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  ★あのねメール通信~福音館書店メールマガジン2006年8月2日 Vol.57  ★
              

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         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆

《1》 連載:絵本 一方的思い入れのよろこび 5  片山健
《2》 月刊誌最新号<9月号>のご案内
《3》 月刊誌編集部からこんにちは
《4》 ユニークな科学の授業をしている村中李衣さんのエッセイ
《5》 8月の新刊のご案内
《6》 書籍編集部だより
《7》 「こどものとも」絵本の世界展のご案内


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《1》連載:絵本 一方的思い入れのよろこび 5  片山健
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◎『だいちゃんとうみ』太田大八 作

 夏が好きだ。むろんどの季節にも魅力があり、イヤなところがある。夏も例外で
はない。でも冬になると普通は「春遠からじ」だけど、いまだに私は「早く夏がこ
ないかなー」なんて思っている。
 一昨年の記録的な猛暑の夏も、私は子どもの頃の夏休みのようだと思って、くる
日もくる日もバカみたいに喜んでいたのだ。自宅仕事部屋にはエアコンがなく、窓
を開け放って汗だくになったらシャワーを浴びては仕事をするのが痛快だった。室
内の寒暖計が40°Cを越えれば愉快で妻にその話をして、今、室内に居て熱中症に
なるお年寄りが増えているのを知らないのかと叱られたのだった。
 こういうわけだから、記憶の中の子どもの頃の夏は光り輝く特別の季節で、しか
も年令とともにその輝きを増しているのだ。おそらくだれかさんが記憶の中のなけ
なしのちっぽけな宝石に、常に磨きをかけているのだろう。
 『だいちゃんとうみ』は大きな大きな宝石だ。1918年生まれの太田大八さんの黄
金時代、小学生のだいちゃんが夏休みに長崎の大村湾で、いとこのこうちゃんたち
とすごした「終わりのない夏」の一日。
 14年前、この絵本に魅了された私は、絵本の後見返しの地図を見ながら「だいち
ゃんの夏」をさがし歩いたことがある。道々とにかくうれしくて、見えるもの、聞
こえるもの、感じるものすべてが喜びとなった。そして絵本の冒頭の場面、朝まだ
きの空の下、だいちゃんとこうちゃんが旋回しながらかけおりた坂道を、わたしも
ゆっくり下ることができたうれしさ。
 夜明けにえいぞうさんが船をつけた石組の船着き場を見つけた時の感激。船着き
場は石と石の間をコンクリートで固め、足もとは平らになっているが、私はうれし
くて長い間そこに座っていた。すると郵便配達の人がバイクを止めて、私の横に座
って話しかけてきたので、私が今ここにいるわけを話すと、なんとその人は『だい
ちゃんとうみ』に大変思い入れのある人で、あの坂道をバイクで下る時など、かけ
おりるだいちゃんに自分を重ねているのではないかと思わせるほどの熱のある話し
ぶりだった。
 その後私は、だいちゃんたちが“みなめし”を食べたところに行きたいと思い、
絵本を広げたまま行ったりきたりしたが、海沿いの様子が変わっていて見つからな
かった。疲れてあきらめかけた時、沖に見える小さなふたつの島と太陽の傾いてい
く方向に気がつき、このあたりに違いないと思われるところにたどり着いた。ここ
でも私は長い間海を眺めて放心し、いつの間にか眼の前に、ふんどし姿で海に飛び
込むだいちゃんを見ていて、それがいつの間にかうちの子のふんどし姿になってい
たりして幸せな時間だった。
 おそらく太田さんの記憶の中の大村湾の夏も、年令とともに輝きを増していき、
一番輝きを放っている時に絵本になったに違いない。ただ太田さんが凄いのは、こ
れだけの宝石を前にして決してほしいままにならないところ。その宝石の輝きを無
闇に溢れさせ、乱反射させるようなことをしていないのだ。むしろ輝きを黒く力強
い線できびしい造形の中に封じこめ、いたずらに外に洩らさないようにしているよ
うなのだ。こうして太田さんは「だいちゃんの夏」を不滅のものとしたのではない
だろうか。
 蛇足ながら、船着き場の夏の明けはじめの空はこの上なく美しい。私はいつもこ
の空に見入ってなかなか先へ進めない。色は押さえに押さえてあるのに、今日も暑
くなるぞと予感までさせる美しい夏の朝。このような空を内に持っているだけで、
人は生きていけるのではないだろうか。

