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 ★あのねメール通信~福音館書店メールマガジン2007年1月10日 Vol.62  ★
              

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         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆

《1》 連載:絵本 一方的思い入れのよろこび 10  片山健
《2》 月刊誌最新号<2月号>のご案内
《3》 月刊誌編集部からこんにちは
《4》 話題の『ふしぎなロシア人形バーバ』の訳者、多賀京子さんのエッセイ
《5》 1月の新刊のご案内
《6》 書籍編集部だより
《7》 原画展のお知らせ


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《1》連載:絵本 一方的思い入れのよろこび 10  片山健
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◎『かあさんのいす』
◎『ほんとにほんとにほしいもの』
◎『うたいましょうおどりましょう』
        ヴェラ・B・ウィリアムズ 作・絵/佐野洋子 訳

 上記3冊の絵本はおそらく作者の少女時代の数年間を題材にした3部作で、1作
目の『かあさんのいす』(原書1982年、アメリカ)が日本で出版されたのは1984年
なのに、2作目の『ほんとにほんとにほしいもの』は1998年(原書1983年)、3作
目の『うたいましょうおどりましょう』は、1999年(原書1984年)と、2作目の日
本語版がでるまで14年もかかっている。
 私は1984年に『かあさんのいす』をたまたま書店で見て感動し、2作目、3作目
は原書で読んだ。というのは、真っ赤な嘘で、編集を担当した女性が私の感動を知
って自ら訳をつけた2冊を貸してくれたのだった。「2作目、3作目は出版の見込
みがない」と悲しみながら。
 『かあさんのいす』は、火事で家を失い狭いアパートにつましく暮らす母と祖母
と娘(語り手のわたし)がかあさんのために大きな椅子を買う話。何も語られない
が父親はいない。3人は大きなびんに毎日少しずつ、余ったこまかいお金を入れて
いる。びんがいっぱいになったらそのお金で、一日の立ち仕事で疲れて帰ってきて
も、まともに体を休める椅子もない母親のために、ピンクのバラの模様がついたビ
ロード張りのふわふわしたすごく大きい椅子を買うことを夢見て。そして貧しくて
も親切な周囲の人々に助けられながら、とうとう椅子を手にするまでが語られる。
ラストの大きな椅子に包まれてくつろぐ母親に抱かれてわたしが眠るシーンは感動
的だ。
 とにかく絵がすばらしい。幼い日の幸せの思い出そのままに、どんな隅々の小さ
なものにまでも喜びといつくしみの光が当てられて輝くばかりに美しい。私にとっ
てはこの絵本のいかなる部分もすべて宝石である。
 『ほんとにほんとにほしいもの』は、前作から2年ほど経過しているのだろうか。
幸せと喜びの象徴だったバラの模様の椅子はココアのしみなどついて、もうそんな
に新しくないことが語られるが、部屋は質素ながら気持ちよく片付けられていて、
例の大きなびんには半分ほどのお金がたまっている。今回は、このびんのお金で間
近に迫ったわたしの誕生日のプレゼントを買ってもらえることになる。
 ところがおばあちゃんの「ほんとにほんとに好きなものを買うんだよ」という声
に送られて、かあさんとわたしは喜びいさんで町に出たのに、そのあと意外な展開
となってしまう。どのお店に行っても、かあさんがお金を払う段になると、「あの
びんを空っぽにするほど欲しいのかしら」と自問してしまうのだ。もう無邪気なだ
けではいられなくなっているわたしは、結局何も買うことができず泣き出してしま
う。
 このあと、かあさんとかあさんの同僚のジョセフィンの暖かい言葉に後押しされ
て、わたしが自分の中の血や天啓に導かれるように「ほんとにほんとにほしいもの」
にたどりつくエピソードがすばらしい。説明を超えたリアリティーと説得力がある。
 『うたいましょうおどりましょう』は、その「ほんとにほんとにほしいもの」で
病気のおばあちゃんを、まわりの人々をもやさしく力づけてゆき、わたし自身も力
づけられ成長してゆく話。
 ところで物語の中ほどに、わたしが仲よし少女3人と朝から楽器の練習をしてい
ると、アパート1階の窓が開いてランニングシャツを着てずんぐりむっくり、スキ
ンヘッドにぎょろ目のオッサンに、夜勤から帰ってこれから寝るんだ。どこかほか
でやってくれるようにいわれ、少女たちがまずかったという表情で顔を見合わせる
シーンがあって、やはり夜勤をやっていたことのある私は(夜勤はつらい)、この
見開きページのリアリティーにおおいに思い入れをして、いつの間にかこの本で一
番印象的な絵となっていた。そして講演会で何度かこのエピソードの話をして、白
板(?)に絵を描いたこともある。
 ところが2000年頃、ある図書館でこの話をしているとき、司書の女性が突然「そ
の本でました!」といって、私のもとまで持ってきてくれた。さっそく皆さんにそ
の場面を見てもらおうと思ったが、いくらページをめくってみてもそんな絵はなく
て立ち往生したことがある。どうやら長い間に私の過剰な思い入れがデッチ上げた
妄想だったらしい。外から見ると窓の内側の男はランニングシャツのお腹から下は
見えないが、私にはその男が縦縞のパンツをはいていることまでわかっているのだ
が。

