あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2016年1月20日 Vol.204
寒い日がつづいています

 「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 「雪は天から送られた手紙である」とは雪の博士・中谷宇吉郎さんの言葉ですが、おとといは東京にも雪がつもりました。大人は通勤に四苦八苦ですが、子どもたちは大喜びでこの手紙をうけとったようです。

《1》月刊絵本「こどものとも0.1.2.」創刊20周年記念
        〜赤ちゃん絵本をめぐって〜

   「こどものとも0.1.2.」読者インタビュー 〜20年前を振り返って〜

——「こどものとも0.1.2.」 が創刊した1995年、編集部におたよりをくださった読者の近藤奈津代さんに、当時をふりかえってお話しいただきました。

 私自身が「こどものとも」で育ったこともあり、子どもが生まれたら絶対に絵本を一緒に読もうと思っていました。「こどものとも年少版」「こどものとも年中向き」を当時4才の息子のために購読していたのですが、「こどものとも0.1.2.」が創刊されるということを知り、すぐに娘のために申し込みました。
 「0.1.2.」創刊号(『でてこい でてこい』1995年4月号)が届いてみると、それまでの「こどものとも」とは本のつくりが全然違っていて、赤ちゃんにぴったりだったのが本当に新鮮でした。本だから丁寧に扱わなければ、と神経質にならず、手軽に扱えることができる。大きさといい、厚みといい、角の丸いところといい、よく考えられていて感心しました。月刊絵本だから、毎回さまざまなテイストの絵本が届くし、有名な作家によるものも多く、私も楽しみにしていました。
 娘がちょうど1才になるころ、『みんなだいすき』(1995年6月号)が届きました。読んでみたところ、手をたたいたり、電話のページで受話器を持つ真似をしたり……とても喜びました。写真の絵本に興味をもつのかなと思っていたので、ちょっと驚きました。
 寝る前には、子どもたちが私を挟むように横になって、3人で一緒に絵本を読んでいました。「読み聞かせ」と考えると身構えてしまうかもしれませんが、子どもとただ体をくっつけて、時間を共有するというのが、楽しかったです。ときどき、ひらがなを覚えたての上の子が、娘にむかって「0.1.2.」を読むことがありました。キャアキャア笑う娘や、得意げに話す息子の姿をみると、昼の疲れもいやされて、ほっとする貴重なひとときでした。
 20年前の「0.1.2.」は今でも捨てずにとってあります。子どもたちに「0.1.2.」のどの絵本を覚えているか聞いてみたら、2人とも『はねはね はねちゃん』(1995年12月号)をあげました。読んでいる私も、言葉のリズムが心地よく、何度となく読んでいたのを覚えています。本を見ると、子どもたちと「0.1.2.」を読んでいたころの、楽しい思い出がよみがえってきます。


近藤奈津代(こんどう なつよ)

1959年生まれ。小さい頃に幼稚園を通じて月刊絵本「こどものとも」を読み、『ぐりとぐら』『ぐるんぱのようちえん』などに親しんで育つ。1996年から5年間タイに住むあいだ、日本人会の図書館分館「バンコク子ども図書館」のボランティアスタッフをつとめた。帰国後は子どもたちの通う小学校で「読みきかせの会」を立ち上げた。現在も読み聞かせボランティアを行っている。一男一女の母。

かっと
月刊絵本「こどものとも0.1.2.」
20×19センチ/22ページ
年間購読料5,040円(12ヵ月)/毎月定価420円(税込)

「こどものとも0.1.2.」は、赤ちゃんとお母さんお父さんとの豊かなふれあいの時間を作る絵本です。親子の心のつながりと喜びが生まれる12冊をお届けします。

『はねはねはねちゃん』 『はねはね はねちゃん』
中川李枝子 文/山脇百合子 絵
定価(本体700円+税)

はねちゃんは、きりんと「うーん」と背伸び、がちょうと一緒に「があがあがあ」と川まで行進。お子さんと一緒に、はねちゃんや動物たちに負けないくらい、体操をしてみませんか。

