あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2015年8月5日 Vol.193
暑中お見舞い申し上げます

 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 まだ8月にはいったばかりですが、全国的に猛暑がつづいています。とはいえ、子どもたちにとっては待ちに待った夏休み! 今月のエッセイでは、夏休みにジャングルの体験スクールに行くお話『ボルネオで オランウータンに 会う』をご紹介しています。みなさんも、楽しい夏休みをお過ごしください。

《1》新刊『ボルネオで オランウータンに 会う』の作者、高橋 晃さん

子どもたちと熱帯のジャングルへ行く   高橋 晃

ボルネオでオランウータンに出会う

 ボルネオ島の熱帯ジャングルへ子どもたちと行くと、とんでもなく楽しいことが起こります。兵庫県立人と自然の博物館では「ボルネオジャングル体験スクール」を長年にわたって実施してきました。参加した子どもたちは一様に目を輝かせてジャングルを歩きまわり、オランウータンやいろいろな動物に出会い、マレーシアの子どもたちと一緒に夢のような4日間を過ごすのです。
 熱帯のジャングルはどんなところなのか、スクールではどんな楽しいことが起こるのかを紹介したいと思い、スクールで私が経験してきたことをベースに、『ボルネオ でオランウータンに 会う―ケンタのジャングル体験』のお話を書きました。絵を描いてくださった大友康夫さんは、スクールにも実際に参加して楽しさを体験されました。やさしい絵柄で、とっても臨場感のあるすばらしい絵が出来上がったと思っています。
 ジャングルというと、一般に猛獣や毒蛇がいっぱいいて、マラリアなどの病気にかかるといった危険なイメージをもたれることが多いのですが、実際にはそんな恐ろしいところではありません。ジャングルは町からは相当遠く、4WD車に乗って何時間も揺られながら奥地にある野外活動センターに着くと、そこには見上げるばかりの巨木の森が広がっています。そのなかを歩けるように小道が整備されており、昼間だけでなく夜にも歩きます。
 巨木の裾に広がった板根(ばんこん)や複雑に絡み合った絞め殺し植物など、熱帯特有の木々を目にしながら注意して森の中を歩くと、いろいろな動物や昆虫を見つけることができます。子どもたちは、朝から晩までとにかくエネルギッシュに動き回り、いろんな動物を見つけては歓声をあげるのです。
 ジャングルで過ごす4日間は、子どもたちは熱病にうなされているようなものです。初めてのことが次々に起こるのですから、テンションが高くなるのも当然でしょう。親や学校の先生のように「これするな、あれするな」と口やかましく言う大人はあまりいません。私たちがいつも言うのは、「ここは外国だから、勝手なことをするとどうなるかわからない。自分でよく考えて行動しないと、日本に帰れなくなるかもしれないぞ」ということです。子どもたちは、集合時間に遅れる、落し物・忘れ物をする、ヒルにわざと血を吸わせて騒ぐ、友だち同士でケンカするなど、いろんなことを起こしてくれますが、ジャングルの中で迷子になったり、大怪我をしたりさえしなければ、たいていは何とかなります。
 そんな子どもたちと一緒にいると体力的にはとても疲れますが、一方では元気をもらっていることに気づくのです。そういうことも含めて、ワクワクした気持ちにさせてくれたジャングル体験でしたが、この絵本で、そんな気持ちが伝わったらいいなと思います。

高橋 晃(たかはし あきら)
1954年岐阜県生まれ。兵庫県立人と自然の博物館研究部長。兵庫県立大学自然・環境科学研究所教授。専門は植物学で、ボルネオ島の熱帯雨林での調査や保全活動に関わる。2004年頃から、人と自然の博物館主催の「ボルネオジャングル体験スクール」のスタッフとしてボルネオ島を訪れ、子どもたちが熱帯雨林の自然にふれ、野生動物との出会いや国際交流を通して成長するのを応援してきた。

ピーテル、はないちばへ 『ボルネオで オランウータンに 会う—ケンタのジャングル体験』
たかはし あきら 文/おおとも やすお 絵
定価(本体1600円+税)
研究者といっしょにジャングルに行ける! 勇んでボルネオにやってきた少年の視点で描くジャングルの自然、生きもののつながり、そして念願のオランウータンとの出会い。
《2》月刊誌<9月号>のご案内


こどものとも0.1.2.『ぐるぐるぐるーん』 こどものとも0.1.2.
『ぐるぐるぐるーん』


のむら さやか 文/サイトウ マサミツ 絵
定価(本体389円+税)

勢いある線で描かれたぐるぐるが、ねこやひよこなど、様々なものに変化します。リズミカルな言葉が楽しい、色と形の絵本です。
こどものとも年少版『こやぎが すやすや』

こどものとも年少版
『こやぎが すやすや』


田島征三 作
定価(本体389円+税)

子やぎが木陰で眠っていると、トンボがとまったりボールが転がってきたり……。何があっても眠り続ける子やぎの姿が楽しい本。

こどものとも年中向き『カタツムリ にげた』 こどものとも年中向き
『カタツムリ にげた』


三輪一雄 作
定価(本体389円+税)

飼っていたカタツムリが逃げ出した! 飼い主の男の子は、はったあとをたどってカタツムリの行方を追います。
こどものとも『はかせのふしぎなプール』 こどものとも
『はかせのふしぎなプール』


中村至男 作
定価(本体389円+税)

博士の新発明は、どんなものでも大きくするプール。水面から出た一部を手がかりに、プールに何が沈んでいるのか考えます。
ちいさなかがくのとも『すなはまの あな』 ちいさなかがくのとも
『すなはまの あな』


荒川 暢 作
定価(本体389円+税)

