あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2015年10月21日 Vol.198
“赤ちゃん向け月刊絵本”も、生まれて20歳!

 「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 今月の巻頭エッセイは、「こどものとも0.1.2.」の創刊にあたってアドバイスをいただいた、保育園園長の近藤初江さんのインタビューをお届けします。

《1》月刊絵本「こどものとも0.1.2.」創刊20周年記念
      ~赤ちゃん絵本をめぐって~ 

  近藤初江さん(東京都北区立桜田保育園園長)インタビュー (前編)

——園現場・保護者から赤ちゃんにむけた絵本がもっとほしいという声が多く、月刊絵本として「こどものとも0.1.2.」(以下「0.1.2.」)を創刊することになったのですが、やはりそうした必要性はお感じになっていましたか。

近藤:保育士になったばかりのころ、0~1歳クラスを受け持ちました。勤めていた保育園は絵本がたくさんあり、0歳から絵本を読んでいました。そのころは赤ちゃん向けという絵本が少なかったので、『くだもの』や「うさこちゃん」シリーズなども読んでいました。0歳の子どもたちにはまだ早いなあと思いながらも、動物がでているので、これキリンだね、さかなだね、なんていいながら。1歳でも、『おおかみと七ひきのこやぎ』とか『三びきのやぎのがらがらどん』を見せていましたが、全部読むには、やはり内容が難しいので、ストーリーを簡単にして読んでいました。
保育士になったばかりで、手探りでやっていましたが、0歳の赤ちゃんも絵本が大好きなんだというのを実感しました。赤ちゃんは絵本なんてわからないだろう、理解できないだろうと思われていたのか、20年前には赤ちゃん絵本は少なかったのです。赤ちゃんは絵本が好きだし、よく見るし、生後10ヵ月くらいから楽しめる絵本がもっとあったらいいなと思っていました。

——「赤ちゃんは絵本が好き」という実感は、保育の中でたくさんの小さい子どもたちに接している中で生まれたということでしょうか。

近藤:そうですね。赤ちゃんだから、はっきり言葉にしてうれしいとは言えないけれど、子どもが絵本の中のきんぎょの絵に意識を向けたとき、「ああ、きんぎょだね」って私がいって、おたがいに気持ちが通じてうれしくなる。そういうきっかけづくりとして、絵本の力は大きいんでしょうね。大人がわかってくれた、私もああ通じたな、という共通理解、信頼感が芽生えることがすごくうれしかったですね。
 今では、「こどものとも0.1.2.」を持ってくると、我先にという感じで子どもたちが絵本の前に集まってきて、お膝のとりあい(笑)。一人か二人に読むときはなるべく膝の上で読んであげて、みんなで読むときは、大人の前に子どもたちが5、6人で座って見るという感じですね。絵本をもってくると、なんか楽しいことが始まるというのがわかるようになると、だんだん長いお話でも聞けるようになってきます。3歳くらいで初めて入園してきて、絵本をこれまであまり読んでいなかったという子は、やっぱり0.1.2.が好きですね。 入門編になるのかもしれません。

(続きは2015年11月18日配信のメールマガジンにてお届けします)

近藤初江(こんどう はつえ)

1966年、福島県生まれ。東京都北区にある区立桜田保育園(指定管理 社会福祉法人豊川保育園)園長。長年、絵本を取り入れた保育をしている。NPO法人・ブックスタートの理事、絵本選考委員も務める。東京都在住。

かっと
月刊絵本「こどものとも0.1.2.」
20×19センチ/22ページ
年間購読料5,040円(12ヵ月)/毎月定価420円(税込)

「こどものとも0.1.2.」は、赤ちゃんとお母さんお父さんとの豊かなふれあいの時間を作る絵本です。親子の心のつながりと喜びが生まれる12冊をお届けします。

《2》「絵本に出会える場所」絵本美術館のご紹介
   ちひろ美術館・東京(東京都)
☆作家の創作の様子、作品の世界などをより深く楽しめる絵本美術館が全国にあります。
 今月は東京都練馬区の「ちひろ美術館・東京」に寄稿していただきました。

