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 ★ あのねメール通信~福音館書店メールマガジン 2013年3月6日 Vol.136 ★
            

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          ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆

《1》連載:絵本の小路から(第12回) 小風さち
《2》月刊誌最新号<4月号>のご案内
《3》月刊誌編集部からこんにちは
《4》『新版 折りびな』の編集担当者からのメッセージ
《5》3月の新刊のご案内
《6》書籍編集部だより
《7》映画「劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし」のご案内
《8》原画展のお知らせ
 * 次号からのリニューアルのお知らせ

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《1》連載:絵本の小路から(第12回) 小風さち
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   確か知っていたはず

     『星を数えて』   デイヴィッド・アーモンド 著
               金原瑞人 訳    河出書房新社

 『星を数えて』(原題"Counting Stars")はイギリス人作家、デイヴィッド・
アーモンドの自伝的な短編集である。彼は主にヤング・アダルトの分野の作家で、
2010年に国際アンデルセン賞を受賞している。
 短編集なので、短いお話が19話収められている。初めて一話めの「世界のまん
なか」を読み、次の「星を数えて」を読み終えると、私はいっとき茫然と空を仰
いでしまった。ああこれは著者を突き破って生まれてきたなと感じた。
 調べると、デイヴィッド・アーモンドはイングランド北東部の海に近い街で育
っている。フェリングという小さな街で、地図でいえば縦長のグレイト・ブリテ
ン島の細くくびれた辺り、スコットランドとの境界近くになる。フェリングとい
う街は、かつては石炭の採掘が盛んだったと私の古いガイドブックには書いてあ
るが、今は廃坑も多いらしい。写真にはくすんだ空気の中、煙突、煙、倉庫、突
堤、古い貨物船などが写っている。『星を数えて』とは美しい命名だが、この自
伝的な短編集はいわば、こうした過疎と荒廃のムードがただよう寂れた工業地域
が舞台なのだ。大都市ロンドンから遠く、人々の意識からも時代からも取り残さ
れた場所。けれど物語に出てくる街も川も海岸も、地図を開けば実際に指でたど
ることができる場所。
 タイトルにもなっている「星を数えて」だが、それはざっとこんな話である。
 厳粛なカトリック教徒の家庭に育った"ぼく"、つまり著者は、卒業を間近に控
え、学校の講堂で年老いたアイルランド人神父からこう説かれる。"星がいくつ
あるか数えられるという人には背を向けよ"と。学生達が知識をもって傲慢に偏
らず、神の御前に常に従順で恐れを抱いて生きてゆけるようにと、神父は気遣っ
たのだ。すると、学友の一人が手を上げて質問する。それじゃあ、星の数をいく
つまで数えたら罪になるのですか。神父はしばし黙りこくって、そして、百まで
だと答える。
 「百をこえると、魂はくもります。百をこえたら、命が危険にさらされます。
そうなのです。百です。そこが限界です」
 だが主人公である"ぼく"は、14歳の夏の夜、数えてしまうのである。百と一、
百と二、百と三……ほらみろ、大丈夫じゃないか。そしてその年の暮れ、最愛の
父が亡くなる。
 14歳といえば、日本の中学二年生。子どもから大人への端境期である。これま
で信じて疑う必要もなかった、物語や空想や善なるものの存在から、目を背けて
でも見てみたい現実世界への興味や憧れ。"ぼく"はもはや純然たる子どもではな
く、父の死は病気によるもので自分が星を数えたことが招いた災いではない、そ
んなことは現実的に有り得ないとわかっている。だがあの時、百という数字を境
目に、自分は確かになにか尊い物をおろそかにした。百を超えて数えることで、
うすうすではあっても、いわば現実世界へ身売りした自分を感じている。
 また、そのことにはっと気付いた瞬間、押し寄せてきた後悔や心の痛み。そう
いった感覚がどれほど年月を経ても、著者の中には、まざまざと蘇ってくるので
はあるまいか。そしてある時、なにかの拍子に、活字に憑依して著者を突き破っ
て出てくるのではあるまいか。
 『星を数えて』の短編は、現実の世界を緻密に描写してゆく静かな筆致の作品
にもかかわらず、端境期さながら天国と腐敗、正義と狂気、ミューズとグロテス
クがいつも混在している。少年は目に映る現実世界をそれはそれとして愛しつつ、
つまり大人になる準備を整えつつ、物語や、空想の持つ力や、確か知っていたは
ずの善なるものの在り処にむかって「助けてくれ! 本当はそこにいるんだろ?」
と細い声をあげる。そんな際どい"ぼく"の声が、お話のそこかしこから聞こえて
くるような気がして、私は茫然と空を仰ぐのである。


