あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2016年2月17日 Vol.206
暦の上では春だけど…

 「あのねメール通信」をご愛読くださいましてありがとうございます。
 先週末に、「春一番」が吹いた地域も多かったようです。立春もすぎ、あたたかい日と寒い日が交互にやってきて、だんだんと「春」になっていくのでしょうね。

《1》月刊絵本「こどものとも0.1.2.」創刊20周年記念
        ~赤ちゃん絵本をめぐって~

         "はねちゃん"      中川李枝子

 一日じゅう、のびたりちぢんだり、ころがったり立ち上がったり、とんだりはねたり、四つんばいになったり、と思うと難しくて出来ないのに一本足で立とうとしたり、そして走るのが大好きなのはだれ? 答えは0・1・2。このお年ごろの子は本当にマメなんですから。それも、2より1、1より0、小さい子ほどよく動きます。

 アメリカの大学で心理学者が赤んぼうの運動量について、こんな実験をしたと聞きました。生後まもない赤んぼうの隣に、頑健で柔軟な肉体をもつスポーツ選手の学生を寝かせて赤んぼうと全く同じ動きをさせたら、その学生はたちまち疲労こんぱいしてダウンしたというのです。
 私が保育園の保母をしていたとき、毎朝何かしら体操のレコードをかけて一日は始まりました。はとぽっぽ体操、おさんぽ体操、とんとん体操、なかよし体操などいろいろありましたが、体操といっても「一、二、三、四」とやるのではありません。軽快な音楽に合わせて、ちょうちょになったり、ぞうになったり、ライオンになったり、うさぎになったりするのです。かたつむりやいもむし、てんとうむしにだってなります。なったつもりではなく、なりきってしまうのですから驚きます!
 ご当人たちはどんなに面白いでしょうか! じっとしてなんかいられますか! それで毎朝元気いっぱい体操をやったのだと思います。それどころか、ピアノで和音を一つポンとたたいただけでも、汽車や飛行機やロケットに乗って飛んで行ってしまいます。そんな超能力を持つのは、0・1・2から始まって3・4・5・6ぐらいまででしょうか。0・1・2はみな、愛すべき「はねはね はねちゃん」と私は思っています。

(こどものとも0.1.2. 第9号(1995年12月号)『はねはね はねちゃん』折り込みふろくより再録)
★こどものとも0.1.2. 創刊20周年記念ページはこちら


中川李枝子(なかがわ りえこ)
札幌生まれ。東京都立高等保母学院を卒業後、保母として働くかたわら、児童文学グループ<いたどり>の同人として創作活動を続けた。現在は著作に専念している。1962年に出版された童話『いやいやえん』(福音館書店刊)は、厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞した。主な著書に童話『ももいろのきりん』『かえるのエルタ』、絵本には『ぐりとぐら』『そらいろのたね』『はじめてのゆき』(以上福音館書店刊)、『こだぬき6ぴき』(岩波書店刊)など多数ある。東京在住。

かっと
月刊絵本「こどものとも0.1.2.」
20×19センチ/22ページ
年間購読料5,040円(12ヵ月)/毎月定価420円(税込)

「こどものとも0.1.2.」は、赤ちゃんとお母さんお父さんとの豊かなふれあいの時間を作る絵本です。親子の心のつながりと喜びが生まれる12冊をお届けします。

『はねはねはねちゃん』 『はねはね はねちゃん』
中川李枝子 文/山脇百合子 絵
定価(本体700円+税)

はねちゃんは、きりんと「うーん」と背伸び、がちょうと一緒に「があがあがあ」と川まで行進。お子さんと一緒に、はねちゃんや動物たちに負けないくらい、体操をしてみませんか。

《2》「絵本に出会える場所」絵本美術館のご紹介
     剣淵町絵本の館(北海道)
☆作家の創作の様子、作品の世界などをより深く楽しめる絵本美術館が全国にあります。
 今月は北海道上川郡剣淵町の「剣淵町絵本の館」に寄稿していただきました。