★『だいちゃんとうみ』
  太田大八 作・絵 定価840円


片山健(かたやま けん)
1940年生まれ。絵本作家として多数の絵本を制作しています。主なものに『どんど
んどんどん』(文研出版)、『大きい川小さい川』(ほるぷ出版)、『でんでんだ
いこいのち』(今江祥智 文、童心社)、『きつねのテスト』(小沢正 文、ビリケ
ン出版)、『おやすみなさいコッコさん』『おなかのすくさんぽ』『タンゲくん』
(以上、福音館書店)などがあり、単行本として『わたしの遠足日記』(晶文社)
があり、画集には『いる子ども』(パルコ出版)などがあります。


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《2》月刊誌最新号<9月号>のご案内
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☆月刊誌最新号<9月号>は、発売中です。

◇◆こどものとも0.1.2.『みんな こんにちは』
               にごまりこ 作 定価410円          ◇◆

猫がやってきて「こんにちは」とあいさつをします。続いて犬、ペリカン、熊も、
「こんにちは」とあいさつをします。

◇◆こどものとも年少版『さかなまちいき でんしゃ』
            乾千恵 文/西村繁男 絵 定価380円       ◇◆

タコがお祭りの音色に誘われて陸に上がり、街中に。ところがいつしか迷子に。で
も「さかな町行き」電車に乗ってぶじ帰れました。

◇◆こどものとも年中向き『くじらのあかちゃん おおきくなあれ』
             神沢利子 文/あべ弘士 絵 定価380円     ◇◆

ザトウクジラのおかあさんと、そのそばで一生懸命育っていくクジラのあかちゃん
の、愛情あふれるお話です。

◇◆こどものとも『くぬぎむらのレストラン』
         カズコ・G・ストーン 作 定価410円         ◇◆

くぬぎの木に住むクワガタムシ、カブトムシたちの開くレストラン。なぜかお客さ
んがきません。甘くておいしいレストランの話です。

◇◆ちいさなかがくのとも『しょぽろしょぽろ まちのかわ』
             小野寺悦子 文/荒川暢 絵 定価380円     ◇◆

町の中を流れる川。晴れの日の川、雨の日の川、川はいろんな表情を見せます。そ
して、いろいろな音を聞かせます。

◇◆かがくのとも『ぼくは すすき』
         細川剛 作 定価410円                ◇◆

川原の一株のすすき。季節や天候、時刻によってさまざまに表情を変えるすすきの
一年を追った写真絵本です。

◇◆おおきなポケット かがくのポケット「このあなくぐると どうなるの?」
              宇田敦子 作/小野田裕士 撮影 定価770円  ◇◆

穴をくぐると、そこはべつの世界。さあ、勇気を出してくぐってみよう。他に、た
のしい物語が2編。

◇◆たくさんのふしぎ『ポスター』
           U.G.サトー 作 定価700円           ◇◆

昔と今の世界のポスターを、クスッと笑いながら見ていくうちに、「絵でメッセー
ジを伝える」ことのおもしろさがわかります。

◇◆母の友 特集「今日の献立、どうしよう?」 定価530円        ◇◆

毎日の家族の食事作りに頭を痛めていませんか。負担に感じるわけや、家庭料理の
意味を問い直すなかで、どう変えていけるか考えます。

★こちらから「母の友」9月号の目次をご覧いただけます。



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《3》月刊誌編集部からこんにちは
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☆毎月交代で、月刊誌の編集部から読者の皆様にむけたメッセージをお届けしてい
ます。今月は「おおきなポケット」編集部です。“「母の友」編集室の窓から”も、
毎月、このコーナーに掲載します。

