あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2014年6月4日 Vol.165
「だるまちゃん」の新作、いよいよ登場です!
 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 今月は、『だるまちゃんとにおうちゃん』が月刊絵本「こどものとも」7月号(通算700号)として刊行されたほか、『だるまちゃんとやまんめちゃん』のハードカバー版が発売となりました。ホームページには「だるまちゃん」特設ページと「だるまちゃん」ブログも開設(後述)、楽しい企画や新しい情報をお知らせしますので、ぜひご覧ください。
 6月は「だるまちゃん」シーズンの幕あきです。
《1》新刊『そうちゃんはおこってるんだもん』の
   作者 筒井頼子さんのエッセイ
テーブルの下の そうちゃんと コスモス畑の そうちゃん  
                         筒井頼子     
おっとあぶないかわのなか

 ボタンをひとつ掛け違うと、それがどんどんひどい状態を作ってしまうことがあります。あっと思って焦れば焦るほど、状況はひどくなります。
 『そうちゃんはおこってるんだもん』の、そうちゃんとお父さんの間のボタンの掛け違いは、お父さんが、より幼いなっちゃんに気をとられて、お父さんに向けるそうちゃんの思いの深さを、十分には汲めなかったところから始まります。怒ってテーブルの下に隠れてしまったそうちゃんが、「もうおこっていませんでした」という結末を迎えるまでの物語です。テーブルの下には、長くほの暗い時間が流れます。テーブルの周りの空間で、大人のお父さんが感じる時間とは全く異なる、そうちゃんだけに流れる時間です。
 この物語の種が最初に芽吹いてから、どの位の時が流れたのか、もう覚えていません。編集部の黒住さんが、渡辺洋二さんの最初のラフスケッチを見せてくださってから、もう十数年以上は経っていると思います。この間、時をおいては、様々なそうちゃんの動作、仕種、表情を見せていただきました。絵のそうちゃんにぎこちなさや無理のある時は、文章にぎこちなさや無理のある時でした。本当にたくさんの姿を見せていただいたので、渡辺さんのそうちゃんの姿が、目をつむっていても、自然に立ったり坐ったり話したりするようになりました。
 今回、できあがった絵を見せていただいて、私はとても不思議な気持ちになりました。絵の中のそうちゃんが、数枚の古いモノクロ写真の男の子に、とてもよく似ていたからです。コスモス畑に立ったりしゃがんだりしている男の子の写真です。男の子は幼い女の子のお兄ちゃんで、ぎゅっと結んだ口元は、今にも泣きだしそうです。念願の高価なカメラを手に入れた若い父親が、子どもたちの写真を撮ったのですが、男の子が「ぼくを! ぼくを!」と、「ぼく」ばかり撮ってもらいたがるので、怒られた直後の写真だと聞きました。男の子の名前はそうちゃん。後に、私の夫になりました。夫は父親が妹にばかりカメラを向けるので、「ぼくも! ぼくも!」になったのだと言います。アルバムは、夫に分があることを伝えています。
 もとより渡辺さんは、写真のことなどご存じありません。お目にかかったことさえないのです。なのに何故、ふたりのそうちゃんは似ているのでしょう。それはきっと、渡辺さんの絵が、幼い子どもの典型である姿を掬い取ってくださったということなのだと思います。どの子にも通じるそうちゃんの本質的な表情や仕種を、内側に迫って描いてくださったからこそ、コスモス畑の男の子にも似て見えるのに違いありません。
 絵本『そうちゃんはおこってるんだもん』は、幸せに旅立ちます。長い間、見守り続けてくださった編集部の黒住さん、また後に担当くださった北山さんお二人に、深く感謝いたします。

著者: 筒井頼子(つつい よりこ)

1945年、東京に生まれる。埼玉県立浦和西高校卒業後、広告会社などに勤務。その後、絵本、童話などの創作をしている。1989年にアメリカのエズラ・ジャック・キーツ賞新人作家賞を受賞。主な絵本に『はじめてのおつかい』『あさえとちいさいいもうと』『いもうとのにゅういん』『とん ことり』『おでかけのまえに』『おいていかないで』、童話に『ひさしの村』『いくこの町』『雨はこびの来る沼』(以上、福音館書店)などがある。宮城県在住。

そうちゃんはおこってるんだもん

『そうちゃんはおこってるんだもん』
筒井頼子 文/渡辺洋二 絵
定価(本体1300円+税)
「いつだってなっちゃんばっかり」そうちゃんは怒ってテーブルの下にもぐってしまいました。お父さんと妹が声をかけますが…。お兄ちゃんの気持ちの揺れを丁寧に描きます。

《2》月刊誌最新号<7月号>のご案内
 月刊誌最新号<7月号>は好評発売中です。

こどものとも0.1.2.『おかお ない ない』 こどものとも0.1.2.
『おかお ない ない』


いとう せつこ 文 /島津和子 絵
定価(389円+税)

かめが甲羅から、かたつむりが殻から「ばあ」とごあいさつ。ページをめくると、小さな生き物たちが隠していた顔を出す"いない いない ばあ"の絵本です。
こどものとも年少版『らすちょのせんすいかん』

こどものとも年少版
『ラスチョのせんすいかん』


アンヴィル奈宝子 作
定価(389円+税)

大切なかばんを捜しに、潜水艦で海に潜ったラスチョたち。そこに現れたのは怪しい沈没船。ラスチョは無事にかばんを捜しだせるのでしょうか?

