あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2016年7月20日 Vol.212
いよいよ夏休み。セミも鳴き始めました!

いつも「あのねメール通信」をご愛読いただき、ありがとうございます。
子どもたちはいよいよ夏休み。外でたっぷり遊んだら、涼しいお部屋の中で、
親子で絵本を楽しむのもおすすめです。

《1》『ぼくのいちにち どんなおと?』の作者 山下洋輔さんのエッセイ
ぼくらのジャムセッション
ぼくのいちにちどんなおと?

 福音館からは、これまでに3冊の絵本を出しました。『もけら もけら』『ドオン!』『つきよのおんがくかい』というもので、それぞれ、元永定正さん、長新太さん、柚木沙弥郎さん、という素晴らしい画家の方々とコンビを組む事ができました。3冊とも1990年から1999年の間の作品ですから、最後の本が出てから、もう17年も経つのですね。

 私の本業はジャズ・ピアニストですが、コンサートに来てくれた若い人から「これを母に読んでもらって育ちました。サインをください」と『もけらもけら』を出されたり、「これを読んで聞かせるととても喜ぶのですよ」というママも現れます。どちらもとても嬉しいことです。

 私の作ったどの絵本にも「変な言葉」が出てきます。音やリズムを言葉にしようとすると、ジャズマンの癖で、つい「シャバダバ」などとなってしまうのですね。それが自分でも面白くて、「言葉ではない言葉」「リズムのような言葉」がすぐに出てきます。特に、スキャッツと言われるジャズの唱法は、歌詞を離れて即興で歌います。意味の分かる言葉ではなく、リズムに音をつけたようなものなのです。「ウィシャバラバ、ダバラドバラダ、ダパトトトトン」などといくらでも出てきます。
 今回の『ぼくのいちにちどんなおと?』も、とても楽しんでやることができました。編集者さんと相談して、一日の生活で聞こえる色んな音を取り上げようと構想がまとまった時に、自分のコトバは、大体出来たと記憶しています。
 画家は、むろまいこさんです。むろさんとの出逢いがこの本ができる決め手になりました。むろさんの絵を見せてもらうまでに、実際には10年以上の月日が流れたのですが、ひとめ見たその日に『ぼくのいちにち どんなおと?』は蘇りました。
 「絵本」ですから「絵」が主役で、コトバは、特に私のは「伴奏音楽」のようなものですが、その「共演」がとても上手くいったと思います。むろさんのユーモラスであると同時にどこか揺るぎない「迫力」を持つ絵は、どのページでも、独特の色彩とともに素晴らしい表現を放っています。むろさんは音を目でも楽しめるようにと、「音」の部分は陶器で作ったパーツを使って立体的に作ってくれたので、それに触発されて、私のコトバが少し変わる、ということまで起きました。本当の「やり合い」つまりジャムセッションですね。
 あれ? 結局ジャズで解釈しようとしているようです。私の携わる絵本での私のコトバはいつも、自分の本職のジャズからヒントをもらっているのかもしれません。最初に書いた「もけら もけら」もそうですし、この文に出てくる「シャバダバ」もそうです。私の「絵本」からそういう「ナンセンスだけど面白い」という感覚を子どもたちが受け取ってくれれば、これにまさる喜びはありません。
 ではでは、ぼくらのジャムセッションをどうかお楽しみください!

