あのねメール通信
福音館書店メールマガジン2017年1月18日 Vol.218
寒い日が続きますね。体調にはお気をつけください。

「あのねメール通信」をご愛読くださいまして、ありがとうございます。
今年も「あのねメール通信」をよろしくお願い申し上げます。
今月は冬にぴったりの絵本や、だるまちゃん50周年についてご紹介します。

《1》だるまちゃんの新刊2点の作者、加古里子さんのエッセイ
新版遊び読本 『だるまちゃんと楽しむ 日本の子どものあそび読本』 と
『だるまちゃんしんぶん』 について
だるまちゃん50周年

 敗戦と占領下の混乱の折、当時の大人特に児童文化関係者の無節操ぶりに絶望した私は、会社員(※1)として、当時唯一海外学術誌が閲覧できるCIE図書館(※2)で化学情報調査の折、秘かに列んでいる児童雑誌を読み漁り、また神田の書店を通じて、ソ連と後に中国の児童雑誌を購読して、よき手掛かりを求めていた。当時の海外児童雑誌は紙も粗悪で、印刷ズレがあったりしたが、戦争中発表できなかったみずみずしい作品が並んでいた。その中でソ連の民族玩具による絵物語に瞠目した。
 玩具の持つ明快な未来指向と教育性に教えられ、日本の郷土玩具を調べ、大小多彩なだるまの多いのに気づき、それが「だるまちゃん」の誕生となった。因みにソ連の絵物語は『マトリョーシカちゃん』として後年出版された。
 その「だるまちゃん」の原稿(※3)をお渡しして間もなく、当時の松居編集長から子どもの遊びの本をまとめるよう示唆を頂いた。さあ大変、その頃の子どもの遊びを何も知らなかったので世話をしていたセツル(※4)の子ども達から教わるやら、二人の娘が遊ぶ近所の子を集めて写真をとるやら、やっと所定の頁が埋まって、出来上った題名が『日本伝承のあそび読本』なので、「こんな教科書みたいで」と思ったのは素人の限界。たちまちベストセラーとなり、TVに出されたり、別の出版社の要請で、幼児時代の記憶を綴った『遊びの四季』(じゃこめてい出版)で賞をもらったり、以後50年程遊びを追跡してまとめた『伝承遊び考』(小峰書店)が、また賞に選ばれるなど、端緒となった記念の冊子を、今回内容を一新、新装多色大版にして頂き、感慨一入である。
 一方私は幼い頃から所属の組織やチームの結束を図ろうと手製の新聞や雑誌を作る悪癖があって、題名を羅列すると「2組だより(小6)」「マント(高2)」「香水(大学1)」「ピッチャリカベ子(労組壁新)」「アンバランス(研究所)」などで、中学時代だけは時局に鑑み、心身の陶冶と勉学に集中したので欠落している。
 これら私の新聞よりはるかにすぐれた新聞はセツルの子らが自発的に作り出した「こども新聞」だった。セツルの学生達が地域に配るガリ版の通信を見て、自分達も作りたいと言い出したので、私のガリ版機を専用として与えた所、おみこしのように担ぎまわり「世界/日本/地域ニュース」を主軸にした多彩な週刊新聞が続けられた。その素晴らしさは、私の講義(※5)の一項目で論じた程だった。今回の季刊「だるまちゃんしんぶん」の編集に当って、この「こども新聞」の伝にあやかろうと努めた次第。60年昔の裏話と共に愛読頂けば幸です。

だるまちゃん50周年
註 ※1 昭和23年~昭和47年 化学会社勤務 ※2 東京日比谷に設置された米軍図書館 
※3 『だるまちゃんとてんぐちゃん』(1967) ※4セツルメント、地域救護社会福祉活動体 
※5 東京大学、横浜国立大学、 など6つの大学で講師を担当。

加古里子(かこ さとし)
1926年、福井県に生まれる。東京大学工学部卒業後、民間企業の研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事する。「だるまちゃん」シリーズ、『海』『地球』(以上、福音館書店)など600冊にのぼる児童書のほか、『伝承遊び考』(全4巻、小峰書店)など著書多数。福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館 * (らく)」がある。工学博士。技術士(化学)。神奈川県在住。
*(らく)…石石 と記す漢字ひと文字
『だるまちゃんしんぶん』

『だるまちゃんしんぶん』
日本傑作絵本シリーズ
加古里子 作・絵
定価(本体1,200円+税)
4才から
絵本の中に、だるまちゃん新聞社が発行する「だるまちゃん新聞」が入っています。四季折々のニュースや、なぞなぞ、ことばあそびなど、魅力的な記事が詰まった新聞です。

『日本の子どものあそび読本』

だるまちゃんと楽しむ 日本の子どものあそび読本
福音館の単行本
加古里子 著
定価(本体1,400円+税)
大人から子どもまで
日本の子どもたちのあいだで愛されてきたあそびを集めた1冊。「草花や木の実のあそび」「いろいろ工作のあそび」など、お家の中でも外でも楽しめるあそびが満載です。