《2》「絵本に出会える場所」絵本美術館のご紹介
     安野光雅美術館(島根県)
☆作家の創作の様子、作品の世界などをより深く楽しめる絵本美術館が全国にあります。
 今月は島根県津和野町の「安野光雅美術館」に寄稿していただきました。

 一両編成の列車がトコトコ走る単線の山口線。JR津和野駅に降り立つと、小さなロータリーの向こうに名峰・青野山が見えます。そして右手に目をやると、白壁、なまこ塀、そして石見地方独特の赤茶色の石見瓦を纏った、一見すると造り酒屋のような建物が見えます。これが安野光雅美術館です。
安野光雅美術館は、国際アンデルセン賞画家賞をはじめ国内外の数多くの賞を受賞し、平成24年には文化功労者にも選ばれている、画家・安野光雅の原画を常設展示する美術館として、安野が生まれ、多感な少年期を過ごした島根県津和野町に2001年3月20日(安野光雅の誕生日)に開館した町営の美術館です。
 SLやまぐち号の終着駅でもあるJR津和野駅のすぐそばに建てられているこの美術館は、「町並みに溶けこみ、昔からそこにあったような美術館にして欲しい。」という安野の想いが込められています。
 第1展示室(300�u)、第2展示室(150�u)の二つの展示室を持ち、約四千点にものぼる収蔵作品の中から選んで3ヶ月に一度展示替えを行っています。今年、開館15周年を迎える安野光雅美術館では、3月11日から始まる平成28年度第1期展で、これまで全国を巡回していた「御所の花」を展示します。
 展示室のほか、この美術館には「小学校時代さえしっかり勉強していれば、大人になってからも生きていける。小学校時代がいかに大切な時代だったかを感じとって欲しい。」という想いから、昔の小学校の教室を再現した「昔の教室」や芸術と科学をこよなく愛する安野が「空想することの大切さを感じ取って欲しい」と希望し、自らがナレーションも努めたプラネタリウムなどユニークな施設が備わっています。  
 こうした安野の強い想いの詰まった、玉手箱のような美術館でくつろぎと至福のひとときを味わって下さい。皆様のご来館をお待ちしております。

 

安野光雅美術館
島根県鹿足郡津和野町後田イ60-1
TEL 0856-72-4155 FAX 0856-72-4157
休館日:3月・6月・9月・12月の第2木曜日、12月29日〜31日
開館時間:9時〜17時(最終入館は16時45分)
入館料:大人800円、中高生400円、小学生250円(20名様以上で大人650円、中高生250円、小学生120円)


《3》2月の新刊のご案内 

《2月1日(月)販売開始》

『てんじつきさわるえほんぞうくんのさんぽ』 『てんじつき さわるえほん ぞうくんのさんぽ』
なかのひろたか 作・絵/なかのまさたか レタリング
定価(本体3600円+税)

カラー印刷の上に点字と絵柄を透明なインクで盛り上げて印刷。見える人と見えない人がともに楽しめるロングセラー絵本、第二弾。
《2月3日(水)販売開始》

『なきむしおばけ』 『なきむしおばけ』

なかの ひろたか 作
定価(本体900円+税)

泣き出しそうなくんちゃんに、「泣いちゃえ、泣いちゃえ」とささやく声がします。くんちゃんを泣かせようとしているのは誰?
『きょうりゅうがすわっていた』 『きょうりゅうがすわっていた』
市川宣子 作/矢吹申彦 絵
定価(本体900円+税)


君が生まれる少し前、パパを訪ねてきたのは、大きな恐竜だったんだ……。生まれてきた命を祝福する、やさしい空想物語。
『しおちゃんとこしょうちゃん』 『しおちゃんとこしょうちゃん』
ルース・エインズワース 作/河本祥子 訳・絵
定価(本体900円+税)


しおちゃんとこしょうちゃんは双子の子猫、何をするのも一緒です。ある日競争して庭の木に登り、下りられなくなってしまいます。

《2月10日(水)販売開始》
『ははがうまれる』 『ははがうまれる』
宮地尚子 著/呉 夏枝 絵
定価(本体1100円+税)