◇◆おおきなポケット編集部から◇◆

 この間、「N響アワー」というTV番組を見ていたら、評論家の立花隆さんが興
味深い話をしていました。
 立花さんの読書量の多さは有名ですが、旅に出かけた数の多さも生半ではなく、
訪れた国を数えるより、行っていない国を数えたほうがはやいほどだそうです。
 そんな立花さんが旅の楽しさを聞かれて、「人間というのは、身体全体が精巧に
できたセンサーなんです。そのセンサーを丸ごと旅先に運んで、その地域のすべて
を感じ取り、刺激を受ける。それが楽しいんですよ」と語っていたのです。
 うーん、なるほど。確かに、どんなに懇切丁寧に作られたTVの旅番組を見てい
ても、なにかもの足らないような気がしてもどかしく思うことがあるが、それはそ
ういうことなのだ、旅先で私たちは現地の建物や建物が切り取る空などの視覚的な
ものだけでなく、その地独特の空間や空気、そこに生活する人々から発散される臭
いまで、身体全体のセンサーで感じている、それはテレビの画面が決して発し得な
いもので、我々も感じることができるはずがない……。
 旅は空間への、つまり横軸への移動ですが、縦軸、つまり時間を遡る場合、その
センサーはどう働くのでしょうか。
 そこで、今月の「おおきなポケット」9月号「かがく」のページを開いてみてく
ださい。「このあなくぐると どうなるの?」です。
 皆さんは子どもの頃、食パンのまん真ん中に人差し指を突っこんで、ぐるぐる回
したことありませんか?
 あの、穴をあける時の感触─ふんわり柔らかい弾力があるけれど、押すと一瞬グ
ッと押し返してくる抵抗感があり、その後ブツッと穴が開く─あの独特の感触は、
なんといいあらわしたら的確なのでしょうか。
 私ももちろん子どもの頃以後やったことはありませんから、その感触を経験した
のは数十年も前のことですが、「このあなくぐると どうなるの?」の食パンの写
真を見ていると、その時の感触が時間を超えて鮮やかに甦ってきます。私たちの全
身センサーは、時間を遡ってもしっかり働いてくれるようです。
 考えてみると、子ども時代に身体で触れたモノの感触は、ずいぶん記憶を豊かに
してくれているのですね。真夏の日差しに焼けた鉄棒、お尻が心地よく収まるすり
へったブランコ、不均一なザラザラ感のあるトンボの羽、ごわっとして独特の臭い
のある緑の蚊帳……そんなことなど思い巡らせて、今月の「ポケット」をお子さん
と楽しんでいただければ幸いです。

★こちらから「おおきなポケット」9月号をご覧いただけます。



◇◆「母の友」編集室の窓から◇◆

 今月の特集のタイトルは、「今日の献立、どうしよう?」です。毎日の食事作り
は、やはり大変。献立がパッと決まることもあれば、「どうしよう」と、時計をに
らみつつスーパーをうろうろということも、みなさん、経験があるのではないでし
ょうか。
 日本は和洋中の料理が生活の中に入り込み、しかも、家族の舌もぜいたくになっ
て、これさえ作っていればいい、というわけになかなか行きません。
 でも、発想を変えましょう。家庭で定食屋の日替わり料理を作る必要はないんで
す。平凡であることこそ、家庭料理の良さ、というのは、今月お話をうかがった料
理研究家の池上保子さんの言葉。そこから出発すれば、献立で悩むことも減るはず
です。子どもは、離乳食のころから、手をかけすぎないシンプルな味に慣れさせて
おきましょう。
 そんなアドバイスをご紹介します。

★こちらから「母の友」9月号の目次をご覧いただけます。



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《4》ユニークな科学の授業をしている村中李衣さんのエッセイ
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   科学する心と、科学の絵本
                        村中李衣

 4月半ば、運動靴をはいた上にさらに古靴下をはき重ね、子ども学部の学生60名
が近くの山々を自由散策しました。
 「今日は“私の野原”をつくります」としか告げられていなかった学生たちは、
なんのことかわからずに、それでも野を駆け回る楽しさに屈託なく笑い声をあげて
いました。
 さて、キャンパスに戻ってきてから、ひとりずつの植木鉢に、はいていた靴下を
埋めるよう指示すると、「え~、まじ!」「靴下ごとぉ?」「こんなんで、芽がで
るん?」。そしてなかには、「“私の野原”っていうから、自分たちで好きな野の
花とか草とか摘んできて、フラワーアレンジメントみたいなのするんかと思った」
と不満げな学生も。
 「自分の鉢に芽が出たらスケッチして、提出してね」というと、いっせいに「先
生、何日で芽が出るんですか?」。私はにっこり笑って「さぁねぇ、それはわから
ないわ」。
 そうはいったものの、靴下を植木鉢に植えるというこのアイディア、知り合いの
保育士さんに教わったもので、実際にやるのははじめてだったから、本当にうまく
いくかどうか、翌日からそわそわと落ち着きませんでした。いつまでも、どの植木
鉢からもなぁ~んにも出なかったらどうしよう。いざとなったら、夜中に雑草を植
えつけようかとまで……。
 ところが3日目のお昼には、もういくつかの植木鉢からちいさな緑色の芽がちょ
ろちょろ。そして夕方には、また新しい芽がぱらぱらと。そのちいささとしっかり
した色ぐあい、ひとつひとつの芽のかたちの違い、成長の速さに驚きの連続。踏み
つけられても、という人間の感傷を越え、踏みつけられることで種を運んだ雑草た
ち。眼で選び手で摘み取ることでしか「私の選択」はないという既成概念を打ち砕
かれ、足で選ぶこと、足で運ぶことを覚えた学生たち。

