あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2015年5月7日 Vol.187
晴れた日は、さわやかな風を感じながら読書…

 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 風薫る季節、ゴールデンウィークには遠出された方も多いことでしょう。おでかけに疲れてしまったときは、庭や近くの公園、図書館で本を開いてみるのも、いいかもしれません。

《1》1月刊行の新刊『ラオス 山の村に図書館ができた』の作者
   安井清子さんのエッセイ
『ラオス 山の村に図書館ができた』にこめたもの  安井清子
ラオス山の村に図書館ができた

 東南アジアの内陸国、ラオス。そのさらに山奥に入ったモン族の村に、図書館をつくろうということになったのは、もう10年前の話です。息子の死を悼む、あるお母様からの申し出がきっかけでした。でも、モン族はもともと文字を持たない民族で、村の中には本はありません。もちろん、図書館が何かということを村の人は知りませんでした。そんなところにいきなり図書館をつくって役に立つのだろうか? という不安もありました。そこでまずは、外注ではなく村の人たちを巻き込んで一緒に建物をつくることにしました。同時に、建設現場の横にゴザを敷いて子どもたちに絵本の読み聞かせをしたりして、「図書館は何をするところか?」を示しながら、作業をすすめることにしました。そのために私と、建設を担当するシンサクくんが、村に住みこむことにしたのです。
 電気もガスも水道もないこの村で、私たちは、村の長老であるサイガウ爺さんの家にお世話になりながら図書館をつくることになったのですが、材木は「木を伐るところ」から、石は「岩を割るところ」から始めるという村人たちに、びっくり。数か月で終わるだろうとたかをくくっていた建設作業は、数か月目にして、ようやく材料がそろうという具合で大幅に遅れ、結局、次年度へと持ち越すことになりました。
 そんなこんなで、予想していたよりずっと長く山の村に滞在することになったわけですが、きっとそのおかげで、この本が書けたのだと思うのです。
 最初は、薪にろくろく火をつけることもできなかった私が、家族の食事作りを任されるようになったり、子どもたちの牛追いや畑仕事についていったり、村の長老たちから昔話を聞いたり、また夜の闇の怖さ、月明かりのありがたさをこの身で感じたり……そうやって過ごした日々の中から、人間が生きるということを、改めて教えてもらった気がします。村での生活は、自給自足で土に生きるモン族の村で過ごした特殊なものというよりも、ひと昔前の日本でも、自然とともに暮らしていた人たちなら、きっと共通するものであったにちがいないと思います。それは、東京生まれの私には初めての経験だったのにもかかわらず、何だか懐かしい根っこの暮らしに戻ったような貴重な経験でした。
 さて、村で図書館がオープンしてから7年が過ぎました。小さい頃から生活の知恵を身につけ育つ山の村の子どもたちですが、図書館で、本のページを開くことによって出会う物語の世界が、さらに心の人生経験となり、将来への礎になってほしいと願っています。
 この本は、決して、"支援活動の一環で図書館をつくった"という記録ではありません。山の村での図書館づくりを通して、私自身が出会ったことを伝えたい……一冊の絵本のように、それを表紙と裏表紙の間にこめたい、そんな思いで書いたものです。ページをめくって、山の村にできた図書館を訪ねてくださったら、なによりうれしいです。


著者:安井清子(やすい きよこ)
東京都生まれ。国際基督教大学卒業。1985年に、NGOのスタッフとして、タイのラオス難民キャンプでモン族の子どもたちのための図書館活動に携わって以来、現在もラオスにて子ども図書館の活動に関わる。また、モンの口承文化を記録・継承する活動もおこなっている。「ラオス山の子ども文庫基金」代表。著書に、『空の民の子どもたち』(社会評論社)、『ラオスすてきな笑顔』(NTT出版)、『ラオスの山からやってきたモンの民話』(ディンディガル・ベル)など。ビエンチャン在住。
らおすやまのむらにとしょかんができた 『ラオス 山の村に図書館ができた』
安井清子 著
定価(本体1500円+税)
少数民族モン族の住むラオスの山間の村に、子どものための図書館をつくった著者。村に暮らしながらの建設の日々、完成した図書館での活動のようす、そして未来を語る。
《2》月刊誌<6月号>のご案内


