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 ★あのねメール通信~福音館書店メールマガジン2006年2月1日 Vol.51  ★

              



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         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆          



《1》 連載:絵本への道 11 前へ前へのリズム 村中李衣

《2》 月刊誌最新号<3月号>のご案内

《3》 月刊誌編集部からこんにちは

《4》 エッセイ:「現代絵本」をさがして 伊藤比呂美

《5》 2月の新刊のご案内

《6》 書籍編集部だより

《7》 「こどものとも」創刊50周年記念ブログ公開中

《8》 2006年度月刊誌のパンフレットができました



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《1》連載:絵本への道 11 前へ前へのリズム  村中李衣

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 小児科の待合室で『もとにもどす』(こどものとも年少版、現在品切れ)を読み

ました。紙を素材に、裂いたり、ちぎったり、ねじらせたりした状態から元の状態

を予測する科学の絵本です。赤ちゃんから小学生まで、集まった子どもたちの年齢

はまちまちだったので、みんなにわくわくしてもらうには、少し工夫がいるなと考

えた私。「もとの四角い紙をふたつに裂いてかたちを変形させた紙」の様子をみせ

る画面から、「もとのかたちに戻った紙」の様子をみせる画面へとページをめくる

瞬間に、「もとに、もどす」ということばを呪文のようにうたいました。♪もとに

(とん・とん)もどす(とんとん)といった感じに5拍のリズムをつくって、ペー

ジをめくる期待感を高めようとしたのです。

 ところが、調子よく「もとにもどす」と語った次の瞬間、2歳と3歳の男の子ふ

たりが前に躍り出て、ぱっとページを逆戻ししたのです。はははっ、と笑ってごま

かし、次のページめくってみせると、そのふたりの男の子はたった今まで強引にペ

ージを戻そうとしていたことなんかすっかり忘れて、「あー、変わったぁー!!」

と大喜び。絵本のページがめくられていくこと、つまり前に向かって絵本が進みゆ

くことと、二つに裂かれた紙を根源に復帰させるために流れる時間(読者としては

その行為を頭の中で思い描く時間)を矛盾なく重ね合わせることができるのは、も

う少し大きくなってからなのだなぁ、と気づかされました。

 2歳3歳にとって、ページがめくられることによってあらわれる新しい画面は、

1のつづきの2。そしてまた1から始まり、新しい画面の2。いち、に。いち、に。

この2拍子のリズムを絵本がめくられることといっしょに、からだで味わうのだと

思います。もちろん、ストーリー構成を工夫して絵本の中に3拍子のリズムを作る

ことも可能ですが、「めくり」がうむ絵本の基本リズムは、2拍子です。

 ところで、「還元」が理解できずに、元に戻った様子を「変わった」と捉える子

どもたちをみて、息子が3歳の時のわかめ事件を思い出しました。おみそしるに入

れる乾燥わかめの袋をしゃかしゃかっと振って、「さぁ、わかめをもどそうね」と

いった私。いったん鍋の方をみやって、振り向くと、あらら、わかめの袋が姿を消

しています。息子がわかめをもとの棚にちゃあんともどして得意顔。笑いをこらえ

て、わかめをボウルの中の水に戻すと「うぁ~、わかめがおばけになっちゃったぁ!