砂浜でふしぎなあなをみつけたよ。なんのあな? ほってもほっても砂がくずれてうまっちゃう。どうしたらいいかな。
かがくのとも『きんぎょの きんちゃん』 かがくのとも
『きんぎょの きんちゃん』


笠野裕一 作
定価(本体389円+税)

養魚場や市場での競り、運搬の様子など、金魚のきんちゃんが生まれてから、家の水槽にやってくるまでの旅を追いかけた絵本です。
たくさんのふしぎ『カタツムリ 小笠原へ』 たくさんのふしぎ
『カタツムリ 小笠原へ』


千葉 聡 文/コマツ シンヤ 絵
定価(本体667円+税)

はるか遠くの島にカタツムリの楽園がある…。そう聞いた東京のカタツムリたちが楽園小笠原諸島へやってきた。大冒険のはじまり!
ははのとも9がつごう

母の友
特集1「どうしてパジャマで外に行ってはいけないの?—服について考える」
特集2「絵本と子ども服」
定価(本体505円+税)

朝、子どもが「パジャマのままで園に行きたい!」と言ったらどうします? 今月は子どもと服について考えます。
こちらから目次をご覧いただけます。

《3》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月はたくさんのふしぎ編集部です。

たくさんのふしぎ編集部から

 こんにちは、たくさんのふしぎ編集部です。
 私事で恐縮ですが、最近、5歳になった娘の語彙が増えてきまして、よく言葉について聞かれます。先日は、「『ゆっくり』ってさあ、おそいこと?」との質問。「何を聞こうとしとるんだ?」といぶかしく思ったのですが、そこで思いだしたのが、以前、時間の研究者から聞いた「5歳くらいまでの子どもは、急ぐと時間がかかると思っている」という事実。子どもはものごとを、まずは比例の関係(大きいものは重たい、大きな入れ物にはたくさん入る、など)、「モアならモア」でとらえていくそうで。「急ぐ」のに「時間が短くてすむ」という反比例の関係は、それに比べてとても難しく、大人は当たり前のように変換していますが、実はそれは高度なレベルの変換なのだそうです。
「この子もこれから、『反比例をわかるヒト』になっていってしまうのだなあ、と感慨深いものがありました。
 さて、生きもので「ゆっくり」と言えば「カタツムリ」。9月号『カタツムリ 小笠原へ』では、彼らの楽園となった小笠原諸島で、さまざまな形に進化したカタツムリのなかまをご紹介します。じつはその「ゆっくり」進むというカタツムリの特徴が、彼らが生き残っていくための重大な鍵だったのです。
 そういえばまた別のある日、娘に聞かれたのは、「『でんでんむし』ってさあ、かたつむりと同じ?」。子どもの頭の中って、どんなふうに言葉がとびかっているのでしょう。

★「たくさんのふしぎ」についてもっと知りたい方はこちらへ
《4》原画展・イベントのお知らせ

● 生誕60周年記念 ミッフィー展

概要

ディック・ブルーナさんの手によって生まれたミッフィー(うさこちゃん)は、2015年に60周年という記念すべき年を迎えます。 本展では、家族や友だちなど「ミッフィーの大切なもの」をコンセプトに選りすぐった人気絵本7作品やブルーナさんの初期作品など、原画やスケッチ、制作資料など約300点を展観。1955年に初めて描かれた「ファースト・ミッフィー」(『ちいさなうさこちゃん』(第1版))の原画を世界で初めて公開します。

日時 2015年8月5日(水)~8月17日(月)
会場 大丸ミュージアム<神戸>
問い合わせ先 TEL 078-331-8121
関連作品

「子どもがはじめてであう絵本 0才から なまえ(全3冊)」  『うさこちゃんのたんじょうび―60周年記念特別版』


●かこさとし・ふるさと北陸スタンプラリー開催

概要

今年の夏から秋に、下記施設にて加古里子さん作品の複製画が展示されるのにともない、 スタンプラリーが行われます。 「だるまちゃん」「からすのパンやさん」「ロケットにのる子ども」の3つのスタンプを集めると、 「だるまちゃん」と「からすのパンやさん」がコラボした特製マグネットがもらえます。

●越前市かこさとしふるさと絵本館「石石」【常設展】
 7月17日~8月31日  『かわ』
 9月3日~11月15日  『からすのそばやさん』(偕成社)

●福井県ふるさと文学館 【宇宙のものがたり~かこさとしとめぐる旅~】
 前期 7月18日~8月30日
 後期 9月5日~10月12日
 『からすのパンやさん』(偕成社)『宇宙』など

●射水市大島絵本館 【かこさとし展】
 7月25日~9月29日
 『からすのおかしやさん』(偕成社)など

関連作品 だるまちゃんシリーズ

●化け物展

概要

人間によって創造され、信仰され、そしておそれられてきた"化け物"を多彩な造形表現をとおして紹介する展覧会です。福音館書店の作品からは、『おばけがぞろぞろ』が出品されるほか、土橋とし子さんが作品を出品されます。

会期 2015年8月1日(土)~ 9月13日(日)
会場

青森県立美術館

問い合わせ先 TEL 017-783-3000
関連作品 『おばけがぞろぞろ』

●『おべんとう だれと たべる?』原画展
概要

『おべんとう だれと たべる?』の原画展が開催されます。会期中は、あずみ虫さんの絵本、装画の本とあわせて、あずみ虫さん手作りマグネットなどが販売される予定です。
※8月1日はワークショップも開催されます。

会期 2015年7月18日(土)~8月31日(月)
会場

オリオン書房 オリオンパピルス店 (東京都立川市)

問い合わせ先 TEL 042-548-1711
関連作品 『おべんとう だれと たべる?』

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000