あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2015年3月18日 Vol.184
足もとから、春はたしかにやってくる!
 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 北の寒気もようやくしりぞいて、春めいた空気が肌に心地よく感じられるようになりました。ふと足もとを見れば、オオイヌノフグリのちいさな花が青くきらめいています。
 今回の「だるまちゃんといっしょにあそぼう」は、そんな季節にぴったりの「花ずもう・草ずもう」です。さあ、外に出てあそびましょう。

《1》加古里子さん連載エッセイ 最終回
   

3月 花ずもう・草ずもう    加古里子

 ようやく春となって、野や道端に草花が咲くようになりました。そんな花や茎をとって、お友だちとひっぱりっこの遊びです。
 一番いいのは、スミレの花です。花が茎にまがってついているので、互いにからめてひっぱり、ちぎれた方がまけとなります。レンゲやタンポポの花も、うまくからめるとすもうができます。
 せっかく咲いた花なのでかわいそうという人は、松の葉や、スギナの葉、オオバコやナズナ、ハコベなどの茎、クローバーやカタバミ、カラスノエンドウなどのつるで、ひっぱりずもうができます。
 春の野山は、こうした草たちの春場所ずもうの場なので、いろいろよい力士をさがして遊んでみましょう。
『だるまちゃんとにおうちゃん』 『だるまちゃんと におうちゃん』(こどものとも2014年7月号)
加古里子 作・絵
定価(本体389円+税)

だるまちゃんは、体が大きく力持ちなので「におう(仁王)ちゃん」と呼ばれている男の子と力比べをすることになりました。相撲、腕組み相撲、けんけん相撲、尻相撲など、体を使ったさまざまな遊びを楽しみます。

『にほんでんしょうのあそびどくほん』 『日本伝承のあそび読本』
加古里子 著
定価(本体1000円+税)

草ずもう、ささ舟、紙鉄砲、手袋人形、影絵遊び、あやとり、あぶりだし……。古くから受けつがれてきた身近な遊びを集め、イラスト付きで解説しています。伝承遊びの本の先駆けとなった旧著を刊行当時のままに復刻しました。限定出版ですのでお早めにお求めください。
かこさとし
加古里子(かこさとし) 1926年、福井県生まれ。東京大学工学部卒業後、民間企業の研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事する。作品に「だるまちゃん」シリーズ、『かわ』『はははのはなし』『海』(以上福音館書店)「からすのパンやさん」シリーズ(偕成社)など500冊以上の児童書のほか、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。2013年、福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館 石石(らく)」が開館。神奈川県在住。
かこさとし

かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく) 2013年4月に「かこさとし ふるさと絵本館「石石」(らく)」が開館しました。子どもから大人まで加古里子さんの世界を体感できる施設です。館内には、いろいろな作家の絵本・紙芝居を二千冊揃えるほか、加古さんが描かれた絵や絵本原画の複製画などを展示しています。
開館時間:10時~18時(毎週火曜日、国民の祝日の翌日、年末年始休館)
入館料: 無料
福井県越前市高瀬1丁目14番7号 TEL 0778-21-2019

《2》「絵本に出会える場所」児童書専門店のご紹介
     新風堂書店(奈良県)
☆いろいろな絵本を見てお気に入りの絵本を見つけたいとき、絵本に詳しい店員さんに相談にのってもらいたいとき、頼りになる児童書専門店が全国各地にあります。

