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 ★  あのねメール通信~福音館書店メールマガジン  2003年4月4日 Vol.17 ★

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         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆          

《1》 これが完訳の『ハイジ』です 松居直
《2》 月刊誌最新号<5月号>のご案内
《3》 「母の友」編集室の窓から
《4》 『う・ん・ち』著者・なかのひろみさんのエッセイ
《5》 4月の新刊・福音館文庫のご案内

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《1》これが完訳の『ハイジ』ナす 松居直
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「福音館文庫」の新刊として、『ハイジ』上・下二巻をおとどけします。これこそ
が原作に忠実に全訳された『ハイジ』で、詩人ゲーテの言ったまさに“美しき魂”
の持主である作者ヨハンナ・シュピーリの深い愛と思いを、これまた“美しき魂”
の人であった詩人の矢川澄子さんが、心をこめて日本語で表現されたものです。
 しかも挿絵には、スイスの編集者で世界的に著名な児童文学と絵本の研究家でも
あった、ベッティーナ・ヒューリマンさんに、“スイス人としてもっとも納得のゆ
く『ハイジ』の挿絵は、どの画家の作品ですか”とご相談したときに、“それはパ
ウル・ハイの挿絵です”と親切に教えてくださった作品を添えました。
 わが国では『ハイジ』は抄訳で読まれることが多く、また一般にアニメーション
で知られていますが、全訳と読み較べると、物語から受ける感動や印象は決定的に
違います。私は大学で保育専攻の学生と、毎年、アニメーションの『ハイジ』をみ
て、全訳の『ハイジ』と比較する授業をしてきましたが、あまりにもそれらのダイ
ジェストされた物語に比較して、全訳『ハイジ』から受ける精神性と奥深さに開き
があり、学生たちは驚いてしまうのです。
 この完訳で『ハイジ』を読みますと、ひとりの大人の読者として、主人公ハイジ
の持つ“美しき魂”に心の底から魅かれてしまい、新鮮な感動にひたされます。そ
れとともにシュピーリが心をこめてことばにしたアルプスの自然の美しさや、ハイ
ジをとりまく人々の心のゆたかさや深い悩みが心に響きます。
 また、心ない大人がいかに子どもの心を傷つけ、病ませているかがわかるととも
に、思慮深い大人の深い配慮が、子どもの育ちにどれほど大切であるかがわかりま
す。『ハイジ』は、人間いかに生きるべきかを、大人にも子どもにも問いかけ、語
りかける比類ない物語です。『ハイジ』についての私の解釈は、『子どもの本・こ
とばといのち』(日本基督教団出版局刊)をお読みいただけると幸いです。

                                 松居直
文庫版 
『ハイジ(上)』
『ハイジ(下)』
ヨハンナ・シュピーリ 作/パウル・ハイ 画/矢川澄子 訳

松居直(まつい ただし)
児童文学家。京都生まれ。1951年同志社大学法学部卒業後、福音館書店の創業に参
画し、編集部長、社長、会長をへて、1997年より相談役、現在に至る。1956年月刊
物語絵本「こどものとも」を創刊し、編集長として赤羽末吉、長新太、堀内誠一、
安野光雅、加古里子、中川李枝子など、多くの絵本作家を世に出す。また、『もも
たろう』(1965年サンケイ児童出版文化賞受賞)『だいくとおにろく』や、陶淵明
の詩をもとにした『桃源郷ものがたり』など多数の絵本を執筆。著書は、『絵本と
は何か』『絵本の森へ』(日本エディタースクール出版部)、『絵本・ことばのよ
ろこび』『子どもの本・ことばといのち』(日本基督教団出版局)、『にほんご』
(共著、福音館書店)、『絵本の力』(共著、岩波書店)など多数。

★『ももたろう』 松居直 文/赤羽末吉 画
★『だいくとおにろく』 松居直 再話/赤羽末吉 画
★『桃源郷ものがたり』 松居直 文/蔡皋 絵

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《2》月刊誌最新号<5月号>のご案内
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☆月刊誌最新号<5月号>発売中です。

◇◆ こどものとも0.1.2.『にらめっこしましょ』
              長 新太 作                 ◇◆
 にらめっこしましょ、とページを開くと、おかしな顔をした動物たちがあっぷっ
ぷ、と待っています。絵本と一緒ににらめっこしませんか?