こどものとも0.1.2.『びよよ~ん』 こどものとも0.1.2.
『びよよ~ん』


村田エミコ 作
定価(本体389円+税)

「びよよ~ん」と体をのばしたカエル、サル、フラミンゴ、カメレオン、タコ。動物たちの形の変化を楽しむユーモラスな絵本です。
こどものとも年少版『あめぽっつん』 こどものとも年少版
『あめ ぽっつん』


杜 今日子 作
定価(本体389円+税)

かたつむりやかえるの上に降る雨は、やがて水たまりになって……。雨の日の小さな生き物たちのドラマを、みずみずしく描きます。
こどものとも年中向き『そらがおちてくるんです』 こどものとも年中向き
『そらが おちてくるんです—スリランカの昔話より』


プンニャ・クマーリ 再話・絵
定価(本体389円+税)

うさぎが木の下でうとうとしていると、どさっ! なにかが落ちる音がしました。うさぎは空が落ちてきたと思って、逃げだします。
こどものとも0.1.2.『はさみのちょきさん』 こどものとも
『はさみのチョキさん』


苅田澄子 文/西巻茅子 絵
定価(本体389円+税)

はさみのチョキさんは切るのが大好き。ある日、乱暴者のショベルカーが現れ、チョキさんは文房具たちと力を合わせて、立ち向かいます。
ちいさなかがくのとも『ぼくのかさ』 ちいさなかがくのとも
『ぼくの かさ』


杉田比呂美 作
定価(本体389円+税)

今日は雨ふり。かさをひらいて、さあ、雨のなかへでかけよう。雨がぱつぱつ、かさをたたく。さわると、てのひらがくすぐったい!
かがくのとも『かなへび』 かがくのとも
『こんな こえが きこえてきました』


佐藤雅彦+ユーフラテス 作
定価(本体389円+税)

耳をすませば交差点の様々な所から声が聞こえます。誰がどこで話しているのでしょうか。世界の新しい見方を体得する写真絵本。
たくさんのふしぎ『かわのほたるもりのほたる』 たくさんのふしぎ
『川のホタル 森のホタル』


宮武健仁 文・写真
定価(本体667円+税)

ホタルは、卵や幼虫のときにも光ります。何のために光るのか。その秘密にせまります。めずらしい「森のホタル」もご紹介。
ははのとも6がつごう

母の友
特集1「お父さんという生きもの」
特集2「字のない絵本を『読む』」
定価(本体505円+税)

特集1は「お父さんという生きもの」。父親の役割について考えます。特集2は「字のない絵本を『読む』」です。
こちらから目次をご覧いただけます。

《3》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月はちいさなかがくのとも編集部です。

ちいさなかがくのとも編集部から

 雨の季節ですね。「ちいさなかがくのとも」6月号は『ぼくの かさ』。
 "かさ"は雨の日になくてはならない道具ですが、子どもにとって"かさ"は、ただ雨を避けるためのものではありませんよね。くるくる回して水を飛ばしてみたり、閉じたかさの先からしたたる水で乾いた地面に模様を描いてみたり――子どもの頃そんなふうに、かさを"本来の用途"以外の方法で楽しんだ経験は、みなさんもお持ちなのではないでしょうか。
 かさの布に触れながら、雨の音に耳を傾けてみたら……? 高い空から自分の上に降ってくる雨に、てのひらや耳で出会うことができます。かさで風と力比べをしてみたら……? 目には見えない風の力を、体でしっかりと感じ取ることができます。周りはどこもかしこも雨に濡れているのに、かさの下だけは濡れないことに改めて目を向けてみたり、晴れた日にかさをさして、その陰で休んでみたり——この絵本には、かさを通して雨や風や光と遊ぶヒントがつまっています。
 作者の杉田比呂美氏が子どもの頃の楽しいかさ体験を思い出し、そのひとつひとつを今回あらためて体験しなおしてみることで、絵本『ぼくの かさ』は生まれました。雨の日、コンビニの入口で樋(とい)からあふれた雨水が滝のように落ちる場所を見つけ、かさで受ける水の衝撃や音を五感で感じつくすまで、そこに立ち続けてみた杉田氏。「水の音ってこんなにバリエーションに富んでいるんだって、大発見でした! 通りすがりの人の目はちょっとつらかったけど(笑)」とおっしゃっていました。杉田氏の耳がとらえた雨の音は、ぜひ絵本で探してみてください。
 雨が降るたび、思うことがあります。子どもが自分でかさをさすということは、その子が、もう人に手を引かれなくても歩けるほど成長したと認められた証。きっと子どもたちは誇らしい気持ちで、雨の中に出かけていくのだろうな、と。そんな子どもたちが、かさを通じて、この世界の "おもしろい!"と、たくさんたくさん出会ってくれますように!

