あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2016年8月24日 Vol.213
夏休みも残りわずか! 楽しい思い出を作りましたか?

いつも「あのねメール通信」をご愛読いただき、ありがとうございます。
残り少なくなった夏休み、子どもたちそれぞれの夏を楽しんだことかと思います。
そして宿題に追われている子、いませんか? 福音館書店のHPでは、夏の自由研究などに役立つ本もご紹介していますので、ぜひ見にきてくださいね。

《1》『ぺんぎんたいそう』の作者 斎藤 槙さんのエッセイ
『ぺんぎんたいそう』ができるまで
ぼくのいちにちどんなおと?
 『ぺんぎんたいそう』は私にとって、特別に思い入れのある絵本です。
 実はこの絵本のもとになった作品は、大学在学中にうまれました。当時、私は美術大学で日本画を学んでいました。3年生のときに、「動物園で好きな動物をスケッチして、一枚の日本画を制作しなさい」という課題が出ました。私は幼いころ、祖母と上野動物園に行くのが大好きだったので、久々の動物園を嬉々としてまわりました。そんな中、なぜだか心惹かれたのはペンギンです。ぽかぽかと春の陽に背中をむけて、心地良さそうにうとうとしています。銅像のようにちっとも動かないので、私もじっと動かず見つめつづけました。まるで時が止まってしまったかのような、静かで心地いい時間でした。ペンギンは陸上では動きが少ないぶん、かえって小さな動きが際立ちます。その数少ない動きを見逃さないよう、写真を撮ったりスケッチをしました。撮りためた写真をパラパラと眺めているとき、「この動きを絵本としてまとめてみたらどうだろう」とひらめいたのでした。これが『ぺんぎんたいそう』のはじまりです。
 大学の芸術祭で、現在の絵本のもとになった『ペンギンたいそう』を展示しました。日本画の学生らしく、和紙に墨一色で写実的に描きました。大人っぽいモノトーンの絵本です。
 そして数年前、個展をひらいたときに、この『ペンギンたいそう』を「こどものとも0.1.2.」の編集者さんに「赤ちゃん絵本になりませんか?」とご相談しました。こうして赤ちゃん絵本としての『ぺんぎんたいそう』の制作がスタートしました。
 あらたな『ぺんぎんたいそう』をつくるにあたって、この絵本の方向性を決めました。キーワードは「おどれる絵本」です。絵本を読んだあと、音楽にあわせておどれるように、母に作曲を頼みました。くわえて、楽譜が読めない方にも楽しんでいただけるように動画も用意することに決めました。(ハードカバーの出版にあわせて、動画もリニューアルしました!)
 絵本を作るなか、一番慎重に検討したのは背景の色を何色にするか、ということでした。黄色、ミントグリーン、淡いオレンジ色、ピンク色と4色の見本を描き、近所の赤ちゃんやお母さんたちに見てもらいました。赤ちゃんの反応が良く、元気なイメージにぴったり合った黄色に決めました。体操の内容については、大きな骨組みはできていたので、実際に体を動かしながら、子どもたちがまねをしやすい動きをえらびました。たくさんの小さな検討を重ねて、『ぺんぎんたいそう』は完成しました。
 そしていま、保育園や幼稚園のお遊戯会や運動会で体操してくれたり、毎日の日課に体操してくれているご家庭もあると聞きます。お子さんのかわいい体操すがたを喜んでくれるお母さんたちも多いようです。 
 かわいい子どもペンギンがあちらこちらで元気いっぱい体操してくれたらいいなあと夢見ています。
齋藤 槙(さいとう・まき)

1981年、東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部日本画科卒業。動物や植物など、さまざまな生きものをユーモラスに描く。近年は、土や草木などの自然の色を使った絵画も制作。趣味は動物園通いと、沖縄の伝統的な染め物「紅型(びんがた)」の制作。
絵本に『ながーい はなで なにするの?』(「ちいさなかがくのとも」2009年11月号・現在品切)、『ちいさな うみの かくれんぼ』(「ちいさなかがくのとも」2013年5月号・現在品切)、『虹色いきもの図鑑』(「たくさんのふしぎ」2014年1月号)、最新作に『さくよ さくよ』(「ちいさなかがくのとも」2016年8月号)がある。

『ぺんぎんたいそう』

『ぺんぎんたいそう』
0.1.2.えほんシリーズ
齋藤 槙 作
定価(本体800円+税)
0才から
「ぺんぎん たいそう はじめるよ。いきをすって~、はいて~」。ペンギンのユニークで愛らしい動きは、まるで体操のよう。読みながら思わず身体が動いてしまう絵本です。  

