あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2015年11月18日 Vol.200
200回目のありがとう

 「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 おかげさまで、あのねメール通信も200号を迎えることになりました。これからも絵本にまつわる楽しい情報をお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

《1》月刊絵本「こどものとも0.1.2.」創刊20周年記念
        〜赤ちゃん絵本をめぐって〜

 近藤初江さん(東京都北区立桜田保育園園長)インタビュー (後編)

——赤ちゃん絵本を月刊絵本として刊行すると知ったときは、どう思われましたか。
近藤:画期的でしたね。最初は続くのかなと思ったんですよ(笑)。きっと作家さんも未知の世界だったでしょうね。赤ちゃん絵本で大事なのは、絵、ことばのリズム、音。赤ちゃんが「かたちと音」を楽しんでいるというのは新しい発見でしたね。『ごぶごぶ ごぼごぼ』を読んだときは、8ヵ月くらいの赤ちゃんが楽しんでいるのを見て、私のほうが不思議でした。私たちはもう忘れてしまったような感覚を、子どものほうが楽しめるんですね。音、リズム、かたち……新しいジャンルだったと思います。最近の作品だと『ぽんちんぱん』が人気ですね。懇談会などで「こどものとも0.1.2.」のことを伝えると、興味をもってくださる保護者の方は園から借りて読んだり、購読されたりしていましたね。子どもが喜ぶ姿を実際見て、こんなに小さい赤ちゃんでも楽しめるんですねと驚く方は多かったです。

——最近では、小さいころから読み聞かせをしなきゃいけないというプレッシャーが親にあるようです。どう読んでいいのかわからないというお母さんも多いそうですが。

近藤:基本は楽しんでみて! 文のとおり読むことにあまりこだわらなくてもいいし、同じところを何度見せてもいいし、無理に最初から見なくてもいい。「こどものとも0.1.2.」だったら、どこからひらいても大丈夫。そのときのお母さん、お父さんの感じた言葉で伝えてあげて、それで親子が共感できるほうが大事。読み聞かせが早期教育に結びつけて語られるのはちょっと違うと思います。まず親が楽しいと思わないと続かないのではないでしょうか。教育だと思ってやったり、教えなくちゃ、理解させなくちゃと思うと、親も楽しくないんじゃないかな。お母さんお父さんも楽しんで読むと、それが子どもに伝わると思います。
 同じ本ばっかり持ってくると、「はあ…」と思うことがあるかもしれないですが(笑)やっぱり子どもが繰り返し読みたがるのは、そのたびに感じること、理解することが違うんだろうなということ。大人は1、2回見れば理解してしまうけど、繰り返すことで、子どもは理解していく。だから何回も読んでほしがるし、何回でも楽しめるんですね。子どもと一緒にお話の世界を楽しむことから始めてみませんか。


(近藤初江さんの2015年10月21日配信のメルマガのインタビュー(前編)はこちらから)

 


近藤初江(こんどう はつえ)

1966年、福島県生まれ。東京都北区にある区立桜田保育園(指定管理 社会福祉法人豊川保育園)園長。長年、絵本を取り入れた保育をしている。NPO法人・ブックスタートの理事、絵本選考委員も務める。東京都在住。

かっと
月刊絵本「こどものとも0.1.2.」
20×19センチ/22ページ
年間購読料5,040円(12ヵ月)/毎月定価420円(税込)

「こどものとも0.1.2.」は、赤ちゃんとお母さんお父さんとの豊かなふれあいの時間を作る絵本です。親子の心のつながりと喜びが生まれる12冊をお届けします。

《2》「絵本に出会える場所」絵本美術館のご紹介
   小さな絵本美術館(長野県)
☆作家の創作の様子、作品の世界などをより深く楽しめる絵本美術館が全国にあります。
 今月は長野県岡谷市の「小さな絵本美術館」に寄稿していただきました。

 小さな絵本美術館は、絵本作家さとうわきこが主宰する美術館です。1990年11月に諏訪湖近くのリンゴ園の中に建てられました。名前のように小さな美術館ですが、現在活躍中の画家をはじめ、亡くなられた先人たちの作品も企画展示しています。

「おとなのくせに、本気で、あるいは楽しみに、子どもの本とつきあっている人々は、いつかどこかで知りあうものだ…」(ベッティーナ・ヒューリマン/児童文学研究家・スイス)

 いつもそんな出会いのある美術館でありたいと願い活動しています。
 この流れのはやい時代において、心躍る絵本や、心にしみいる話に出会うことは、子どもにとってどんなに豊かなことでしょう。この美術館が多くの子どもたちの空想の世界をひろげるお手伝いをするとともに、私たち大人にも、われを忘れて夢中にさせる絵本の世界を提供できたら、どんなにか楽しいことかと思います。
 子どもたちが魔法にかかるその時間を、あなたも、もう一度もってみませんか。たくさんの絵本や絵がみなさんをお待ちしています。