★『星を数えて』
    デイヴィッド・アーモンド 著/金原瑞人 訳  河出書房新社


小風さち(こかぜ さち)
東京都生まれ。白百合女子大学仏文科卒業。1977年から87年まで、イギリスのロ
ンドン郊外に暮らした。絵本の創作に『わにわにのおふろ』『わにわにのごちそ
う』『わにわにのおでかけ』などの「わにわに」シリーズ、『とべ! ちいさい
プロペラき』、『ぶーぶーぶー』『はしれ、きかんしゃ ちからあし』(以上、
福音館書店)など、翻訳絵本に『みっつのねがいごと』(岩波書店)、長編童話
に『ゆびぬき小路の秘密』(福音館書店、1994年野間児童文芸新人賞受賞)など
がある。父は松居直(児童文学者・福音館書店相談役)。東京都在住。


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《2》月刊誌最新号<4月号>のご案内
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☆月刊誌最新号<4月号>は、好評発売中です。

◇◆こどものとも0.1.2.『だっこし~て だっこし~て』
                           木坂 涼 文/長野ヒデ子 絵 定価410円   ◇◆

おかあさんが赤ちゃんをだっこ。さあ、今度はどんなだっこかな? 心地よい言
葉に合わせた色々なだっこで、赤ちゃんはにこにこ。

◇◆こどものとも年少版『カレーライス』
                        小西英子 作 定価410円            ◇◆

カレーライスができあがるまでを描いた絵本。丁寧に描かれた絵からはカレーの
匂いがしそう! おいしそうな絵に思わず手がのびます。

◇◆こどものとも年中向き『おむかえ』
                          吉岡さやか 作 定価410円          ◇◆

かしのき園のお迎えの時間。キツツキ、サル、モグラ、イノシシと、次々にお母
さん、お父さんが子どもたちを迎えにやってきます。

◇◆こどものとも『あめのち ゆうやけ せんたくかあちゃん』
         さとうわきこ 作・絵 定価410円           ◇◆

洗濯が大好きなせんたくかあちゃん。雨降りつづきでたまった洗濯物を持って川
へ出かけます。すると、不思議なものが流れてきました。

◇◆ちいさなかがくのとも『そうっと そうっと さわってみたの』
             三宮麻由子 文/山村浩二 絵 定価410円     ◇◆

そうっとさわってみたの、シロツメクサの花。花びらの先が、げんきだよって指
をつつく。指先やてのひらで春の草花とむきあう絵本。

◇◆かがくのとも『テントウムシの いちねん』      
         澤口たまみ 文/MAYA MAXX 絵 定価410円       ◇◆

種類によって模様が異なるテントウムシ。ナナホシテントウをはじめ、5種のテ
ントウムシのそれぞれの特徴と暮らしを描きます。

◇◆たくさんのふしぎ『わが家は、野生動物診療所』
           竹田津 実 文/あかし のぶこ 絵  定価700円     ◇◆

傷ついた野生動物を救いたいという、子どもたちのやさしい心に応えようと、北
海道の獣医、竹田津先生の悪戦苦闘がつづきます。

◇◆母の友 特集1「絵本生活入門」 特集2「予防接種を受けるまえに」
      定価530円                                       ◇◆

創刊60周年を迎える今年度は、ちょっぴり模様替え。毎月、「絵本」と「子育て」
の2大特集をお届けします。
★こちらから「母の友」4月号の目次をご覧いただけます。



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《3》月刊誌編集部からこんにちは
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☆毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けして
います。今月はかがくのとも編集部です。「母の友」編集室からのメッセージも
お送りしています。

