あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2014年5月7日 Vol.163
子どもの本はすべての人に生きる力をあたえます。
 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 5月になりました。気持ちのいい季節といっても、夏のように暑い日もあれば、まだまだ寒い日もあります。4月から新しい環境で気を張っていた人たちが、連休も終わって、「5月病」にかかりやすくなる季節でもあります。
 ここはひとつ、絵本や子どもの本を手にとって、楽しみながら心の活力をとりもどしてみてはいかがでしょうか。
《1》6月の新刊『おっとあぶない かわのなか』の
   作者 きむら ゆういちさんのエッセイ
『おっとあぶない かわのなか』が出来るまでの話  
                         きむらゆういち     
おっとあぶないかわのなか

 ボクは、ある究極な状態を設定し、その中で触れあう登場人物たちの心理を面白く描く話が大好きです。そういう中にこそ人間の本質が見えてくると思うからです。それにはまず設定自体が面白くなくてはなりません。もちろんボクの作品にもそういう話が数多くあります。
 例えば真っ暗闇で出会った天敵の二匹が相手の正体を知らずに話しているうちに仲良しになってしまうという設定の『あらしのよるに』(講談社刊)。
 一本橋の両端が土手からはずれ、やじろべえのようになった丸太の両端にいる天敵。それぞれが激流に落ちないためには敵なのにお互いの重さが必要になってしまい、やむをえず協力しあうという『ゆらゆらばしのうえで』(福音館書店刊)。
 深い穴に落ちた5匹の動物、山ねこ夫婦とのねずみ兄弟3匹が、どうやって穴から出られるかを頭をめぐらし討論する『どうする どうする あなのなか』(福音館書店刊)。
 などなど、短い展開の中に彼らの真剣さをユーモラスにそして劇的に描いています。まさにシンプルな中に奥深さがあり絵本にするのにピッタリの題材です。
 さて、今回の新刊の『おっとあぶない かわのなか』も、もちろんそのひとつです。この話は、実は別の作品を執筆中に浮かんだものでした。あれこれ悩んで執筆していた時に突然ポッと頭の中に現れたのです。これは福音館のボクの絵本シリーズにピッタリだ。ここでは使わずそっと温存しておいてあとで大切に使わせてもらおうと思ったのです。
 この福音館のシリーズにはもうひとつ特徴があります。それは普通の本より縦長だということです。
 『ゆらゆらばしのうえで』の時に、橋の高さを強調させてより緊張感を出そうという編集のTさんからのアイディアで、本を普通よりもっと縦長にしたのです。
 そして次は、同じ判型だけどもっと縦長に開く絵本にしてみたらどうだろうと、またTさんから提案がありました。そこでボクは縦に深い穴に落ちるプラン『どうする どうする あなのなか』を考えたのです。
 そうなると今度はどうしても横に長く開く本が欲しくなりますよね。そこでぼくはいつも「究極の設定」「横長の本」という2つのキーワードを頭の中において生活していました。だからあの時、頭の中にポッと現れたのだと思います。
 いつも思うのですがアイディアが生まれた瞬間の理由は本人にもよく分らないのです。なにしろ突然ピカッとやってくるのですから。
 その本がこの『おっとあぶない かわのなか』。この本はお互い大嫌いな相手だから、横いっぱいに広がったページに描かれた島の両端にいたのに、川の水があふれて島が小さくなるにつれどんどん近づくはめになってしまいます。さあ激流の中でこの大嫌い同士の4匹の運命はどうなってしまうのか。
 それはぜひ絵本を読んでみなさんの目で確かめて頂きたいと思います。

著者: きむら ゆういち(木村裕一)

東京都生まれ。多摩美術大学卒業。造形教育の指導、テレビ幼児番組のアイディアブレーンなどを経て、絵本・童話作家に。『あらしのよるに』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。絵本・童話創作に加え、戯曲やコミックの原作・小説など幅広く活躍中。作品に『風切る翼』『ひみつの箱』(以上、講談社)、『あかちゃんのあそびえほんシリーズ(1~11)』『オオカミのごちそう』(以上、偕成社)、『ゆらゆらばしのうえで』『どうする どうする あなのなか』(福音館書店)などがある。東京都在住。

おっとあぶない かわのなか

『おっとあぶない かわのなか』
きむら ゆういち 文/みやにし たつや 絵
定価(本体1300円+税)※6月発売
ライオンの親子とゴリラの親子が川辺で魚つりをしています。だれが多くつれるかと競い合っているうちに、大雨が降りだした……。ユーモアたっぷりの絵本です。

《2》月刊誌最新号<6月号>のご案内
 月刊誌最新号<6月号>は好評発売中です。

こどものとも0.1.2.『くまさん はい』 こどものとも0.1.2.
『くまさん はい』


長野ヒデ子 作
定価(389円+税)

