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 ★  あのねメール通信~福音館書店メールマガジン  2003年3月3日 Vol.16 ★

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         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆          

《1》 一年生は『にほんご』から 松居直
《2》 赤ちゃんと絵本について
《3》 月刊誌最新号<4月号>のご案内
《4》 「母の友」編集室の窓から
《5》 『やねうらべやの おにんぎょうさん』著者・柳生まち子さんのエッセイ
《6》 3月の新刊・福音館文庫のご案内
《7》 あのねぶっくくらぶ2003年度のご紹介
《8》 ホームページ・リニューアルのお知らせ

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《1》一年生は『にほんご』から 松居直
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 幼児期に絵本や童話を読んでもらい、耳を傾けてことばを聴くという貴重な体験
を積重ねてきた子どもが、やがて文字を読むという新しい体験に出会うときがきま
す。子どもが文字との出会いをするときに、家庭で、お母さんとお父さんの声でぜ
ひとも子どもに読んでいただきたい本があります。それは『にほんご』(安野光
雅・大岡信・谷川俊太郎・松居直の共著)です。
 この『にほんご』は、文部科学省の国語の指導要領にそって編集され、現在使わ
れている小学校一年生の国語教科書では、子どもの“ことば”=“にほんご”に対
する感じ方や興味の持ち方、また“ことば”の本質に迫る理解の仕方が不充分では
ないかという批判のもとに、学校において本格的な“ことば”の教育をはじめる一
年生の児童に、まず“ことば”とは何かを、自分との関係において考えてみる手引
きとしての教科書(私案)のかたちで、執筆編集した本です。
 この『にほんご』は、子どもたちが小学校に入学する直前から、一年生になった
ときにかけて、ぜひともお母さんやお父さんの声で読んでやってください。この本
は子どもが自分で読むより、読んでもらって耳で聴き、絵を自分の眼でしっかりと
確かめるとき、“ことば”というものに対する子どもの感覚や理解、また人間に
とって“ことば”がどれほど重要な意味をもっているかを認識する、興味深い真の
教科書となるでしょう。
 普段、自然に何気なく使っている“ことば”が、実はわたくしたちが生きてゆく
のにどれほど大切な働きをし、私たちの日々の生活をすみずみまで支えているか
を、この『にほんご』はわかりやすく語ります。“ことば”に目覚め、“ことば”
に対する鋭い感覚を養うことは、教育の根源的な力です。
 そして『にほんご』を自分の口で語り、自分の声で子どもに伝えることで、この
本を読む大人も、自らの“ことば”の意味や質に改めて気付くことができます。子
どもの“ことば”を育ててゆたかにするのは大人です。特に親です。しかしその親
が自らの“にほんご”を改めて省察したり、認識したりすることはほとんどありま
せん。子どもがはじめて学校教育を受けるこの大切なときに、まず親自身が“こと
ば”とは何か、自分の“にほんご”はどうなっているかを真剣に考えてみてくださ
い。共に学ぶことは、共に生きることです。

                                 松居直

『にほんご』安野光雅・大岡信・谷川俊太郎・松居直 編

松居直(まつい ただし)
児童文学家。京都生まれ。1951年同志社大学法学部卒業後、福音館書店の創業に参
画し、編集部長、社長、会長をへて、1997年より相談役、現在に至る。1956年月刊
物語絵本「こどものとも」を創刊し、編集長として赤羽末吉、長新太、堀内誠一、
安野光雅、加古里子、中川李枝子など、多くの絵本作家を世に出す。また、『もも
たろう』(1965年サンケイ児童出版文化賞受賞)『だいくとおにろく』や、陶淵明
の詩をもとにした『桃源郷ものがたり』など多数の絵本を執筆。著書は、『絵本と
は何か』『絵本の森へ』(日本エディタースクール出版部)、『絵本・ことばのよ
ろこび』『子どもの本・ことばといのち』(日本基督教団出版局)、『にほんご』
(共著、福音館書店)、『絵本の力』(共著、岩波書店)など多数。