こどものとも年中向き『やさいばたけのやまねこさん』 こどものとも年中向き
『やさいばたけの やまねこさん』


こじま さとみ 作
定価(389円+税)

やまねこさんのつくった野菜はおいしいと大評判。ところがある日にんじんが売り切れて、おつかいに来たうさぎの子が買い損なってしまいます…。
こどものとも『だるまちゃんとにおうちゃん』

こどものとも
『だるまちゃんとにおうちゃん』


加古里子 作・絵
定価(389円+税)

だるまちゃんはにおうちゃんと力比べをすることになりました。相撲、腕組み相撲、けんけん相撲、尻相撲など、体を使ったさまざまな遊びを楽しみます。だるまちゃんシリーズ8作目。

ちいさなかがくのとも『ぎんやんまそらへ』 ちいさなかがくのとも
『ギンヤンマ そらへ』


松岡達英 作
定価(389円+税)


水の中で暮らしてきたギンヤンマのこどもが、ある夜、水から出て草の茎をのぼっていき、そこで大変身をとげます。数多くの自然科学絵本をてがけてきた作者が、生きものたちの世界を美しく描きます。


かがくのとも『うらやまはくすりばこ』 かがくのとも
『うらやまは くすりばこ』


米本久美子 作/河邉誠一郎 監修
定価(389円+税)

春から夏頃に、身近に見られる代表的な薬草を、おばあちゃんが教えてくれます。時には荒々しい自然も、良く知れば私たちを助けてくれることがわかる、自然の豊かさを知る一冊です。

たくさんのふしぎ『いっぽんのきにはっぱはなんまい』 たくさんのふしぎ
『一本の木に葉っぱは何枚?』

姉崎エミリー 文/姉崎一馬 写真
定価(667円+税)

庭に立つミズキの木。この木には、葉っぱが何枚あるのでしょう? 夏休みに、子どもたちが葉っぱにしるしをつけて、全部数えてみました! ていねいに四季を追った美しい写真で、葉っぱたちの「一生」を描きます。
母の友

母の友 
特集「幼年童話に親しむころ」 新シリーズ「育てる人(1)柴田愛子さん」
定価(505円+税)

絵本から、言葉による物語世界へ足を踏み入れた子どもを、最初に受け入れるのが「幼年童話」。お薦め作品とともに幼年童話の魅力をさぐります。また、人の育ちに寄り添う仕事に就いた人々の、仕事への思いと歩みを丁寧に聞く新シリーズもはじまります。
こちらから7月号の目次をご覧いただけます。

《3》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月はかがくのとも編集部です。

かがくのとも編集部から

 
 先日、見学にいらした学生たち(未来の幼稚園の先生)に、「かがくのとも」8月号『にほんざりがに』について、原画をお見せしながら説明しました。精緻に描かれた原画に皆さん「すごーい! 写真みたい」と驚いてくださったのですが、ある原画を見た途端、「キャー!」「気持ち悪い」という声! それは、お母さんザリガニがお腹にたくさんの子ザリガニを抱えている原画でした。母ザリガニが大切に子どもを育てている感動的な場面なのに、なぜ? 私はとっさに返す言葉をさがしました。
 昆虫や魚類など生物の世界で「多産」は、種として次の世代に命をつなぐために、かなり普遍的な生態なのです。人間は子どもの数がそこまで多くないから違和感がありますか? そんな言葉が頭に浮かびますが、理屈では無く、たくさん群れているとビジュアルとして気持ち悪いということだとすると……? 皆さんの反応を受け止めきれず自問自答をくり返していると、引率の先生が学生たちに言いました。
 「自分が生物を好きにならなくてもいい。でも、あなたたちが先生になって、自分の好き嫌いで絵本を選び、『この絵本、気持ち悪い』とかで絵本を排除したら、その子どもが自然や生物のことを知り、感動する機会を奪ってしまうことなんだよ」
 シュンとする学生たち。その通りです、先生。先生の言葉で私も自分の仕事に自信を取り戻しましたが、そんな言葉を思いつきもしなかった自分に、私もうなだれていました。こちらから「かがくのとも」をご覧いただけます。


《4》だるまちゃん情報、続々発信します

こどものとも7月号『だるまちゃんとにおうちゃん』の刊行にあたり、ホームページ上に特設ページができました。それに伴い、みんなの人気者「だるまちゃん」ページもリニューアル!「だるまちゃん」について、まるごとお伝えするブログ「まるまる だるまちゃん」も6月から開設しました。ぜひご覧ください。

