あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2014年1月8日 Vol.155
新年あけましておめでとうございます。
 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 昨年は「ぐりとぐら誕生50周年キャンペーン」にたくさんのご応募をいただき、ほんとうにありがとうございました。今年も心機一転、新たな企画で皆様に楽しんでいただければと考えております。
 本年もどうぞよろしくお願いします。
《1》新刊『ピッキーとポッキーのはいくえほん—おしょうがつのまき』の
   作者嵐山光三郎さんのエッセイ
日本初・五歳の子の句会をひらこう。    嵐山光三郎     
ピッキーとポッキーのはいくえほん

 四十年ぶりに絵本をつくりました。安西水丸さんがニューヨークのデザイン事務所から帰国したとき、同い年であった嵐山はたちまち意気投合して、親戚みたいに仲良くなり、手描きの『ピッキーとポッキー』をつくって福音館書店に売りこみにいきました。『ピッキーとポッキーのかいすいよく』という続編もつくり、ロングセラーで今日にいたっています。英語版まで出版されました。
 福音館は絵本を絶版にしないで長く販売してくれます。二十年前はテレビ局で会ったアイドル歌手が「小学生のとき『ピッキーとポッキー』を読みました」と挨拶しにきたので、オーヨシヨシとほめてやった。いまは四十歳のお母さんが「小学生のとき愛読していました」といってくるので、ドーモドーモと答えます。
 ひさしぶりの絵本は「五歳からの俳句」がテーマなので、脳のネジを五歳にまでもどすのに苦労しました。小学生の句には無駄な技巧がなくストレートな目があり、新鮮でピカピカしている。それがいつのまにか上達すると、作意が鼻についてくる。自在な句をつくるには、知識のぜい肉をおとさなければいけません。
 ピッキーとポッキーの句会に参加するのは主宰のやぎ先生を筆頭に、もぐらのふうちゃん、さるくん、ねこちゃん、くまさん、ぶたくん、しかさん、ねずみくん、りすくん、うしさん、といっためんめんです。お正月の句ですから、めでたくて、たのしくて、おいしくて、胸がわくわくするものでなくてはいけません。たとえば一茶のように、子どもを詠んだ句はいっぱいあるのですが、それはおとなの目を通した子どもの姿です。子どもの目を通した句で、しかも五歳の句は前例がありません。五歳の子は句会をしないし、五歳の子に俳句を教える人もいない。
 水丸さんは元祖ヘタウマで、昭和の雪舟と呼ばれていました。室町時代の雪舟は絵がウマすぎて真似ができない。昭和の雪舟はヘタすぎて真似ができず、「真似ができない」ところが似ていたのです。
 けれど水丸さんはしらずしらずのうちに絵がうまくなって、ヘタな絵を描くことができなくなった。マルセル・デュシャンがいうところの「汚れた手」です。嵐山もまた「汚れた手」となりました。「汚れた手」は水道でジャブジャブ洗えばきれいになりますが、水丸さんは「せっかく絵がうまくなったのに、これで昔にもどって、仕事がこなくなったらどうしようか」と心配しているそうです。まあ、そうなったらあきらめてもらうしかありませんね。

著者: 嵐山光三郎(あらしやま こうざぶろう)

1942年、静岡に生まれる。作家。平凡社「太陽」編集長を経て独立。執筆活動に専念する。2006年『悪党芭蕉』(新潮社)により、泉鏡花文学賞・2007年読売文学賞をダブル受賞。『旅するノラ猫』(筑摩書房)など多数の作品がある。絵本は『ピッキーとポッキー』『ピッキーとポッキーのかいすいよく』(福音館書店)に続き3作目となる。東京都在住。

ピッキーとポッキーのはいくえほん

『ピッキーとポッキーのはいくえほん—おしょうがつのまき』
あらしやまこうざぶろう文 /あんざいみずまる絵  定価945円
お正月、ピッキーとポッキーは、やぎ先生に俳句を教わって、友だちにも教えてあげました。「どんぐりがひとつ入ったおとしだま」これはリス君の句です。楽しい俳句絵本。

《2》月刊誌最新号<2月号>のご案内
 月刊誌最新号<2月号>は、好評発売中です。

こどものとも0.1.2.『こぶたのおでかけ』 こどものとも0.1.2.
『こぶたのおでかけ』


杉田 徹 文・写真
定価410円

子ぶたたちが小屋から外に出て、みんなでおでかけ。いいものあるかな……。好奇心いっぱいに、何にでも近寄っていく子ぶたたちの姿が愛らしい写真絵本。
こどものとも年少版『ポッサム おちた』

こどものとも年少版
『ポッサム おちた』


渡辺鉄太 文/加藤チャコ 絵
定価410円

寝ぼけて木の上の家から落ちたポッサム。自分の家がわからず、迷子になってしまいました……。オーストラリアの動物たちが登場するたのしいお話です。

こどものとも年中向き『きょうのさんぽは そらあるき』 こどものとも年中向き
『きょうのさんぽは そらあるき』


山田ゆみ子 作
定価410円

真っ白な雪の上はまるで雲の上のよう。ゆうちゃんたちの空想はどんどん広がり、みんなでドラゴンになって、空を飛びまわり、雪の大男にも出会います。
こどものとも『へろへろおじさん』