 今月は奈良県奈良市の「新風堂書店」さんにお店の紹介を寄稿していただきました。

 夫の両親が脱サラをして始めた新風堂書店は今年創業40年。私たち夫婦が継いで30年。奈良と京都の県境の住宅地に移転して25年になる。教育書、一般書のスペースも併設。
 生後4ヵ月から「読み聞かせ」をしつつ2人の息子を育て、その時期に「こどものとも復刻版」「グリムの昔話」「日本の昔話」をリアルタイムで読み、販売するという「幸せな商売」をし、経営にも追い風となってくれた。長男は小2、次男は小4まで、15年間読み続けた。後は同じレベルの本を自然に一人で読むようになった。我が子に限らず、その頃の子どもたちが大人になった今、2代目、3代目のお客さんとして来店され「子ども時代」の幸せな本との出会いを語ってくれることが、何よりの財産である。30年40年という時間がかかるものなのだ。だからこそ今、子どもたちに、本って楽しいよ、扉を開いてくれるものだよ、と手渡したい。たいへんだからこそ、余裕がない時代だからこそ「読み聞かせ」をして、濃密でしかも自立した親子であってほしいと語りつづけたいと思う。
 40年間、イベントも講座も講演会も原画展も勉強会もやってきた。個々人対応のブッククラブも17年目。しかしかつてなく厳しい時代である。子どもにも親にも本がストレートに「生きる力」として伝わらない苦しさがある。読書も学びも環境として劣化していると感じる。痛感する。かくして小さな本屋の大きな悩みは深い。そんな日々である。
 もちろん楽しみもある。当店には何年も不動を誇る平積み「超定番」がある。福音館でいえば、『くらい くらい』『もりのおふろ』『どうぶつサーカスはじまるよ』『わにわにのごちそう』『番ねずみのヤカちゃん』『どうぶつえんガイド』『世界昆虫記』等々。えー! こんな本、他の書店で見たことない!! といわれる。当店が制作しているわけではありませんが、これがオススメですと言いきる。さて、ここに新刊が加わった。『パンツはながれる』である。予想を裏切らない(?)事態の展開と言葉の積み重ねの面白さに大笑い。
 「超定番」発見! の予感が。そんな本をもっともっと発見してゆきたい。時代を超えて心に残る一冊、十冊、百冊を手渡してゆきたい。そしていつか、「あーここで教えてもらった本」「私をつくってくれた本」「今も大切に持っている本」に。たとえ本屋はなくなってしまっても……確かな手応えが残る幻のような本屋として果てるのが私の夢、である。



新風堂書店
〒631-0805 奈良県奈良市右京3丁目2−2
TEL:0742-71-4646
定休日:水曜日
営業時間:10時~20時(日曜日・祝日は 10時~19時)

《3》4月の新刊ご案内

《4月1日(水)販売開始》
『まてまて タクシー』 『まてまて タクシー』

西村敏雄 作
定価(本体800円+税)


タクシーに忘れ物をしたハットさん。「まてまて タクシー」と、牛にまたがったり、坂道を転がったりしながら追いかけます。思わず笑いがこみあげるユーモラスな絵本。


『おばあさんのひっこし』 『おばあさんのひっこし』

エドナ・ベッカー 作/神沢利子・山田ルイ 訳/白根美代子 絵
定価(本体800円+税)


ちょっととぼけたおばあさんが主人公。可愛がっている猫とめ牛とろばを連れ、おうちを探してひっこし、ひっこし、またひっこし! でも、最後に見つけたすてきな家は……?

『わたしのかさはそらのいろ』 『わたしのかさは そらのいろ』

あまんきみこ 作/垂石眞子 絵
定価(本体800円+税)


女の子が青い傘をさして「わたしの かさは そらの いろ あめの なかでも いい てんき」と歌ってると、動物たちが「いーれて」と言いながらとびこんできました。

『のっていこう』 『のっていこう』

木内達朗 作
定価(本体800円+税)


今日はお父さんとおでかけ。3つの乗りものに乗っていくんだって。なにに乗るのかな? どこへいくのかな? 着いたのは山のてっぺん。通ってきたところが全部見えるよ!


《4月7日(火)販売開始》

『みのりのなつ』

福音館文庫
『美乃里の夏』


藤巻吏絵 作/長 新太 画
定価(本体600円+税)


美乃里の10歳の夏休みは、同い年で同じ名前の少年・実との出会いから始まった。小さな銭湯でのひと夏の出来事と、突然の別れを通して、少女の心の成長を描く。



《4月8日(水)販売開始》

『子どもがはじめてであう絵本 0才から なまえ(全3冊)』 『子どもがはじめてであう絵本 0才から なまえ(全3冊)』

ディック・ブルーナ 文・絵/まつおかきょうこ 訳
定価(本体2100円+税)


