あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2015年2月18日 Vol.182
季節の移ろいは、行きつ戻りつ
 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 薄いレースのような絹雲が青空にひらめいていたかと思うと、やがて雲は低く垂れ込め、みぞれ模様へと変わる天気の移りゆきも、確実に春へとむかう季節の流れを示しているようです。
 まだまだ油断は禁物ですが、雪の季節を子どもが楽しめるのも、もうあとわずか。加古里子さんの紹介する今月の遊びは、「雪つり」です。

《1》加古里子さん連載エッセイ 第11回
   

2月 雪つり    加古里子

 北陸生まれの私は、冬ともなれば重たい灰色の空から、こやみなくふる雪で、家はどっぷり埋もれてしまい、長靴をはいていても子どもですからすぐに中に雪が入って、なげいたものでした。そんな状態でも、雪に顔をつけたり、全身でバタンと倒れて、冷たいベッドを満喫したりして遊んでいました。そんな雪あそびの中で一番やさしいのが雪つりです。
 当時はどこの家にもあった木炭を使いましたが、小さな木片か、短いわりばしを束ね、ひもを結び、手でつり下げて、新しくつもったやわらかい雪の上を上下させると、ひものさきの木片に雪がついてきます。雪の様子と、ひもの長さをいろいろ考えて上げ下げを繰り返してゆくと、次第に雪のかたまりは大きくなってゆきます。
 もう少し、もうちょっとと欲張ると、せっかくの雪のかたまりが、片方おちてしまったりして、なかなか雪つりにも、修練と判断力がいるものです。
『だるまちゃんとうさぎちゃん』 『だるまちゃんとうさぎちゃん』
加古里子 作・絵
定価(本体800円+税)

雪の日、だるまちゃんはうさぎちゃんたちに会い、いっしょに遊び始めました。冬の遊びをふんだんに紹介している絵本です。

『にほんでんしょうのあそびどくほん』 『日本伝承のあそび読本』
加古里子 著
定価(本体1000円+税)

草ずもう、ささ舟、紙鉄砲、手袋人形、影絵遊び、あやとり、あぶりだし……。古くから受けつがれてきた身近な遊びを集め、イラスト付きで解説しています。伝承遊びの本の先駆けとなった旧著を刊行当時のままに復刻しました。限定出版ですのでお早めにお求めください。
かこさとし
加古里子(かこさとし) 1926年、福井県生まれ。東京大学工学部卒業後、民間企業の研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事する。作品に「だるまちゃん」シリーズ、『かわ』『はははのはなし』『海』(以上福音館書店)「からすのパンやさん」シリーズ(偕成社)など500冊以上の児童書のほか、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。2013年、福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館 石石(らく)」が開館。神奈川県在住。
かこさとし

かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく) 2013年4月に「かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく)」が開館しました。子どもから大人まで加古里子さんの世界を体感できる施設です。館内には、いろいろな作家の絵本・紙芝居を二千冊揃えるほか、加古さんが描かれた絵や絵本原画の複製画などを展示しています。
開館時間:10時~18時(毎週火曜日、国民の祝日の翌日、年末年始休館)
入館料: 無料
福井県越前市高瀬1丁目14番7号 TEL 0778-21-2019

《2》「絵本に出会える場所」児童書専門店のご紹介
     夢文庫ピコット(愛知県)
☆いろいろな絵本を見てお気に入りの絵本を見つけたいとき、絵本に詳しい店員さんに相談にのってもらいたいとき、頼りになる児童書専門店が全国各地にあります。

 今月は愛知県名古屋市の「夢文庫ピコット」さんにお店の紹介を寄稿していただきました。

 毎年秋に、絵本の販売会に呼んでくださる園があります。年長さん対象の企画で、絵本を持ち込んで年長さんひとりひとりに好きな1冊を選んでいただくのです。当日は、「絵本屋さん」となるお部屋に机が並びます。そこへ持参した絵本を広げ、準備ができると年長さんのお部屋に伺って、「本屋さん」から、今日の絵本のお買いものについて少しお話させていただくことになっています。
 お部屋に入ったらまず、なにか1冊絵本を読むようにしています。この1冊の絵本が、子どもたちとわたしの心を近くし、絵本屋さんの行事を楽しめるようにしてくれます。子どもたちからすれば、会ったこともないおばさんが「本屋さんです!」と言って現れるわけですが、一緒に読むこの1冊で両者の間が急速に縮まり、子どもたちは前からの友だちのように心の内を見せてくれるのです。
 絵本を探すのを手伝ったり、内容を説明したりするなか、お買い物は進み、お勘定をしながら(実際には名簿に書名を書き込むだけですが)、子どもたちと絵本屋さんのわたしはおしゃべりを楽しみます。
「このほんにします!」
と子ども自身で決めることができたのを一緒に喜び、
「ここが おもしろいんだよね」
「お母さんと一緒に読むよ。何ていうかな?」
などと、持ち帰ってお家でのことに思いを馳せたり、お友だちと選んだ絵本を見せ合ったり。
 この頃には、背中にも膝にも子どもたちがもたれてきて、わたしは、1冊の絵本を一緒に読むことの幸せとありがたさを満喫するのです。