★『ももたろう』 松居直 文/赤羽末吉 画
★『だいくとおにろく』 松居直 再話/赤羽末吉 画
★『桃源郷ものがたり』 松居直 文/蔡皋 絵

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《2》赤ちゃんと絵本について
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 赤ちゃんが一番ほしがっているものは、たっぷりのミルク(食事)と、長い睡眠
と、そしてお母さんやお父さんがそばにいてくれることでしょう。そばにいてくれ
るだけでも嬉しいのですが、やさしい声でたくさんのことを語りかけてくれれば
もっともっと嬉しくなります。そんなときに赤ちゃんの絵本「こどものとも0.1.
2.」や「0.1.2.えほん」をご利用ください。わかりやすくて心地よいリズム感
のある文章と、温かく、しっかりと存在感のある絵で、10ヵ月から2歳の子ども
たちに届けています。
 寝しなに絵本を繰り返し読むことは、赤ちゃんにとって人を信頼する根っこに
なっていくものです。読み手の大人にとっても、腕の中や、ひざに乗った赤ちゃん
の、すてきな笑顔を全部受け止められます。それは、絵本を読んであげた人と読ん
でもらった人だけの宝物です。絵本の面白さを満喫しながら、親と子が、人と人が
つながっていく時間をつくれます。
 どうか、赤ちゃんに絵本を読んであげてくださいね。

                          こどものとも第二編集部
          (「こどものとも0.1.2.」「こどものとも年少版」担当)

★≪赤ちゃんへ語りかける絵本≫
月刊予約絵本「こどものとも0.1.2.」のご紹介

★ご好評いただいている0.1.2えほんセットに新セット登場です。
『0.1.2.えほん Dセット』

★赤ちゃん絵本のご案内リーフレット「お母さんと赤ちゃんの絵本のたのしみ」を
無料でお届けします。

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《3》月刊誌最新号<4月号>のご案内
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☆月刊誌最新号<4月号>発売中です。

◇◆ こどものとも0.1.2.『おっぱいのんだら』
              わかやま しずこ 作             ◇◆
 お母さんのおっぱいを飲んだあと、元気よく遊ぶ子ウシ、子ネコ、子イヌ、子ブ
タたち。たくさん遊んだあとは、お母さんのところに戻ります。

◇◆ こどものとも年少版『ブルくんとかなちゃん』
            ふくざわ ゆみこ 作                 ◇◆
 かなちゃんの家にやってきた犬のブルくん。ブルくんとかなちゃんの交流を、ほ
のぼのとした笑いの中に見事に描いた作品。

◇◆ こどものとも年中向き『そらまめくんとながいながいまめ』
             なかや みわ 作・絵              ◇◆
 あのそらまめくんに、「さんじゃくまめ」という名のライバル登場。そらまめく
んは、自慢のふわふわベッドでベッドくらべを挑むのですが……。

◇◆ こどものとも『しあわせを もってきた シャベル』
         松野正子 作/太田大八 絵               ◇◆
 シャベルを1本かついで旅に出たトム。シャベルは行き先々で役に立って、最後
にはトムに素敵な幸せをもたらします。

◇◆ ちいさなかがくのとも『おおきくなりたい こりすの もぐ』
                征矢清 文/夏目義一 絵             ◇◆
 「いっぱい食べて大きくなるんだ!」。子りすのもぐは、ひとりで食べものを探
しに出かけます。おいしいものは見つかったかな?

◇◆ かがくのとも『ポットくんとミミズくん』
         真木文絵 文/石倉ヒロユキ 絵               ◇◆
 ポットくんはミミズくんと出会い、ミミズくんの土の中での働きを知ります。ミ
ミズくんのおかげで今年は、いつもよりたくさんの花が咲きました。

◇◆ おおきなポケット【かがく】「ひぐまが語ってくれたこと」
                伊藤健次 写真・文
           【ものがたり】「ダンデライオンのどようび」
                  ドン・フリーマン 作
                  アーサー・ビナード 訳        ◇◆
「ひぐまが語ってくれたこと」…力強い自然の生命力と厳粛な野生の営みを、ひぐ
まの生態を通して子どもたちに語りかけます。「ダンデライオンのどようび」…
ユーモラスな絵とのびやかな言葉がぴったり合った絵本です。

◇◆ たくさんのふしぎ『黒部の谷のトロッコ電車』
           横溝英一 文・絵                  ◇◆
 切り立った絶壁と激流の黒部峡谷を、トロッコ電車が走っていきます。この電車
は、なぜこんな険しい場所を走っているのでしょうか。

◇◆ 母の友 特集“見直そう、子どもの「生活リズム」”          ◇◆
 早寝早起きは昔の話? 大人も子どもも暮らしやすい「生活リズム」を再考しま
す。特別付録は加古里子「だるまちゃんシール」!