ブルーナの赤ちゃん絵本『あか き あお みどり』『はる なつ あき ふゆ』『どうぶつ』の3冊をセットにしました。テーマは名前です。

『あか き あお みどり』 『あか き あお みどり』

ディック・ブルーナ 文・絵/まつおかきょうこ 訳
定価(本体700円+税)


ブルーナカラーと呼ばれる4色(赤、黄、青、緑)が効果的に使われています。 ページをめくるたびに、白いお人形、ヨット、果物に、1色ずつ色がついていきます。

『はる なつ あき ふゆ』 『はる なつ あき ふゆ』

ディック・ブルーナ 文・絵/まつおかきょうこ 訳
定価(本体700円+税)

白クマの子が、季節ごとに色々な体験をします。花に囲まれる春。プールやお昼寝を楽しむ夏。薪を拾って冬の準備をする秋。そして雪だるまを作る冬。やがて季節は巡ります。

『どうぶつ』 『どうぶつ』

ディック・ブルーナ 文・絵/まつおかきょうこ 訳
定価(本体700円+税)

ブルーナの描く12種類の動物たちが登場します。さるに始まり、ぺんぎん、かんがるー、かば…。どれもブルーナ独自のデフォルメとユーモアで、赤ちゃんをひきつけます。

『ふたごのごりら』

 

『ふたごのゴリラ』

ふしはら のじこ 文・絵
定価(本体1500円+税)


マパとパサは元気なふたごのゴリラです。ある日、マパとパサは、迷子になってしまいました。見知らぬ森で、日が暮れていきます。何かが動く気配がします。どうしよう!?

『ごはん』 『ごはん』

平野恵理子 作
定価(本体1400円+税)


とろりとケチャップのかかったオムライス、どーんとカツ丼! おすしにおむすび…おいしいごはんが並んでいます。さあ、どれを食べよう!? 幸せいっぱいの絵本です。

 

《4月15日(水)販売開始》

『わたしのうさぎ ハッピー』 『わたしのうさぎ ハッピー』


みずしま さくらこ 原案/なとり ちづ 文・絵


定価(本体1200円+税)

さくらのうさぎがある日骨折。なぜ、こうなったの? どう対応すればいいの? さくらとうさぎの日々を描き、うさぎの飼育方法や習性、骨折と治療法などにもふれる科学絵本。


『カワと7にんのむすこたち
クルドのおはなし』 『カワと7にんのむすこたち―クルドのおはなし』


アマンジ・シャクリー &野坂悦子 文/おぼ まこと 絵


定価(本体1400円+税)

かじ屋カワの自慢は、7人の息子たちです。ある日、王様パシャの肩から生えてきたヘビが、男の子を食べるようになります。7人の息子たちはどうなったのでしょう……。

《4》編集部だより
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお届けします。今月は絵本編集部です。

絵本編集部から

 こんにちは。みなさん、それぞれ大好きな絵本があると思います。私にとっては、1973年に出た「こぐまのたろの絵本」(全3冊)がそのひとつでした。
 今月ご紹介するのは、その「こぐまのたろの絵本」の作者、きたむらえりさんの新刊で、今月刊行された『アレハンドロの大旅行』です。

 主人公のアレハンドロは、イノシシの男の子。にぎやかな大家族の一員ですが、ひとことも話をしません。心配したおとうさんとおかあさんは、あちこちに相談します。そして占い師のアドバイスにしたがって、アレハンドロを遠くに見える丘まで旅に出すことにします。
 旅に出たアレハンドロは、道すがらグアナコ(※)やアルマジロ、ダチョウなど、いろいろな生きものと出会いますが、いつもタイミングを逃してしまい、話すことができません。それでも出会った生きものたちに助けられて、アレハンドロは丘の頂上までたどりつきます。
 そこで今までに見たことのないものを見たアレハンドロは、大きな声をあげます……。

 ほのぼのとした語り口とさし絵で、アレハンドロが旅に出て帰ってくるまでが描かれています。

 作者のきたむらえりさんは北海道生まれで、牧場で少女時代を過ごした方です。現在はカナダ在住で、今回のお話は、1年ほどアルゼンチンに滞在したときの思い出をもとにしてかいたものです。

