あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2015年6月3日 Vol.189
入梅の時期に…

 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 夏のような暑さが続いていましたが、だんだんと雨の日が多くなる時期となりました。じめじめとした季節は憂鬱なもの。こんなときは、思わずにやりと笑ってしまうような本を読んで、梅雨を乗りきりましょう。

《1》新刊『狐物語』の担当編集者よりメッセージをお届けします

狐につままれ、たぶらかされ――担当編集者の口上

ラオス山の村に図書館ができた

 さてお立ち会い、ルナールと申しますのはフランス生まれの赤毛の狐、根っからの性悪で、自分と家族の腹をみたすためならズルもウソも悪だくみも何でもあり! という、とんでもない奴です。死んだふりして魚商人の鰻(うなぎ)をせしめる、言葉たくみに熊を罠にかける、山猫のしっぽを半分切りとばす、鶏をかっさらい烏(からす)のチーズをくすね鳶(とんび)の子をむさぼり食い、スキあらばコオロギにまで襲いかかる。ヘマをして井戸に落っこちた大ピンチも、叔父の狼をだまくらかして身代わりにし、まんまと脱出……まったく、手がつけられないとはこのことです。
 ところがこのろくでなし、なんと動物叙事詩の傑作中の傑作『狐物語』の主人公として、狐界きっての名士なんですね。この作品は中世の言わば“ベストセラー”で、あんまりもてはやされた結果、従来狐を表す言葉だった「グーピ」を追い落として「ルナール」が普通名詞に格上げとなったというのですから、恐れ入ります。
 ところでみなさん、異色のフランス人作家・画家レオポルド・ショヴォーをご存じですか? 本国でも長らく忘れられていた存在だったのですが、著名なグラフィックデザイナーで絵本画家の故・堀内誠一さんが在仏中に骨董店で洋服箪笥の中から発見した一冊の本がきっかけとなり、福音館書店との協働でその全貌が明らかとなって、〈ショヴォー氏とルノー君のお話集〉5巻も出版されました。そのショヴォーが、12~13世紀に成立して以来、フランスのみならず諸国で連綿と読み継がれてきた“ルナール話”を、年若い読者向けに語り直しみずから絵をつけた“子ども版”が存在したのです!「白と黒の魔法」と讃えられる独自の味わいを持つ挿絵が71点! しかも、フランス装アンカット(袋綴じみたいな状態のものです)の美麗初版本を奇跡的に入手! これはもう、「おたくの古典童話シリーズに入れてください」と言っているようなものではありませんか!!
 山脇百合子さんの読みやすく歯切れのよい訳文。巻末には、『狐物語』の世界的権威・福本直之さんによる詳細な解説、ショヴォーの大ファンであるアニメーション作家・山村浩二さんによる解説エッセイ、そして訳者の取材旅行記と、読みごたえのある文章3本を収録。至れり尽くせりの一冊に、ルナールも「トレビヤン!」と満足していることでしょう。

レオポルド・ショヴォー(Leopold Chauveau)
1870年、リヨン生まれ、のちパリに出て医師となる。アルジェリアでの農場経営、軍医などの経歴をへて、第一次世界大戦後は創作活動に専念する。多数の小説を発表する一方、塑像や絵画も制作。「20世紀のラ・フォンテーヌ」とも呼ばれる寓話的な物語群、「白と黒の魔法」と讃えられる独自の味わいを持つ絵の数々は、〈ショヴォー氏とルノー君のお話集〉全5巻(福音館書店)に集約されている。過酷な人生を送ったショヴォーは、その奥深い内面を一般向けの小説にも表現し、また、中世から脈々と読み継がれた古典の現代語訳にも投影した。1940年没。

きつねものがたり 『狐物語』
レオポルド・ショヴォー 編・画/山脇百合子 訳
定価(本体2300円+税)
赤毛の性悪狐ルナールが大活躍するフランス中世の動物叙事詩が、しなやかで美しい訳文と、「白と黒の魔法」と讃えられる魅力的な挿絵によって、鮮やかによみがえる。
《2》月刊誌<7月号>のご案内


こどものとも0.1.2.『ねむたいねむたい』 こどものとも0.1.2.
『ねむたい ねむたい』


やぎゅう げんいちろう 作
定価(本体389円+税)

なすびの子は眠たいよー。かぼちゃの子も、そら豆の子も眠たいよー。子守歌のような言葉が、赤ちゃんを眠りの世界に誘います。
こどものとも年少版『おねまえなあに』

こどものとも年少版
『おなまえ なあに』


みやまつ ともみ 作
定価(本体389円+税)