◇◆かがくのとも編集部から◇◆
 こんにちは。かがくのとも編集部です。今回は、「かがくのとも」4月号『テ
ントウムシの いちねん』の制作裏話を少しお話ししましょう。
「ほんとにわたしでいいの?!」
 絵のご依頼にあがったとき、MAYA MAXX さんがまず仰しゃった言葉です。「も
ちろんです!」と即答したものの、MAYAさんが戸惑われるお気持ちもよく分かっ
ていました。というのも、MAYAさんにとっては初めての科学絵本、また、今まで
絵本作品で描いてきたのは、ほぼ全てがほ乳類。一方、今回の主人公は昆虫。植
物、鳥も登場します。「わたし、背景はいつも白だから、風景とかは描いたこと
ないんだよ」とMAYAさんは言葉を続けられました。なんと、この『テントウムシ
のいちねん』の冒頭シーンは春の風景です。けれど、そこで引き下がる訳にはい
きません。澤口たまみさんが推敲に推敲を重ねてまとめてくださった文章には、
テントウムシをよりいっそう生き生きと表現してくださるMAYAさんの絵がどうし
ても必要でした。最終的には、「新しいことに挑戦するのも必要な年齢だと思っ
てた。やってみるよ!」とMAYAさんは笑顔で引き受けてくださったのでした。
 MAYAさんは虫の専門家ではないので、今回のような絵を描くには、大変なご苦
労があっただろうと思います。実際、原画が仕上がったときには、「もう絶対、
かがくのともはやんないよ!」と(これまた笑顔で)仰しゃっていました(笑)。
でも、制作途中、編集部からのいろいろな要望に、ひとつひとつ真剣に考えて応
えてくださり、「やらせてもらって良かったよ」とも仰しゃってくださったので
す。MAYAさんのテントウムシは決して擬人化していないのに、エサを必死で食べ
ている様子、冬ごもりのために空を一生懸命飛んでゆく様子など、まるでテント
ウムシたちの感情が伝わってくるようです。1匹1匹愛情を込めて描いてくださ
ったことがよく分かります。それが、リアルなテントウムシの姿につながってい
るのです。
 澤口たまみさんの、静謐で淡々とした中にも、確かな生命の存在を感じさせる
凜とした文章と、MAYA MAXX さんの生命力あふれるテントウムシの絵が絶妙にマ
ッチした絵本です。ぜひご覧ください。

★こちらから「かがくのとも」をご覧いただけます。


◇◆「母の友」編集室の窓から◇◆
 おかげさまで、「母の友」は今年9月に創刊60周年をむかえます。そこでこの
4月号から、内容も装いもちょっぴりパワーアップ。表紙は人気イラストレータ
ーの100%ORANGEさん。毎月の特集は「たっぷり絵本」と「ゆっくり子育て」の2
本立てに。よりカラフルに、密度の高い情報をお届けしていきます。
 今月の絵本特集は「絵本生活入門 どうして子どもに絵本を読むの?」と題し
て、いまなぜ子どもに絵本を読む必要があるのか、子どもにとって絵本とはどう
いうものかということに「子どもの本の福音館」ならではの視点でわかりやすく
迫ります。
 もう一本の特集は「予防接種を受けるまえに」。次々増える予防接種の種類に、
「これ全部受けなくちゃいけないの?」と混乱していませんか? そんなあなた
に向けて、そもそも予防接種っていつどうやって始まったのかという根っこから、
最低限これだけは押さえておけばという基本まで、自ら考えるヒントをお届けし
ます。
 2013年度「母の友」にどうぞご期待ください!

★こちらから「母の友」4月号の目次をご覧いただけます。



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《4》『新版 折りびな』の編集担当者からのメッセージ
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   小さな 美しい おひなさま
    ―『新版 折りびな』に寄せて
                      「母の友」編集部 福永牧子

 児童文学者の故・石井桃子さん(1907~2008)が「世にも美しい」と表現した
この折りびなを初めて見た人は、きまって石井さんと同じように感嘆の声を上げ
ます。
 和紙を重ねて折る内裏びな・三人官女・五人囃子の10体は、手のひらにのるほ
ど小さく、しかしよく見ると、大変精巧にできています。女びなはおすべらかし
の髪を垂らし、重ね目を見せた十二単の裾を後ろに引いています。五人囃子は小
さな手先をのぞかせて、それぞれの楽器を奏でる構えです。
 昔から伝わるこのひなの折り方を習い覚え、作っては人に贈っていた著者の田
中サタさん(1906-2003)が、石井さんに勧められて折り方をまとめたのが『折
りびな』(1969)でした。『新版 折りびな』は、その初版を全面的に見直し、
より使いやすいよう工夫を加え、装い新たに再刊したものです。

 40年近く前。福音館主催の折りびな講習会があり、手伝いに行けとの上司命令
に一夜漬けで折り方を覚え向かった会場で、ほっそりと上品なサタさんと、図を
描いた、サタさんの息子の妻、真田ふさえさんにお会いしました。お2人が大勢
の受講者に手際よく折り方を教えていた様が、不思議に記憶に残っています。
 はからずも、今回、新版の編集を担当することになり、真田さんと、その後サ
タさんに"スカウト"されて共に折りびな普及に努めることになった、もう1人
の息子の「お嫁さん」、三水比文(さみずひふみ)さんから、サタさんの人とな
りをうかがうことができました。
 サタさんは若い頃の写真を見ても大変な日本美人ですが、しっかりした気性の、
精力的で勉強熱心な方だったそうです。女性が自らの手で物を作り出すことを大
切に思い、自身も染め物は人に教えるほどの腕であったとか。
 芸術家気質で、紙選び一つにも妥協せず、これはと思う和紙を求めて関西まで、
真田さんと三水さんを引き連れて足を運んでいます。
 後に、福音館でこの本が出せなくなったとき、折り紙をサタさんに直接注文し
たところ、折り方のヒントを懇切に書き添えてくださり、感激しました。「母は
このひながとてもお気に入りで、みなさんにも折り方を覚えてほしいと強く願っ
ていましたので、折ってくれることが本当にうれしかったのでしょう」と、真田
さん。
 サタさん亡き後は真田さんと三水さんがその想いを継いできました。再びその
一端を担わせていただけることを大変うれしく思います。