女の子の呼びかけにくまさんが答えながら、女の子の動作を真似て遊びます。わらべうたをもとにした、リズミカルな言葉の愉快な絵本です。
こどものとも年少版『ゆっくりのんのちゃん』

こどものとも年少版
『ゆっくりのんのちゃん』


わたり むつこ 作/でくね いく 絵
定価(389円+税)

カタツムリののんのちゃんとカエルのぴんとくんは、テントウムシのてんてんおばさんの家にお茶によばれました。

こどものとも年中向き『あめのひのホネホネさん』 こどものとも年中向き
『あめのひのホネホネさん』


にしむら あつこ 作・絵
定価(389円+税)

かたつむりのツムコさんは、カフェでパーティーを企画、ホネホネさんに招待状の配達を依頼します。そして日曜日、満開のアジサイの中、パーティーが開かれました。
こどものとも『まげすけさんとしゃべるどうぐ』

こどものとも
『まげすけさんと しゃべるどうぐ』


太田大輔 作・絵
定価(389円+税)

まげすけさんは江戸の髪結い。大事に扱っていたどうぐたちが、ある日突然しゃべりだした! しゃべるどうぐを連れた髪結いはたちまち町で評判になりますが…。

ちいさなかがくのとも『おはな こちょこちょ』 ちいさなかがくのとも
『おはな こちょこちょ』


多田多恵子 文/平野恵理子 絵
定価(389円+税)

庭やプランターの花をこちょこちょ。あ、指に粉がついてきた! 虫たちも花をこちょこちょしているよ。色も形もさまざまな花のしくみを「探究」します。
かがくのとも『はぐろとんぼ』 かがくのとも
『はぐろとんぼ』


吉谷昭憲 作
定価(389円+税)

真っ黒な羽のはぐろとんぼ。メスのからだは黒く、オスは緑色に輝くからだをしています。環境指標生物でもあるはぐろとんぼの生態を丁寧に描いた観察絵本です。
たくさんのふしぎ『家にいたイリオモテヤマネコ』 たくさんのふしぎ
『家にいたイリオモテヤマネコ』


戸川久美 文/横内 襄 絵
定価(667円+税)

今からおよそ50年前、イリオモテヤマネコが発見され、そのうちの2頭を、中学生だった「私」の家で飼うことになりました。動物小説作家戸川幸夫氏の娘が綴る、貴重な記録です。
母の友

母の友 
特集 「それ、本当に『食育』ですか?」
対談 「子どもを『描く』ということ」中川李枝子×宮崎駿

定価(505円+税)

最近よく聞く「食育」という言葉。特集ではブームとも言える食育の背景とその本質に迫ります。また「ぐりとぐら」の誕生50周年を記念して行われた、作者の中川李枝子さんとアニメーション映画監督の宮崎駿さんの公開対談を全収録します。
こちらから6月号の目次をご覧いただけます。

《3》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月はちいさなかがくのとも編集部です。

ちいさなかがくのとも編集部から

 
 「ちいさなかがくのとも」6月号は『おはな こちょこちょ』をおとどけします。絵本のテーマは花粉です。それでどうして、「こちょこちょ」? 花は繊細なつくりをしています。雄しべの先についている花粉にそっとさわってもらいたい。「くすぐっちゃおう!」というときの感じでさわってもらうとちょうどいいのです! 
 取材は2年がかり。さいしょの年の取材では、絵本でとりあげる花を選ぶため、著者の多田多恵子さんといろんな花をこちょこちょしながら歩きました。身近にある花をとりあげようと考えていたので、取材場所は会社の近くの商店街や住宅地。意外といろんな花がプランターや花壇に植えられているのです。「うわ、たくさん花粉がくっついた~!」などと言いながら写真を撮ったりしているうちに、虫たちが花にやってきます。虫も、花をこちょこちょして花粉を身体にたくさんくっつけ、花から花へ移動します。こうして花は受粉し、種子をつくって子孫をのこしてゆくのです。
 絵本のはじめに登場するトレニアの花を取材したときのこと。小さな花なので、おとなだと花筒に小指をそうっと入れるのがやっとでした。3歳の子どもにやってもらうと、人差し指が花筒にすぽっと入って、こちょこちょこちょ! 多田さんによるとトレニアの花粉の運び手はマルハナバチ。マルハナバチに来てもらえるような大きさ、形、色の花なのだそうです。「ちいさなかがくのとも」の読者たちの人差し指はマルハナバチサイズだったのでした!こちらから「ちいさなかがくのとも」をご覧いただけます。


《4》「うたこさんの絵本」を限定復刊します

 ディック・ブルーナさんの絵本の中でも、復刊リクエストの声を多くいただいていた「うたこさん」の絵本シリーズ3冊を新装版として限定復刊することになりました。この機会にお早めにお求めください。
 今年は「うさこちゃん」の絵本が翻訳されて50周年となります。「うさこちゃん」の絵本についてはこちらをご覧ください。