 ちひろ美術館・東京は、「世界中のこどもみんなに 平和と しあわせを」と願い、子どもを生涯のテーマとして描き続けた画家・いわさきちひろが、最後の22年間を過ごし数々の作品を生み出した自宅兼アトリエ跡(東京練馬区下石神井)に建てられています。
 1977年9月、ちひろの死から3年後に、世界で最初の絵本美術館としていわさきちひろ絵本美術館(現 ちひろ美術館・東京)は開館しました。開館当初から絵本の原画の保存や研究、公開に取り組み、1980年代半ばから始まった世界各国の絵本画家たちの作品コレクションは、現在33の国と地域の203人の画家による約26750点にのぼります。これらコレクションを活用しながら、年4回絵本原画の企画展を開催しています。
 2002年の建物のリニューアルでは、「今までの、やさしい、Intimateなカンジ。ほっとできるカンジ。ひそむカンジなど考慮に入れてほしい」という黒柳徹子館長がまとめた"トットちゃんメモ"を出発点に、緑と花に囲まれたまるでちひろの家に遊びに来たかのような雰囲気はそのままに、全館バリアフリーの建物に生まれ変わりました。ちひろ愛用のソファに座って絵を観ることが出来る展示室、忠実に復元されたアトリエ、ちひろが愛し育てた草花や樹木が植えられた「ちひろの庭」など、ちひろを身近に感じながら、ちひろの作品や世界の絵本画家の作品を楽しむことができる空間になっています。
 子どもたちが人生で初めて訪れる美術館「ファーストミュージアム」として親しんでいただけるように、親子で楽しめる展覧会やイベントを随時開催し、安心して過ごせるよう館内設備を整えていることも当館の特徴です。小さなお子様から大人の方まで、絵本画家たちのあたたかなまなざしを感じながら、リラックスした時間を過ごしていただければと思います。みなさまのご来館をお待ちしております。
 
ちひろ美術館・東京
東京都練馬区下石神井4-7-2
TEL:03-3995-0612
開館時期:月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)
年末年始2015年12月28日~2016年1月1日(1月2日から開館)、冬期休館2月1日~2月末日
展示替のための臨時休館あり
※2015年臨時休館は10/27(火)、11/24(火)、2016年1/12(火)
入館料:大人800円、高校生以下無料、その他割引制度あり(くわしくはこちらをご覧下さい)

《3》「ぐりとぐらカレンダー2016」発売中! 

みんな大好き、「ぐりとぐら」のカレンダーが今年もできました。いつも元気な「ぐりとぐら」と一緒に、1年をすごしてみませんか。日付の欄には余白を多めにとっているので、予定がたくさん書き込めるようになっています。毎年人気のカレンダーです。お早めにお求めください。


『岸辺のヤービ』 ぐりとぐらカレンダー2016

中川李枝子 作/山脇百合子 絵
価格1300円(本体1204円+税)

「ぐりとぐら」絵本シリーズの名場面を集めました。12月の絵は今回のカレンダーのための描きおろしです。シンプルなつくりの、見やすいカレンダーです。

《4》たくさんのふしぎ30周年 2つの記念キャンペーン開催中!