◇◆ こどものとも年少版『しゃっくり ヒック』
            木坂涼 文/古川タク 絵               ◇◆
 しゃっくりの止まらないこぐまくん。みんなに止め方を教えてもらい、やってみ
ますがダメでした。さて、どうしたらとまったでしょうか。

◇◆ こどものとも年中向き『ぐぎがさんとふへほさん』
             岸田衿子 作/にしむらあつこ 絵       ◇◆
 四角くって固いぐぎがさんと、丸くって柔らかいふへほさんが、ある日、釣りに
出かけます。二人はおかしなものを釣り上げて……。

◇◆ こどものとも『まじょのふるどうぐや』
          佐々木マキ 作                    ◇◆
 女の子と犬が入った古道具屋には、きたない古道具ばかり。と、どこからか「き
れいにしてくれえ」という声が聞こえてきて……。

◇◆ ちいさなかがくのとも『きゃべつばたけの ぴょこり』
                甲斐信枝 作                   ◇◆
 きゃべつの葉についた変な生きもの“ぴょこり”をめぐるお話。春のきゃべつ畑
の小さな生きものの世界を華麗に描きます。

◇◆ かがくのとも『ねんどクリーム にゅるにゅる』
         さとうゆみか 作                      ◇◆
 ねんどで作ったクリームをしぼって、のばして、にゅるにゅる渦巻きにして…何
ができるかな? ちょっと変わった遊び絵本です。

◇◆ おおきなポケット【かがく】「まめを まこうよ!」
                小宮山洋夫 作
           【ものがたり】「バスにのって」
                  梓光一 文/山本タカコ 絵       ◇◆
(かがく)大豆、いんげん豆、落花生、なた豆、ひよこ豆。いろいろな豆をまいて
育ててみよう! 畑がなくてもおいしい豆がとれます。
(ものがたり)じゅんとあかねは、先生の家に遊びにいきます。ところが、のるは
ずのバスがなかなかやってこないのです。

◇◆ たくさんのふしぎ『道-きみと出会いに-』
           八板美智夫 文・写真                ◇◆
 草花が季節のおとずれを教え、虫たちが飛び交い、動物たちが走り抜ける、すて
きな野の道の四季を、美しい写真で紹介します。

◇◆ 母の友 特集“心配ですか、「友達づくり」”             ◇◆
 子どもにとって、友だちとはどのような存在なのでしょう? 友だちと呼べる関
係とは? また、親同士の友だち関係についても考えます。
★こちらから「母の友」5月号の目次をご覧いただけます。

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《3》「母の友」編集室の窓から
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「母の友」5月号は、入園時期の親が一番気になること、「友達できるかな」の特
集です。実際にお母さん方が入園時期、子どもの友達関係についてどんなことで悩
んだかを知るために、昨年末、ホームページ上でアンケートを実施しました。短期
間にもかかわらず大勢の方から回答をいただきました。あらためてお礼申し上げま
す。
 子どもが友達とうまく関れなかったり、転園や途中入園のため仲間に入りづら
かったりということで心配した人、また、子ども自身の解決していくことだから
と、心配しすぎず見守っていきたいという人と、回答は様々ですが、興味深かった
のは、一口に「友達」と言っても、その意味するところがそれぞれに違っていたこ
とでした。
 仲よし、いつも遊ぶ相手、子どもの口から名前が出た子、クラスメート全体……
また大人である自分自身についても、友人とは集団で孤立しないための話相手、自
分を助けてくれる人、気の合う人、互いに刺激し合える人……など、様々です。そ
こで、この結果をもとに、友達とは一体どのような存在なのかに焦点をあてて考え
てみると、いろいろな発見がありました。
 あなたとあなたのお子さんにとっての「友達」とはなんですか? ぜひ、5月号を
お読みください。

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《4》『う・ん・ち』著者・なかのひろみさんのエッセイ
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 『う・ん・ち』は「!」と「?」のつまったたのしい写真絵本です。

 うんちをすることは、食べることと同じくらいたいせつなことなのに、「食」ば
かりが注目されて、うんちにはなかなかスポットライトがあたりません。
 そこで、動物園や水族館のスターたちのおおらかでユーモラスなうんちシーンを
ながめながら、知っていそうで知らないうんちのことを考えてみる絵本に挑戦して
みました。

 うんちはくさい? きたない? 「面白い!」

 うんちは「くさい」?
 もちろん、肉ばかりたべるライオンのうんちは、鼻が曲がりそうなにおいです
が、ユズやミカンの葉を食べたアゲハの幼虫のうんちは、さわやかなにおい。ユー
カリの葉を食べるコアラのうんちは、スーッとしたのど飴みたいなにおいだし、タ
ケやササを食べるジャイアントパンダのうんちは、笹ようかんを思い出させる、お
いしそうなにおいです。
 うんちは「きたない」? 
 カバのように、うんちをばらまいて自分のなわばりを主張する動物もいれば、キ
リンやシマウマのように、あちこちにうんちをすることによってにおいを拡散さ
せ、敵をあざむく動物もいます。多くの動物では、赤ちゃんの存在をかくすため、
うんちを母親がなめてしまいます。
 動物たちにとって、うんちは自分のにおいがついた、自分の名札のような存在。
きたないなんて、とんでもない。
 うんちは、においも、色も形もいろいろさまざま。たくさんの「!」や「?」が
つまっていてます。見れば見るほど「面白い!」、それが『う・ん・ち』です。