★「ちいさなかがくのとも」についてもっと知りたい方はこちらへ
《4》原画展・イベントのお知らせ


●誕生60周年記念ミッフィー展

会期 2015年4月15日(水)~ 5月10日(日)
休館日 会期中無休
時間 10時~20時 (最終日は17時閉場、入場は閉場の30分前まで)
会場 松屋銀座8階イベントスクエア
東京都中央区銀座3-6-1
問い合わせ先 TEL 03-3567-1211
入場料 一般1,000円、高大学生700円、中学生500円、小学生300円
関連作品 『うさこちゃんのたんじょうび―60周年記念特別版 』 「子どもがはじめてであう絵本 0才から なまえ(全3冊)」 など

●「キュッパになろう!」 in 日比谷公園

日時 2015年5月9日(土)、10日(日)
(1)11時~(2)13時30分~(3)14時30分~(4)15時30分~
※いずれも同じ内容 、各回先着10組の親子(会場にて当日受付)
講師 伊藤史子(アトリエリスタ、東京藝術大学特任研究員)
会場

『キュッパのはくぶつかん』のお話を聞いた後、日比谷公園内の散歩に出かけ、物をひろい、マイ・ミュージアムボックスをつくります。くわしくはこちらをご覧ください。

日比谷公園「みどりの感謝祭」会場
東京都立日比谷公園・にれのき広場・噴水前広場 等

問い合わせ先 Museum Start あいうえの 運営チーム
 TEL:03-3823-6921(10時~17時30分)
参加費 無料
関連作品 『キュッパのはくぶつかん』『キュッパのおんがくかい』

●後藤 仁 絵本原画展

会期 2015年5月1日(金)~31日(日)
前期展示:5月1日(金)~13日(水)
絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)原画
後期展示:5月15日(金)~31日(日)
絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)原画
休館日 月曜日(月曜日が祝日・休日の場合は翌日の火曜日休館、連休の場合は翌日以降の最も近い平日休館)5月4日臨時休館
時間 平日 10時~19時 土日祝 10時 ~ 17時
会場

ちいさな駅美術館Ponte del Sogno(JR藤並駅2F )
和歌山県有田郡有田川町明王寺37-1

問い合わせ先 TEL 0737-52-2580
入場料 無料
関連作品 『ながいかみのむすめ チャンファメイ』


●ブラティスラヴァ世界絵本原画展—絵本をめぐる世界の旅

会期 2015年4月11日(土)~ 5月24日(日)
休館日 月曜日(5月4日を除く)、5月7日(木)
時間 10時~18時(入館は17時30分まで)
会場 足利市立美術館
栃木県足利市通2丁目14-7
問い合わせ先 TEL 0284-43-3131
入場料 一般700(560)円、高校・大学生500円(400円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金、その他割引制度あり
関連作品 『きこえる?』 『おうさまのおひっこし』 『馬の草子』