海の中をお散歩中のイワシくん。ピョンと跳びはねる生き物に出会いました。「おなまえ なあに」と聞くと、「エビだよ」と名前を教えてくれました。

こどものとも年中向き『ええことおもいついたなっちゃん』 こどものとも年中向き
『ええこと おもいついた なっちゃん』


鍋田敬子 作
定価(本体389円+税)

3人のお兄ちゃんたちは、かっこいいおもちゃを持っていますが、なっちゃんは何も持っていません。でも、いいことを思いつきました!
こどものとも0.1.2.『ろうそくいっぽんちょうだいな』 こどものとも
『ロウソク いっぽん ちょうだいな』


飯野まき 作
定価(本体389円+税)

七夕の日、はるちゃんの住む街では、家々をまわって歌を歌いお菓子をもらいます。函館市の伝承行事「ロウソクもらい」を描きます。
ちいさなかがくのとも『べらんだにきたつばめ』 ちいさなかがくのとも
『ベランダに きた つばめ』


越智典子 文/おおたぐろ まり 絵
定価(本体389円+税)

ある朝、はなちゃんが目をさますと、ベランダから鳥の鳴き声……。カーテンをあけると、物干し竿にかわいい鳥が並んでる!
かがくのとも『いわなやまおくにすむさかな』 かがくのとも
『いわな—やまおくに すむ さかな』


横内 陽 作
定価(本体389円+税)

山奥の川に棲む魚いわな。きれいな水と餌となる虫たちがたくさんいる豊かな自然環境を背景に、いわなの生態を描いた絵本です。
たくさんのふしぎ『おいかけっこのせいたいがく』 たくさんのふしぎ
『おいかけっこの生態学—キスジベッコウと草むらのオニグモたち』


遠藤知二 文/岡本よしろう 絵
定価(本体667円+税)

同じ種類の虫でも、人や動物のように一匹一匹違う行動をとっているか? そんな疑問を持って北海道の河原でハチの観察を始めた。
ははのとも7がつごう

母の友
特集「野山であそぶ」
対談「自然、子ども、物語」
定価(本体505円+税)

特集「野山であそぶ」では、子どもと自然について考えます。霊長類学者・河合雅雄さんと児童文学者・斎藤惇夫さんの対談もお楽しみに。
こちらから目次をご覧いただけます。

《3》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月はかがくのとも編集部です。

かがくのとも編集部から

 「かがくのとも」7月号『いわな—やまおくに すむ さかな』は、山の奥深く、川の最上流で力強く生きるいわなの姿を通じて、日本の豊かな自然環境について視野を広げてもらいたい、という作品です。いっぽう8月号『かぶとむしの たたかいの おきて』は、ごく身近な雑木林が舞台です。カブトムシのオスが長いツノを使って闘うことは、よく知られていることですが、その闘い方は、じつは大変奥が深いものです。どこがどう奥深いかは読んでからのお楽しみですが、カブトムシの闘い方を知ることで、昆虫の何気ない行動を見る目が変わることでしょう。
 この作品の文章は、子どもの頃からずっとカブトムシが大好きで、ついには研究者となった本郷儀人さんによるもの。絵を描かれた小堀文彦さんも、昆虫が大好きな方です。小堀さんは絵を描くために、近所の雑木林の管理人さんから30匹以上のカブトムシの幼虫をもらって成虫になるまで育て上げ、その様子を観察しました。さらには自然でのカブトムシの闘いを観察するために、本郷さんの案内のもと、京都の雑木林に取材に出かけました。カブトムシは夜行性なので、取材はもちろん徹夜です。「熊出没注意!」という看板がかかっている夜の林に、何のためらいもなくどんどんと入っていく著者のお二人に、編集担当はオロオロしながら同行したものでした。
 飼育と徹夜取材のかいもあって、かつてないリアリティーと迫力ある絵を描いていただけました。本郷さんの研究による知られざるカブトムシの生態とともに、他に類のないカブトムシの新しい絵本をどうぞお楽しみに!