 「ここに、はるか宇宙の天空から絵本のタネが落ちてきました。そして、絵本の里の物語が始まります。」と、設計コンペのプレゼンテーション。絵本の館は、このタネをイメージした楕円形が設計のコンセプトになっていて、次から次へと大小様々な箱をつないだドーナツ型の建物で、中庭を見ながらぐるりと1周(約90m)できる構造。靴を脱いで入館してもらいますが、冬は床暖がぽかぽかで、地べたに座ったり寝そべったりと、おうちにいるような感覚でゆっくりくつろげます。
 「えほんのへや」には、背の低い本棚に約3万8千冊のいろいろな絵本があり、赤ちゃんの絵本、むかし話、工作や動物、植物、のりものの絵本、しかけ絵本、紙芝居、大型絵本、布絵本などは、コーナーごとに配架。木のぬくもりとのふれあいは、木の玉10万個が入った「木の砂場」、おままごとの「ごっこハウス」、様々な「木製パズル」もここにあります。
 「展示ホール」では、毎年8月と9月の2ヶ月間「絵本の館」に足を運んでいただいた方に、前年度出版され応募された絵本(平成27年度は357作品)の中から、自分の好きな絵本を選んで投票してもらい、その中で得票数の多い作品を、私たちの町の「けんぶち絵本の里大賞」受賞絵本としています。また、冬の「絵本まつり」では、受賞絵本の原画展もこのホールで行います。専門家の選考会とはひとあじ違う、身近で温かみのある「けんぶち絵本の里大賞」では、前年度の新刊本が一目瞭然です。是非とも皆さまの来館をお待ちしています。運が良ければ抽選で、この大賞絵本が当たります。

剣淵町絵本の館
北海道上川郡剣淵町緑町15番3号
TEL 0165-34-2624
休館日:水曜日 
開館時間:10時~17時 
入館無料

《3》3月の新刊のご案内 

《3月2日(水)販売開始》
『きかんしゃ ホブ・ノブ』 『きかんしゃ ホブ・ノブ』
ルース・エインズワース 作/上條由美子 訳/安徳 瑛 画
定価(本体900円+税)

赤い機関車ホブ・ノブは、動物たちを乗せて遊園地へ。途中トンネルを怖がる動物たちを、ホブ・ノブは汽笛と火の粉で安心させます。簡潔な筋と思いやりが、幼い心を満たします。

『はが ぬけたよ』

『はが ぬけたよ』
安江リエ 作/山口マオ 絵
定価(本体900円+税)

お父さんから、ぐらぐらの歯を抜いた話を聞いたこうじは、怖くなって外に飛び出した。ところが、歯を抜いてもらった動物たちに次々に会って…。


《3月8日(火)販売開始》
『水はみどろの宮』 『水はみどろの宮』
石牟礼道子 作/山福朱実 絵
定価(本体700円+税)

七つになるお葉は、山の湖の底深く、「水はみどろの宮」を浄める千年狐のごんの守と出会い、山の声を聴くようになる。山の精たちの祀りに招かれたお葉が見たものは……。

《3月9日(水)販売開始》
『ははがうまれる』 『かくれんぼ—朝鮮半島のわらべうた』
池 貴巳子 文・絵
定価(本体1200円+税)

古くから朝鮮半島で歌われてきたわらべ歌は、子どもたちの遊びから生まれ、子どもたちによって伝えられてきました。老若男女だれもが楽しめる伝統文化でもあります。

《3月16日(水)販売開始》
『すぽーつのほん』

『すぽーつのほん
ディック・ブルーナ 文・絵/まつおか きょうこ 訳
定価(本体700円+税)

サッカー、ホッケー、テニス、サイクリング、ランニング、水泳、乗馬、柔道、スケート、スキー、平行棒、鞍馬、跳馬、ブルーナが13種類のスポーツを紹介します。

『ろってちゃん』 『ろってちゃん』
ディック・ブルーナ 文・絵/まつおか きょうこ 訳
定価(本体700円+税)

友達3人がボール遊びをしていると、車椅子に乗った女の子がやってきました。予想に反し、女の子はボール遊びがとっても上手。4人はすぐ仲良しになりました。

《4》思い出絵本120プロジェクト はじまりました!
        みなさんの思い出投稿、大募集 !!