おばけのつぎは、なにになるかな?」

 乾いて縮んだわかめが、ふにゃふにゃ揺らめく本来の姿に戻る様子も、源へたど

り着こうとする逆矢印の旅でなく、「今」から出発する、前向きの旅。たどり着く

場所はいつも今の先にある「変化」の一地点なのですね。そしてまた、たどりつい

た場所を「今」と置き換えて、先へ先へと進んでいく。1から2へ。また1から2

へと。これが小さい人のもつ(生きる)リズムで、先に述べた、絵本の「めくる」

という行為がうむ2拍子とも、うまく呼吸があうのでしょう。

 そういえば、よちよち歩きをはじめた我が子に、おもわず「いち、に。いち、

に。」と声をかけてしまう親たちの心の中にも、絵本をめくる時とおんなじ自然な

2拍子のリズムが生まれているのかあぁと、なんだかちょっと、くすぐったい気持

ちになりました。





★こちらから「こどものとも年少版」をご覧いただけます。





村中李衣(むらなか りえ)梅光学院大学教授、児童文学者。

1958年山口県生まれ。筑波大学卒。絵本『かむさはむにだ』『小さいベッド』(以

上、偕成社)『うんこ日記』(BL出版)の他、『生きることのデッサン』『子ど

もと絵本を読みあう』『お年寄りと絵本を読みあう』『絵本の読みあいからみえて

くるもの』(以上、ぶどう社)などで、子ども、老人と 絵本の関係を 探っていま

す。この メールマガジンの連載も、2人の子どもの母親という 体験もふまえなが

ら、絵本を読んでいくときの不思議に楽しい“現場”を報告していただきます。



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《2》月刊誌最新号<3月号>のご案内

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☆月刊誌最新号<3月号>は、もうすぐ発売になります。



◇◆こどものとも0.1.2.『キャラメル』

              山崎克己 作 定価410円           ◇◆



大きなキャラメルが1個おちていました。それを見つけた猫と亀と豚と象の親子が

やってきて、ペロペロなめました。



◇◆こどものとも年少版『もりのとんとんバンド』

            湯本香樹実 文/堀川理万子 絵 定価380円    ◇◆



くまのとんとんがたいこをたたいていると、さるやぞう、おうむがやってきてバン

ドを作ることに。すてきな音楽ができあがります。



◇◆こどものとも年中向き『まよなかのおはなみ』 

             星野はしる 作/菅野由貴子 絵 定価380円   ◇◆



満月の夜、ぼくがお父さんと散歩していると、電信柱やポスト、狛犬が歩き出し、

桜の下に集合しました。お花見の始まりです。



◇◆こどものとも『いろ いきてる!』

         谷川俊太郎 文/元永定正 絵 定価410円        ◇◆



いろんな色が、飛び散ったり、集まったり、流れたり、さまざまに色彩と形を変え

て、画面ごとに変化していきます。



◇◆ちいさなかがくのとも『おつきさま こっちむいて』

             片山令子 文/片山健 絵 定価380円      ◇◆



おーい、おつきさま、こっちむいて。日ごとに変わる月とごあいさつ。三日月から

満月までの移り変わりを描きます。



◇◆かがくのとも『いっしょにあそぼ ―おまめもいれて』

         藤本ともひこ 作 定価410円             ◇◆



年下の子たちを「おまめ」として仲間に入れた異年齢集団の遊びを描いた絵本です。

年の差があっても楽しい遊びが可能です。



◇◆おおきなポケット 今月のポケット「しつげんをわたった ひぐま」

                   山村輝夫 作 定価770円     ◇◆



北海道の湿原を渡るヒグマがであったものは? 湿原の生態を描きます。〈おはな

しポケット〉は楽しいお話が2篇。



◇◆たくさんのふしぎ『土の色って、どんな色?』

           栗田宏一 作 定価700円             ◇◆



オレンジ、紫、ピンク、黒、白、黄、緑、これはみんな土の色。土の色って、こん

なに変化に富んでいるんです。



◇◆母の友 特集「おこづかい、どうする?」 定価530円         ◇◆



小学校に入ったら、おこづかいを渡しますか? 始めるタイミングや方法、子ども

との約束事など「おこづかい」について考えます。



★こちらから「母の友」3月号の目次をご覧いただけます。







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《3》月刊誌編集部からこんにちは

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☆毎月交代で、月刊誌の編集部から読者の皆様にむけたメッセージをお届けしてい

ます。今月は、「おおきなポケット」編集部です。“「母の友」編集室の窓から”

も、毎月、このコーナーに掲載します。





◇◆おおきなポケット編集部から◇◆



 お正月が過ぎ、節分、立春と季節が動いていくと、すぐに3月。卒園や入学式の

準備であわただしい候となります。

 「おおきなポケット」編集部では、今、その3月に発売になる2006年度4月号の

最後の仕上げにおおわらわです。

 来年度4月号から、表紙と裏表紙の絵が変わります。2年間楽しんでいただいた和

田誠さんから、絵本作家の沢田としきさんにバトンタッチされます。沢田さんには、

福音館の月刊誌では『エンザロ村のかまど』(「たくさんのふしぎ」04年2月号)や

『あめあがり』(「ちいさなかがくのとも」04年10月号)などの作品があります。音

楽が大好きで、この4月号から、和田さんの動物とはまた一味ちがう動物たちが、毎

月いろいろな楽器を持って表紙に登場します。

 さて、では、裏表紙の絵は? それは手に取ってからのお楽しみ!

