あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2014年2月19日 Vol.158
今日は二十四節気の「雨水」、雪解けの日

 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 例年なら関東地方で雪が降るのは春も近いしるしというところでしょうが、今回はたいへんな雪害となってしまいました。被害を受けた方々には心よりお見舞い申し上げます。
 それでも日一日と日差しに春の訪れを感じるようになりました。今月のおすすめ本では雪解けの季節にふさわしい本を集めてみました。

《1》特集エッセイ「ぐりとぐらと私」
   今月は絵本作家の大友康夫さん
「ほんとうにほんと」         大友康夫

 『ぐりとぐら』が僕の人生を変えたというと、大げさに聞こえるかもしれませんが、ほんとうにほんと、正真正銘真実なのです。

 不覚にも21歳で親になってしまった僕は、その頃自分の身過ぎ世過ぎに不安を抱えていました。
 もともと不登校で学歴もなく、かと言って手に職がある訳でもなし、持ち前の容姿(今となっては誰も信じてはくれませんが)を活かし、ファッションモデルをしていました(なんと、当時あの菅原文太さんもファッションモデルだったんです!)。が、先の見通しは暗夜行路。それでも息子は成長して、園文庫から借りて来たのが『ぐりとぐら』でした。
 僕はひと目で『ぐりとぐら』に魅了されてしまいました。自分が世渡りのために捨ててきたものが、『ぐりとぐら』には満載だったのです。
 子どもの頃の愛読書ナンバーワンは『山のクリスマス』。『ぞうさんばばーる』『ひとまねこざる』『こねこのぴっち』『ちびくろさんぼ』『クマのプーさん』と続きます。きわめつきは『たのしい川べ』(以上、岩波書店)。
 この本たちが本棚の片隅で僕を待っていてくれました。

 そんなこんなで、見よう見まねの絵本作りを始めたのです。
 絵は中学校以来描いたことがありませんでした。そこで、人物デッサンの名人長沢節さんに相談しました。「その方がいい。なまじデッサンなんかやっていると、手で描いてしまうからね」とのこと。
 「えっ! 手で描かないで、どこで描くんですか?」
 「ハートだよ」
 そう言われれば、『ぐりとぐら』も"手で描いた"とはとても思えなかったので、ぼくはすぐに納得しました。
 これは後日証明されることになりました。いぬいとみこさんに紹介された山脇百合子さんは、ほのぼのとしていてチャーミング、ご自身がお描きになる絵そのものという方だったのです!
 最初の絵本原案を持ち込んだのはむろん『ぐりとぐら』の発行元福音館書店。未だにあの時のことを思い出すと冷や汗が出ます。高ーい敷居に、「こどものとも」の編集長だった征矢清さんが梯子を掛けてくれました。
 『あらいぐまとねずみたち』が出版されたのは『ぐりとぐら』を教えてくれた息子が小学校へ上がる年、3年が経っていました。
 彼の通っていた幼稚園は『あらいぐまとねずみたち』を卒園記念に子どもたちに配って、子どもたちと僕の門出を祝福してくれました。

 僕にとって『あらいぐまとねずみたち』は『ぐりとぐら』へのオマージュです。それはこの絵本をご覧になればお分かり頂けると思います。なんと、クライマックスのシーンにあの『ぐりとぐら』の名場面、カステラが焼きあがった場面が登場しているのですから。

『あらいぐまとねずみたち』 『あらいぐまとねずみたち』

大友康夫 作・絵  
定価840円
大友康夫
大友康夫(おおともやすお)1946年埼玉県生まれ。モデル、役者、運転手など様々な仕事を経て、子どもが幼稚園から借りてきた一冊の絵本がきっかけで、絵本作家に。作品に『どうすればいいのかな』をはじめとする「くまくんの絵本」シリーズ、『あらいぐまとねずみたち』『ざりがにのおうさま まっかちん』『ぼくのママが生まれた島 セブ―フィリピン』『いちばんでんしゃのしゃしょうさん』(以上、福音館書店)「くまたくんのえほん」シリーズ(あかね書房)など多数。東京都在住。
《2》「絵本に出会える場所」児童書専門店のご紹介
   教文館ナルニア国(東京都中央区)
☆いろいろな絵本を見てお気に入りの絵本を見つけたいとき、絵本に詳しい店員さんに相談にのってもらいたいとき、頼りになる児童書専門店が全国各地にあります。
 今月は、東京都銀座の「教文館ナルニア国」さんからお店の紹介を寄稿していただきました。