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《4》「母の友」編集室の窓から
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「母の友」創刊50周年を記念企画「こどもに聞かせる一日一話」に、たくさんの
ご応募をいただき、大変ありがとうございました。今、編集部で全てのお原稿を拝
見しています。結果は9月号(50周年記念号)の誌上で発表いたしますので、どう
ぞお楽しみに。さてこの「一日一話」に続きまして、9月号の読者投稿欄「てがみ
でこんにちは」の原稿を“「母の友」と私”のテーマで募集いたします。印象に
残った記事や本誌を通じての出会いなど、本誌の思い出や、本誌へのご意見・ご要
望など、どんなことでもけっこうです。気楽にお書きください。締め切りは、5月
15日(当日消印有効)。字数は特に規定はありませんが、1600字以内におお
さめください。お手紙には住所・名前・電話番号を明記の上、下記まで。採用分に
は小社発行の絵本をお送りいたします。なお、いただいたお手紙はお返ししませ
ん。また、文章を編集部で整理させていただくことがありますので、あらかじめご
了承ください。お待ちしております。

〒113-8686 福音館書店 「母の友」編集部『「母の友」と私』 係

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《5》『やねうらべやの おにんぎょうさん』著者・柳生まち子さんのエッセイ
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 人形のしあわせ

 私のうちにはお人形さんが二人います。二人とも女の子で私が作った人形です。
作ったのは25年くらい前なので、もうずいぶん古びています。
 お人形たちは布でできていて、頭の中身は厚紙とパッキン、胴体はクズ毛糸、手
足には綿がつめられています。刺繍糸で眉や口が描かれていて、目はボタンです。
特別に用意された材料ではなくて、そこらにあったありわせの物で作られた人形で
す。
 私の好きなお話、ルーマー・ゴッデンの「人形の家」の主人公は木でできた小さ
な人形です。そのお人形さんは自分ができたもとの一本の木のことを考えて楽し
み、そしてそのことを誇らしく思っているようです。
 でも、私の人形たちは頭の中がパッキンのカサカサで軽い能天気な人形たちです
からね、自分たちがなんでできてるかなんて考えたこともないと思いますよ。それ
でも、大切にされてかわいがられて、しあわせな人形たちです。
 人形はたんなる物とはいえない、ちょっと特別な存在です。でも、だれにもか
まってもらえなくて無視され続けていれば、それはもう人形ではいられなくなっ
て、ただの物になってしまうでしょう。
 このお話の「やねうらべやのおにんぎょうさん」は私のうちの人形たちのように
布や毛糸で作られています。だれかがだれかのために作って、だれかにかわいがら
れていたはずの人形です。でも、今は屋根裏部屋に置かれ、忘れさられてしまった
人形です。
 お人形さんは長いあいだずっと一人でいました。だれにも話しかけられず、ただ
じっと座っているだけでした。あんまり長い間だったので、お人形さんはいつから
ここにいるのか忘れてしまいました。自分がだれかにかわいがられていたことも、
自分に名前がついていたことさえも覚えていません。
 そんなぼんやりとした存在になってしまったかわいそうなお人形さんですが、あ
る日やってきたのねずみのおかげでめざめます。お人形さんは自分をとりもどし、
屋根裏部屋で人形らしく暮らし始めます。そして、おしまいには人間の女の子の友
達を得て、しあわせになります。
 人形ですから、自分から友達をさがしにいくなんてことは出来ません。心で強く
念じたわけでもありません。そういうことが自然に起こったということなのです
が、そういうことは起こるべきときに起こるべきこととして起こるんですね。
 このお話は自分で作ったお話ながら、何度読みかえしてもおしまいまでいくと、
あー、よかったとすーっと気持ちがよくなります。幸福感に満たされます。
 どこで暮らしている人形たちもみんなしあわせでいてほしいなと、しみじみと思
います。
                                柳生まち子
 
