絵はわが国の舞台芸術と演出家の第一人者で、小説『忍びの者』の作者でもあ
る、故村山知義先生の傑作です。

(「全日私幼連PTAしんぶん」第463号より転載)

『しんせつなともだち』方軼羣 作/君島久子 訳/村山知義 画


松居直(まつい ただし)
1926年京都府生まれ。同志社大学法学部卒業。福音館書店の設立と同時に編集長に
就任。現在は相談役。編集長時代に月刊絵本「こどものとも」を創刊。児童文学な
どの評論活動も行う。絵本の作品に『ぴかくんめをまわす』『だいくとおにろく』
『ももたろう』『こぶじいさま』(ともに福音館書店)、評論に『絵本とは何か』
(日本エディタースクール出版部)などがある。絵本の最新作に『桃源郷ものがた
り』(福音館書店)。

★『桃源郷ものがたり』 松居直 文/蔡皋 絵

★『ぴかくんめをまわす』 松居直 作/長新太 絵

★『だいくとおにろく』 松居直 再話/赤羽末吉 画

★『ももたろう』 松居直 文/赤羽末吉 画

★『こぶじいさま』 松居直 再話/赤羽末吉 画


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《2》「母の友」創刊50周年記念「こどもにきかせる一日一話」原稿募集
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「母の友」は来年の2003年9月号で、創刊50周年を迎えます。
 生活に忙しいお母さんのために、やさしく読める、教養のための読み物と、子ど
もに読み聞かせるのに苦にならない短いお話を約30編、「こどもにきかせる一日一
話」として提供する44ページの薄い月刊誌としてスタートしました。それから半世
紀、読者のみなさまに支えられて迎える50周年をささやかに記念したく、「母の
友」出発時の企画にちなんで、短編童話の原稿を募集いたします。

★募集要項等くわしくはこちらをご覧ください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《3》『かえるの平家ものがたり』著者・日野十成さんのエッセイ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『平家物語』の中には、男たちの武勇伝や悲劇的なエピソードがいっぱいあります
が、女性たちもなかなか多彩な顔ぶれと活躍があり、決して男たちに負けてはいま
せん。その中でぼくが一番心に残る女性は、源氏の一方の大将・木曽義仲(源義
仲、1156~84年)のパートナーだった「巴(ともえ)」さんです。彼女が『平
家物語』に出てくるところはごく限られていますが、たとえば次の一節は、この女
性の面目躍如として見事です。
「巴は色白う髪長く、容顔まことに美麗なり。究竟の荒馬乗の悪所落、弓矢打物
取っては、いかなる鬼にも神にもあふと云ふ一人当千の兵なり」。美しい女武者な
のですね。しかも怪力無双の戦いを勝ちぬいて、戦いに敗れた義仲の最後の兵たち
七人のひとりとなるまで生き抜いていくのです。義仲はもはやこれまでと討死にを
覚悟して、巴さんに「おまえは女だから逃げのびよ。義仲は最後の戦いに女をつれ
ていたと笑われたくない」と言います。そう言われては巴さんも去るしかなく、こ
のうえはよき敵の武将を討ちとってやるぞとばかり、攻めよる敵兵三十騎の中へひ
とりで突っ込んで行く。そして敵の大力で知られた御田八郎という荒武者と組み
あって動きを封じた上で「首ねぢ切って捨ててんげり」という働きをし、そのあと
で鎧をぬぎ武器を捨てていずこともなく落ちのびて行きます。
 ぼくが子どものころに知っていた『平家物語』の登場人物たちの名は、牛若丸と
弁慶、平清盛、義仲と巴といったくらいでしたが、ぼくは弱虫の坊やでしたから巴
さんにはあこがれました。こんど『平家物語』をカエルを主人公にして、小さいお
子さんに伝えるという不思議な、またとても難しい企画のお話が、画家の斎藤隆夫
さんと編集部のかたからあったとき、この大戦記物語のおもしろさをどう紹介した
らいいのか、途方にくれてしまいました。途方にくれながら、巴さんの名前はぜひ
子どもさんたちに伝えておきたいと思いました。斎藤さんが、巴さんの女姿と武者
姿の両方を巧みに描いて下さったことにぼくは感謝しています。ストーリーは大幅
にぼくが変えてしまいました。いや、語り手のがまじいさんから聞いたとおりのス
トーリーですので、疑問な点は、じいさんにどうぞ。しかし、このじいさん、ただ
ものじゃありません。太古の地球世界を歩いて何でも見てきて知っている神話的な
カエルです。いつか改めて語ってみたいキャラクターですが今回はこれまで。