★『かあさんのいす』
  ヴェラ・B・ウィリアムズ 作・絵/佐野洋子 訳、あかね書房、定価1427円
★『ほんとにほんとにほしいもの』
  ヴェラ・B・ウィリアムズ 作・絵/佐野洋子 訳、あかね書房、定価1365円
★『うたいましょうおどりましょう』
  ヴェラ・B・ウィリアムズ 作・絵/佐野洋子 訳、あかね書房、定価1365円

片山健(かたやま けん)
1940年生まれ。絵本作家として多数の絵本を制作しています。主なものに『どんど
んどんどん』(文研出版)、『大きい川小さい川』(ほるぷ出版)、『でんでんだ
いこいのち』(今江祥智 文、童心社)、『きつねのテスト』(小沢正 文、ビリケ
ン出版)、『おやすみなさいコッコさん』『おなかのすくさんぽ』『タンゲくん』
『もりのてがみ』(片山令子 文)(以上、福音館書店)などがあります。単行本
としては『わたしの遠足日記』(晶文社)があり、画集には『いる子ども』(パル
コ出版)などがあります。


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《2》月刊誌最新号<1月号>のご案内
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☆月刊誌最新号<1月号>は、発売中です。

◇◆こどものとも0.1.2.『かん かん かん』
       のむらさやか 文/川本幸 制作/塩田正幸 写真 定価410円 ◇◆

かん かん かん…と警報が鳴り、遮断機がおりてきました。不思議な音を立てて、
不思議な生き物が乗った列車がやってきます。

◇◆こどものとも年少版『おなかがいたい こねずみ』
            征矢清 文/山内彩子 絵 定価380円       ◇◆

お腹が痛くなってお医者さんにいった子ネズミ。お医者さんに温めたホオズキをお
腹に当ててもらって、すっかり元気になりました。

◇◆こどものとも年中向き『バンダさんとゾウ』
             プンニャ・クマーリ 作 定価380円      ◇◆

バンダさんは群れからはぐれたゾウの世話をして、一緒に働けるようになりました。
実際のお話をもとにしたスリランカのお話です。

◇◆こどものとも『まゆとうりんこ』
         富安陽子 作/降矢なな 絵 定価410円         ◇◆

まゆは迷子のうりんこに出会って、すっかりお母さん気分。ごはんを食べさせたり、
眠らせたり。ところがうりんこが行方不明に!

