あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2016年1月6日 Vol.203
あけましておめでとうございます

 いつも「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 今年も絵本にまつわる楽しい情報をおとどけしてまいりますので、よろしくおねがいいたします。

《1》『ちゃあちゃんのむかしばなし』 中脇初枝さんのエッセイ

 昔話はわたしの原点    中脇初枝

 むかしむかし、わたしは高知の南西部幡多(はた)地方の、川に囲まれた小さな町で育ちました。幡多地方は四万十川が流れ、太平洋と四国山地に囲まれた自然豊かなところで、文化や言語も高知のほかの地方とは異なっています。
 大人たちは忙しく働いていたので、こどもたちだけで川で泳ぎ、川原の菜の花畑や田植え前のれんげ畑にもぐりこみ、山や谷へぐみや椎の実や水晶を取りに行ったりして遊んでいました。
 そのころ、わたしは昔話がだいすきでした。川で泳げば“えんこう”(幡多弁で河童のこと)に尻小玉を抜かれるように思ったし、帰り道が暗くなってくると、天狗や山父(やまちち)や“ましん”(化けもののこと)に追いかけられたり、たぬきに化かされるんじゃないかとおびえて、走って帰ったりしたものです。昔話の登場人物たちは、いつも、わたしのすぐそばにいました。ちゃあちゃんのむかしばなし
 ところが、わたしは小説を書くようになったので、高校を卒業すると、この土地を離れ、都会で暮らすようになりました。そして、こどもを授かって親になり、まだうまく「おかあさん」と言えないこどもたちから、「ちゃあちゃん」と呼ばれるようになりました。山も川も花畑もない街で、わたしはこどもたちに幡多の昔話をしました。すると、こども部屋の中に、野山が生まれ、川が流れだし、花が咲いて、“ましん”や“えんこう”が現れてきました。わたしはこどもたちと一緒に“ましん”をやっつけ、“えんこう”を追い払いました。
ちゃあちゃんのむかしばなし
 どうやってやっつけたかって?
 大丈夫です。どんなにこわいものでも、昔話には、そのやっつけ方がしっかりと伝えられているのです。昔話は、人間が言葉を獲得してからずっと、語り伝えられてきました。世界中に文字を持たない民族はいても、昔話を伝えていない民族はいません。そんな昔話には、化けもののやっつけ方はもちろん、こわいこともおもしろいことも、かなしいこともうれしいことも、人間が生きるということの全てが語られています。
 まだこの世界に生まれてきて数年というこどもたちにとって、昔話を知ることは、この世界で生きるということがどういうことかを知ることです。そして、小さかったり弱かったりする主人公が最後に幸せになる昔話は、手探りで生きていくしかないこどもたちをはげまし、勇気づけてくれます。
 だからこそ、小さなわたしは昔話がだいすきだったのです。昔話はわたしの原点です。
 小さな幡多地方ではありますが、世界中のあらゆる地方と同じように、数限りない昔話が伝えられてきていました。そして、四国のはしっこというへんぴな土地でありながら、世界のあちこち、日本のあちこちと同じ昔話が伝えられています。
 「ちゃあちゃん」が小さいころから親しみ、こどもたちに語ってきた昔話を、今をがんばって生きているこどもたちに伝えたくて、この本を書きました。どうか、日本中、いえいえ世界中のこどもたちが、昔話に祝福されて育つことができますように。

『クリスマスの森』 『ちゃあちゃんのむかしばなし』
中脇初枝 再話/奈路道程 絵
定価(本体1600円+税)

「ちゃあちゃん」こと中脇初枝さんが、子ども時代を過ごした高知県四万十川流域に伝わる昔話を、全国の子どもたちにも楽しんでほしいとの願いを込めて再話しました。

《2》月刊誌<2月号>のご案内


こどものとも0.1.2.『けんけんぱっ』 こどものとも0.1.2.
『けんけん ぱっ』


にご まりこ 作
定価(本体389円+税)

猫が「けんけん ぱっ」。犬も一緒に「けんけん ぱっ」。クマもリスもゾウも加わって……。思わず体を動かしたくなる絵本です。
こどものとも年少版『もりのなかから』

こどものとも年少版
『もりのなかから』


福知伸夫 作
定価(本体389円+税)

ふしぎな森の中から、思いもよらない人たちが次々に現れます。わらべうたをもとにした楽しい世界を、版画をつかって表現します。

こどものとも年中向き『おみまい』 こどものとも年中向き
『おみまい』


土橋とし子 作
定価(本体389円+税)

病気のまことくんを励ますために誰かがやってきます。誰でしょう? おみまいにきたものたちとの関西弁のやりとりが愉快なお話。
こどものとも『やさいのおにたいじ』 こどものとも
『やさいの おにたいじ—御伽草子「酒呑童子」より』


つるた ようこ 作
定価(本体389円+税)