★『かえるの平家ものがたり』日野十成 文/斎藤隆夫 絵


日野十成(ひの かずなり)        
1942年台湾に生まれる。工場労働者、書評新聞記者、建設会社社員、絵本情報誌記
者をへて、フリー・ライターに。絵本に『カガカガ』『ずいとんさん』『おおきな
うち』(以上、福音館書店)などがある。八王子市在住。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《4》11月の新刊・福音館文庫のご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【福音館文庫】
≪11月12日(火)配本予定≫
★『プラム・クリークの土手で -インガルス一家の物語3』
 ローラ・インガルス・ワイルダー 作/ガース・ウィリアムズ 画/恩地三保子 訳

◎プラム・クリークの土手にできた横穴の家にたどりついたローラ一家は、日照り
や大吹雪など、次々とおそってくる苦難とたたかいます。

★『パディントンのクリスマス -パディントンの本(2)』
 マイケル・ボンド 作/ペギー・フォートナム 画/松岡享子 訳

◎すっかり人気者となったパディントン。内緒で部屋の改装をはじめ、ドアの上に
も壁紙を貼りつけて部屋から出られなくなったり。

★『年をとったワニの話 -ショヴォー氏とルノー君のお話集1』
 レオポルド・ショヴォー 作/出口裕弘 訳

◎十世紀もの年をへたワニは故郷を捨ててナイルを下り、海に出て十二本足のタコ
と恋仲になるのですが……。

★『カナダ・インディアンの世界から』
 煎本孝 作・写真

◎トナカイを狩って生きてゆくカナダ・インディアンの世界に身を置き、自然の力
をその魂に宿す人々の日々を記録した本です。

【新刊】
≪11月6日(水)配本予定≫
★『ちいさな ろば』ルース・エインズワース 作/石井桃子 訳/酒井信義 画

◎クリスマスイブにプレゼントを配る手伝いをしたひとりぼっちの小さなろばに、
サンタクロースがくれたものは……。心温まる絵本。

★『ちゃっくりがきぃふ -らくご絵本』桂文我 話/梶山俊夫 絵

◎茶と栗と柿と麩を持って、さきちは町へ売りに行きましたが、誰も買ってくれま
せん。そこで売り声を上げることを思いつくのですが……。

★『あかいはっぱ きいろいはっぱ』ロイス・エイラト 作/阿部日奈子 訳

◎美しく色づくカエデの葉。この木が大好きな子どもが、庭に植えて育てていきま
す。四季を通じて、喜び、驚き、発見がありますよ。

≪11月13日(水)配本予定≫
★『かえるの平家ものがたり』日野十成 文/斎藤隆夫 絵

◎「げんじぬま」に住むサカエルのサムライたちは、平家ネコとの合戦に集まっ
た。「うしわかまる」は、大作戦を思いつく。

★『だんだんやまのそりすべり』あまんきみこ 作/西村繁男 絵

◎友だちとだんだん山にそりすべりに来たいっちゃんですが、こわくてすべれませ
ん。「さきにいってえ」とひとり、山の上に残っていると……?

★『はしる はしる とっきゅうれっしゃ』横溝英一 作

◎山や川を越えて、ばく進する特急列車の姿が始発駅から終着駅までパノラマ画面
で展開、基本的な鉄道の仕組みも紹介する絵本です。

★『みんなでつくる ふゆのかざりもの』きうちかつ 作・絵/ときわまさと 写真

◎クリスマスやお正月には、いろいろ飾り物をしますね。その飾り物を、身近なも
のを使って作ってみます。工夫をすればこんなにすてきなものが。

★『あそぼう あそぼう おかあさん』浜田桂子 作

◎おかあさんと遊ぼう。朝起きて布団をくるくるまけば、海苔巻のできあがり。ほ
ら、どこでもおかあさんと遊べるんだ。「あそぼうシリーズ」第2冊目。

≪11月20日(水)配本予定≫
★『森の小さな開拓地 -クワイナー一家の物語3』
 マリア・D・ウィルクス 作/ダン・アンドレイアセン 画/土屋京子 訳

◎新天地コンコードの森の中で新しい生活を始めたクワイナー一家ですが、嵐のせ
いでまたもや飢えの危機にさらされます……。

★『なんだか うれしい』谷川俊太郎 + だれかとだれか

◎わけもないのになぜかうれしい、そんな瞬間を集めました。人の心の働きのふし
ぎが見えてきます。生きるよろこびにつつまれます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《5》月刊誌最新号<12月号>のご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆月刊誌最新号<12月号>発売中です。
表紙画像、くわしい内容紹介、定期購読のお申し込みはこちらをご覧ください。


◇◆ こどものとも0.1.2.『いろいろ と いろいろ』
              またきけいこ 作                 ◇◆
 色には、さまざまな色があります。同じ緑でも、きゅうりとズッキーニでは違う
緑です。絵を見ながら色をいろいろ楽しむ絵本。

◇◆ こどものとも年少版『あじのひらき』
            井上洋介 作                    ◇◆
 あじのひらきが、風に吹かれて空中を泳ぎ始めます。街へ出て、地下鉄のトンネ
ルをくぐり…、最後はどこへ行くのでしょう?