 表紙の内容表示も少し変えます。今までは特集ページを〈今月のポケット〉と呼ん

で、その横にタイトルを入れていました。4月号からは特集の性格がはっきりわかる

ように、〈かがくのポケット〉と呼び方を変え、その後ろに〈あそび〉とか〈のりも

の〉のように、その月号のテーマを表示して、特集の内容をわかりやすくしました。

 子どもたちに大人気の連載「かきかきポケット」や「ハスの池小学校」「くらべて

はてな?」「シロクマ博士のなんでも質問箱」は、来年度も続きます。

 それに加えて、新連載「かくれんぼめいず」がスタートします。迷路を鉛筆でたど

っていくと、隠れていた絵がとび出してくる、とても楽しい読者参加のページです。

 4月に新入学を迎えるお子さま、次ぎの学年に進級する子どもたち、どうぞ〈読ん

でもらっても、自分で読んでも楽しい〉「おおきなポケット」を開いてください。手

触りやにおいも含めて、豊かな本の世界が待っています。



★ こちらから「おおきなポケット」をご覧いただけます。





◇◆「母の友」編集室の窓から◇◆



 今月の特集は、おこづかいがテーマです。子どもが卒園して小学生になると、友だ

ち同士で行動する機会も増えてきます。ある調査によると、友だちと行動するときの

資金や菓子代という目的でおこづかいを与えはじめる家庭は多く、学年が上がるほど

与える率も増えています。いつかは与えることになるおこづかいですが、なかなか目

安になるものが乏しいようです。そこで、読者を代表する三人のキャラクターを登場

させ、おこづかいをどう考えたらいいのか、始めるタイミングや方法などについて考

えていくことにしました。

 辰巳芳子さんのお料理講座も、いよいよ最終回です。



 ただいま「母の友」では、2006年11月号の短編創作童話特集「こどもに聞かせる一

日一話」の原稿を募集しています。みなさんの暮らしから生まれたお話、幼い子ども

が繰り返し聞きたくなるお話を、どうぞふるってご応募ください。



■募集要項

・作品は、未発表のものに限ります。

・字数が、800字以上1200字以下の、幼児に聞かせるお話。

 1枚20字×20字でお書きください(原稿用紙や手書きでなくてもかまいません)。

・1ページ目に、作品のタイトルとお名前・ご住所・お電話番号・電子メールアドレ

  ス(ある方のみ)をお書きください。

・応募は、1人何編でもけっこうです。

・原稿はお返しいたしませんので、コピーをおとりください。

・送る方法は、郵送にてお願いいたします。

・送り先 〒113-8686 東京都文京区本駒込6-6-3 

     福音館書店 母の友編集部「一日一話係」(電話03-3942-2084)

・締め切り 2006年5月31日の消印まで。

・採用作品は、2006年11月号誌上に掲載し、本誌規定の原稿料をお支払いします。



★こちらから「母の友」3月号の目次をご覧いただけます。







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《4》エッセイ:「現代絵本」をさがして      伊藤比呂美

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 長い間、絵本を書きたくてモンモンとしていました。高校生のときに絵本という

世界を知って以来、いつか絵本を書きたいと思っていたんですが、書けない。どん

なに考えこんでもいっこうに書けない。

 絵本は、子どもの表現ではない。おとなが血ミドロになって自分の表現をしなけ

ればいけない。しかし子どもに読ませるという制約がある。ところが子どもには購

買力がない。おとなが買うようにしむけなくちゃいけない。しかも書き手だけでは

完成しない。描き手のいる究極のコラボである。こんなむずかしい表現がほかにあ

るかしら。

 わたしがやりたかったのは、わたしの専門である「現代詩」と同じ分野の「現代

絵本」です。

 読み手として、「現代絵本」には、滅多に出会えません。これじゃ近代絵本じゃ

ねーかといいたくなるような絵本が多すぎます。おとなが血ミドロになって、自分

の存在を賭けて、というのがぜんぜん感じられない。もしかしたらそんなもの、子

どもの寝かしつけのためには必要ないのかも。でも表現のはしくれなら、夢は追い

もとめたいじゃないですか。その夢を、絵本で書きつくし、子どもという人々と共

有できたら!