  教文館ナルニア国は1999年にオープンし、今年で15年目になります。まずロングセラー中心の児童書専門フロアとして教文館ビルの8階に生まれ、その後2002年に新刊1年分をそろえた「子どもの本新刊コーナー」が6階にでき、その二つが2004年に合わさって現在のナルニア国になりました。
 ナルニア国は子どもと本の幸せな出会いを願って、様々な活動をしています。品揃えとしては、どの本も安心しておすすめできるロングセラー作品から、過去1年間に日本で出版された新しい子どもの本まで、常時約15000点を取りそろえています。店内に併設されたナルニアホールでは絵本原画展や講演会など、本の楽しみを広げていただく各種イベントも開催しています。ここでは毎月第2・第4の土曜日の午後に、親子で楽しめる≪子どものためのおはなし会≫や、月に1回水曜日の夕方に大人を対象にした絵本の会≪パパ、これ読んで!≫などを行っています。参加は無料、予約もいりませんのでどうぞお気軽にお出かけください。
 また、図書館や学校・文庫など子どもと本をつなぐ立場にある方のために、≪ブックトークの会≫や≪新刊情報メールマガジン≫の配信といった情報発信も積極的に行っています。1年間の≪新刊情報メールマガジン≫から、おすすめの本を書籍にまとめた『2○○○年に出た子どもの本』も作っていますので、「新しい本で何か面白い本がないかな?」とお探しの方は参考にご覧ください!
 ナルニア国には店の運営の柱というべき「ナルニア国憲章」があります。これからも憲章の精神を守りつつ、お客様がワクワクしたり、楽しんだりしてくださるような店を作っていきたいと思っています。


教文館ナルニア国
〒104-0061 東京都中央区銀座4-5-1 教文館ビル6F
TEL 03-3563-0730 FAX 03-3561-7350
営業時間:10時~20時(通年)

《3》3月の新刊ご案内
《3月5日(水)販売開始》
『とけいのあおくん』 『とけいのあおくん』

エリザベス・ロバーツ 作/灰島かり 訳/殿内真帆 絵
定価840円

小さな目覚まし時計は、買われていった最初の朝、ベルを鳴らせるだろうかとドキドキしてきます。イギリス生まれのかわいいお話。
『みやこのいちにち』 『みやこのいちにち』

小西英子 作
定価840円

山に暮らすこぎつねの女の子こんは、みやこに行ってみたくてたまりません。ある日じいちゃんぎつねの荷物にこっそり忍び込み……。

《3月12日(水)販売開始》

『ボタ山であそんだころ』 『ボタ山であそんだころ』

石川えりこ 作・絵
定価1575円

昭和40年頃、炭鉱町の小学校に通う「わたし」は、いつも友達とボタ山や黒い川で遊んでいた。ある日、サイレンが鳴り響いた……。
『とりが ないてるよ』 『とりが ないてるよ』

ヨアル・ティーベリ 文/アンナ・ベングトソン 絵/オスターグレン晴子 訳
定価1050円

アオガラはツィスィーツィスィー、カササギはカシャカシャ、スズメはチュチュ。詩人がつづった鳥の鳴き声に耳を傾けてみよう。

《3月19日(水)販売開始》

『育てて、発見!「トマト」』 『育てて、発見!「トマト」』

真木文絵 文/石倉ヒロユキ 写真・絵
定価1260円

植物には、育てて初めてわかる「ひみつ」がいっぱい。ぐんぐん育つトマトの、細部も見える写真からいくつ発見できるかな?
『なんでそんなことするの?』 『なんでそんなことするの?』

松田青子 作/ひろせ べに 画
定価1365円

「変なやつ」と思われてるトキオ。そんなトキオに「ふつう」になるようせまった友だちは、突然現れた変な生き物に、ぱくり!