●誕生50周年記念 ぐりとぐら展

会期 2015年4月11日(土)~ 5月31日(日)
休館日 月曜日(ただし5月4日は開館、5月7日は振替休館)
時間 10時~18時(入館は17時30分まで)
会場

伊丹市立美術館
兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20

問い合わせ先 TEL 072-772-7447
入場料 一般900(800)円、大高生500(400)円、中小生200(150)円
※( )内は20 名以上の団体割引、その他割引制度あり
関連作品 『ぐりとぐら』など

●「滝平二郎の世界」展
会期 2015年4月18日(土)~ 5月24日(日)
休館日 月曜日(但し、5月4日は開館)
時間 10時~17時(入館は16時30分まで)
会場

丹波市立植野記念美術館
兵庫県丹波市氷上町西中615番地4

入場料 一般600円、大学・高校400円、小中学生200円 ※団体割引あり
問い合わせ先 TEL 0795-82-5945
関連作品 『八郎』 『三コ』

●堀 文子 【一所不住・旅】展
会期

2015年4月18日(土)~6月7日(日)

休館日

月曜日 (ただし5月4日開館、5月7日休館)

時間

10時~18時 (金・土曜日は20時まで、入場は閉館30分前まで)

会場 兵庫県立美術館
神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
入館料 一般1300円、大学生900円、高校生・65歳以上650円、中学生以下無料 ※団体割引、その他割引制度あり、前売り券あり
問い合わせ先 TEL 078-262-0901
関連作品 『ビップとちょうちょう』

●小林路子の菌類画 きのこ・イロ・イロ
会期

2015年4月4日(土)~5月17日(日)

休館日

4月30日(木)

時間

10時~19時30分 

会場

武蔵野市立吉祥寺美術館
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7階(コピス吉祥寺A館7階)

入場料 100円(小学生以下、65歳以上、障碍者は無料)
問い合わせ先 TEL 0422-22-0385
関連作品

「かがくのとも」2013年10月号『みんなで しいたけづくり』折り込み付録『いろいろなきのこ』  


●ピーターラビットの世界展
会期

前期 2015年3月5日(木)~ 6月29日(月)
後期 2015年7月1日(水)~ 10月4日(日)
※前・後期で一部展示内容が変更となります。

休館日

会期中無休

時間

9時30分~17時 (入館は16時30 分まで)

会場

軽井沢絵本の森美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉182(塩沢・風越公園)

入館料 一般900円(3・4月は800円) 中学・高校生500円 小学生以下無料
※団体割引あり
問い合わせ先 TEL 0267-48-3340
関連作品

『ティギーおばさんのおはなし』 『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』


●第26回 浪曲錬声会 「ねぎぼうずのあさたろう」
日時

2015年5月30日(土)
【第一部】 12時開演 (14時30分終演予定)
【第二部】 15時開演 (17時30分終演予定)

会場

国立文楽劇場小ホール
大阪市中央区日本橋1-12-10 (TEL 06-6212-2531)

第一部 
飯野和好 作 ねぎぼうずのあさたろう
浪花亭友 歌 曲師 沢村さくら       他3演目

チケットについて 電話・インターネット 予約開始 4月11日(土)10:00~
窓口販売開始 4月12日(日)[チケット売場 10:00~18:00]
電話[国立劇場チケットセンター 10:00~18:00]
TEL 0570(07)9900
TEL 03(3230)3000(一部IP電話等)
料金 一般2,100円、学生1,400円 ※障害者の方は2割引(一般のみ)
関連作品 『ねぎぼうずのあさたろう その1』ほか

●聖コージズキンの誘惑展
会期 2015年3月1日(日)~5月24日(日)
休廊日 月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)※GW期間は無休
時間 10時~17時(入館は閉館の30分前まで)
会場

ちひろ美術館・東京
東京都練馬区下石神井4-7-2

入場料 一般800円、高校生以下無料 ※団体割引、その他割引制度あり
問い合わせ先 TEL 03-3995-0612
関連作品 『きゅうりさん あぶないよ』 『エンソくん きしゃにのる』

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000