月刊「たくさんのふしぎ」が30周年を迎えました。それを記念し、楽しい2つのキャンペーンが開催中です。“「たくさんのふしぎ」バックナンバープレゼント”は、1年分(12冊)のバックナンバーを抽選で小学校10校にプレゼント!(応募は小学校からのみとさせていただきます) 誰でも応募できる“わたしがつくる「ふしぎ新聞」”も引き続き募集中です。くわしくは特設サイトをご覧ください。

たくさんのふしぎ

《5》編集部だより
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお届けします。今月は科学書編集部です。

科学書編集部から

 こんにちは。朝夕の気温がかなり低くなり、湿度が下がって快適な日々が続いています。
自然のなかでは、動物や植物たちが次の季節に向けていろいろな準備をしています。そしてこの時期、夏の終わりにひっそりと巣穴に生みつけられ、オスの親に守られてきたオオサンショウウオの卵から、続々と赤ちゃん(幼生)が生まれているのです。
 科学書編集部の10月の新刊『オオサンショウウオ みつけたよ』は、生まれてからずっと巣穴の中でオスの親に守られて、大きく育った(といっても全長5cmくらい!)オオサンショウウオの幼生が、春、川に出てくるところから始まります。そして、春に幼生たちに出会った幼い姉妹の成長と重ねあわせて、オオサンショウウオの日々が描かれます。四季おりおりの美しい絵で、近年明らかになった成長の過程も詳しくご紹介しています。
 3千万年前の化石とほとんど形が変わらないため、「生きている化石」ともよばれ、また特別天然記念物として保護されているオオサンショウウオですが、今でも、思いのほか身近な里山の川などに暮らしているのです(生息域は岐阜県以西の西日本に限られますが)。
 文の西川さんは、主に京都近郊の川に入って、オオサンショウウオの調査・研究を続けています。絵の青木さんは、オオサンショウウオ観察のため何日も水族館に通い、1日中水槽に向かい合ううち「脱皮の瞬間を目撃しました!」と弾む声で教えてくれました。オオサンショウウオへの二人の思いがひとつになった美しい絵本、どうぞお楽しみください。

『オオサンショウウオ みつけたよ』 『オオサンショウウオ みつけたよ』

にしかわ かんと 文/あおき あさみ 絵
定価(本体1400円+税)

秋に巣穴で卵から孵化した幼生は、春、川に出てきます。その1年の成長と、数年後の変態、成熟、そして繁殖とオスの子育てを、人間の成長と重ねあわせて描きます。

《6》原画展・イベントのお知らせ

●第25回 神保町ブックフェスティバル

概要 汚損本、自由価格本などを販売する「本の得々市」が開催されます。福音館書店も出店します。神田古本まつりも同時開催中! ぜひお立ち寄りください。
日時

2015年10月31日(土)10:30~18:00 、11月 1日(日)10:00~18:00

会場

東京神田神保町 すずらん通り・さくら通り・神保町三井ビルディング公開空地
※福音館書店は神保町三井ビルディング公開空地内の「こどもの本ひろば」にて出店

問い合わせ先 神田古書店連盟 TEL:03-3293-0161(代)


● 滝平二郎の世界

概要

初期の木版画をはじめ、名作絵本の原画、新聞連載の「きりえ」に加え、貴重なデッサンや下絵など、過去最大規模の約230点によって滝平二郎の画業を振り返ります。滝平が横手市で制作した木版画≪秋田にて≫をはじめ、作家・斎藤隆介との名コンビにより生み出された絵本『八郎』や『三コ』の原画など、秋田ゆかりの作品も併せてお楽しみください。

会期 2015年9月19日(土)~ 11月23日(月・祝)
会場 秋田県立近代美術館
問い合わせ先 TEL:0182-33-8855(9:00~17:00)
関連作品

『八郎』 『三コ』


● 縫い その造形の魅力

概要

さいたま市が所蔵する愛らしい裁縫雛形を端緒として、リズミカルな刺し子や模様刺し、表と裏で表情を変える粋な羽織、物語性あふれる刺繍など、繊細でありながら大胆な縫いの造形を展示します。さらに、現代のアーティストによる多彩な表現を紹介します。

会期 2015年11月14日(土)~2016年1月17日(日)
会場 うらわ美術館
問い合わせ先 TEL 048-827-3215(代表)
関連作品

『セミ神さまのお告げ—アイヌの昔話より』

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000