 「うちらの“見てる”“知ってる”は、あてにならんのやねぇ。見えてると思っ
た瞬間に、なんかもう、なんかだめなんやねぇ」とつぶやいた学生。いかに“見え
ていない”か、いかに“知らない”かから、世界と自分との関係を見直し、自分を
拓いていくことができればいいなと思いながら、いっしょに甲斐信枝さんの『雑草
のくらし』を読みました。

 また、ある学生は「今まで、なんにも考えずにちゃんとした植物と雑草というふ
うに区別してたけど、このくくりかたって、変ですよね。雑草なんて名前の草はな
いんだもん」。そこで、いっしょに『みんなおなじ でもみんなちがう』(奥井一
満・文/得能通弘・写真/小西啓介・AD「かがくのとも」394号*)と『みんな
うんち』(五味太郎・作)を読みました。

 「先生のいうとおり、ぼくの歩いた道に育った雑草以外の芽は、ぼくの植木鉢に
育たないけど、それでも完全に僕の歩いた野原を再現することは、やっぱり無理で
す」と真剣に伝える学生もいました。そこで、還元性について考え直そうと、『も
とにもどす』(かみやしん・作/泉水寛人・写真「こどものとも年少版」248号*)
をいっしょに読みました。

 またまた別の学生は「私の植木鉢、芽が出るの遅かったやろ。国語で習った“芽
が出ない”ってことば、パッとしないって意味だとしか思ってなかったけど、こん
なに息苦しくやりきれない気持ちも含んでたんだね」。そこで、世界を自分の身体
をくぐったことばでつなぎなおしてみるべく、『からだのみなさん』(五味太郎・
作)を読みました。

 他にも「雑草の一週間とおれらの一週間とは、流れよる時間の質がちがうんじゃ
ないのか?」と問い始めた学生には 『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』(本川
達雄・文/あべ弘士・絵)などなど、たったひとつの試みで科学の絵本との出会い
はどんどんひろがっていきました。

 近頃の科学の絵本をばんばん読んで、世界のなりたちを学ぼうとする幼児教育の
気負いを、ちょっとちがうんじゃないかなと思っています。むしろ、疑問や発見、
居心地の悪さやむずむずした感じ、ぼんやりとした違和感、そんなものがひとりず
つのなかにうごめいて、初めて科学の絵本に受容され、世界との交わり方、オーダ
ーメイドの通路もできてゆくのではないでしょうか。
 科学の絵本とは「ここに科学があります」という科学のありかではなく、生きて
いく限りやむことのない問いの、本日ただ今の受けとめ場所、いわば「科学するこ
ころの一時預かり所」みたいなものだと、私は考えています。
 これから新しく迎える季節のなかで、小さな植木鉢のなかから、どんな世界の不
思議が顔を出していくのか、どんな科学絵本とコラボレーションしていくのか、そ
の発見や驚きのものがたりを想う時、どきどきするほど科学の自由を感じずにはい
られません。
                   (*印は、現在、在庫のない本です。)


★『雑草のくらし』
  甲斐信枝 作 定価2415円


★『みんなうんち』
  五味太郎 作 定価880円


★『からだのみなさん』
  五味太郎 作 定価880円


★『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』
  本川達雄 文/あべ弘士 絵 作 定価1365円


村中李衣(むらなか りえ)梅光学院大学教授 児童文学者
1958年山口県生まれ。筑波大学卒。絵本『かむさはむにだ』『小さいベッド』(以
上、偕成社)『うんこ日記』(BL出版)『とうちゃん、おかえり』(ポプラ社)
の他、『子どもと絵本を読みあう』『お年寄りと絵本を読みあう』『絵本の読みあ
いからみえてくるもの』(以上、ぶどう社)などで、子ども、老人と絵本の関係を
探っています。


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《5》8月の新刊のご案内
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8月の新刊はございません。

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《6》書籍編集部だより
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☆絵本・童話・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお
届けします。今月は童話編集部です。