山下洋輔(やました・ようすけ)

1942年、東京に生まれる。ジャズ・ピアニスト。1969年、山下洋輔トリオを結成。フリーフォームのエネルギッシュな演奏で、ジャズ界に衝撃を与え、海外でも高い評価を得る。演奏活動のかたわら、多数の著書を持つエッセイストとしても知られる。絵本の仕事に、『もけら もけら』『ドオン!』『つきよのおんがくかい』(以上、福音館書店刊)がある。東京都在住。

『ぼくのいちにち どんなおと?』

『ぼくのいちにち どんなおと?』
日本傑作絵本シリーズ
山下洋輔 文/むろまいこ 絵
定価(本体1,400円+税)
3才から
顔を洗う音、歯を磨く音など、聞き慣れたはずの音が、聞いたことのない自由なオノマトペになり、立体的な絵を添えて楽しく描かれます。耳でも目でも楽しめる音の絵本です。  

《2》こどものとも60周年記念 特別連載のご案内
月刊絵本「こどものとも」が創刊60周年を迎えることを記念し、こどものとも60周年記念サイトを開設し、特別連載記事を公開しています。
各界で活躍される方が語る「こどものとも」 や、長谷川摂子さんが生前に連載された絵本作家との対談を再録した記事をお読みいただけます。ぜひご覧ください。こちらからどうぞ。
 
《3》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月は「母の友」編集部です。

「母の友」編集部から

 こんにちは。「母の友」編集部です。今年はいろいろな国で大きな選挙があったりして、なんだか「時代の転換点」なのかなあ、と感じることも。この先、世界 はどうなっていくのでしょう。変化は、楽しみなようでもあり、なんとなく不安でもあり。
 さて、我が国、日本では「時代の転換点」が来る度、好かれてきた存在がいるんだそうです。それは……妖怪! 「母の友」8月号の特集は「やっぱり妖怪が好き」です。
 文化人類学、民俗学の見地から長年、妖怪について研究している小松和彦さんによれば、妖怪がたくさん描かれたのは、戦国時代や幕末だったそう。そうした時代は実力主義の風潮が強く、一部の才能がある人はぐんぐん出世し、世の中を動かしていきます。ところで、その「一部の人」になれなかった人たちはどんな気持ちだったのかしら? 小松さんは言います。「妖怪は、暗闇にたたずむ、役にたたない存在です」「この国には、昔から、妖怪という、なにがなんだかわからない存在がわんさかいて、絵や物語の中に登場し、多くの人に愛されてきた。この事実は『社会の中で脚光を浴びて生きることだけが、我々(人間)の存在理由ではないよ』と昔の人が言ってくれているようにも私は感じます」。特集は、小松さんのお話のほか、『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる水木しげるさんが1年前に「母の友」へ寄せてくれた記事の再録、大人気「おばけかぞくのえほん」シリーズの作者、西平あかねさんによる作品誕生秘話など、もりだくさんです。
 また本年5月号から始まった好評連載「わたしと『こどものとも』」には、さとうわきこさんが登場。絵本『せんたくかあちゃん』にはモデルがいた!? 8月号、お楽しみいただけたら幸いです。
「母の友」8月号  「母の友」8月号
特集 やっぱり妖怪が好き

定価(本体505円+税)

日本人は江戸時代から妖怪を「楽しんで」きたことをご存じですか? 特集は「やっぱり妖怪が好き」。日本人の心と妖怪の深い関係を探ります。また、園現場で愛される「妖怪の絵本」も紹介。漫画家・水木しげるさんが寄せてくれたエッセイも再録します。
★月刊絵本「母の友」くわしくはこちらをご覧ください。

《4》「だるまちゃんおんど」が、できました!
『だるまちゃんとてんぐちゃん』が「こどものとも」(1967年2月号)に登場してから、2017年で50周年を迎えます。読者の皆様に感謝の気持ちをこめて「だるまちゃんおんど」が完成しました。 夏祭りや盆踊りで、大人も子どもも、みんなで一緒に楽しく踊ってくださいね。HPよりダウンロードできます。こちらをご覧ください。
《5》原画展・イベントのお知らせ