《2》みんなで体操してみよう!『ぺんぎんたいそう』動画募集
『思わず体を動かしたくなる絵本『ぺんぎんたいそう』。みなさんの体操動画を募集いたします。動画を投稿していただいた方の中から抽選で、『ぺんぎんたいそう』の限定グッズをプレゼント。 子どもたちの元気いっぱいの『ぺんぎんたいそう』の動画をお待ちしています! 応募の詳細はこちらをご覧ください。
《3》こどものとも60周年記念 特別連載のご案内
月刊絵本「こどものとも」が創刊60周年を迎えたことを記念して、こどものとも60周年記念サイトにて、特別連載記事を公開しています。
各界で活躍される方が語る「こどものとも」 や、長谷川摂子さんが生前に連載された絵本作家との対談を再録した記事をお読みいただけます。ぜひご覧ください。こちらからどうぞ。
《4》月刊誌編集部からこんにちは
 毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。今月は「たくさんのふしぎ」編集部です。

「たくさんのふしぎ」編集部から

 こんにちは、「たくさんのふしぎ」編集部です。
 9月号は『川は道 森は家』です。写真家の伊藤健次さんが、ロシアのウスリータイガと呼ばれる深い森を訪ね、そこで書名の通りに暮らす猟師たちや、森の動物たちの様子を伝えてくれます。川を必死で渡っていく子熊の写真は圧巻です。
 私事ですが以前『カジカおじさんの川語り』(1999年5月号)という本を担当しました。北海道のサケが海にくだってアラスカ沖でエサを食べて育ち、北海道の川に帰って産卵後、命つきると、それをシベリアから渡ってきたワシが食べる。つまり北海道のサケを仲立ちとして、アラスカの栄養がシベリアに運ばれている、ということを知って驚きました。
 ただ、それだと栄養がシベリアにたまりっぱなしにならないのかな? と長い間疑問に思っていたのですが、伊藤健次さんの話によると、最近の研究により、シベリアを縫うように流れる川のおかげで、そこの栄養は日本の三陸沖あたりに流れてきていることがわかったとのこと。
 動植物はそれぞれ勝手に生きているように見えても、地球的規模で見ると、みんな栄養の移動にどこか関わっているのかもしれないなあ、などとぼんやり考えながら歯を磨いていた今朝のこと、「パパ、おなか出てきたねえ!?」という娘の一言。わが家の栄養は、ここに集中しているようです。
「たくさんのふしぎ」9月号  「たくさんのふしぎ」9月号『川は道 森は家』
伊藤健次 文・写真
定価(本体667円+税)

北海道の北西、ロシアの沿岸に、ウスリータイガとよばれる森がひろがっています。アムールトラやクマ、シカやイノシシが生息する豊穣な森。そこで古くから暮らす猟師たちは、「私たちにとって、森は家」と言います。現地を旅した作者が、森に棲む者の営みを、写真と文章で感性豊かに綴ります。

★月刊絵本「たくさんのふしぎ」くわしくはこちらをご覧ください。

《5》原画展・イベントのお知らせ

●絵本作家・西村繁男の世界展 やこうれっしゃで出発!
概要

絵本作家・西村繁男さんの作品群を、絵本、原画をはじめ、取材メモ、ラフスケッチなどの資料をまじえジャンル別に紹介します。

会期 2016年7月23日(土)~9月25日(日)
会場 神奈川近代文学館
関連作品 『おふろやさん』 『やこうれっしゃ』 『絵で見る日本の歴史』 『絵で読む広島の原爆』

●Zuking in Wonderland ! −ふしぎの国のスズキコージ−
概要

スズキコージさんの手がけた絵本作品、ライブペインティング作品など、スズキコージさんの多彩な仕事をご紹介する展覧会です。

会期 2016年7月2日(土)~2016年9月11日(日)
会場 八ヶ岳小さな絵本美術館
関連作品 『エンソくんきしゃにのる』『きゅうりさんあぶないよ』
●安野光雅のふしぎな絵本展
概要

安野光雅の空想力が生んだ 緻密でふしぎな絵本の世界 画家、絵本作家、装丁家として幅広い活躍を続ける安野光雅さんの多彩な活動の中から、「ふしぎ」をテーマに、想像力にみち、幅広い学識とユーモアに富んだ作品群をご紹介します。

会期 2016年7月9日(土)~8月28日(日)
会場 三菱地所アルティアム
関連作品 福音館書店「安野光雅の絵本」ページ
●美術館へ行こう!-ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方-
概要

ディック・ブルーナさんの絵本を通して、子どもたちとモダン・アートとの出会いを楽しんでもらう展覧会です。

会期 2016年7月9日(土)~9月8日(木)
会場 静岡県立美術館
関連作品 みんなの人気者うさこちゃん
●たかどのほうこの世界
概要

『まあちゃんのながいかみ』などの絵本作品を中心に、たかどのほうこさんの世界を紹介します。

会期

2016年7月16日(土)~2016年9月19日(月・祝)

会場 鎌倉文学館
関連作品 『まあちゃんのながいかみ』 『まあちゃんのまほう』
●柳原良平 海と船と港のギャラリー
概要

油彩画、切絵、リトグラフを中心にイラストレーション、絵本の原画、ポスターなど多彩な作品で、柳原良平の画業を通観する、没後最初の本格的な展覧会です。

会期 2016年8月20日(土)~11月6日(日)
会場 横浜みなと博物館
関連作品 『たぐぼーとの いちにち』『しょうぼうてい しゅつどうせよ』
 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000