 たとえば、わたしの興味なら、死。再生に繁茂繁殖。ことばの呪力、ことばの発

生。それらをわたしは怖いと思い、おもしろいと思い、もっと知りたい、そして書

きたいといつも思っている。それを子どもと共有したいのだと気づいたとき、絵本

のことばが書けました。二十数年かかりました。『あーあった』と『なっちゃんの

なつ』。信用できる描き手の方たちに仕上げてもらいました。あーできた、とホッ

としましたが、まだです。書き手としての道はまだまだ遠いです。

 「現代絵本」、たまに出会いますと、何とも忘れがたいのは他の文学と同じです。

高校のころに知ったのも、『おやすみなさいのほん』や『もりのなか』、『しずか

なおはなし』といった、古典的現代絵本の翻訳のことばたちでした。

 『ぐりとぐら』を読んだときは、何なんだいったい、と呆れました。ご存じのよ

うに、ねずみがかすてらを作る話なんですがね。森の中の卵からかすてらまでつっ

走ってゆく展開です。獰猛な欲望がうずをまいて、現実の秩序からどんどん離れて

いってるのに、ねずみはうれしそうにかすてらを焼いてるという、その外し方が凄

い。ちぐはぐな(ように見える)絵にも圧倒されました。とにかく頭の中のものを

表現したい、という作者の意図がギラギラしていて。

 『ジャリおじさん』にも仰天しました。これは、求道のものがたり、わたしはそ

う読んだ。でもジャリおじさんは、かみさまを見そびれたのです。求めて出ていっ

たのに得られない、行きっぱなしで戻らないというお話にも、心が揺さぶられまし

た。その上、絵の力に否応なしにひきずられてしまう。ここにも獰猛な欲望(描き

たい、語りたい)がある。それを子どもという本来獰猛な人々と共有しようという。

現代の表現としてこれ以上望むものはないと思った次第です。



★『あーあった』(「こどものとも年少版」260号)現在品切れ

  伊藤比呂美 作/牧野良幸 絵

  

★『なっちゃんのなつ』(「かがくのとも」414号)現在品切れ

  伊藤比呂美 文/片山健 絵



★『もりのなか』

  マリー・H・エッツ 文・絵/間崎ルリ子 訳 定価945円





★『おやすみなさいのほん』

  M・W・ブラウン 文/ジャン・シャロー 絵/石井桃子 訳 定価1050円





★『しずかなおはなし』

  マルシャーク 文/レーベデフ 絵/内田莉莎子 訳 定価840円





★『ぐりとぐら』

  中川李枝子 文/大村百合子 絵 定価780円





★『ジャリおじさん』

  大竹伸朗 作 定価945円





伊藤比呂美(いとう・ひろみ)

1955年、東京生まれ。詩人、作家、エッセイスト。『ラニーニャ』(新潮社)で、

野間文芸新人賞受賞。その他、著書は、『良いおっぱい悪いおっぱい』(集英社文

庫)、『ミドリノオバサン』(筑摩書房)、『レッツ・すぴーく・English』(岩

波書店)など多数。10年ぶりの詩集『河原荒草』(思潮社)で、第36回高見順賞受

賞。アメリカ在住。

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《5》2月の新刊のご案内

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《2月1日(火)出荷開始》

★『こんにちは おてがみです』

  中川李枝子・山脇百合子、こいでやすこ、さとうわきこ、加古里子、富安陽子

・降矢なな、カズコ・G・ストーン、筒井頼子・林明子、村山桂子・堀内誠一、佐

々木マキ、スズキコージ、にしむらあつこ 作 定価1680円



「こどものとも」50周年の記念出版。「ぐりとぐら」「だるまちゃん」「ばばば

あちゃん」などから読者への手紙が10通入ってる!