だるまちゃん特設ページ
みんなの人気者「だるまちゃん」
だるまちゃんブログ「まるまる だるまちゃん」

だるまちゃんのえほん7さつセット

だるまちゃんの絵本セット
加古里子 作・絵
セット定価(本体5600円+税)
『だるまちゃんとてんぐちゃん』『だるまちゃんとかみなりちゃん』『だるまちゃんとうさぎちゃん』『だるまちゃんととらのこちゃん』『だるまちゃんとだいこくちゃん』『だるまちゃんとてんじんちゃん』『だるまちゃんとやまんめちゃん』

《5》原画展・イベントのお知らせ

●美術館に行こう! ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方

会期 2014年7月5日(土)~9月7日(日)
休館日

月曜日(7月7日、7月21日、8月4日、9月1日は開館)、7月8日、7月22日、8月5日、9月2日

開館時間 9時40分~18時(入館は閉館の30分前まで)
会場 愛媛県美術館
愛媛県松山市堀之内
問い合わせ先 TEL 089-932-0279
入館料

一般1300円(1100円) 高校・大学生900円(700円) 小・中学生400円(200円)※( )内は前売料金、20名以上の団体料金

関連作品 みんなの人気者ページ「うさこちゃん」

●茨木のり子展
会期 2014年4月19日(土)~6月29日(日)
休館日 月曜日(祝日は開館)
開館時間 10時~18時
会場 世田谷文学館
東京都世田谷区南烏山1-10-10
問い合わせ先 TEL 03-5374-9111
入館料

一般700円(560円)/65歳以上・高校・大学生500円(400円)/中学生以下無料
障害者350円(280円)※( )内は20名以上の団体料金

関連作品 『貝の子プチキュー』

●子どもの本・九条の会 6周年の集い
開催日 2014年6月7日(土)
時間

13時30分~16時30分(ロビー開場12時30分、客席開場13時)

会場 国立オリンピック記念青少年総合センター 小ホール
東京都渋谷区代々木神園町3-1
問い合わせ先 子どもの本・九条の会 TEL 03-3417-6301
参加費

一般1000円(事前振込800円)/高校・中学生500円 小学生以下無料

内容

第1部
絵本読み語り 浜田桂子『へいわってどんなこと?』(浜田桂子作 童心社刊)
講演 伊藤 真「憲法のいきづく国へ!—子どもたちの未来に憲法を!」
第2部
提言 Peace Night 9実行委員会(学生九条の会)
「学生だって!学生だからこそ!!—九条を守る私たちのとりくみ—」
講演 松居 直「今、絵本を生きる力に」


●第34回企画展 世界文化遺産登録1周年記念 「富士山と鉄道」
会期 2014年4月8日(火)~7月21日(月・祝)
休館日 月曜(但し祝日の場合は閉館、翌日休館)
開館時間 10時~17時(入館は閉館の15分前まで)
会場 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
東京都港区東新橋1-5-3
問い合わせ先 TEL 03-3572-1872
入館料

無料

関連作品 たくさんのふしぎ 1986年3月号『御殿場線ものがたり』(品切)


●あべ弘士の動物塾

開催日時

1.2014年5月11日(日) 14時~16時(4月2日より受付開始) 終了
2.2014年6月22日(日)14時~16時(5月1日より受付開始)
3.2014年7月27日(日)14時~16時(6月1日より受付開始)
4.2014年8月23日(土)13時~15時(7月2日より受付開始)

会場 子どもの本専門店 メリーゴーランド
三重県四日市市松本3-9-6
問い合わせ先 TEL 059-351-8226
参加費 各回:大人2,500円 子ども1,500円(※)
年間パス:大人9,000円 子ども5,000円(※) ※小学5年生以上
内容

あべ弘士さんと共に、動物について、生命について、これからの地球について学び合います。
【各回テーマ】
1.いまなぜ動物園が人気なのか?
2.野生動物はいま
3.動物と人間の共存のために
4.動物園へ行こう!


● 平澤朋子 「ニルスが出会った物語」 原画展
会期 2014年5月31日(土)~7月21日(月)
休館日 無休
開場時間 10時~20時
会場 教文館6階 ナルニア国店内 ナルニアホール
東京都中央区銀座4-5-1
問い合わせ先 TEL 03-3563-0730
入場料

無料

関連作品 『ニルスが出会った物語 1まぼろしの町』

● ちひろ美術館コレクション びっくり!絵本水族館
会期 2014年5月21日(水)~8月3日(日)
休館日 毎週月曜日、7月22日
開場時間 10時~17時(入館は16時30分まで)
会場 ちひろ美術館・東京
東京都練馬区下石神井4-7-2
問い合わせ先 TEL 03-3995-0612
入場料

一般800円、高校生以下無料 ※20名以上の団体、65歳以上は100円引き

関連作品 「おへそがえるごん 3冊セット」

● 開館10周年記念特別企画 薮内正幸の足跡 I
会期 2014年3月21日(金)~7月15日(火)
休館日 毎週水曜日
開場時間 10時~17時(入館は16時まで)
会場 薮内正幸美術館
山梨県北杜市白洲町鳥原2913-71
問い合わせ先 TEL 0551-35-0088
入場料

高校生以上500円 小・中学生200円 幼児無料

関連作品 『復刊・薮内正幸 日本の野鳥セット』
 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000