あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2014年11月19日 Vol.176
こたつを出そうかと迷っているうち、もう晩秋
 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 まだ寒さに慣れない身体に、朝晩の冷え込みがこたえる季節になりました。まもなく11月も終わり、いよいよクリスマス・シーズンに突入です。
 今年も、プレゼント用にかわいい袋に本を入れてお届けする「クリスマス・セレクション」のサービスをホームページで展開中です。下の案内をご覧ください。

《1》加古里子さん連載エッセイ 第8回
   

11月 じゃんけんあそび    加古里子

 じゃんけんは、片手の示す三つの形で、勝敗や順番や組分けなど遊びの導入となる、とてもよい方法です。コインの表裏の方法など西洋の方法とは違い、三すくみなので、立場が逆転したり、長びくので、ますます面白さがつのってゆく方法で、大人の遊興から日本の子どもたちが磨きあげた、すばらしい遊びのひとつです。
 そのじゃんけんを使っての遊びはたくさんありますが、一番やさしくて、どんな子も楽しめる面白いものは、「顔かきじゃん」でしょう。
 みんなでじゃんけんをして、勝ったら図の番号の順に線を書き加えて、早く顔を完成した方が勝ちという遊びです。10回勝つと顔ができあがります。
 また一度顔をかいた後、更にじゃんけんを続け、勝った子はできた顔を順に消してゆき、負けた子はその消した部分を自分の書いている顔に書き加えてゆくと、「怪人二重面相」となる「顔けしじゃん」となります。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』 『だるまちゃんとてんぐちゃん』

加古里子 作・絵
定価(本体800円+税)

てんぐちゃんの持っているものを何でも欲しがるだるまちゃんの物語を、親しみやすい絵で語ってゆく、ユーモアあふれる絵本。

『にほんでんしょうのあそびどくほん』 『日本伝承のあそび読本』

加古里子 著
定価(本体1000円+税)
草ずもう、ささ舟、紙鉄砲、手袋人形、影絵遊び、あやとり、あぶりだし……。古くから受けつがれてきた身近な遊びを集め、イラスト付きで解説しています。伝承遊びの本の先駆けとなった旧著を刊行当時のままに復刻しました。限定出版ですのでお早めにお求めください。
かこさとし
加古里子(かこさとし) 1926年、福井県生まれ。東京大学工学部卒業後、民間企業の研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事する。作品に「だるまちゃん」シリーズ、『かわ』『はははのはなし』『海』(以上福音館書店)「からすのパンやさん」シリーズ(偕成社)など500冊以上の児童書のほか、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。2013年、福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館 石石(らく)」が開館。神奈川県在住。
かこさとし

かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく) 2013年4月に「かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく)」が開館しました。子どもから大人まで加古里子さんの世界を体感できる施設です。館内には、いろいろな作家の絵本・紙芝居を二千冊揃えるほか、加古さんが描かれた絵や絵本原画の複製画などを展示しています。
開館時間:10時~18時(毎週火曜日、国民の祝日の翌日、年末年始休館)
入館料: 無料
福井県越前市高瀬1丁目14番7号 TEL 0778-21-2019

《2》「絵本に出会える場所」児童書専門店のご紹介
    ちいさなえほんや ひだまりさん(北海道)
☆いろいろな絵本を見てお気に入りの絵本を見つけたいとき、絵本に詳しい店員さんに相談にのってもらいたいとき、頼りになる児童書専門店が全国各地にあります。

 今月は北海道札幌市のちいさなえほんや ひだまりさんを、福音館書店の営業担当者からご紹介します。

 札幌市の西がわ、手稲区新発寒の住宅街にある一軒家が「ちいさなえほんや ひだまり」です。一見したところ普通の家のようですが、正面の外壁には『スーホの白い馬』の主人公、スーホ少年が描かれています。玄関で靴をぬいで畳の部屋にあがると、代表の青田正徳さんがセレクトした2500タイトルの絵本がところせましと並んでいます。壁には、絵本の複製画や原画、雑誌の切り抜きなどがびっしり、絵本の原画展をやっているときもあります。

 「ちいさなえほんや ひだまり」は1994年4月2日にオープン。この日はアンデルセンの誕生日だそうです。当時、札幌市唯一の絵本専門店が閉店したことに危機感を抱いた青田さんは、15年勤めた児童書販売代理店を退職して開業しました。はじめは知人の喫茶店の一角を借りていたお店も、96年には現在の一軒家に移りました。

 平日は青田さんが学校や自治体に招かれての講演会や、本の配達に忙しいので、お店の営業日は、金・土・日・月の週4日間。祝日も営業しています。
 講演会では何冊もの絵本をたっぷり読み聞かせし、札幌の地元誌やラジオにも度々出演する青田さんですが、お店に来ると、青田さんの絵本愛にあふれた熱い絵本トークを生で聞くことができます。「『三匹のこぶた』って、最後にこぶたがオオカミを食べちゃうって知ってました?」「『ももたろう』で川から流れてくるももは一つじゃないんですよ」「『はらぺこあおむし』の、このちょうちょは、オスでしょうかメスでしょうか?」等々、読んだことのある絵本についても、知らなかったこと、気づいていなかったことへの発見にあふれていて、青田さんの深い「読みとき」にはいつも勉強させられることしきりです。