こどものとも
『へろへろおじさん』


佐々木マキ 作
定価410円

おじさんは友達に手紙を書きました。白い背広を着て、お気に入りの帽子をかぶり、さっそうと近所のポストに向かいます。しかし、なぜだか今日は運が悪い。

ちいさなかがくのとも『ひつじさん あそんでよ』 ちいさなかがくのとも
『つばきレストラン』


おおたぐろまり 作
定価410円

さむい冬に、つばきが花を咲かせました。さあ、つばきレストランの開店です。お客さんは小鳥たち。とってもあまい"みつ"をたっぷり飲んでいってね。
かがくのとも『こんなとき きみなら どうする?』 かがくのとも
『モノレールの たび』


みねおみつ 作
定価410円

ターミナル駅から、海のある町の駅まで運行するモノレールの小さな旅。入り組んだ地形を縫うように登ってはくだり、左右にカーブを描きながら進みます。
たくさんのふしぎ『カリブーをさがす旅』 たくさんのふしぎ
『カリブーをさがす旅』


前川貴行 文・写真
定価700円

アラスカでは、春になると、カリブーの群れが山脈をこえ大移動していきます。その大群をどうしても見たい写真家が、空から飛行機でさがすのですが……。
母の友

母の友 
特集1「乗り物絵本の引力」
特集2「"のびのび"ってなんだ?」
定価530円

子どもはどうして乗り物が好きなのでしょう。特集1では絵本という観点からその謎に迫ります。特集2は、園選びにお悩みの方へ! 幼児期に大切なこととは。
こちらから2月号の目次をご覧いただけます。

《3》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月はかがくのとも編集部です。「母の友」編集室からのメッセージもお送りしています。

かがくのとも編集部から

 かがくのとも2月号「モノレールの たび」の企画が始まったのは2010年です。この時点で著者のみねおさんはモデルとなった湘南モノレールに何度も乗車し、また沿線をくまなく歩いての取材をして大まかなラフをすでに作り上げていました。ただしこのラフは場面の構成を練ったものにすぎず、場面に描く細かな描写については追加取材がどうしても必要でした。
 そこで湘南モノレール(株)に取材を申し込み、2011年1月に鎌倉にある本社を訪れて、湘南モノレールの歴史や運行システムなどについてのレクチャーを受けました。各場面を描くに当たって不明な点もこのときに尋ねます。その後、整備場の見学取材です。整備点検中の車両の中に入り、運転席や普段はよく見ることのできない駆動部分をじっくりと観察し資料写真を撮り、作業中の方々にいろいろなお話しをうかがいました。自動車整備士の資格があるみねおさんは細部にわたることまで質問していきます。絵本で描かれている整備場面はこのときの取材を基にしています。
 飛行機の操縦免許も持っているみねおさんは、この湘南モノレールの沿線の上空を何度も飛行して空からの風景を見ています。鳥瞰図的な場面はみねおさん本人が実際に目にしたものを描いているのです。山があり海が見え、そして地形の起伏がわかるようなモノレール沿線場面の臨場感は実際に上空から見ているからこそで、懸垂式モノレールの持つ浮遊感も飛行機乗りの著者だからこそ絵で表現できたものだと思います。高度感溢れるモノレールの疑似体験をこの絵本で楽しんでもらえたらうれしいです。
こちらから「かがくのとも」をご覧いただけます。

「母の友」編集室の窓から

  「男の子って、どうしてこう乗り物が好きなのかしら……」。子育て中のお母さんからよく聞かれる素朴なギモンから生まれたのが、今月号の特集1「乗り物絵本の引力」です。街で見かける働く車や電車、飛行機など、とにかく乗り物ならなんでも好き、という子どもはとくに男の子で多いですよね。絵本においても、『きかんしゃやえもん』や『しょうぼうじどうしゃじぷた』など、乗り物が主人公の作品はもちろん、『ずかん・じどうしゃ』などストーリーのない本も根強い人気です。子どもを引きつける魅力はどんなところにあるのでしょう? 山本忠敬さん、小風さちさん、岡本雄司さんら乗り物絵本の作者たちの思いと工夫から、その謎に迫ります。
 子どもの通う幼稚園や保育園、みなさんはどんな基準で選んでいますか。読み書きや音楽、水泳などいろいろなことを教えてくれる「お勉強系」、それとも子どもが主体的に遊ぶ「のびのび系」? 特集2「"のびのび"ってなんだ?」では、幼児期の子どもがのばすべき力とは何かを、幼稚園教諭・池田かよ子さんと少年サッカーコーチの池上正さんのお話で整理しながら、子どもにとっての「遊び」の意義を考えます。
 なお、特集1の立案にあたっては、Facebookで募集した読者のみなさまからのご体験が大変参考になりました。コメントをお寄せくださったみなさま、まことにありがとうございました。今後もご意見をうかがったり最新情報を更新していきますので、「母の友」Facebookページにもご注目ください。
こちらから「母の友」2月号の目次をご覧いただけます。
母の友編集部ではfacebookページをはじめました。

《4》1月の新刊ご案内
《1月7日(火)販売開始》
『えんの松原』 『文庫版 えんの松原』

伊藤 遊 作/太田大八 画
定価840円

�キの真ん中に広がる「えんの松原」は、怨霊たちのすみかだった。少年音羽が探りあてた、東宮に祟る怨霊の正体とは?