かぶのお姫さまたちが、おそろしい鬼にさらわれた。助け出すべく立ち上がったのは、勇気ある6人の野菜たち。いざ、鬼退治へ!
ちいさなかがくのとも『さんかくさんかく』 ちいさなかがくのとも
『さんかく さんかく』


平野恵理子 作
定価(本体389円+税)

いろんなやりかたで、さんかくをたくさんつくってみよう。きれいなさんかく、できるかな? どのさんかくがいちばんすき?
かがくのとも『1まいのかみのどうぶつたち』 かがくのとも
『1まいの かみの どうぶつたち』


谷内庸生 作/西山悦子 撮影
定価(本体389円+税)

1枚の紙を半分にして、ハサミで切り込みを入れたら、あっ、キリンが立ち上がった! 2次元から3次元へと変換する紙のふしぎ。
たくさんのふしぎ『へんてこ絵日記』 たくさんのふしぎ
『へんてこ絵日記』


U.G.サトー 作
定価(本体667円+税)

春のうたを歌っていたら、先生がチョウに!? いつでもどこでも、見方を変えれば見えてくる、ぼくらのまわりはへんてこだらけ。
ははのとも2がつごう

母の友
特集「スポーツは、たのしい」
記事再録「物語をめぐって」
定価(本体505円+税)

スポーツとは何? 語源にまで遡って考えます。特集は「スポーツは、たのしい」。哲学者、鶴見俊輔さんらによる「物語をめぐって」の再録も。
こちらから目次をご覧いただけます。

《3》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者のみなさまにむけてメッセージをお届けします。

母の友編集部から

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。「母の友」編集部です。
 年末年始にお子さんを連れてご実家にお帰りになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。日頃、おじいさん、おばあさんと離れてくらしている子どもたちには、きっと楽しい時間だったのではないかと思います。
 さて、「母の友」1月号では「おじいさん、おばあさんの絵本」という特集を組みまして、お年寄りが登場する絵本をたくさんご紹介しています。絵本「ばばばあちゃん」シリーズの作者さとうわきこさんの特別インタビューも掲載。さとうわきこさんは「ばばばあちゃん」という存在についてこんなふうに語ってくれました。
 「現実には、暮らしの中で苦しいことっていっぱいありますよね。私もそういう場面に出くわしたことは何度もあって、もう苦しくて死にたいと思ったこともありますよ。そういうとき、心に『隙間』みたいなのが、あるといいんですよね。(中略)『ばばばあちゃん』って、そういう『隙間』をもった存在、私にとっては、こうなれたらという一つのあこがれでもあるんですよ」。
 同じ1月号には人気の「絵本作家のアトリエ」コーナーも掲載しています。赤ちゃん絵本『ぶーぶーぶー』の絵を手がけた脇阪克二さんにご登場いただきました。脇阪さんは「SOU・SOU」というブランドのテキスタイルデザインも手がけていらっしゃいます。そんな脇阪さんが特別に作ってくださった「ラッピングペーパー」が付録についています。ぜひご覧ください。
 最新号2月号では「スポーツは、たのしい」という特集を組みました。「スポーツは、たのしい?」。「言われなくてもそりゃそうでしょう」と思う人もいるかもしれませんが、「スポーツ」と聞くと、苦い記憶を思い出す方もいらっしゃるようで……。でも、やっぱり、スポーツは本来、たのしいものであるべきなんだそうです。語源にさかのぼって考えてみます。また、実際に、そうした考えで指導にあたっている、サッカー指導者の池上正さん、大相撲の式秀部屋親方、式守秀五郎さん(元・北桜)のインタビューも掲載。どうぞお楽しみに!
「母の友」についてもっと知りたい方はこちらへ

《4》映画「パディントン」いよいよ1月15日より公開!  

イギリス人なら知らない人はいない、ママレード好きのクマ「パディントン」。彼の行くところでは次々大騒動がまきおこりますが、いつも最後には、まわりの人々もパディントンのことが大好きになってしまいます。 そんなパディントンの物語が楽しい映画になりました! 全世界で興行収入320億円超えの大ヒットを記録している映画「パディントン」、ご家族やご友人とぜひ劇場へ足をお運びください。

 

2016年1月15日全国公開 配給 キノフィルムズ 
映画公式サイトはこちら

映画化を記念して、文庫版『くまのパディントン』には特製カバーがつきます。
★「パディントン」シリーズについてもっとくわしく知りたい方はこちらへ

『くまのパディントン』 文庫版『くまのパディントン』
マイケル・ボンド 作/ペギー・フォートナム 画/松岡享子 訳

定価(本体600円+税)
おかしなクマのパディントンのお話の第一冊目。ブラウン夫妻がパディントン駅で見つけた子グマ。夫妻にひきとられ縦横無尽に活躍します。
《5》原画展・イベントのお知らせ

●「ことばってたのしいな―木島始の詩と絵本」 展

概要

詩人・木島始(1928~2004年)の詩と絵本の世界を紹介する展覧会です。本展では、今年度練馬区に寄贈された木島始関係資料から、大人も子供も楽しめる詩と絵本の世界を取り上げます。詩人ならではの視点で輝く言葉の数々。絵本になったときの楽しさと面白さ。美術も愛した木島自身が描いた絵や原稿を含め、堅苦しい「展覧会」ではなく、「ことばってたのしいな」と遊んでいただきたい展覧会です。