《4》書籍編集部だより
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者のみなさまにむけたメッセージをお届けします。今月は科学書編集部です。

科学書編集部から

 科学書セクションから2月に発行された『アジア動物探検記』は、『ぼくはカメレオン』(月刊「たくさんのふしぎ」1997年3月号)『モグラの生活』(たくさんのふしぎ傑作集)などでおなじみの写真家、飯島正広さんが、ダイナミックな写真でお届けする探検記です。

 1980年代、著者の飯島さんは、日本をとりまくアジアの国々をまわり、野生動物を撮影する旅をはじめました。中学生の時から本で見てあこがれていた動物たちに会うための旅です。はじめに訪れたのは、オランウータンのすむ、マレーシアのボルネオ島。旅行ガイドブックを開いても、東南アジアの情報はまだ少ない時代でしたが、「なんとかなるさ」と現地に飛びこみました。でも、そう簡単に、動物に会うことはできません。動物たちは、うっそうとした森の奥や、木もれ日がちらちらする茂みの中にひそんでいて、めったなことでは姿をあらわさないのです。飯島さんは、地元の人と同じ所で寝起きし、同じものを食べて、その土地の人と間違えられるくらいまでかよいます。すると、協力してくれる村人や研究者がふえ、「どこそこで動物をみかけた」という情報が集まるようになり、さまざまな動物たちの姿を撮影することができるようになりました。
 好奇心とあこがれだけをもって日本を飛び出した日から30年以上、飯島さんはアジア各地をまわり、気力と体力が許す限り動物を追い求め、動物のくらしぶりがわかる写真を撮影してきました。数えきれない出会いと、とてつもない枚数の写真から選び抜いた、15ヵ国67のエピソードをお楽しみください。

 この本には、野生動物のほかに、大きなゾウを家族同然に世話する象使い、カワウソの一家と漁にでる漁師なども登場します。動物と人間が近い距離でくらしていることも、アジアの魅力のひとつです。
 もちろん日本の動物たちの姿もあります。わたしたちも、アジアで生きるなかまですから。

『アジア動物探検記』 『アジア動物探検記』

飯島正広 著  
定価4095円

《5》今月のおすすめ本
☆小社の既刊本の中からぜひ読んでほしい本を、毎月少しずつ紹介していきます。今回は、「春の訪れにふさわしい本」を集めました。つららが解け、動物たちは目覚め、雪の間から可憐な花が顔を出します。そして遠い国での冒険の物語も始まります……。
 
『つららが ぽーっとん』

『つららが ぽーっとん』

小野寺悦子 文/藤枝つう 絵
定価840円
3才から

つららに春の訪れをたずねると、つららのしずくが答えます。「ぽーっとん、ちーかい」つららとしずくのきらめきが、春の訪れを告げます。

『まゆとりゅう』 『まゆとりゅう―やまんばのむすめ まゆのおはなし』

富安陽子 文/降矢なな 絵
定価840円 
3才から

やまんば母さんと、まゆが、龍の背に乗って、春一番の雨を降らせます。激しい雨で、雪が解け、雪解け水が川になる……。
『めざめのもりのいちだいじ』

『めざめのもりのいちだいじ―おおきなクマさんとちいさなヤマネくん』

ふくざわ ゆみこ 作
定価1260円
4才から

冬眠から目ざめたヤマネくんはミツバチの巣が崖からおちそうになっているのを見つけます。力持ちのクマさんに助けてもらおうとするのですが……。

『おかあさんとわるいキツネ』

『おかあさんとわるいキツネ―モンゴルのおはなし』

イチンノロブ・ガンバートル 文/バーサンスレン・ボロルマー 絵/つだ のりこ 訳 定価1470円
4才から

モンゴルの北の森には、赤ちゃんをねらう、悪い狐がいます。ある日、狐が揺りかごの中で眠る赤ちゃんをさらっていきますが、お母さんは……。

『春の妖精たち』

『春の妖精たち―スプリング・エフェメラル』

奥山多恵子 文・絵
定価1365円 
小学中級から

まだ肌寒い風の吹く春先に美しい花を咲かせ、短期間のうちに姿を消すスプリング・エフェメラルと呼ばれる野草を知っていますか?

『文庫版 銀のほのおの国』

『文庫版 銀のほのおの国』

神沢利子 作/堀内誠一 画 
定価788円
小学中級から

春休み、甦ったトナカイの首領、はやてを追って、たかしとゆうこの旅は始まった。そして、動物たちの国の壮絶な戦いに立ち会うことになる。

《6》「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」のご案内

 2013年に誕生から50年をむかえた「ぐりとぐら」。誕生50周年の集大成として、朝日新聞社主催の「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」が2014年から2015年にかけて全国6ヵ所を巡回することになりました。巡回展のスタートは、東京・松屋銀座(2/27~3/10)です。
 「ぐりとぐら」の物語7作品をはじめとした170点以上の原画を軸に、大人も子どもも「ぐりとぐら」の世界を楽しむことができるはじめての大規模展覧会です。