 アレハンドロが出会ったものはなんだったのか、ぜひ読んでたしかめてみてくださいね。

※グアナコ:リャマに似たアンデス原産の動物。


あれはんどろのだいりょこう

『アレハンドロの大旅行』
きたむら えり 作・絵
定価(本体1300円+税)
イノシシのアレハンドロは、にぎやかな家族の一員ですが、なにも話をしません。心配した両親は、アレハンドロを旅に出します。いろいろな出会いがあってアレハンドロは…。


《5》原画展・イベントのお知らせ

 

●国際子どもの本の日記念 子どもの本の日フェスティバル2015

日時 2015年3月21日(土) 開場時間:13時~18時  
2015年3月22日(日) 開場時間:9時30分~17時
会場 ゲートシティ大崎 ゲートシティホール 
東京都品川区大崎1−11−1 ゲートシティ大崎地下1階
概要

シンポジウム:絵本の力「手から手へ展」を終えて(要事前申込)
3月21日(土)14時~17時(休憩あり)
対象:大人 定員:200人
出演:降矢奈々(絵本作家)浜田桂子(絵本作家)はたこうしろう(絵本作家)
   兼森理恵(書店員)山福朱実(絵本作家)
司会:広松由希子(絵本研究家)
※終了後、パネラーおよび来場の「手展」作家によるサイン会を行います。

3月21日(土)、22日(日)両日イベント
世界の子どもの本の展示とおはなし会、あべ弘士さん監修「動物の本の部屋」、「手から手へ展」参加作家の絵本・パネル展、作家によるミニ・ワークショップなど


※参加申込方法など、くわしくはこちらをご覧ください。

主催・問い合わせ先 JBBY(日本国際児童図書評議会)事務局 TEL 03-5228-0051

●ピーターラビットの世界展

会期

前期 2015年3月5日(木)~ 6月29日(月)
後期 2015年7月1日(水)~ 10月4日(日)
※前・後期で一部展示内容が変更となります。

休館日

会期中無休

時間

9時30分~17時 (入館は16時30 分まで)

会場

軽井沢絵本の森美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉182(塩沢・風越公園)

入館料 一般900円(3・4月は800円) 中学・高校生500円 小学生以下無料
関連作品

『ティギーおばさんのおはなし』 『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』


●「かがみのえほん」イベント

会期 2015年3月26日(木)~3月29日(日)
休館日

会期中無休

会場

科学技術館 3階 「ワンダー・ガレージ」
東京都千代田区北の丸公園2-1 
(一部イベントは4階「実験スタジアムL」にて実施予定)

概要

作者わたなべちなつさん制作のビッグミラーブックの展示、「かがみのえほん」を体験するワークショップを開催します。
※応募方法やイベントの詳細については、科学技術館のホームページをご覧ください。

入館料

一般720円 中学・高校生410円 4歳以上260円

問い合わせ先 科学技術館運営部 TEL 03-3212-8509
関連作品

「かがみのえほん」特集ページ


●75th Anniversary ボンジュール マドレーヌ

会期

2015年3月20日(金)~4月8日(水)
※4月4日(土)はベーメルマンスの絵本の読み聞かせ会があります。
くわしくはこちらをご覧下さい。

休廊日

会期中無休

時間 10時~20時
会場 教文館ナルニア国 ナルニアホール
東京都中央区銀座4-5-1 
入場料

無料

問い合わせ先 TEL 03-3563-0730
関連作品

『げんきなマドレーヌ』ほか


●聖コージズキンの誘惑展

会期

2015年3月1日(日)~5月24日(日)

休廊日

月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)※GW期間は無休

時間

10時~17時(入館は閉館の30分前まで)

会場

ちひろ美術館・東京
東京都練馬区下石神井4-7-2

入場料

一般800円、高校生以下無料
 ※10名以上の団体、学生証をお持ちの方、65歳以上は100円引、障害者手帳ご提示の方は半額、介添の方は1名まで無料、視覚障害のある方は無料

問い合わせ先

TEL 03-3995-0612

関連作品

『きゅうりさん あぶないよ』 『エンソくん きしゃにのる』

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000