《2》だるまちゃん誕生50周年ーだるまちゃんページのご案内ー

2017年は『だるまちゃんとてんぐちゃん』(「こどものとも」1967年2月号)が発表されてから、50年を迎える記念の年です。 50周年を記念して、上記『だるまちゃんしんぶん』などのほかにも、だるまちゃんが登場する新刊や、加古里子さんの絵本が刊行されます。 本の紹介のほかにも、加古里子さんのエッセイ、だるまちゃん音頭の動画、だるまちゃんの絵本がそろっている書店の一覧など、だるまちゃん情報がもりだくさんの「みんなの人気者 だるまちゃん」ページをご覧ください。

《3》月刊誌編集部からこんにちは

毎月交代で月刊誌の編集部から、読者の皆様にむけてメッセージをお届けしています。
今月は「母の友」編集部です。

母の友編集部から

 本年もどうぞよろしくお願いします。「母の友」の編集部です。今年も「子育て」と「絵本」、2本の柱で雑誌をお届けしたいと思っています。絵本といえば、只今「母の友」では昨年60周年を迎えた「こどものとも」にまつわる連載「わたしと『こどものとも』」をお届けしています(こちらで前の号の記事をご覧いただけます。もしよろしければ。)。  
  今もハードカバー版として本屋さんにならぶ、あの作品ができたころ、作家さんたちは何を思っていたのでしょう。最新号2月号でお届けするのは「たむらしげるさんと『ロボットのくにSOS』」です。日本初の本格的デジタルペイントの絵本に挑む際、たむらさんが気をつけたこととは? 3月号は「富安陽子さんと『まゆとおに』」。富安さんが「まゆ」の物語を初めて書いたとき、まだ大学生だったとご存じでしたか? 「わたしと『こどものとも』」は3月号で終了予定ですが、4月号以降も絵本作家さんのインタビューコーナーを設ける予定です。どうかお楽しみに。
 昨年は、待機児童問題など、子育てに関するニュースがメディアで大きく紹介されました。子育て、しんどいこともあるはず。でも、だからこそ、「たのしい」面もお届けできたら。驚くべき速さで大きくなる幼い子どもたちとの日々を、より、たのしんでいただけるような誌面を今年も作っていけたらと思っています。
 現在発売中の2月号特集は「LGBT じぶんの性を生きる!」。2017年も世の中、いろいろありそうですが、おとなも子どもも、すべての人が、自分らしく、生きていける社会であってほしいな、と願います。そしてみなさんの2017年がすてきな年でありますように!

「母の友」2月号 

「母の友」2月号「LGBT じぶんの性をいきる!」
定価(本体505円+税)
セクシュアリティ(性のあり方)について考えます。男性とは? 女性とは? だれもが自分らしく生きるためには? 子どもも大人も、全ての人に関係するお話です。
目次はこちらからご覧いただけます。

★月刊絵本「母の友」くわしくはこちらをご覧ください。

《4》冬のおすすめ本特集 -冬は遊び!-

福音館書店のHPでは、寒い冬におうちで楽しむのにぴったりの絵本をご紹介する「冬は遊び!大特集」のページをご用意しています。ぜひご覧ください。

《5》原画展・イベントのお知らせ
●まるやまあやこ絵本原画展
概要

長野県安曇野市穂高出身の絵本作家・まるやまあやこさんの2015年~2016年に発刊された新作絵本2作品の原画全点と、その他作品の抜粋原画を展示します。

会期 2016年11月18日(金)~ 2017年1月24日(火)
会場 絵本美術館&コテージ 森のおうち
関連作品 『かすみのどんぐり』(「こどものとも」2015年11月号 )
●かんがえるカエルくん展
概要

『かんがえるカエルくん』が1996年に刊行されて20年。4コマでリズミカルにこどもの素朴な疑問を考えていくこの絵本は、各国でも翻訳出版されています。そんな、世界のこどもに愛される『カエルくん』の魅力にせまります。

会期 2016年12月3日(土)~2017年2月26日(日)
会場 いわむらかずお絵本の丘美術館
関連作品 みんなの人気者「かんがえるカエルくん」
●中村至男展
概要

シンプルで明快、そしてフラットな形と色面のデザインが印象的な中村至男さん。初めての個展となる本展では、新作に加え、これまでまとめて見ることのなかった25年を超えるデザインワークを一挙にご紹介します。

会期 2017年1月13日(金)~2017年2月16日(木)
会場 クリエイションギャラリー G8
関連作品 『どっとこどうぶつえん』『はかせのふしぎなプール』(「こどものとも」2015年9月号)
●BIB50周年 ブラティスラヴァ世界絵本原画展
概要

「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」(略称BIB=Biennial of Illustrations Bratislava)は、スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年ごとに開催される、世界最大規模の絵本原画コンクールです。その50周年を記念して、歴代参加作品の中から「日本の絵本の歴史50年」を振り返る展示と、参加50ヶ国からノミネートされ国際審査によって決定した、グランプリをはじめとするBIB2015の受賞作品および、日本からの出品作品を紹介します。

会期 2017年1月4日(水)~2017年2月26日(日)
会場 千葉市美術館
関連作品 『ふしぎなたけのこ』『スーホの白い馬』『旅の絵本Ⅱ』『エンソくん きしゃにのる』『ジャリおじさん』『タンゲくん』『きこえる』『きょうはマラカスのひ』 など
 
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◆発行:株式会社福音館書店 広報宣伝部広報宣伝課
Illustrations (C) Yuriko Yamawaki 2000