◇◆ちいさなかがくのとも『ぎょうざ ぎゅっぎゅっ』
             長谷川摂子 文/立花まこと 絵 定価380円   ◇◆

小麦粉に水を混ぜてかき回して、こねたり、ちぎったり、丸めたり。ぎょうざの皮
作りは粘土遊びみたいに楽しい。やってみませんか。

◇◆かがくのとも『なみ』
         織田道代 文/叶内拓哉 写真 定価410円        ◇◆

波といえば海の波を思い浮かべます。小波に大波。小麦の穂や藤の花がつくる穂波
に藤波。風がつくる波の世界を詩情豊かに描きます。

◇◆おおきなポケット かがくのポケット「エゾリスの冬」
                  南尚貴 写真・文 定価770円    ◇◆

凍てつく冬。エゾリスは冬眠することなく越冬します。北海道旭山を舞台に、小さ
なエゾリスの勇姿を写真でお届けします。他に楽しいお話が2話。

◇◆たくさんのふしぎ『あみださま大修理』
           宮村田鶴子 文/牧野良幸 絵 定価700円      ◇◆

長い年月をへて、汚れたりこわれたりしているあみださま。修理をする人は、どん
な思いで、どんなふうに修理をするのでしょうか。

◇◆母の友 特集「自信を持てないでいる『貴女』へ」 定価530円     ◇◆

希望に満ちた子育て中のはずなのに、なぜか息苦しい。すべてに気後れしてしまう
……そんな「貴女」に向けて大日向雅美さんが語ります。

★こちらから「母の友」2月号の目次をご覧いただけます。



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《3》月刊誌編集部からこんにちは
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☆毎月交代で、月刊誌の編集部から読者の皆様にむけたメッセージをお届けしてい
ます。今月は「たくさんのふしぎ」編集部です。“「母の友」編集室の窓から”も、
毎月、このコーナーに掲載します。

◇◆たくさんのふしぎ編集部から◇◆

 4月号『ぼくたちのロボット』のご紹介
 「たくさんのふしぎ」2007年4月号はロボットをテーマにした『ぼくたちのロボ
ット』です。テキストは、デビュー作『パラサイト・イブ』で脚光をあびた瀬名秀
明氏、絵はさまざまな本の装丁でおなじみの影山徹氏です。
 人間と同じように歩いたり走ったりするロボットは、今やテレビ・コマーシャル
でもおなじみです。でも、今から30年以上前には、2足で歩くことはもちろんのこ
と、“ロボット”という言葉自体が、漫画かSF小説の中でだけ使われるものでし
た。2足歩行ロボットなど、まじめに研究するようなものではなかったのです。
 その時代に「これからのロボットはどんどん人間社会にとけ込んでいくだろう。
そのためには、人間と同じように2足歩行できるロボットが必要だ」と考え、2足
歩行ロボットの研究を始めたのが早稲田大学の加藤一郎先生です。そして1973年、
世界で初めての2足歩行ロボットができあがりました。2足で歩行し、物を見て判
断し、手でつかみ、人間と会話できる最初のロボット「ワボット1号」です。
 加藤先生の半生を追いながら、ロボットとの未来を考えていきます。そこで見え
てくるキーワードが「心」です。ロボットに心をもたせることができるか? そも、
もたせるべきなのか? その答を知るためには、まずは人間自身の心について考え
なくてはいけません。ロボットを研究することは、人間自身を知ることなのです。

★こちらから「たくさんのふしぎ」をご覧いただけます。



◇◆「母の友」編集室の窓から◇◆

 「まるで出口のないトンネルを迷うような気持ち」という言葉から何を想像しま
すか? これは、社会から取り残されて将来への展望すら抱けないと感じる主婦の
焦りを言葉にしたもので、2月号のインタビューに登場していただいた大日向雅美
さんから伺いました。筆者も、つい先日、取材している最中に全く同じ言葉をある
母親から聞きました。偶然とはいえ、びっくりしました。
 しかしこのことは、とりもなおさず大日向さんの語る内容が今の状況を確かに捉
えている証でもあります。筆者に打ち明けてくれた彼女は、親しい人のいない土地
で必死に子育てし、さらには孤独や焦りとも向き合わなければならず、ひどくつら
そうでした。最後には「子どもは母親の通信簿なのでしょうか」と泣き出してしま
い、ただ黙って聞くしかありませんでした。
 数多くの母親たちから、何度も同じ言葉を聞いてきた大日向さんのメッセージに
は、温かさと厳しさがあります。「出口の見えないトンネルに迷い込んだ人に、一
筋の光明を見い出していただきたい」、そんな思いで記事をまとめました。子育て
は決して無駄な時間をすごしているのではなく、それ自体がキャリアなのです。将
来このキャリアが必ず役に立つときがあります。「貴女も自信を持って」と編集部
からもエールを送りたいと思います。

★こちらから「母の友」2月号の目次をご覧いただけます。



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《4》話題の『ふしぎなロシア人形バーバ』の訳者、多賀京子さんのエッセイ
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   きらめく一瞬 ―まるで魔法のように
                           多賀京子