 かつて、毎年『折りびな』を置いてくれていた神戸の小さな本屋さんから、阪
神大震災でおひなさまが燃えたり壊れたりしてしまい、せめてこれで作ってやり
たい、というお客様が、その翌年たくさん来店されたと報告があったそうです。
 また高齢の女性たちは折りびな講習会で、「まず、自分のために折る」と言っ
たとも聞きました。戦争で失ったり、買ってもらえる状況になかったからです。
おひなさまはただの飾り物ではないのです。
 「あとがき」の最後にサタさんは、おひなさまは平和の人形であり、人の世が
荒れすさむとき、顧みられなくなり打ち捨てられる運命を帯びている、と記して
います。勇ましく荒々しいことが幅を利かせる世の中に、おひなさまは居場所を
見つけることができません。サタさんは100年近くの人生で、多くのことをご覧
になったのではないでしょうか。

 この春、おひなさまを、ご自分の手で折ってみませんか。

★『新版 折りびな』
  田中サタ 著/真田ふさえ 画  定価2415円


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《5》3月の新刊のご案内
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《3月5日(火)出荷開始》
★『文庫版 魔女の宅急便 その6―それぞれの旅立ち』
  角野栄子 作/佐竹美保 画 定価840円

とんぼさんと結婚したキキは、いまや双子のお母さん。その子らも自立の日をむ
かえ……。「魔女の宅急便」、文庫でもついに完結!

《3月6日(水)出荷開始》
★『おてらのつねこさん』
  やぎゅうげんいちろう 作  定価1155円

あかりちゃんとねこさんとたぬきさんと千手観音さんがでてきて、こちょぐった
りこちょぐられたりする、こちょぐったーい話です。

★『バナナのはなし』
  伊沢尚子 文/及川賢治 絵  定価945円

バナナは子どもたちの大好物。バナナの花ってどんな花? タネはどこにあるの?
バナナのすべてをお見せします。

★『みつけたよ さわったよ にわのむし』
  澤口たまみ 文/田中清代 絵  定価945円

子どもとお母さんが、庭先で見つけたダンゴムシやワラジムシを触ってみます。
園や家庭で、読んで、観て、楽しい観察・図鑑絵本。

★『ノウサギとハリネズミ』
  W・デ・ラ・メア 再話/脇明子 訳/はたこうしろう 絵 定価1260円

曲がった足をばかにされた小さなハリネズミがノウサギに競走を挑み、計略を用
いて相手をみごとにやっつけます。愉快な昔話絵本。

《3月13日(水)出荷開始》
★『こりゃなんだうた』
  谷川晃一 作  定価1260円

料理作らずテニスするコックさんに、巨大な帽子を作っちゃう帽子屋さん。おも
しろおかしな仕事人たちが続々登場します!

★『花じんま―田島征三の「花さかじいさん」』
  田島征三 再話・絵  定価1365円

「ここほれわんわん」でおなじみの日本の昔話「花さかじいさん」が、田島征三
さんの力強い絵と土佐弁でのびやかに語られます。

★『いい子じゃないもん―ユウレイ通り商店街5』
  田部智子 作/岡田千晶 画  定価1260円

地味でおとなしくて、きちんとしたいい子―それって、面白くない子ってこと?
だったらあたし、いい子なんかやめちゃいたい!