 
  刊行から何年もの間、親子で読み継がれてきたロングセラーとよばれる絵本や童話には「普遍的な魅力」があります。そんな魅力ある絵本や童話を、次の世代の子どもたちにも受け継いでいきたい。
そんな思いから、読者のみなさんの記憶の中にある絵本や童話の思い出を共有し、楽しんでもらえる特設サイトをつくりました。
 このほか、本屋さんの店頭では「絵本とくらす12ヵ月 つながる ひろがるロングセラー」を1年間をとおして開催します。みなさんが思い出を投稿してくださる120点のロングセラー絵本を、季節にあわせて本屋さんの店頭でご紹介します。すてきなプレゼントがあたるキャンペーンのほか、かるたで遊べるロングセラー絵本リーフレットがもらえます。(くわしくはこちら
 特設サイトに投稿されたみなさんの思い出は、店頭のPOPとして採用させていただきます。(こわしくはこちら
 みなさんの記憶の中の絵本や童話の思い出をどしどしおよせください! 

《5》編集部だより
☆絵本・童話第一・童話第二・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお届けします。

科学書編集部から

 寒い日が続いていますが、みなさん風邪などはひかれていませんか? こんな寒い日は、暖かい部屋で、みかんを食べてゆっくり……なんてことを考えられている方も多いかもしれませんね。そんなみなさんに、今日ご紹介したいのは、1月に刊行した『北をめざして』という翻訳絵本です。寒そうなタイトルですね。ご安心を、この絵本の舞台は春です。地球上には、春が来るとたくさんの動物が文字通り「命がけ」で北極という北を目指して旅をするのです。コククジラ、カリブー、ニシン……北極というと極寒で凍えるイメージがあるかもしれませんが、春の北極は、雪が融け始め、草花が芽を出し、食べ物も豊かになるんです。この絵本に出てくる北極は、生き物であふれ、色彩豊かで、さながら楽園のようです。
 しかしながら、そんな生き物の楽園に危機が訪れていることはご存じでしょうか。地球温暖化により、北極の氷が減っているのです。氷が減ったために、ホッキョクグマの中にはやせほそってしまったクマもいるそうです。氷の上を歩いて食べ物を探しにくくなってしまったのですね。他にも、さまざまな影響が懸念されています。COP21という地球温暖化についてみんなで話し合っている会議のことが先日ニュースになっていましたが、もうすぐ春の声が聞こえてきそうなこの頃、これから「北をめざして」旅をする生き物たちに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
 また、今春より、Web福音館にて絵本作家の澤口たまみさんのエッセイの連載が始まります。いつもは子どもたちにすてきなお話を届けてくださっている澤口さんですが、今回は、大人のみなさんに、生き物や、ともすると見過ごしてしまいがちな風景を見つめ、巡らせた思いを紡ぎます。子どもは虫(生き物)好きだけど、私は…と思っている方、ちょっと一息つきたい方、特に必見です。当たり前にそこにある景色が、まるで恋をした時のように、あざやかに色づいて見えるかもしれませんよ。4月公開予定です。ぜひ、お楽しみください。


『北をめざして』 『北をめざして—動物たちの大旅行』
ニック・ドーソン 作/パトリック・ベンソン 絵/いだ てつじ 訳
定価(本体1600円+税)

北極の冬は暗くて寒い。けれど春の日差しが注ぐと生き物が一気に増え、北極は命あふれる季節を迎える。極地の豊かな恵みを求めて、地球をわたる動物たちの姿を描いた絵本。
《6》原画展・イベントのお知らせ

●「ひながたり ~ひな人形をかたる~」

概要

ひな人形をテーマにした石井桃子さんの代表作の一つ『三月 ひなのつき』をとおして、そこに描かれた、女性のひな人形への想いと荻窪にゆかりの深い石井桃子さんを紹介します。

会期 2月20日(土)~ 3月27日(日)
会場 杉並区立郷土博物館分館 西棟2階
問い合わせ先 TEL 03-5347-9801
関連作品 『三月 ひなのつき』

●「『てんじつきさわるえほん ぞうくんのさんぽ』 刊行記念
なかのひろたかさん トーク&サイン会“ てんじ と えほん のおはなし ~ぞうくんの あたらしいさんぽ~ ”」