《1月8日(水)販売開始》

『にんじん だいこん ごぼう—日本の昔話より』 『にんじん だいこん ごぼう—日本の昔話より』

植垣歩子 再話・絵
定価840円

だいこんのように白かったにんじん、ごぼうが、今のような色になったわけとはいったい……? 昔話をもとにした楽しい絵本です。
『ぱか ぱか』 『ぱか ぱか』

福知伸夫 作
定価735円

「ぱかぱか ぱかぱか」。馬が石や花を飛び越えながら、駆けていきます。リズミカルな「ぱかぱか」の音が心地よい絵本。

《1月15日(水)販売開始》
『絵本の記憶、子どもの気持ち』 『絵本の記憶、子どもの気持ち』

山口雅子 著
定価1050円

絵本を、子どもは一体どう受けとめているのでしょう?学生たちの幼い頃の記憶が甦ったとき、意外な事実が明らかになります。
『カレンダー』

『カレンダー』

ひこ・田中 作
定価1680円

13歳の女の子翼が見つめる現在、過去、未来。ひととひととのつながりの不思議さ、おもしろさが、みずみずしい筆致で描き出される。

《5》中川李枝子さん講演会のご案内
 ぐりとぐら誕生50周年を記念して、作者中川李枝子さんの講演会を、大阪/名古屋/東京の3会場にて開催しております。「ぐりとぐら」誕生の秘密や、作品に込めた思い、そして今、子どもに関わるすべての大人たちに伝えたいことを、丁寧に語っていただきます。

 大阪会場(11月2日開催)の講演録を公開しました。ぜひご覧ください。
 名古屋会場(12月14日開催)は盛況のうちに終了しました。ありがとうございました。

 東京会場(2014年2月1日開催)につきましては、中川李枝子さんとスタジオジブリの宮崎駿監督の対談形式の講演会を開催することになりました。近日中に当選・落選のはがきを発送する予定です。

 大阪会場講演録はこちらからご覧いただけます。

《6》原画展のお知らせ

●木下 晋展—生命の旅路
会期 2013年11月12日(火)〜 2014年2月8日(土)
休館日 毎週月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)、12月29日(日)〜1月3日(金)
開館時間 9時30分〜16時30分
会場 原爆の図 丸木美術館
〒355-0076 埼玉県東松山市下唐子1401
問い合わせ先 TEL 0493-22-3266
入場料

大学生以上900円(800円)、中・高校生または18歳未満600円(500円)、小学生400円(300円)、60歳以上・比企地区在住者100円引き、障碍のある方は半額
( )内は20名以上の団体料金

関連作品 『はじめての旅』

●大橋 歩の想像力  Imagination from/into/beyond Words
会期 2014年1月4日(土)〜2月16日(日)
休館日 月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)
開館時間 9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
会場 三重県立美術館
〒514-0007 三重県津市大谷町11
問い合わせ先 TEL 059-227-2100
入館料

一般600円(400円)、高・大学生400円(300円)、小・中学生 無料
( )内は20名以上の団体料金

関連作品 こどものとも年少版『これはおひさま』
こどものとも年少版『おしょうがつさん』

●アートが絵本と出会うとき—美術のパイオニアたちの試み
会期 2013年11月16日(土)〜 2014年1月19日(日)
休館日 月曜日(祝日の場合翌平日)、12月27日(金)〜1月4日(火)
開館時間

10時〜17時 、会期中の土日は20時まで延長

会場 うらわ美術館   
〒330-0062 さいたま市浦和区仲町2-5-1浦和センチュリーシティ3F
問い合わせ先 TEL 048-827-3215
入館料

一般600円(480円)、高校・大学生400円(320円)、小・中学生200円(160円) ( )内は20名以上の団体料金

関連作品 『ちんろろきしし』

●井上洋介図鑑展—漫画、タブロー、絵本—
会期 2014年1月11日(土)〜2月23日(日)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)、2月12日(水)
開館時間 9時〜17時(入館は16時30分まで)
会場 刈谷市美術館
〒448-0852 愛知県刈谷市住吉町4-5
問い合わせ先 TEL 0566-23-1636
入館料

一般300円、学生200円

関連作品

『あじのひらき』
こどものとも年中向き『馬の草子』


●「ピッキーとポッキーのはいくえほん」原画展
会期 2014年1月16日(木)〜28日(火)
休館日 水曜日
開館時間 11時〜19時
会場 ギャラリービブリオ
〒186-0004 東京都国立市中1-10-38
問い合わせ先 TEL 042-511-4368
入館料

無料

関連作品 『ピッキーとポッキーのはいくえほん—おしょうがつのまき』
 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000