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《6》書籍編集部だより
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☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけ
たメッセージをお届けします。今月は絵本編集部です。

◎絵本編集部から

 3年前、田島征三さんに「花咲爺さん」を絵本にしたいというお話をしたとき、
田島さんは「とんでもない絵本にしたい」と意欲を燃やされました。どんな絵本
になるのか、期待と不安の入り交じった気持ちで絵本作りがはじまりました。
 絵本にするにあたって、昔話の本質を大事にしたいという田島さんのために、
日本各地で語り継がれてきた「花咲爺」のお話の資料(『日本昔話通観』〈同朋
社〉他)をお渡しして参考にしていただきました。典型的な「花咲爺」は、枯木
に花を咲かせて殿様から褒美をもらいますが、『花じんま』には殿様は登場しま
せん。殿様がでてこない語りを参考にして、田島さんはスケールの大きい、実り
ある幸せな結末を描きました。
 ラフを作っていたときに「僕は余計なものをつめこみすぎるから、そぎ落とす
作業が必要だよね。昔話も語りにくいところは省略されてきた。昔話のもつ骨太
の力強さを大切にしたい」と話してくださいました。実際、本ができる最後の最
後まで、絵にも文章にも何度も手が入りました。
 「旅先の高知のホテルにケント紙を送ってほしい」という電話があったのは、
昨年の11月のこと。すぐにお送りすると、しばらくして旅先の高知、近江八幡、
新潟、ご自宅のある伊豆高原から、墨一色で描かれたものすごい迫力の絵がどん
どん送られてきました。墨絵のままでもいいくらいでしたが、デザイナー(塩澤
文男さん・寺本麻里奈さん)と田島さんの共同作業によりコンピューターで色が
つくと、悲しい場面、激しい場面、華やいだ場面の明暗がくっきりし、物語に奥
行きがでてもっとよくなりました。「(色指定を)やっているうちに、だんだん
守りに入っていくんだよね。でも文男ちゃんに考えてもらうと、自分では思いつ
かなかったすごいのがでてくるんだよ」と満足げな田島さん。
 ご自身の力と他の人の力を上手に合わせて、とんでもなくすばらしい作品がで
きました。

★『花じんま―田島征三の「花さかじいさん」』
  田島征三 再話・絵  定価1365円


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《7》映画「劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし」のご案内
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 世界中の子どもたちに愛されているうさこちゃん(英語名ミッフィー)のお話
が劇場用映画になりました。1955年に誕生したうさこちゃんですが、なんと57年
の歴史上で映画化は初めてです。
 3月23日(土)より全国でロードショー公開されますが、「あのねメール通信」
では、抽選で5組10名様に劇場用招待券をお贈りすることになりました。
 ご希望の方は3月10日(日)24:00 までに、お名前、ご住所、電話番号をお書
きのうえ次のアドレスにメールでご応募ください。(メールの件名に「うさこち
ゃん映画希望」とご記入ください。上映館のリストは下記の映画公式サイトでご
覧ください)当選発表は招待券の発送をもって代えさせていただきます。

応募のあて先:answer@fukuinkan.co.jp

ご記入の個人情報については、抽選と発送の目的以外には使用いたしません。

★うさこちゃんの絵本についてはこちらをご覧ください。


★映画「劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし」公式サイトはこちらです。


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《8》原画展のお知らせ
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●踊る細胞~田島征三とアール・ブリュットたち~
会期:2013年2月1日(金)~3月30日(土)
休館日:毎週月曜日(ただし、祝祭日の場合、翌日休館)
開館時間:11:00~17:00
会場:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
   〒523-0849 滋賀県近江八幡市永原町上16
問い合わせ先:TEL 0748-36-5018
入館料:一般300円(250円)、大学生・高校生250円(200円)、
    中学生以下・障害のある方と付添者1名無料
     ( )内は団体20名以上の割引料金


●木下晋-祈り-展
会期:2013年3月4日(月)~3月22日(金)
休館日:日曜・祝日
開館時間:11:30~19:00(最終日17:00まで)
会場:永井画廊
   〒104-0061 東京都中央区銀座4-10-6
問い合わせ先:TEL 03-3547-9930
入場料:無料

関連作品:『ハルばあちゃんの手』山中恒 文/木下晋 絵


●乾千恵書展『月 人 石』の世界
会期:2013年3月27日(水)~4月7日(日)
休館日:4月1日(月)
開館時間:9:00~21:00(土、日は18:00まで)
会場:さいたま市立中央図書館
   〒330-0055さいたま市浦和区東高砂町11-1(コムナーレ8階)
問い合わせ先:TEL048-871-2100
入場料:無料

関連作品:『月 人 石』乾千恵 書/谷川俊太郎 文/川島敏生 写真


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* 次号からのリニューアルのお知らせ
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 「あのねメール通信」は次号よりHTMLメールでもお届けします。(HTMLメール
で受信できる方にはHTMLメールで、テキストメールでしか受信できない環境の方
には、従来どおりテキストメールで、ご覧いただけるようにいたします)
 また月2回(第1、第3水曜日)の配信にして、全体の長さを短くし、新しい
企画も取り入れていく予定です。

 読者の皆様により読みやすく役に立つメールマガジンになるように、これから
も努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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