誕生50周年記念 ぐりとぐら展
2014年2月27日(木)~3月10日(月)
会場:松屋銀座8階イベントスクエア
   〒104-8130 東京都中央区銀座3-6-1
開場時間:10時~20時(最終日は17時閉場)入場は閉場の30分前まで
入館料:一般1,000円(700円)、高・大学生700円(500円)、中学生500円(300円)、小学生以下無料 ※( )内は前売券
前売券はチケットぴあ、ローソンチケット、セブンイレブンにて2/26まで販売
(Pコード766-013/Lコード39536/セブンコード027-508)
お問い合わせ先: TEL 03-3567-1211(大代表)

全国巡回予定   ※都合により変更になる場合がございます。
2014年 2月27日(木)~ 3月10日(月) 松屋銀座(東京)
2014年 7月20日(日)~ 8月31日(日) 長島美術館(鹿児島)
2014年 9月 6日(土)~10月13日(月) ひろしま美術館(広島)
2015年 2月17日(火)~ 3月 2日(月) ジェイアール名古屋タカシマヤ(愛知)
2015年 4月11日(土)~ 5月31日(日) 伊丹市立美術館(兵庫)
2015年 開催予定(日程未定)   いわき市立美術館(福島)

《7》原画展のお知らせ

●井上洋介図鑑展―漫画、タブロー、絵本―
会期 2014年1月11日(土)~2月23日(日)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)、2月12日(水)
開館時間 9時~17時(入館は16時30分まで)
会場 刈谷市美術館
〒448-0852 愛知県刈谷市住吉町4-5
問い合わせ先 TEL 0566-23-1636
入館料

一般300円、学生200円

関連作品

『あじのひらき』
こどものとも年中向き『馬の草子』


●青島左門 ほわほわ展
会期 2014年1月14日(火)~2月22日(土)
休館日 日・月曜日、祝祭日
開館時間 13時~17時(金曜日は13時~19時)
会場 若山美術館
〒104-0061 東京都中央区銀座2-11-19 国光ビル4・5階
問い合わせ先 TEL 03-3542-3279
入館料

高校生以上500円 中学生以下は無料

関連作品 こどものとも0.1.2.『ほわほわ』

●収蔵品展047 絵の中の動物たち
会期 2014年1月18日(土)~3月30日(日)
休館日 月曜日、2月9日[日](全館休館日)
開館時間 11時~19時(金・土は20時まで/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
会場 東京オペラシティ アートギャラリー 4F
〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2
問い合わせ先 TEL 03-5777-8600
入館料

小学生以上200円

関連作品 はいじまのぶひこさん、相笠昌義さんの作品が出品されています。
『きこえる?』
『はじめてであうずかん けもの』

●木下 晋・松居身紀子展
会期 2014年2月1日(土)~2月16日(日)
休館日 月曜日、2月9日[日](全館休館日)
開館時間 10時~16時(16日は14時まで)
会場 石川県立美術館 広坂別館
〒920-0963 金沢市出羽町1-1
問い合わせ先 TEL 0761-221-8810
入館料

入場無料

関連作品

『はじめての旅』


●バーサンスレン・ボロルマー展
会期 2014年2月12日(水)~3月8日(土)
休館日 日・月・祝
開館時間 火・水・木11時~19時 金・土11時~21時 最終日17時まで
会場 馬喰町ART+EAT
〒101-0031東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル202
問い合わせ先 TEL 03-6413-8049
入館料

入場無料

関連作品

バーサンスレン・ボロルマーの作品


JBBY国際講演会  ボロルマーさんの絵本づくりとアジアの子どもの本フェスティバル
日時 2014年3月8日(土) 13:30開場、14:00開演
会場 日本青年館503会議室
〒162-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町7-1
主催 日本国際児童図書評議会(JBBY)
参加費 1000円
申し込み方法 名前・人数・住所・電話番号またはメールアドレスを明記の上、ハガキ、FAX、e-mailにて下記へ。(定員80名)
申込み・問い合わせ先

JBBY事務局 〒162-0828東京都新宿区袋町6番
TEL 03-5228-0051 FAX 03-5228-0053 e-mail:form@jbby.org

関連作品

バーサンスレン・ボロルマーの作品

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000