トラウマと向き合う精神科医が、自身の経験も交えてつづる子育てのヒント。「母の友」連載時に多くの共感を呼んだエッセイです。

《2月17日(水)販売開始》
『しゅるしゅるぱん』 『てんきのいい日はつくしとり』
石川えりこ作・絵
定価(本体1400円+税)

青空が広がる3月、初めてのつくしとりでちえちゃんは大きな王様つくしを発見します。春に読んであげてほしい物語です。

《2月24日(水)販売開始》
『しゅるしゅるぱん』 『まく子』
西 加奈子 作
定価(本体1500円+税)

その少女には、とてつもなく大きな秘密があった。西加奈子、直木賞受賞後第1作。誰しもに訪れる「奇跡」の物語。
《4》こどものとも60周年記念フェスタ開催!


 月刊絵本「こどものとも」が、創刊から60周年を迎えます。これを記念し、赤ちゃんから大人までみんながいっしょに「こどものとも」の世界を楽しめる「あそぼう つくろう 絵本のせかい—こどものとも60周年記念フェスタ」を2016年3月より開催します。
 創刊号から最新号までの「こどものとも」を手にとって読むことのできる読書スペースを設けるほか、絵本作家による講演会や親子向けワークショップなど、もりだくさんの内容です。
 詳しい日程・内容は、こちらの特設ページをご覧ください。(一部イベントは事前申し込み・抽選制です。申し込みは2月1日より開始します。)

《5》編集部だより
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお届けします。

童話第二編集部から

 みなさんは、つくしとりに出かけたことはありますか? 『てんきのいい日はつくしとり』では、青空が広がる3月、初めてつくしとりに出かけるちえちゃんとその家族の一日を描いています。
 だれでもつくしとりにいくと、大きな大きなつくしをたくさんとりたいものです。けれども、小さなちえちゃんは、なかなか見つけることができません。次々におにいちゃん、おねえちゃんが、大きなつくしを発見していくのを見て、悲しくなっていきます。あった!と思ったら、赤ちゃんつくしだったり、突然草の間からバッタやヘビが飛び出してきたり。次第に陽も傾いていき、家に帰る時間になりますが、偶然、ちえちゃんは転げていった土手の下で、これまで見たこともない大きな王様つくしを発見します。その夜、お母さんが作ってくれたつくしの卵とじのおいしいことといったら!! 
 昔から四季折々に、山や林、田んぼや畑のほとりには、たくさんの自然の恵みがありました。けれども今、その空間に子どもたちが入っていく機会がめっきり減ってしまったような気がします。当たり前だったつくしとりも遠い昔のようです。この作品が、春のはじまる暖かな日に、たくさんの子どもたちがつくしとりに出かけるきっかけになりますように。
 作者は『ボタ山であそんだころ』の石川えりこさん。そのボタ山のすぐそばを流れる川のほとりには、たくさんのつくしがはえていたそうです。


『てんきのいい日はつくしとり』 『てんきのいい日はつくしとり』
石川えりこ 作・絵
定価(本体1400円+税)

青空が広がる3月、初めてのつくしとりでちえちゃんは大きな王様つくしを発見します。春に読んであげてほしい物語です。

《6》原画展・イベントのお知らせ

●中脇初枝さんトークイベント「ふるさとの昔話を語る」

概要

絵本・児童文学から、小説まで、幅広い創作活動で多くの読者に支持されている中脇初枝さん。その原点は、子ども時代を過ごしたふるさと、高知・四万十川流域に伝わる昔話のゆたかな世界だといいます。
1月に刊行予定の『ちゃあちゃんのむかしばなし』では、慣れ親しんだそれらの昔話を、全国どの地域に暮らす子どもたちにも楽しんでほしいとの願いを込めて再話しました。なぜ昔話を語るのか? 中脇さんの小説の世界に通じる昔話の魅力とは? などなど、作家・中脇初枝の"根っこ"に触れることのできる貴重な機会です。

日時 2016年2月18日(木)19:30〜
会場 ジュンク堂 池袋本店
問い合わせ先 TEL 03-5956-6111
関連作品 『ちゃあちゃんのむかしばなし』

●大島妙子絵本原画展「鬼だらけ!」

概要

会期中、『オニのサラリーマン』の原画全点が展示されます。
“2015年は、『鬼』の絵本の仕事が2冊続いたのであります。片や陰陽師の世界、片や地獄勤めのサラリーマン。〈鬼・妖怪もの〉は、子どものころから好きではありましたので、オイデオイデと呼ばれちゃったんですかねぇ……。愛すべき鬼たちの世界へ、いらっしゃ〜〜い!”