 小さな絵本美術館は、開館25周年を迎えました。
 それを記念して、現在、「さとうわきこの世界展ーばばばあちゃんとたのしい仲間たちー」を開催しています。「ばばばあちゃんシリーズ」ほぼ全作のダイジェスト展示、『せんたくかあちゃん』『ねずみのなるき』『おつかい』などなど、やさしくてあたたかい、おもしろくって、思わず笑ってしまう、そんな「さとうわきこの世界」が存分に味わえます。ぜひご来館下さい。

(★小さな絵本美術館で開催されるイベントのお知らせがあります。「≪5≫原画展・イベントのお知らせ」もご覧ください。)


小さな絵本美術館
長野県岡谷市長地権現4−6−13
TEL 0266-28-9877 FAX 0266-28-9866 E-mail:info@ba-ba.net
休館日:火曜・第2水曜(祝祭日の場合は開館。翌平日は休館)
※2015年12月28日(月)〜2016年3月18日(金)まで冬期休館。1月9日(土)・10日(日)・11日(月)は開館。
入館料:大人700円 中高生300円 小学生200円(15名様以上で団体料金:大人100円引き 子ども50円引き)



《3》11月の新刊ごあんない 

《11月4日(水)販売開始》
『おとうふやさん』 『おとうふやさん』

飯野まき 作
定価(本体900円+税)

日本の食卓に欠かせない食材「豆腐」。いったいどうやって作られるのでしょう。豆腐屋さんを舞台に、大豆がさまざまな過程を経てようやく豆腐になるまでを描いた絵本です。
『ひともじえほん』 『ひともじえほん』
近藤良平 作/柿木原政広 構成/山本尚明 写真
定価(本体900円+税)


「からだでもじをつくってみよう」の呼びかけで、 おじさんたちが陽気に楽しくひらがなを作ります。なんともおかしな写真絵本です。



《11月11日(水)販売開始》
『しゅるしゅるぱん』 『しゅるしゅるぱん』
おおぎやなぎちか 作/古山 拓 画
定価(本体1500円+税)

東京を離れ岩手の田舎へ引っ越した解人の前にふしぎな男の子が現れた。彼はいったいだれなのか。現在と過去を行き交いながら、その謎がだんだんと解き明かされていく。

《11月18日(水)販売開始》
『子どもばやしのお正月』

『子どもばやしのお正月』
さげさか のりこ 作
定価(本体1200円+税)

祭り囃子が生まれたのは江戸時代。その時代の音と踊りは今も受け継がれています。晴れの舞台はお正月。寒風吹き抜ける神社の舞台の上で、子どもたちが元気に奏でます。


『ロックなハートモールランドストーリー2 』

『ロックなハート—モールランド・ストーリー�U』
ひこ・田中 作/中島梨絵 画
定価(本体1500円+税)

都会の真ん中に暮らす小6男女3人組、コトノハ・パル・700。いきなりロックの路上ライブを始めた700のじいちゃんには、今まで語ることのなかった過去があるらしい!

『エルマーのぼうけんをかいた女性ルース・S・ガネット 』

『「エルマーのぼうけん」をかいた女性 ルース・S・ガネット』
前沢明枝 著
定価(本体2000円+税)

1945年、一人の若い女性が物語を書き始めます。それが『エルマーのぼうけん』でした。そのお話は、どうして生まれたのでしょう? 作家へのインタビューが始まります!

《4》編集部だより
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお届けします。今月は絵本編集部です。

絵本編集部から

 翻訳者の野坂悦子さんから、オランダの絵本作家、イヴォンヌさんがかいじゅうの絵本を作りたいんですって! というお話を聞いたのは、もう、何年前のことでしょう! この話といっしょに見せられた小さなかいじゅうの男の子の絵の、かわいらしいこと! この小さなかいじゅうを、日本の子どもたちの友だちにしたい! と、そこから、絵本作りが始まりました。
 長い長い道のりでした。かいじゅうの名前も、ハリーだったり、レオナルドだったり、いろいろ変わります。とにかく、イヴォンヌさんはオランダ人なのです。オランダに住んでいるのです。野坂さんはスカイプを購入。メールでのやりとりでらちがあかないところは、顔を見ての直談判です。それでもなかなか、まとまりません。とうとう野坂さんに連れられて、編集者も、えいっとオランダへ行きました!
 その甲斐あって、とっても楽しい絵本ができました。小さなかいじゅうの名前もいつのまにか「モッタ」になりました。
 モッタは7人兄弟の末っ子。なにをやっても、みんなに「かわいい」としかいわれません。でも、モッタは、兄ちゃんたちにこわがられたかったのです……。そして、とうとう、その願いが叶います! どうやったかって? それは、ないしょ。ぜひ、絵本を開いてください。
 こわがられたくて一生懸命なモッタのけなげさに、きっと心を奪われますよ!