うたこさんの絵本セット

うたこさんの絵本セット
ディック・ブルーナ 文・絵/まつおか きょうこ 訳
セット定価(本体2100円+税) 各定価(本体700円+税)
『ぶたのうたこさん』『うたこさんの にわしごと』/『うたこさんの おかいもの』

《5》原画展・イベントのお知らせ

●五味太郎作品展[絵本の時間]Special

会期 2014年3月27日(木)~5月25日(日)
休館日 月曜日(祝日は開館)、5月7日
開館時間 9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで)
会場 浜田市世界こども美術館
島根県浜田市野原町859-1
問い合わせ先 TEL 0855-23-8451
入館料

一般400円(300円)/高校・大学生300円(200円)/小・中学生200円(100円)※( )内は20名以上の団体料金

関連作品 『きんぎょがにげた』
『正しい暮し方読本』

●佐々木マキ見本帖
会期 2014年3月21日(祝)~5月25日(日)
休館日 月・火曜日(祝日は開館)
開館時間 10時~17時
会場 こども陶器博物館 KIDSLAND
岐阜県多治見市旭ヶ丘10-6-67
問い合わせ先 TEL 0572-27-8038
入館料

大人(中学生以上)500円 小学生以下無料

関連作品 『やっぱりおおかみ』

●茨木のり子展
会期 2014年4月19日(土)~6月29日(日)
休館日 月曜日(祝日は開館)
開館時間 10時~18時(入館は17時30分まで)
会場 世田谷文学館
東京都世田谷区南烏山1-10-10
問い合わせ先 TEL 03-5374-9111
入館料

一般700円(560円)/65歳以上・高校・大学生500円(400円)/中学生以下無料
障害者350円(280円)※( )内は20名以上の団体料金

関連作品 『貝の子プチキュー』

●太田大輔 江戸のおはなし展
会期 2014年5月19日(月)~24日(土)
休館日 期間中無休
開館時間 11時~19時(最終日17:00まで)
会場 ピンポイントギャラリー
東京都港区南青山5-10-1二葉ビルB1F
問い合わせ先 TEL 03-3409-8268
入館料

無料

関連作品 こどものとも 2014年6月号『まげすけさんと しゃべるどうぐ』
『カラクリ江戸あんない』

●あべ弘士の動物塾
開催日時

1.2014年5月11日(日) 14時~16時(4月2日より受付開始)
2.2014年6月22日(日)14時~16時(5月1日より受付開始)
3.2014年7月27日(日)14時~16時(6月1日より受付開始)
4.2014年8月23日(土)13時~15時(7月2日より受付開始)

会場 子どもの本専門店 メリーゴーランド
三重県四日市市松本3-9-6
問い合わせ先 TEL 059-351-8226
参加費 各回:大人2,500円 子ども1,500円(※)
年間パス:大人9,000円 子ども5,000円(※) ※小学5年生以上
内容

あべ弘士さんと共に、動物について、生命について、これからの地球について学び合います。
【各回テーマ】
1.いまなぜ動物園が人気なのか?
2.野生動物はいま
3.動物と人間の共存のために
4.動物園へ行こう!


●子どもの本・九条の会 6周年の集い
開催日 2014年6月7日(土)
時間

13時30分~16時30分(ロビー開場12時30分、客席開場13時)

会場 国立オリンピック記念青少年総合センター 小ホール
東京都渋谷区代々木神園町3-1
問い合わせ先 子どもの本・九条の会 TEL 03-3417-6301
参加費

一般1000円(事前振込800円)/高校・中学生500円 小学生以下無料

内容

第1部
絵本読み語り 浜田桂子『へいわってどんなこと?』(浜田桂子作 童心社刊)
講演 伊藤 真「憲法のいきづく国へ!—子どもたちの未来に憲法を!」
第2部
提言 Peace Night 9実行委員会(学生九条の会)
「学生だって!学生だからこそ!!—九条を守る私たちのとりくみ—」
講演 松居 直「今、絵本を生きる力に」


●第34回企画展 世界文化遺産登録1周年記念 「富士山と鉄道」
会期 2014年4月8日(火)~7月21日(月・祝)
休館日 月曜(但し祝日の場合は開館、翌日休館)
開館時間 10時~17時(入館は閉館の15分前まで)
会場 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
東京都港区東新橋1-5-3
問い合わせ先 TEL 03-3572-1872
入館料

無料

関連作品 たくさんのふしぎ 1986年3月号『御殿場線ものがたり』(品切)
 
このメールマガジンのバックナンバーは、
次のページからごらんいただけます。
https://www.fukuinkan.co.jp/mail_magazine/index.html

このメールの再配信、および掲載された記事・画像の無断転載を禁じます。

◆配信先の変更および解除は次のページからおこなうことができます。
https://www.fukuinkan.co.jp/mail_magazine/index.html

◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000