★『やねうらべやの おにんぎょうさん』 柳生まち子 作

柳生まち子(やぎゅう まちこ)
1945年、北九州市に生まれる。大分県立芸術短期大学絵画科卒。セツ・モードセミ
ナー卒。 絵本に『クマくんのバタつきパンのジャムつきパン』『クマくんのはち
みつぶんぶんケーキ』『クマくんのおめでとうクッキー』『いえでだブヒブヒ』
(以上 福音館書店 刊)。『きんいろのとけい』(クレヨンハウス 刊)、さし絵
に『つめたいよるに』『温かなお皿』『迷い鳥とぶ』(以上 理論社 刊)『いつか
記憶からこぼれおちるとしても』(朝日新聞社 刊)などがある。 長野県在住。

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《6》3月の新刊・福音館文庫のご案内
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【福音館文庫】
≪3月11日(火)配本予定≫
★『ハイジ(上)』
 ヨハンナ・シュピーリ 作/パウル・ハイ 画/矢川澄子 訳
◎アルプスの自然を愛する少女ハイジの、素朴で無邪気な愛の力が、魔法のように
周囲の人たちを変えてしまいます。

★『ハイジ(下)』
 ヨハンナ・シュピーリ 作/パウル・ハイ 画/矢川澄子 訳
◎フランクフルトで病気になったハイジは、アルムじいのいるアルプスにもどり、
ふたたび輝かしい日々を送りますが……。

【新刊】
≪3月5日(水)配本予定≫
★『ねぎぼうずのあさたろう その4 -火の玉・おてつのあだうち』
  飯野和好 作
◎たまねぎ姿の「火の玉おてつ」と悪役「灰かぶりのとうぞう」。さらにあさたろ
うの父を配して展開の浪曲風チャンバラ絵本第四弾。

★『アマガエルとくらす』 山内祥子 文/片山健 絵
◎ある春の日、窓辺の洗面台にすみついたアマガエル。そのカエルと、14年間も
いっしょにくらすことになった人のお話です。

★『糸あそび 布あそび』 田村寿美恵 文/平野恵理子 絵
◎裂き布など身近にある材料でできる、簡単で楽しい織物の本。自分で使えるヘ
アーバンドやぞうり、かごやコースターを作ってみよう。

≪3月12日(水)配本予定≫
★『ねぇ どっちがすき?』
  安江リエ 作/降矢奈々 絵
◎目玉焼きと卵焼き、リンゴとバナナ、ぶらんこと滑り台…。ねえ、どっちが好
き? 楽しくてすてきなものの数々から、どれか一つを選ぶのは、嬉しいけれど、
とっても難しい!

★『みんな おおあくび』 薮内正幸 作
◎朝です。ふわあ、と犬や猫やウサギなど、いろいろな動物たちがおおあくび。さ
まざまな動物たちのあくびは個性豊かでとってもユーモラス。

★『てんのくぎをうちにいった はりっこ』
  かんざわとしこ 作/ほりうちせいいち 絵
◎天の丸天井を支えている釘がゆるんで、天が落ちてくる! 誰かが釘を打ちに行
かなくては。そこで名乗り出たのは、伝説のハンマーをもった小さなはりねずみの
はりっこだった……。

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《7》あのねぶっくくらぶ2003年度のご紹介
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 毎月、選りすぐりの絵本・童話をお届けする「あのねぶっくくらぶ」。年齢、興
味に応じた7つのコースがあり、1年間と半年間の購読期間があります。ただいま
4月からの1年間と9月までの半年間の2つの期間のお申し込みをホームページで
も受付中です。5月と12月にはささやかなプレゼントもお届けします。締め切り
は4月30日です。

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《8》ホームページ・リニューアルのお知らせ
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 本日3月3日11時にホームページがリニューアルオープンしました。デザインも変
わりましたが、何といっても目玉はレビューや掲示板など、読者の方に参加してい
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