 名古屋市の保育園で10年間を保育士として子どもたちと過ごしたわたしは、そこで子どもと絵本の関係をたくさん見せてもらい、それが子どもの本屋をはじめるきっかけとなりました。
 お店は名古屋市天白区原。マンションが建ち並び若い世代の多い街ですが、自然もたくさん残されており、また、子育てを地域で支えていこうという気風のある街です。そんな街の理解に支えられ、早いものでお店は開店から30年を過ぎました。最近は、
「子どもの時にピコットに通っていたよ!」
という、若いお父さん・お母さんが、幼い我が子を連れてまた通って下さるようになってきています。

 どんなに素晴らしい絵本であっても、子どもの本というものは、手渡す人や一緒に読む人無しには子どもに届きません。書籍流通の変化、出版物のデジタル化、それに少子化と、子どもの本屋も問題山積ですが、絵本を支えてくださるお客様を信じ、先にご紹介したような“子どもと絵本の出会いの場”に立ち合いつつ、これからも子どもの本の手渡し手の一人として、“ブレない姿勢”の児童書専門店を目標にやっていきたいと思っています。



夢文庫ピコット
〒468-0015 名古屋市天白区原1-1616
TEL・FAX 052-803-1020 
定休日:水曜日
営業時間:10時~19時(金曜日は21時まで)
ブログ:ほんとうのピコットさん
E-Mail:shop@pikot.com  

《3》3月の新刊ご案内

《3月4日(水)販売開始》
『ハートの はっぱ かたばみ』 『ハートの はっぱ かたばみ』

多田多恵子 文/広野多珂子 絵
定価(本体900円+税)


身近でひっそり生きる植物かたばみ。太陽の光に合わせて葉や花を閉じたり開いたりする面白い生態をしています。3つに分かれたハート形の葉っぱを目印に探してみましょう。


『くろべのたにのとろっこでんしゃ』 『黒部の谷のトロッコ電車』

横溝英一 文・絵
定価(本体1300円+税)


切り立った絶壁と激流の黒部峡谷を、トロッコ電車が走っていきます。この電車は、なぜこんな険しい場所を走っているのでしょうか。さっそく乗ってみることにしましょう。

『ベルンカとやしのみじいさん(げ)』 『ベルンカとやしの実じいさん(下)』

パベル・シュルット 文ガリーナ・ミクリーノワ 絵大沼有子 訳
定価(本体2000円+税)


クリスマスに小包でやってきた「やしの実じいさん」の正体とは……? 小学生になったベルンカは、おじいさんが魔法使いという不思議な子アキに大切なお願いをします。

 

《3月11日(水)販売開始》

『アレハンドロのだいりょこう』 『アレハンドロの大旅行』

きたむら えり 作・絵
定価(本体1300円+税)

イノシシのアレハンドロは、にぎやかな家族の一員ですが、なにも話をしません。心配した両親は、アレハンドロを旅に出します。いろいろな出会いがあってアレハンドロは…。

『菜の子ちゃんと龍の子―日本全国ふしぎ案内1』 『菜の子ちゃんと龍の子—日本全国ふしぎ案内1』

富安陽子 作/YUJI 画
定価(本体1200円+税)


修験道のメッカ・大峰山の麓の村に、ある日突然現れた不思議な転校生・菜の子ちゃん。地元の女の子と協力して龍の子のピンチを救い、空に昇るのを助けようとしますが……。

『おきたらごはん』 『おきたら ごはん』

岩合光昭 文・写真
定価(本体1100円+税)

動物たちの愛くるしい寝顔とご飯を食べる姿で構成した写真絵本。しっかり寝ていっぱいご飯を食べて成長するのは、人も動物も一緒。可愛い動物たちに思わず頬が緩みます。

 

《3月18日(水)販売開始》

『とんだとんだ』 『とんだ とんだ』

いまもり みつひこ切り絵・文
定価(本体800円+税)

羽を休めてとまっている6種類のチョウが、次々に飛び立っていきます。大小色とりどりのチョウが飛び立つ様を、何種類もの色紙を駆使した切り紙でシンプルに見せます。


『おべんとう だれと たべる?』 『おべんとう だれと たべる?』

あずみ虫 作・絵
定価(本体1200円+税)

「おべんと おべんと クマさんのおべんとう…」 クマさんがサンドイッチを作っています。あ、お弁当箱につめて出かけていくよ。誰と、どこで食べるのかな?