◇◆ こどものとも年中向き『こまどりのクリスマス - スコットランド民話』
             渡辺茂男 訳/丸木俊 画            ◇◆
 お城へクリスマスの歌をうたいにいくこまどりは、途中の難をのりきり無事お城
につきます。王様はその鳴き声がかわいいので……。

◇◆ こどものとも『さんにんのピエロ』
         マリオ・モンテネグロ 作・絵/福音館書店編集部 編・訳 ◇◆
 お客さんがこなくなってしまったサーカスのピエロ三人が、新たな芸をもとめ、
おんぼろ車のカラチン号にのって、旅に出ます。

◇◆ ちいさなかがくのとも『あかくん まちを はしる』
                          あんどうとしひこ 作                ◇◆
 ちいさな車のあかくん、今日はあおくんと一緒におでかけです。町で働くたくさ
んの自動車と出会いながら走っていくと……。

◇◆ かがくのとも『しもばしら』
         野坂勇作 作                       ◇◆
 寒い冬の朝、地面にできる不思議な氷、霜柱。観察の楽しさと、実際に家の冷蔵
庫で作ってみる面白さを魅力的な絵で伝えます。

◇◆ おおきなポケット【かがく】「ミリビトをさがせ」
                出雲公三 作

           【ものがたり】「ユーラちゃんとあたまぴょんぴょん」
                  デイヴィッド・スモール 作
                  木坂 涼 訳             ◇◆
「かがく」はひょうんなことから、身長140センチの子どもが、5ミリのミリビ
トの社会に迷い込んだ体験を、リアルな絵で描いたかがく物語です。
「ものがたり」は「ユーラちゃんとあたまぴょんぴょん」です。

◇◆ たくさんのふしぎ『アジアの台所たんけん』
           大村次郷 写真・文                ◇◆
 台所には、なぜおおぜいの人が集まってくるのでしょうか? その秘密をさぐっ
て、アジアの6つの国の台所をのぞいてみました。

◇◆ 母の友 特集“食事のはなし -おいしさを感じるしくみ”       ◇◆
 食べ物の好き嫌いはどうして起きるのか、味を感じる仕組み、旬の野菜がなぜお
いしいのかなど、味覚についての基礎知識から、偏りのない食事をするための栄養
チェックポイントまでご紹介します。
★「母の友」12月号の目次はこちらをご覧ください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《6》「母の友」編集室の窓から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今月号は、子どもの味覚の発達や食材等についての特集を組みました。人が本能
的に好きな味とは何か? 子どもの味覚の発達、食品の選び方などについては本誌
をご覧ください。ところで「何を食べても、味がしない」という味覚障害は、年平
均で推定14万人。その数は年々増加しているそうです。その原因の多くは、亜鉛
不足のためだと言われています。味を感じる舌の中の味細胞(あじさいぼう)は、
新陳代謝が活発で短い周期で再生する細胞ですが、亜鉛がその再生を助ける役割を
担っています。そのため亜鉛が不足すると味細胞の再生がうまくいかず、味覚障害
を起こすのです。加工食品に使われる食品添加物の中には、身体が亜鉛を吸収しに
くくする作用を持つものがあります。リン酸塩(品質改良材:インスタントラーメ
ンなど)ポリリン酸(弾力剤:ハム、かまぼこなど)とフィチン酸(変色、酸化防
止剤:たくあん、漬けものなど)がそうです。亜鉛は、牡蠣(かき)、抹茶、かず
のこなどに多く含まれ、海苔(のり)、ごま、カシューナッツ、アーモンドにも含
まれていますので、こうした食品を意識的に取り入れるのも、亜鉛不足には効果が
ありそうです。

★「母の友」12月号の目次はこちらをご覧ください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《7》クリスマス・セレクション2002のご案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 そろそろクリスマスシーズン。そこでクリスマスにぴったりの絵本を12点選ん
でみました。今回はその中から3冊以上(セット商品は1セットで1冊と数えさせて
いただきます)を、クリスマスセレクション申し込みフォームからご購入の方に
ピーターラビットのオリジナル缶バッジをプレゼントいたします。ぜひどうぞ!!

★クリスマス・セレクション2002はこちらからどうぞ


*************************************
このメールの再配信、および掲載された記事の無断転載を禁じます。
◆配信先変更・解除 
◆発行者:株式会社 福音館書店 販売促進部 宣伝企画課
*************************************