★『鬼の首引き』

  岩城範枝 再話/井上洋介 絵 定価1260円



鬼の娘が初めて人を食べる「お食い初め」。その餌食となった若者が、食われまい

と策を労する機転とかけひきのおかしさ。



《2月8日(水)出荷開始》

★『リゴーニ・ステルンの動物記』

  マーリオ・リゴーニ・ステルン 作/志村啓子 訳/X・ドゥ・メーストル 絵 

定価1470円



本書は、作者の故郷、北イタリアの森にすむ野生動物や人びとと共に生きる動物た

ちの物語など、19編が収められた短編集です。





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《6》書籍編集部だより

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☆絵本・童話・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお

届けします。今月は童話編集部です。



◎童話編集部から



 2月と3月に動物を描いたすばらしい作品が出る(注)ので、動物が印象的な作

品の話をしたい。まずは『少年動物誌』。少年と動物たちとの、ときには残酷でさ

えある濃密な交流がまざまざと描かれている。サルの研究者、動物学者として知ら

れる著者がまぎれもない詩人であることを証明した名作。とにかくお読みください。

 つぎに『山のトムさん』。開拓村でのあまりのネズミの被害に、初めて猫を飼っ

た一家の物語。手のひらにのるほど小さかったトムがはじめてネズミを獲った時の

様子、病気になったときの心配……、猫と同居する人間の喜怒哀楽がじつにうまく

描かれている。石井さんの上質のユーモアがあふれていて、ぼくがいちばん好きな

作品。「現場カントク」(トムが人間の仕事をじっと見ているときの呼び名)など、

我が家の猫にも使っている。

 『フクロウ物語』はモリフクロウと少年の物語。少年の家は「野生動物リハビリ

センター」で、野生動物を自然に返す仕事をしているのだが、ボズと名づけられた

フクロウの世話をするうちに遭遇したトラブルがユーモラスに語られる。何しろボ

ズと後からきたオーリーが魅力的で、一緒に暮らしてみたくなってしまう。

 『箱船にのった鳥たち』は野鳥病院の記録なのだが、入院した鳥たちの個性が生

き生きと語られていてじつにおもしろい。たとえばケアシノスリという種類のタカ

のエピソードなど、ここでくわしく説明したいのだが長すぎる。動物好きのかたに

は絶対おすすめです。



(注)

・『リゴーニ・ステルンの動物記-北イタリアの森から』―2月8日配本予定

  マーリオ・リゴーニ・ステルン 作/志村啓子 訳/X・ドゥ・メーストル 絵 

  定価1470円



・『オホーツクの十二か月-森の獣医のナチュラリスト日記』―3月15日配本予定

  竹田津実 文・写真 定価2310円



★『文庫版 少年動物誌』 

  河合雅雄 作/平山英三 画 定価735円





★『山のトムさん』

  石井桃子 作/深沢紅子 絵/ 定価1575円





★『文庫版 フクロウ物語』 

  M・バケット 作/松浦久子 訳/岩本久則 画 定価735円





★『箱船にのった鳥たち』(文庫版も在庫有り) 

  キャット・チャブ 作・絵/黒沢優子 訳 定価1680円







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《7》「こどものとも」創刊50周年記念ブログ公開中

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 月刊絵本「こどものとも」は、たくさんの皆様のおかげをもちまして、今月発売

の3月号で600号、創刊50周年を 迎えます。それを記念して、現在「こどものとも」

創刊50周年記念ブログを公開しています。

 内容は、この50年に刊行した「こどものとも」600点と「こどものとも年中向き」

200点のバックナンバー全点の表紙と かんたんな内容を、1週間に1年分ずつ紹介

し、毎回その刊行当時のことを知る方々によるエッセイを掲載しています。毎週金

曜日に公開し、50週間、約1年で50年の歴史をたどることになります。

 今週金曜は、1985年度分を公開。『おかえし』や『めっきらもっきら どおんど

ん』などが登場します。これまでに公開された分を、年度ごとにまとめて見たり、

エッセイだけを読んだりすることもできるようになっています。

 ブログですから、コメント、トラックバックを利用してたくさんの皆さまから、

思い出や感想をお寄せいただいています。もちろん現在のホームページのトップか

らもご覧いただけるようになっていますので、どうぞご覧ください。



★「こどものとも」創刊50周年記念ブログ







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《8》2006年度月刊誌のパンフレットができました

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  「こどものとも0.1.2.」から「母の友」まで、月刊誌全9誌の2006年度のラ

インナップを掲載したパンフレット「月刊絵本のたのしみ」(2006年度版)ができ

ました。ご希望の方には無料でお送りいたします。

 こちらからお申込みください。



★パンフレットのお申込み







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定価はすべて消費税5%込みの価格です。



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◆発行:株式会社福音館書店 宣伝部宣伝企画課

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