 外壁にも描かれている『スーホの白い馬』は、青田さんをして「これ以上の絵本を知らない」と言わしめるイチオシの絵本ですが、「ちいさなえほんや ひだまり」のもう一つの柱が、写真家の星野道夫さんです。『アラスカたんけん記』『森へ』『クマよ』(以上福音館書店刊)『ナヌークの贈りもの』(小学館刊)等々、多くの写真絵本を遺した星野さんはカムチャッカ半島でヒグマに襲われ、帰らぬ人となりました。星野さんの絵本だけでなく、写真集やエッセイなど著作のほとんどを置いています。

 「ちいさなえほんや ひだまり」は、2014年でオープンから20周年を迎えました。青田さん一人で営業しているお店なので、資金難に見舞われたこともたびたびありましたが、青田さんの深く熱い絵本愛を知る常連客のみなさんが「ひだまりプロジェクト」を立ち上げて、支援の手をさしのべました。

 まるで、知り合いの家に来たような、どこか懐かしい居心地のいい空間と、青田さんの熱い絵本トーク。たくさんの絵本に囲まれて、ついつい長居してしまうお店です。札幌近辺にお住まいの方はもちろん、遠方の方も札幌においでの際は、ぜひお立ち寄りください。

 

ちいさなえほんや ひだまり
〒006-0803 北海道札幌市手稲区新発寒3条4丁目3-20
TEL/FAX 011-695-2120
営業日:月・金・土・日・祝日
営業時間:10時~19時
ちいさなえほんや ひだまり プロジェクト ブログ

《3》クリスマス・セレクションのご案内

クリスマスセレクション 今年もクリスマス・プレゼントに最適なクリスマスの絵本・冬の絵本をそろえて、クリスマス企画を展開しています。

 この企画ページからご注文いただいた方には、『ブレーメンのおんがくたい』(ハンス・フィッシャー 絵)の絵柄をかわいらしくデザインしたオリジナル袋(ポリエチレン製)にご注文の品を入れて、12月20~22日ごろお届けできるようにお送りします。

 特に今年は、新刊『まよなかのゆきだるま』の絵柄のクリスマス・カードもお付けします。また、大人の方むきのプレゼントにおすすめの本も選んでみました。

 このサービスのお申し込みは12月15日(月)15時で締切となります。お早めにぜひどうぞ。
くわしくはこちらをご覧ください。
★2014クリスマス・セレクション

クリスマス・セレクション42点の中から、その一部をご紹介します。

《対象年齢:0才から2才》

『もののえほん いちにち』

『もののえほん いちにち』全3冊

大阪YWCA千里子ども図書室 文/大塚いちお 絵
セット定価(本体2400円+税)
0才から

赤ちゃんが一日の生活で出会うものを美しい言葉と絵で描いたシリーズです。

『とらたとおおゆき』

『とらたとおおゆき』

中川李枝子 文/中川宗弥 絵
定価(本体800円+税)
2才から

雪が降りました。とらのことらたが、お父さんに作ってもらったそりで出かけると、鈴の音をきいて友だちがいっぱい集まってきます。

《対象年齢:3才から4才

『ゆうびんやさんのくまさん』 『ゆうびんやのくまさん』

フィービ&セルビ・ウォージントン 作・絵/まさき るりこ 訳
定価(本体900円+税)
3才から

クリスマスの前の日、くまさんは小包を配達するのに大忙し。どの家でも喜んでくまさんを迎えました。そして、疲れて帰ったくまさんにもちゃんと小包が……。

『こんにちはおてがみです』 『こんにちは おてがみです』

中川李枝子・山脇百合子/加古里子/こいで やすこ ほか
定価(本体1800円+税)
3才から


「ぐりとぐら」「だるまちゃん」など、子どもたちの大好きな絵本の主人公からきた手紙が各ページに綴じ込まれています。

 

『こあらのくりすます』

『コアラのクリスマス』

渡辺鉄太 作 /加藤チャコ 絵

定価(本体1200円+税)
4才から

コアラのクリスマスは暑い夏。「北の国が雪嵐で、南の国までプレゼントを配りに行けない」というサンタの手紙が届きました。驚いたコアラさんは動物たちを呼び集めました。

『とらたとおおゆき』

『ちいさなもみのき』

マーガレット・W・ブラウン 作/バーバラ・クーニー 絵/上條由美子 訳
定価(本体1100円+税)
4才から

森のはずれに育った小さなもみの木が、ある冬の日、足の悪い男の子のもとへ運ばれます。心を打つクリスマスのお話が、美しい文と絵で、静かに力強く語られます。

《対象年齢:5・6才から小学生》
『クリスマスのものがたり』 『クリスマスのものがたり』

フェリクス・ホフマン 文・絵/生野幸吉 訳
定価(本体1300円+税)
5・6才から

スイスの画家ホフマンが、キリスト誕生の物語を真正面から描いた作品です。

『クリスマスのりんご―クリスマスをめぐる九つのお話』 『クリスマスのりんご―クリスマスをめぐる九つのお話』

ルース・ソーヤー 、アリソン・アトリー ほか 文/上條由美子 編・訳 /たかお ゆうこ絵
定価(本体1500円+税)
小学初級から

さまざまな書き手がつむぐクリスマスにまつわる外国のお話、九編が入った短編集です。

《4》絵本編集部だより
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお届けします。今月は絵本編集部です。