概要 絵本『ぞうくんのさんぽ』は、「こどものとも」1968年6月号として刊行されました。出版から約50年、発行部数139万部、3世代にわたって読まれているロングセラー作品です。絵本は大人と子どもが一緒に楽しむもの、というのは「こどものとも」の編集方針のひとつです。目の見えない人も目の見える人も同じ絵本を介して、楽しい時間を共にできるようにという思いから、「てんじつきさわるえほん」第2弾としてお届けすることになりました。制作の裏側や作品への想いなど。絵本作家自らの言葉によって、その魅力に触れる貴重な機会です。皆さまぜひお越しください。
日時 2016年3月7日(月)19:30 ~
会場 ジュンク堂 池袋本店
問い合わせ先 TEL 03-5956-6111
関連作品 『てんじつきさわるえほん ぞうくんのさんぽ』

●アキノイサム原画展・秋野和子氏ミニ講演会

概要

大胆で民族色豊かな多くの絵本を描いた画家アキノイサムの原画展と絵本作家秋野和子さんの絵本にまつわる講演会をおこないます。原画展示中は、『たこなんかじゃないよ』の作品にちなんだ、お絵かきの特別企画も予定しています。

原画展
【日時】3月2日(水)~15日(火)
【場所】兵庫県たつの市揖保川図書館フロア

講演会
【日時】3月13日(日)14:00~15:00
【場所】たつの市総合文化会館アクアホール2階 第3会議室
【対象】一般
【定員】25名(先着順)
【申込】揖保川図書館(電話可)※2月5日(金曜日)受付開始

会場 揖保川図書館(兵庫県たつの市)
問い合わせ先 TEL 0791-72-7666
関連作品 『たこなんかじゃないよ』

●中脇初枝さんトークイベント「ふるさとの昔話を語る」

概要

絵本・児童文学から、小説まで、幅広い創作活動で多くの読者に支持されている中脇初枝さん。その原点は、子ども時代を過ごしたふるさと、高知・四万十川流域に伝わる昔話のゆたかな世界だといいます。
1月に刊行予定の『ちゃあちゃんのむかしばなし』では、慣れ親しんだそれらの昔話を、全国どの地域に暮らす子どもたちにも楽しんでほしいとの願いを込めて再話しました。なぜ昔話を語るのか? 中脇さんの小説の世界に通じる昔話の魅力とは? などなど、作家・中脇初枝の"根っこ"に触れることのできる貴重な機会です。

日時 2016年2月18日(木)19:30~
会場 ジュンク堂 池袋本店
問い合わせ先 TEL 03-5956-6111
関連作品 『ちゃあちゃんのむかしばなし』

●大島妙子絵本原画展「鬼だらけ!」

概要

会期中、『オニのサラリーマン』の原画全点が展示されます。
“2015年は、『鬼』の絵本の仕事が2冊続いたのであります。片や陰陽師の世界、片や地獄勤めのサラリーマン。〈鬼・妖怪もの〉は、子どものころから好きではありましたので、オイデオイデと呼ばれちゃったんですかねぇ……。愛すべき鬼たちの世界へ、いらっしゃ~~い!”

会期 2016年2月19日(金)~2月24日(水)
会場 OPAギャラリー
問い合わせ先 TEL 03-5785-2646
関連作品 『オニのサラリーマン』

●「ことばってたのしいな―木島始の詩と絵本」 展

概要

詩人・木島始(1928~2004年)の詩と絵本の世界を紹介する展覧会です。本展では、今年度練馬区に寄贈された木島始関係資料から、大人も子供も楽しめる詩と絵本の世界を取り上げます。詩人ならではの視点で輝く言葉の数々。絵本になったときの楽しさと面白さ。美術も愛した木島自身が描いた絵や原稿を含め、堅苦しい「展覧会」ではなく、「ことばってたのしいな」と遊んでいただきたい展覧会です。

会期 2016年1月9日(土)~3月27日(日)
会場 練馬区立石神井公園ふるさと文化館分室 展示室
問い合わせ先 TEL 03-5372-2572
関連作品 『はなをくんくん』 『木』ほか

● 「世界のブックデザイン2014-15」

概要

2015年3月に開催された「世界で最も美しい本コンクール2015」の受賞図書13点をはじめ、日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国と今回初めて紹介するデンマーク、計8カ国のコンクール入選図書、およそ200点を展示します。福音館書店からは『ふしぎなにじ—かがみのえほん』が出品されます。

会期 2015年12月5日(土)~ 2016年2月28日(日)
会場 印刷博物館(東京都文京区)
問い合わせ先 TEL:03-5840-2300
関連作品

『ふしぎなにじ—かがみのえほん』

 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000