『ちいさなかいじゅうモッタ』 『ちいさな かいじゅう モッタ』

イヴォンヌ・ヤハテンベルフ 文・絵/野坂悦子 訳
定価(本体1600円+税)

モッタは7人兄弟の末っ子。お兄ちゃんたちみたいな強くてこわい怪獣になりたいのに、みんなはモッタのことを、「かわいいなあ」としかいいません。そこで…。

《5》原画展・イベントのお知らせ

●さとうわきこの世界展 —ばばばあちゃんとたのしい仲間たち

概要

開館25周年を記念して、ばばばあちゃんシリーズ全11作をダイジェストで展示します。『せんたくかあちゃん』『おつかい』など、おなじみのたのしい仲間たちも大集合です。思わず笑顔がこぼれる、心あたたまる世界を、ぞんぶんにお楽しみください。

イベント
☆さとうわきこワークショップ「石ころのへんしん」
11月28日(土)13:30〜 参加費500円 対象:小1以上 定員20名(要申込)

☆クリスマス会 12月19日(土)15:00〜19:00
参加費 大人4500円  中高生3000円 小学生2000円 幼児 1000円 3歳以下500円
定員:40名
締切:12月10日(木)
※11月28日・29日はクリスマス会に向けて、美術館の飾り付けをします。
大きなツリーや海外で集めたクリスマスグッズを一緒に飾りつけませんか? お気軽にいらしてください。

会期 2015年10月3日(土)〜12月27日(日)
会場 小さな絵本美術館
問い合わせ先 TEL 0266-28-9877
関連作品 「ばばばあちゃん」シリーズ

● 縫い その造形の魅力

概要

さいたま市が所蔵する愛らしい裁縫雛形を端緒として、リズミカルな刺し子や模様刺し、表と裏で表情を変える粋な羽織、物語性あふれる刺繍など、繊細でありながら大胆な縫いの造形を展示します。さらに、現代のアーティストによる多彩な表現を紹介します。

会期 2015年11月14日(土)〜2016年1月17日(日)
会場 うらわ美術館
問い合わせ先 TEL 048-827-3215(代表)
関連作品

『セミ神さまのお告げ—アイヌの昔話より』


● 滝平二郎の世界

概要

初期の木版画をはじめ、名作絵本の原画、新聞連載の「きりえ」に加え、貴重なデッサンや下絵など、過去最大規模の約230点によって滝平二郎の画業を振り返ります。滝平が横手市で制作した木版画≪秋田にて≫をはじめ、作家・斎藤隆介との名コンビにより生み出された絵本『八郎』や『三コ』の原画など、秋田ゆかりの作品も併せてお楽しみください。

会期 2015年9月19日(土)〜 11月23日(月・祝)
会場 秋田県立近代美術館
問い合わせ先 TEL:0182-33-8855(9:00〜17:00)
関連作品

『八郎』 『三コ』


● 五味太郎さんトークイベント

概要

ブックスタマが主催する「絵本作家 五味太郎フェスティバル」にて、五味太郎さんのトークイベントが行われます。11月上旬より、ブックスタマ全店にて、五味太郎さんおすすめの絵本を一挙紹介する“五味太郎スペシャルフェア”も開催します。くわしくはこちらをご覧ください。

日時 2015年11月21日(土) 開場 18時30分〜 開演19時〜
会場 東村山市市民ステーション サンパルネ 2Fコンベンションホール
問い合わせ先 TEL:090-4433-5388(担当:土屋)
関連作品

『みんなうんち』ほか


●講演会「赤ちゃんの時から絵本を」

概要

月刊絵本「こどものとも0.1.2.」創刊20周年として、「こどものとも0.1.2.」の初代編集長で、多くの赤ちゃん絵本を編集した田中秀治の講演が行われます。くわしくはこちらをご覧ください。

日時 2015年11月26日(木) 午前10時から11時45分まで
会場 調布市文化会館たづくり
問い合わせ先 TEL:042-441-6181
関連作品

「こどものとも0.1.2.」


●飯野和好+はたこうしろう+村上康成 鼎談|絵本学会フォーラム

概要

3人それぞれの自然をステージとした絵本の中で、人間や社会をも表現している作品を取り上げながら、作り手が送り出す意識とは、また、制作におけるこだわりやエピソードなどを語らっていただきます。参加者がさらに絵本表現の新たな発見や造詣を深める機会となる企画の登場です!くわしくはこちらをご覧ください。

日時 2015年11月29日(日) 14時から16時
会場 東京工芸大学 中野キャンパス
問い合わせ先 東京都中野区本町2-9-5 東京工芸大学アニメーション学科 
絵本学会事務局(陶山恵研究室内)
e-mail: office@ehongakkai.com
絵本学会ホームページ

●村田朋泰さんの人形教室 申し込み受付中です

概要

『とん ころころころ』(こどものとも年少版419号)の作家、村田朋泰さんが主催する人形制作教室が冬期受講生を募集中です。くわしくはこちらをご覧ください。
関連リンク:村田朋泰さんのホームページ

関連作品 『とん ころころころ』(こどものとも年少版 2012年2月号)
 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000