会期 2016年1月9日(土)~3月27日(日)
会場 練馬区立石神井公園ふるさと文化館分室 展示室
問い合わせ先 TEL 03-5372-2572
関連作品 『はなをくんくん』 『木』ほか

●「文房具のやすみじかん」刊行記念 文具コンサルタント土橋正さんトークイベント

概要 鉛筆はどうして文字が書けるの? 消しゴムで文字が消えるヒミツを知ってる? じゃあ色鉛筆は消しゴムで消せないのはなぜだ? 絵本製作のウラ話や文房具の素朴な疑問、土橋さんのこだわりの一品紹介まで、気さくに伺います。文房具好きな方はもちろん、科学に興味のある方、お子さんと一緒にどうぞお気軽にご参加ください。
※1/4(月)10:00よりお電話および店頭でご予約を受付いたします。
日時

2016年1月23日(土)
14:00~14:35【トークショー】第1部「文房具のやすみじかん」絵本について14:40~15:00【トークショー】第2部「鉛筆の魅力再発見 鉛筆を楽しもう」
15:00~15:15【サイン会】
※ご希望の方はイベント当日までに「文房具のやすみじかん」をお買い求めいただきご持参ください。

会場 有隣堂 たまプラーザテラス店
問い合わせ先 TEL 045-903-2191
関連作品

『文房具のやすみじかん』


●第22回たかさき絵本フェスティバル「山本忠敬と現代ののりもの絵本たち」
概要

生誕100周年を記念し、乗り物絵本の第一人者、山本忠敬さんの仕事を、豊富な原画、資料、スケッチなどを通してお伝えします。そのほか、『がたん ごとん がたん ごとん ざぶん ざぶん』 『あかくん でんしゃとはしる』 『はしれ、きかんしゃちからあし』など人気ののりもの絵本の原画が出品されます。

会期 2016年1月30日(土)~2月9日(火)
会場 高崎シティギャラリー[第1展示室・予備室]
問い合わせ先 NPO法人 時をつむぐ会  TEL 090-5537-4006
関連作品 『しょうぼうじどうしゃ じぷた』 『のろまなローラー』ほか

● 「世界のブックデザイン2014-15」

概要

2015年3月に開催された「世界で最も美しい本コンクール2015」の受賞図書13点をはじめ、日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国と今回初めて紹介するデンマーク、計8カ国のコンクール入選図書、およそ200点を展示します。福音館書店からは『ふしぎなにじ—かがみのえほん』が出品されます。

会期 2015年12月5日(土)~ 2016年2月28日(日)
会場 印刷博物館(東京都文京区)
問い合わせ先 TEL:03-5840-2300
関連作品

『ふしぎなにじ—かがみのえほん』


●誕生60周年記念 ミッフィー展

概要

オランダの絵本作家ディック・ブルーナさんの手によって生まれたミッフィー(うさこちゃん)は、2015年に60周年という記念すべき年を迎えます。 本展では、家族や友だちなど「ミッフィーの大切なもの」をコンセプトに選りすぐった人気絵本7作品やブルーナさんの初期作品など、原画やスケッチ、制作資料など約300点を展観。1955年に初めて描かれた「ファースト・ミッフィー」(『ちいさなうさこちゃん』(第1版))の原画を世界で初めて公開します。

会期 2015年12月29日(火)~2016年1月11日(月・祝)
会場 福岡三越
問い合わせ先 福岡三越 TEL :092-724-3111(代表・10:00~20:00)
関連作品 『うさこちゃんのたんじょうび―60周年記念特別版』

●さとうわきこの世界展 ―ばばばあちゃんとたのしい仲間たち

概要

開館25周年を記念して、ばばばあちゃんシリーズ全11作をダイジェストで展示します。『せんたくかあちゃん』『おつかい』など、おなじみのたのしい仲間たちも大集合です。思わず笑顔がこぼれる、心あたたまる世界を、ぞんぶんにお楽しみください。

会期 2015年11月26日(木)~2016年1月11日(月)
会場 小さな絵本美術館 岡谷館
問い合わせ先 TEL 0266-28-9877
関連作品 「ばばばあちゃん」シリーズ

● 縫い その造形の魅力

概要

さいたま市が所蔵する愛らしい裁縫雛形を端緒として、リズミカルな刺し子や模様刺し、表と裏で表情を変える粋な羽織、物語性あふれる刺繍など、繊細でありながら大胆な縫いの造形を展示します。さらに、現代のアーティストによる多彩な表現を紹介します。

会期 2015年11月14日(土)~2016年1月17日(日)
会場 うらわ美術館
問い合わせ先 TEL 048-827-3215(代表)
関連作品

『セミ神さまのお告げ—アイヌの昔話より』

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000