絵本編集部から

 童謡「メリーさんのひつじ」ほど広く人口に膾炙(かいしゃ)している歌はないかもしれません。古くは発明王のエジソンが、自身の声で蓄音機に録音したのが、この歌だったとか。今ではマザーグースのひとつとして、世界中の子どもたちに愛唱されています。そんな「メリーさんのひつじ」ですが、本当にあった出来事がもとになっているのはご存知でしょうか? アメリカの農場に住むメリーという女の子とこひつじの、愛情で結ばれた物語を絵本化したのがこの作品です。
 作者は、かの有名なグランマ・モーゼスの曾孫にあたるウィル・モーゼス。グランマから引き継いだフォークアートと呼ばれる素朴で温かな画風は、現代のCGで描かれた絵とは対極にあります。ホワイトハウスやスミソニアン博物館に展示されるほどの芸術性をもちながら、子どもの感性にもぴったり寄り添う絵であるところが魅力です。訳者の鴻巣友季子さんは、今をときめく翻訳家。これまでは、古典文学からミステリーまで、主に大人向けの長編を訳してこられましたが、絵本の翻訳は今回がはじめて。以前から、鴻巣さんの言葉に対する感覚の鋭さ、翻訳に対する思索の深さに魅せられ、機会があったらお仕事を依頼したいと思っていました。
 不思議なもので、この絵本の原書を専門書店で見つけたころ、『孕むことば』という鴻巣さんのエッセーを読んでいたら、「自分の娘が「メリーさんのひつじ」が大好き」と書かれた箇所に出会い、運命を感じてしまったのです。豊かな自然の中で人と動物がともに暮らす素晴らしさが、鴻巣さんの温かな日本語で今の子どもたちに伝わったら嬉しいです。

めりーさんのひつじ

『メリーさんのひつじ—ほんとうにあったおはなし』
ウィル・モーゼス 作/こうのす ゆきこ 訳
定価(本体1600円+税)
童謡「メリーさんのひつじ」は、本当にあったエピソードがもとになっています。愛情で結ばれた女の子とこひつじは、どこへ行くにも一緒。学校ではひと騒動起こします。

《5》原画展・イベントのお知らせ

● JBBY 40周年企画 子どもの本の力展
会期 2014年11月13日(木)~11月25日(火)
休館日 会期中無休
時間 11時~19時 ※最終日は14時まで
会場 伊藤忠青山アートスクエア 
東京都港区北青山2-3-1 シーアイプラザB1F
問い合わせ先 主催:JBBY(日本国際児童図書評議会) TEL 03-5228-0051
入場料

無料 


●あずみ虫の世界展 ぴたっ!
会期 2014年11月1日(土)~12月7日(日)
休館日

月曜日

時間 10時~17時
会場

木城えほんの郷
宮崎県児湯郡木城町石河内475
※11月23日(日)は、子どもから大人まで参加できるワークショップを開催します。
アルミ板と絵の具を使って、昆虫など郷に住む生き物の作品を作ります(要予約)。
詳しくは木城えほんの郷までお問い合わせください。

問い合わせ先 TEL 0983-39-1141
入場料

一般500円、小・中学生・高校生300円

関連作品

『ぴたっ』 『いもむしってね…』


●秋山とも子 石川えりこ タカタカヲリ「三人三様」展
会期 2014年12月8日(月)~ 12月13日(土)
休館日

会期中無休

時間 11時~18時30分(最終日は17時まで)
会場 檜画廊
東京都千代田区神田神保町1-17
問い合わせ先 TEL 03-3291-9364
入場料

無料

関連作品

『ボタ山であそんだころ』 『でんしゃがまいります』


●リマッピング日比谷プロジェクト2014 都市と森の境界に現れるアート

会期 2014年11月21日(金)~ 12月7日(土)
休館日

会期中無休

時間

月~金:10時~22時 土:10時~19時 日・祝:10時~17時

会場

日比谷図書文化館 ※片山健さんの絵本の原画が展示されます。
東京都千代田区日比谷公園1番4号(旧・都立日比谷図書館)
リマッピング日比谷プロジェクト2014についてはこちら

問い合わせ先 実行委員会事務局:TEL 03-5155-2511
  入館料

無料

関連作品

『おなかのすくさんぽ』

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000