●−福音館書店「こどものとも」創刊60周年記念−絵本とおともだち みんなに、大きなありがとう!
概要

「こどものとも」創刊60年の歴史の中で生まれた様々なお話の魅力を紹介する展示やイベントで、「こどものとも」の魅力を楽しく体感できる展覧会です。

会期 2016年7月28日(木)〜8月9日(火)
会場 仙台市 藤崎百貨店 本館 7階催事場
●絵本作家・西村繁男の世界展 やこうれっしゃで出発!
概要

絵本作家・西村繁男さんの作品群を、絵本、原画をはじめ、取材メモ、ラフスケッチなどの資料をまじえジャンル別に紹介します。

会期 2016年7月23日(土)〜9月25日(日)
会場 神奈川近代文学館
関連作品 『おふろやさん』 『やこうれっしゃ』 『絵で見る日本の歴史』 『絵で読む広島の原爆』
●たかどのほうこの世界
概要

『まあちゃんのながいかみ』などの絵本作品を中心に、たかどのほうこさんの世界を紹介します。

会期

2016年7月16日(土)〜2016年9月19日(月・祝)

会場 鎌倉文学館
関連作品 『まあちゃんのながいかみ』 『まあちゃんのまほう』
●滝平二郎の仕事展�U 〜紙の音〜人の声〜版画と″きりえ″と絵本原画・選
概要

千葉県柏市にアトリエを構えた版画家できりえ作家の滝平二郎の展覧会です。『モチモチの木』『花さき山』『八郎』の原画ほか、未公開作品を加えた約140点を展示します。

会期 2016年7月14日(木)〜7月25日(月)
会場 柏市民ギャラリー(DayOneタワー3階パレット柏内)
関連作品 『八郎』
●BIB 50周年 ブラティスラヴァ世界絵本原画展—絵本50年 これまでとこれから—
概要

創設50周年の節目を迎えた世界最大規模の絵本原画展「ブラティスラヴァ世界絵本原画展(通称BIB)」の歴史と功績を紹介する展覧会を開催中です。

会期 2016年7月9日(土)〜8月31日(水)
会場 うらわ美術館
関連作品 『スーホの白い馬』 『旅の絵本�Uーイタリア編』
●Zuking in Wonderland ! −ふしぎの国のスズキコージ−
概要

スズキコージさんの手がけた絵本作品、ライブペインティング作品など、スズキコージさんの多彩な仕事をご紹介する展覧会です。

会期 2016年7月2日(土)〜2016年9月11日(日)
会場 八ヶ岳小さな絵本美術館
関連作品 『エンソくんきしゃにのる』『きゅうりさんあぶないよ』
●安野光雅のふしぎな絵本展
概要

安野光雅の空想力が生んだ 緻密でふしぎな絵本の世界 画家、絵本作家、装丁家として幅広い活躍を続ける安野光雅さんの多彩な活動の中から、「ふしぎ」をテーマに、想像力にみち、幅広い学識とユーモアに富んだ作品群をご紹介します。

会期 2016年7月9日(土)〜8月28日(日)
会場 三菱地所アルティアム
関連作品 福音館書店「安野光雅の絵本」ページ
●美術館へ行こう!−ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方−
概要

ディック・ブルーナさんの絵本を通して、子どもたちとモダン・アートとの出会いを楽しんでもらう展覧会です。

会期 2016年7月9日(土)〜9月8日(木)
会場 静岡県立美術館
関連作品 みんなの人気者うさこちゃん
●かこさとしの世界
概要

絵本「だるまちゃん」シリーズ等に代表される絵本作家としてはもちろん、多様な視点と世界をもったかこさとしさんの作品と想いを紹介する展覧会です。

会期 2016年7月9日(土)〜8月21日(火)
会場 こおりやま文学の森資料館
関連作品 福音館書店 加古里子さん著作一覧
●西巻茅子の世界
概要

『わたしのワンピース』でおなじみの、西巻茅子さんの原画展です。

会期 2016年7月9日(土)〜8月21日(火)
会場 仙台文学館
関連作品 『おさんぽさんぽ』『うみのおさんぽ』『サンタクロースのくるひ』
 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000