会期 2016年2月19日(金)〜2月24日(水)
会場 OPAギャラリー
問い合わせ先 TEL 03-5785-2646
関連作品 『オニのサラリーマン』

●「ことばってたのしいな—木島始の詩と絵本」 展

概要

詩人・木島始(1928〜2004年)の詩と絵本の世界を紹介する展覧会です。本展では、今年度練馬区に寄贈された木島始関係資料から、大人も子供も楽しめる詩と絵本の世界を取り上げます。詩人ならではの視点で輝く言葉の数々。絵本になったときの楽しさと面白さ。美術も愛した木島自身が描いた絵や原稿を含め、堅苦しい「展覧会」ではなく、「ことばってたのしいな」と遊んでいただきたい展覧会です。

会期 2016年1月9日(土)〜3月27日(日)
会場 練馬区立石神井公園ふるさと文化館分室 展示室
問い合わせ先 TEL 03-5372-2572
関連作品 『はなをくんくん』 『木』ほか

●「文房具のやすみじかん」刊行記念 文具コンサルタント土橋正さんトークイベント

概要 鉛筆はどうして文字が書けるの? 消しゴムで文字が消えるヒミツを知ってる? じゃあ色鉛筆は消しゴムで消せないのはなぜだ? 絵本製作のウラ話や文房具の素朴な疑問、土橋さんのこだわりの一品紹介まで、気さくに伺います。文房具好きな方はもちろん、科学に興味のある方、お子さんと一緒にどうぞお気軽にご参加ください。
※1/4(月)10:00よりお電話および店頭でご予約を受け付けています。
日時

2016年1月23日(土)
14:00〜14:35【トークショー】第1部「文房具のやすみじかん」絵本について14:40〜15:00【トークショー】第2部「鉛筆の魅力再発見 鉛筆を楽しもう」
15:00〜15:15【サイン会】
※ご希望の方はイベント当日までに「文房具のやすみじかん」をお買い求めいただきご持参ください。

会場 有隣堂 たまプラーザテラス店
問い合わせ先 TEL 045-903-2191
関連作品

『文房具のやすみじかん』


●第22回たかさき絵本フェスティバル「山本忠敬と現代ののりもの絵本たち」
概要

生誕100周年を記念し、乗り物絵本の第一人者、山本忠敬さんの仕事を、豊富な原画、資料、スケッチなどを通してお伝えします。そのほか、『がたん ごとん がたん ごとん ざぶん ざぶん』 『あかくん でんしゃとはしる』 『はしれ、きかんしゃちからあし』など人気ののりもの絵本の原画が出品されます。

会期 2016年1月30日(土)〜2月9日(火)
会場 高崎シティギャラリー[第1展示室・予備室]
問い合わせ先 NPO法人 時をつむぐ会  TEL 090-5537-4006
関連作品 『しょうぼうじどうしゃ じぷた』 『のろまなローラー』ほか

● 「世界のブックデザイン2014-15」

概要

2015年3月に開催された「世界で最も美しい本コンクール2015」の受賞図書13点をはじめ、日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国と今回初めて紹介するデンマーク、計8カ国のコンクール入選図書、およそ200点を展示します。福音館書店からは『ふしぎなにじ—かがみのえほん』が出品されます。

会期 2015年12月5日(土)〜 2016年2月28日(日)
会場 印刷博物館(東京都文京区)
問い合わせ先 TEL:03-5840-2300
関連作品

『ふしぎなにじ—かがみのえほん』

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000