 「子どもたちは、毎日のあそびや家族との暮らしのなかに〈魔法〉を見いだしま
す。わたしの書く物語は、そこから生まれてくるのです」
 これは幼年童話の名手ともいうべきイギリスの作家ルース・エインズワースさん
(1908―1984)のことばです。エインズワースさんは日本でも『こすずめのぼうけ
ん』(福音館書店)をはじめとする絵本や、幼年童話の作者としておなじみで、現
実に即していながらファンタジーととなりあわせになったような、あたたかい物語
を多くのこしています。
 ところで冒頭のことばですが、たとえば――けんかをしてしまった相手と仲直り
するきっかけがつかめない。でも目と目があったとたん思わず笑みがうかんで、気
がついたらふつうに話をしていた。公園の裸木のかたく結んだ小さな冬芽が、あた
たかくなったと思ったらいっせいにやわらかな緑色に芽吹いた。さがしものが、あ
きらめかけたころ思わぬところから出てきた。もうこの世にはいない大切な人に夢
のなかで再会した。風にのってとどいた花の香りに、ふいにつつまれた――などな
ど、わたしたちの日常には、大なり小なりなんとも不思議に思える、すてきな一瞬
の立ちあらわれることがあります。〈バラやしき〉という人形の家を舞台にした、
この『ふしぎなロシア人形バーバ』のなかにも、願いがかなったときに、「それは、
まほうがかかるってことですの?」と人形のルルがきく場面があります。きっとエ
インズワースさんは、日々のこうしたきらめく一瞬、あるいはそれを生みだすなに
かを〈魔法〉とよび、子どもはその魔法を見すごさないのだ、といっているのでし
ょう。魔法を感じとった子どもの心の弾みは、目のかがやきや笑顔としてあらわれ
ます。しんとした気持ちになれば神妙な顔つきを見せます。エインズワースさんは、
そんな子どもの暮らしのなかから、さまざまなよろこびをすくいとってお話につむ
ぎました。そうして生まれた物語は、当然のことながら多くの子どもの心をつかん
でやみません。
 さて『ふしぎなロシア人形バーバ』は、作家晩年の作品です。短編が多いなか、
めずらしくまとまった分量があります。登場する子ども人形はあくまでも子どもら
しく、いたずらがすぎれば、おとながちゃんとしかります。でもそのおとな人形も、
ときにはどこか〈おとなげない〉ふるまいをしてしまいます。本音たっぷりのユー
モラスな物語で、登場する人形たちは個性豊かです。フランス語も、すこしですが
おぼえられますよ!
 物語は、想像力で本当のことになる――。だから本のなかの知らない世界で、登
場人物たちといっしょに冒険したり泣いたり笑ったりできるのですね。本書は、自
分で読むなら小学校中学年からですが、内容的にはもっと年齢が低くても楽しめま
す。ぜひ小さい子どもたちにも読んでやり、いっしょに楽しんでいただけたらさい
わいです。

★『ふしぎなロシア人形バーバ』
  R・エインズワース 作/J・ヒクソン 画/多賀京子 訳 定価1365円


多賀京子(たが きょうこ)
1955年、岡山県に生まれる。上智大学外国語学部フランス語学科卒。絵本、児童文
学の翻訳家として活躍するかたわら、図書館や小学校で昔話などを語るストーリー
テリングの活動もしている。訳書に『あかいことりとライオン』『水晶玉と伝説の
剣』(以上、徳間書店)、『この湖にボート禁止』『ベスとベラ』(以上、福音館
書店)などがある。神奈川県在住。

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《5》1月の新刊のご案内
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《1月10日(水)出荷開始》
★『お姫様のアリの巣たんけん』
  秋山あゆ子 作 定価1365円