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《4》原画展・イベントのお知らせ

●誕生60周年記念 ミッフィー展

概要 オランダの絵本作家ディック・ブルーナさんの手によって生まれたミッフィー(うさこちゃん)は、2015年に60周年という記念すべき年を迎えます。 本展では、家族や友だちなど「ミッフィーの大切なもの」をコンセプトに選りすぐった人気絵本7作品やブルーナさんの初期作品など、原画やスケッチ、制作資料など約300点を展観。1955年に初めて描かれた「ファースト・ミッフィー」(『ちいさなうさこちゃん』(第1版))の原画を世界で初めて公開します。
会期 2015年6月6日(土)~7月20日(月)
会場 青森県立美術館
問い合わせ先 青森放送 Tel 017-743-1234
関連作品 「子どもがはじめてであう絵本 0才から なまえ(全3冊)」 『うさこちゃんのたんじょうび―60周年記念特別版』

●没後10年「長新太の脳内地図」展

概要 長新太は、2005年に亡くなるまで漫画家、イラストレーター、エッセイスト、絵本画家として八面六臂の活躍をしました。なかでも、独特のユーモアあふれるナンセンス絵本で戦後の日本の絵本に新境地を切り拓きました。本展では、絵本や子どもの本の原画のほか、漫画やイラストレーションなども展示し、長新太の特異な発想の源泉を探ります。
会期 5月27日(水)~8月2日(日)
会場 ちひろ美術館・東京
問い合わせ先 TEL 03-3995-0612
関連作品 『チョコレートパン』の原画が展示されます。

●「拝啓 薮内正幸様」刊行記念展

概要 書籍『拝啓、薮内正幸様』(薮内正幸美術館刊)で使われた原画と、執筆者や手紙のエピソードにまつわる画を展示します。画と合わせて、執筆者からお借りした思い出の品物や当時の資料等も合わせて展示しています。
会期 2015年3月21日(土)~ 7月14日(火)
会場

薮内正幸美術館

問い合わせ先 TEL 0551-35-0088 
関連作品 『野鳥の図鑑―にわやこうえんの鳥からうみの鳥まで』 『しっぽのはたらき』 など

●さくらせかいさん 読み聞かせ&ワークショップ&サイン会  『いしゃがよい』刊行記念

概要 『いしゃがよい』の作者さくらせかいさんによる読み聞かせ&ワークショップ&サイン会が開催されます。
【イベント内容】
14時~ 読み聞かせ会 ※参加無料(先着順・お子さま優先)
14時15分頃~(読み聞かせ会終了後) 
さくらせかいさんによる【パンダぼうしを作ろう】ワークショップ
14時45分頃~(ワークショップ終了後) サイン会 
※『いしゃがよい』を購入された方に参加整理券を配布
開催店舗 リブロイオンモール鶴見店
日時:6月20日(土)14時~
お問い合わせ:06-6915-2600
関連作品 『いしゃがよい』

●『チムとゆうかんなせんちょうさん』のエドワード・アーディゾーニ展

概要 20世紀英国を代表する画家エドワード・アーディゾーニ。1959年に日本で出版された『ムギと王さま』のちいさな挿絵に魅かれ、アーディゾーニ作品の世界的なコレクターとなった佐藤英和氏(こぐま社創業者・現相談役)の蔵書が初公開。他にも商業デザインの仕事、リトグラフ、ペン画など、日本では目にすることのなかった作品も展示されます。
会期 2015年5月23日(土)~7月13日(月)
会場

銀座教文館 9Fウェンライトホール

問い合わせ先 TEL 03-3561-0003
関連作品 みんなの人気者『チムとゆうかんなせんちょうさん』

●堀 文子 【一所不住・旅】展
概要

本展は、堀自身の言葉「一所不住・旅」をテーマとし、飽くなき好奇心と探求心で歩んできた足跡に沿いながら、画家の80年に及ぶ画業を回顧します。初期の作品から最新作までおよそ130点を展示し、堀文子の芸術そして、人間像に迫ります。

会期

2015年4月18日(土)~6月7日(日)

会場 兵庫県立美術館
問い合わせ先 TEL 078-262-0901
関連作品 『ビップとちょうちょう』

●ピーターラビットの世界展
概要

軽井沢の森の中で「ピーターラビット」シリーズの秘密を探求!100年以上愛され続ける絵本の世界を読み解きながら作者ビアトリクス・ポターの思いをひもとく大人の深読みへのお誘い。

会期

前期 2015年3月5日(木)~ 6月29日(月)
後期 2015年7月1日(水)~ 10月4日(日)
※前・後期で一部展示内容が変更となります。

会場

軽井沢絵本の森美術館

問い合わせ先 TEL 0267-48-3340
関連作品

『ティギーおばさんのおはなし』 『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』



 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000