◎童話編集部から

 「松岡享子さんこんにちは、がんばれヘンリーくんをやくしてばかりいないでい
そいでくまのパディントンをやくしてください。おもしろくておもしろくてやめら
れません。はやくあと7さつともやくしてください。松岡享子さんはやくはやくや
くしてください。はやくあと7さつみんなよみたいからはやくしてください。さよ
うなら」
 なんとも迫力のある催促の手紙ではありませんか。差出人は「二年三組田中たく
治」。久しぶりに出たパディントンの新刊の共訳者である田中琢治氏が36年前に書
いた手紙です。
 このかわいらしい手紙の書き手が、いったいどうして共訳者となったのか、まあ、
お聞きください。この手紙に大喜びした松岡さんは「琢治くん」に返事を書き、お
ふたりは文通を続けたのでした。
 その後、松岡さんは、現在では4児のお父さんとなってカナダに住んでいる田中
さんを訪ね、そのときに田中さんは、新刊がちっとも出ないのに業を煮やし、自分
で翻訳してワープロで打ち、製本した私家版のパディントンを松岡さんに贈ったの
です。ぼくがパディントンの新刊のお願いで松岡享子さんのお宅を訪ねたとき「こ
んなものが」と見せてくださったのが、じつにこの私家版の本だったのです。
 お父さんになっても田中氏のパディントン好きは変わらなかったのですね。とい
うわけで、36年前のかわいい愛読者と松岡さんの共訳が実現しました。シリーズを
長く続けていると不思議なことがあるものです。今度の新刊で、また「はやくはや
く」の読者ができるとうれしいな。


★『パディントン 街へ行く』
  田中琢治・松岡享子 訳/P・フォートナム 画 定価630円



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《7》「こどものとも」絵本の世界展のご案内
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ぐりとぐらのともだちあつまれ!
「こどものとも」絵本の世界展
会期:2006年7月28日(金)~8月20日(日)
会場:札幌西武ロフト7階 五番舘赤れんがホール
北海道札幌市中央区北4条西3丁目
開催時間:10:00~20:00(最終日は17:00まで)
入場料:中学生以上800(600)円、小学生450(300)円、幼稚園以下無料
*( )内は、前売り及び10名以上の団体料金
お問い合わせ:札幌西武 TEL011-251-0111(大代表)
◇「ぐりとぐら」のたまごの車や「はじめてのおつかい」の筒井商店も再現される
楽しいスペースです。

創刊50周年みんなのともだち
「こどものとも」の絵本展
会期:2006年7月13日(木)~8月31日(木)
会場:姫路市立美術館
兵庫県姫路市本町68-25
開催時間:10:00~17:00
入場料:一般700(500)円、大学・高校生500(400)円、
中学・小学生200(100)円
*( )内は前売り及び20名以上の団体料金
お問い合わせ:姫路市立美術館 TEL 079-222-2288
◇8月20日(日)には福音館書店「こどものとも」編集長・作田真知子による講演
会「『こどものとも』ができるまで」も行なわれます。創刊号『ビップとちょうち
ょう』や『ぐりとぐらのかいすいよく』など、約270点もの原画が展示されます。

こいでやすこの「絵本原画」と「こどものとも」の歩み展
会期:2006年7月15日(土)~8月27日(日)
会場:いわき市立草野心平記念文学館
福島県いわき市小川町高萩字下夕道1-39
開催時間:9:00~17:00(土曜日は20:00まで)
入場料:一般420(330)円、大学・高専・高校生310(250)円、
中学・小学生150(120)円
*( )は20名以上の団体料金
お問い合わせ:いわき市立草野心平記念文学館 TEL 0246-83-0005
◇福島県須賀川市出身のこいでやすこさんの作品『おなべおなべ にえたかな?』
『もりのひなまつり』などの原画展示のほか、「こどものとも」復刻版100冊、傑
作集130冊を実際に手に取って読むことが出来る展覧会です。

第3回おかやま絵本原画祭
スズキコージのえほん村
会期:2006年8月19日(土)~27日(日)
会場:岡山大学創立50周年記念館
岡山市津島中1-1-1
開催時間:10:00~17:00(最終日は15:00まで)
入場料:村民パスポート 大人800(600)円、子ども600(400)円
*子どもは、4歳~18歳。3歳以下は無料。( )内は前売り。
お問い合わせ:おかやま絵本原画実行委員会 TEL&FAX 086-243-0399


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