虫好きのお姫さまと5人の友だちが、クロヤマアリの巣を1センチの身長になって
探検します。身近な虫、アリのふしぎな生態をお楽しみください。

★『こんにちは、ビーバー』
  佐藤英治 文・写真 定価1365円

アラスカの大自然に生きるビーバーに魅せられた動物者写真家が、時間をかけ真正
面から向き合い、その生態をいきいきと記録しました。

《1月17日(水)出荷開始》
★『ふしぎなロシア人形バーバ』
  R・エインズワース 作/J・ヒクソン 画/多賀京子 訳 定価1365円

人形の家〈バラやしき〉にやってきたロシア人形のバーバには、みんな驚く秘密が
……。人形たちのにぎやかな毎日を楽しく描いた作品。

《1月24日(水)出荷開始》
★『ニューワと九とうの水牛』
  小野かおる 文・絵 定価11365円

中国桂林の美しい伝説をもとにつくられた絵本です。やさしい文と力強い絵で表現
された世界には、東洋的な美があふれ、人間と自然が調和されています。

★『タンタンのコンゴ探検』
  エルジェ 作/川口恵子 訳 定価1680円

アフリカのコンゴへと向かった少年記者タンタンを待ち受けていたのは、猛獣たち
だけでなく、タンタンを目の敵にする悪人たちの罠だった。


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《6》書籍編集部だより
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☆絵本・童話・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお
届けします。今月は絵本編集部です。

◎絵本編集部から

 渡辺茂男さんのこと

 昨年11月に渡辺茂男さんが逝去されました。78歳でした。渡辺さんは、日本の子
どもの本の発展に言葉に尽くせないほどの貢献をされた方です。『しょうぼうじど
うしゃじぷた』や『どうすればいいのかな?』などの創作絵本、『もりのへなそう
る』などの創作童話、「エルマーのぼうけん」シリーズや『どろんこハリー』など
の翻訳、どれも子どもたちから圧倒的に支持され続けている作品です。
 かつてアメリカの公共図書館で児童図書館員として勤務した体験が、渡辺さんの
その後の仕事を決定づけたといえます。読者である子どもたちと直接向き合うこと
の大切さを肌で感じとったのでしょう。渡辺さんの作品は、創作も翻訳もどれも子
どもの気持ちになりきって書かれています。そして、同時に子どもを温かく見守る
大人の視点がはっきりと感じられます。ですから、渡辺さんの作品は子どもと大人
が一緒になって安心してゆったりとした気持ちで楽しむことができるのでしょう。
 体調を崩されてからも、「きかんぼのちいちゃいいもうと」シリーズの翻訳を楽
しみながらやってくださいました。「本当に面白いですね。子どもの気持ちがうま
く書かれています。それと、まわりの大人たちがいいんですよ。」嬉しそうにおっ
しゃいながら、渡辺さんは、独特のユーモアのある、のびのびとした、気持ちのよ
い訳文を仕上げてくださいました。そんな風に、楽しみながら子どもたちに向けて
のご自身のお仕事を締めくくられました。ご冥福をお祈りいたします。

★『しょうぼうじどうしゃじぷた』
  渡辺茂男 作/山本忠敬 絵 定価780円


★『どうすればいいのかな?』
  渡辺茂男 文/大友康夫 絵 定価780円


★『もりのへなそうる』
  渡辺茂男 作/山脇百合子 絵 定価1365 円


★「エルマーのぼうけん」シリーズ 3冊
  ルース・S・ガネット 作/渡辺茂男 訳/ルース・C・ガネット 絵
   定価各1155円


★『どろんこハリー』
  ジオン 文/渡辺茂男 訳/グレアム 絵 定価1155円


★「きかんぼのちいちゃいいもうと」シリーズ 3冊
  エドワーズ 作/渡辺茂男 訳/酒井駒子 絵 定価各1155円


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《7》原画展のお知らせ
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元永定正 中辻悦子 絵本原画展
「もーやん えっちゃん ええほんのえ」
出品作品 『もけらもけら』『カニツンツン』『よるのようちえん』『まるまる』
     『いろいろしかく』など
開催期間 2007年1月6日(土)~3月11日(日)
会場 伊丹市立美術館 兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20
問合せ先 TEL.072-772-7447
開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 毎週月曜日(ただし祝日は開館、2月6日~9日は臨時休館)
入館料 一般700円(500円)、大・高生350円(250円)、中・小学生100円(80円)
    ( )は団体料金

新春・絵本原画展『こよみともだち』
出品作品 『こよみともだち』(わたりむつこ作 ましませつこ絵)
開催期間 2007年1月10日(水)~28日(日)
会場   教文館6F ナルニア国 東京都中央区銀座4-5-1
問合せ先 TEL 03-3563-0730
時間   10:00~20:00


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