《4》編集部だより
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお届けします。今月は科学書編集部です。

科学書編集部から

 みなさん、こんにちは。
 寒い日が続きます。でも、よく見ると木々の冬芽はふくらみ、梅のつぼみがほころびはじめています。そう、春は、もうすぐそこまできています。
 あたたかくなったら、今年は自分で野菜を育ててみてはいかがでしょう。

 科学書編集部から2月にお届けする新刊は、『育てて、発見!「ジャガイモ」』です。
 ジャガイモを育ててみたことがありますか? 初めに、種イモを植え付けます。種まきはしません。 すると、1週間ぐらいで芽がでて、葉がしげり……あれ? 根っこのわきから白い茎がのびてきて、先が丸くふくらんでいる! ふくらみは、小さな小さなジャガイモでした。ジャガイモは、根っこではなく、地下の茎がふとってできるのです。
 ジャガイモは、花もさかせます。星のような形をしていて、白や紫色をした可憐な花です。 あまり知られていませんが、花がさいたあと、種類によっては実をつけるものだってあります。ついた実は、緑色のトマトそっくり。でも、食べることはできません。
 こんなふうに、実際に育ててみると、発見の連続です。 成長が早すぎて、うっかりすると見落としてしまうようなことや、 外からは見えない土の中の成長過程を、細部までくわしく分かる写真で紹介しました。 見た目もおいしそうなレシピや、きっと試したくなる実験、そして巻末に詳細な解説もあります。

 『育てて、発見! 「ジャガイモ」』は、 『育てて、発見!「トマト」』 『育てて、発見!「ゴーヤー」』に続く、第3弾です。 どれも、小学校などで栽培する機会の多い、おなじみの野菜たち。 育て、収穫し、味わって、その「ひみつ」に出会ってみませんか?

 ほかに2月の新刊として、 『カエサルくんと本のおはなし』もお届けします。 『カエサルくんとカレンダー—2月はどうしてみじかいの?』で、暦の成りたちを教えてくれた、あのカエサルくんがふたたび登場。今回は、私たちが読んでいる、「ページのある本」が生まれるまでの歴史を語ってくれます。


そだててはっけんじゃがいも

『育てて、発見!「ジャガイモ」』
真木文絵 文/石倉ヒロユキ 写真・絵
定価(本体1200円+税)
台所でおなじみのジャガイモ。じっさいに育ててみると、発見がいっぱい! 地面の下の様子も、写真でくわしく紹介しました。ジャガイモのひみつ、いくつ発見できるかな。


《5》原画展・イベントのお知らせ

●絵本作家かこさとし川崎の思い出

日時 2015年2月17日(火)~3月15日(日)
休室日 2月25日(水)午前中、3月1日(日)全日
会場 川崎市立中原図書館6階多目的室(PDF)
神奈川県川崎市中原区小杉町3-1301
問い合わせ先 TEL 044-722-4932
入場料 無料
概要 かこさとしさんが、川崎市在住当時の子どもたちとのふれあいの中で描いた、川崎のスケッチや子どもたちの作品などを初公開します。

●ブラティスラヴァ世界絵本原画展
会期 2015年1月4日(日)~ 3月1日(日)
休館日

1月5日(月)、2月2日(月)

時間 10時~18時、金・土は20時まで ※入場受付は閉館の30分前まで
会場

千葉市美術館
千葉県千葉市中央区中央3-10-8

問い合わせ先 TEL 043-221-2311
入場料

一般800(640)円、大学生560円(450円)
※小・中学生、高校生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
※( )内は前売券・団体20名以上、および市内在住65歳以上の方の料金

関連作品

『きこえる?』 『おうさまのおひっこし』 ほか


●野見山響子『アヤカシさん』原画展

会期 2015年2月27日(金)~3月4日(水)
休廊日

会期中無休

時間 11時~19時 最終日は17時まで
会場 OPA Gallery
東京都渋谷区神宮前4-1-23 1F
問い合わせ先

TEL 03-5785-2646

入場料 無料
関連作品

『アヤカシさん』


●~ゴリラを描き続けて30年~阿部知暁 絵画展

会期 2015年3月18日(水)~3月23日(月)
※著者来店日 3月21日(土)、3月22日(日)各日11時~17時
休廊日

会期中無休

時間 10時~20時 最終日は16時まで
会場 西武春日部店 7Fギャラリー
埼玉県春日部市粕壁東2-5-1
問い合わせ先

TEL 048-763-1111(大代表)

入場料 無料
関連作品

『くんくんくん おいしそう』 『木のぼりゴリラ』 『ゴリラが胸をたたくわけ』


●75th Anniversary ボンジュール マドレーヌ

会期

2015年3月20日(金)~4月8日(水)
※3月21日(土)は福本友美子さんによる関連講演会があります。
くわしくはこちらをご覧下さい。

休廊日

会期中無休

時間 10時~20時
会場 教文館ナルニア国 ナルニアホール
東京都中央区銀座4-5-1 
問い合わせ先

TEL 03-3563-0730

入場料 無料
関連作品

『げんきなマドレーヌ』ほか


●誕生50周年記念 ぐりとぐら展

会期

2015年2月17日(火)~3月2日(月)

休廊日

会期中無休

時間 10時~20時(入場は19時30分まで)
※3月2日は17時まで(入場は16時30分まで)
会場

ジェイアール名古屋タカシマヤ
愛知県名古屋中村区名駅1-1-4

問い合わせ先

TEL 052-566-1101

入場料

一般800(600)円、高大生600(400)円、中学生以下無料
※( )内は10名以上の団体料金

関連作品

ぐりとぐらほか

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000