 ちょっぴり動物たちがうらやましくなります。

 青空の下で、照れることもかくすこともなく、動物たちはどうどうとうんちをし
ます。
 大人の背ほどの高さから、どさどさ落ちてくるでっかいゾウのうんち、雲のよう
にひろがるクジラのうんち。
 えさを食べながら、歩きながら、ころころとチョコビーンズのようなおいしそう
なうんちをばらまいているシカやヤギの仲間。見晴らしのいい岩の上で、あたりを
見まわしてから、おもむろにしゃがんでうんちをするトラ。あまりのみごとなうん
ちっぷりに思わず拍手しそうになるシロサイ。週1回、うんちのときだけは木から
下りてくるナマケモノ、どうどうとしたゴリラのうんちシーンとりっぱなうんち
…。
 『う・ん・ち』をながめていると「そうか、うんちをすることは生きていること
なんだ」とあらためて納得。そしてちょっぴり動物たちがうらやましくなることで
しょう。

「負けずに、ぼくもみごとにきめてやろう!」

 読み終わった子どもがトイレで、そうつぶやいてくれたら、私たちのつくった
『う・ん・ち』は、大成功だと思っています。
 うんちには、たくさんのメッセージがつまっています。食べる、暮らす、生き
る、環境、もしかしたら、地球平和のカギまではいっているかもしれません。
 『う・ん・ち』が、家族や友だちとうんちについて話すきっかけになってくれれ
ば、と願ってやみません。
                               なかのひろみ
 
★『う・ん・ち』 なかのひろみ 文/ふくだとよふみ 写真

なかのひろみ
兵庫県生まれ。少々凝り性の編集者。出版社、編集プロダクション勤務中も独立後
も、ずっと自然の本や子どもの本をつくっている。娘が生まれてから、ライターの
仕事が多いが、最近は翻訳に手を出したり、紙芝居をつくったり、テリトリーをひ
ろげている。

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《5》4月の新刊・福音館文庫のご案内
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【福音館文庫】
≪4月8日(火)配本予定≫
★『農場の少年-インガルス一家の物語5』
 ローラ・インガルス・ワイルダー 作/ガース・ウィリアムズ 画/恩地三保子 訳
◎アルマンゾは9歳、子牛を訓練したり、すばらしく大きなカボチャを実らせてい
くうちに、父さんと同じ農夫になる決心をします。

★『パディントンの一周年記念-パディントンの本3』
 マイケル・ボンド 作/ペギー・フォートナム 画/松岡享子 訳
◎パディントンが好奇心満点の鼻面をつっこむと必ず巻き起こる大騒動。高級レス
トランに行っても、高級ムードはたちまち台無しに…。

【新刊】
≪4月2日(水)配本予定≫
★『まあちゃんのまほう』
  たかどのほうこ 作
◎魔法のおまじないでお母さんがたぬきになっちゃった! いたずらなお母さんが
大活躍する、とってもゆかいな絵本です。

★『ゆうびんやさんのホネホネさん』
  にしむらあつこ 作・絵
◎ギコギコキーと自転車をこいで、ホネホネさんは、村の動物たちに郵便を届けま
す。夏休み前の今日の手紙は、みんなへの、夏の旅行のお誘い。

≪4月9日(水)配本予定≫
★『う・ん・ち』
  なかのひろみ 文/ふくだとよふみ 写真
◎ヘビのうんちは長いの? コウモリはどうやってうんちをするの? でっかいう
んちから、さわやかなにおいのうんちまで、いろんなうんちが登場します。

≪4月16日(水)配本予定≫
★『ヘンリー フィッチバーグへ いく』
  D.B.ジョンソン 文・絵/今泉吉晴 訳
◎ソローの『ウォールデン ー森の生活ー 』の思想に共鳴した作者が、「いまを楽
しく生きる」すばらしさを絵本に描きました。

★『野あそびずかん』
  松岡達英 作
◎四季折々の野山で、植物や昆虫など自然をじっくり見つめ、里山の人々と伝統的
な遊びや仕事、料理作りなどを楽しむ情報満載の図鑑です。

★『コブタくんとコヤギさんのおはなし』
  ヴァーツラフ・チトゥヴルテック 作/関沢明子 訳/にしむらあつこ 絵
◎小さな白いお家に仲良く暮らすコブタくんとコヤギさん。でも、ときどきとんで
もないことが起こります! 楽しい6つのお話を収録。

★『林明子 絵はがきの本』
  林明子 作
◎作者自身が選んだ絵本の中の名場面が、20枚のすてきな絵はがきになりました。
絵本の主人公たちをかたどった特製シールつき。

≪4月23日(水)配本予定≫
★『かめのヘンリー』
  ゆもとかずみ 作/ほりかわりまこ 絵
◎ぬいぐるみのヘンリーが、仲良しのちよみちゃんのそばに戻るために、一大決心
をしました……。ぬいぐるみと子どものきずなをさわやかに描いた絵本。

★『コンコード・ヒルの上で -クワイナー一家の物語4』
  マリア・D・ウィルクス 作/ダン・アンドレイアセン 画/土屋京子 訳
◎誠実な作男、ホルブルックさんのプロポーズを受け入れお母さんが再婚します。
しかし、新しい父さんを迎えた一家をコレラが襲います。

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