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 ★あのねメール通信~福音館書店メールマガジン2007年5月9日 Vol.66    ★
              

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         ◆◇◆  CONTENTS  ◆◇◆

《1》 連載:絵本と子どもたち―図書館の窓から―(2) 代田知子
《2》 月刊誌最新号<6月号>のご案内
《3》 月刊誌編集部からこんにちは
《4》 話題の新刊『魔女の宅急便 その5』の著者、角野栄子さんのエッセイ
《5》 5月の新刊のご案内
《6》 書籍編集部だより
《7》 原画展のお知らせ


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《1》連載:絵本と子どもたち―図書館の窓から―(2) 代田知子
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 「おとなが一人で読むよりも子どもと一緒に楽しんだ方が何倍も楽しいですよ」
と、私が自信をもってすすめたい絵本。それは、『おかえし』です。歯切れのいい
文章の魅力を活かしたいので、私は少し早いテンポで読むのが常ですが、読むのに
7分ほどかかります。幼児にとっては、ちょっと長いお話になるでしょう。でも、
小学生はもちろんのこと、4、5歳児でも最後まで喜んで聞いてくれます。おまけ
に、子どもたちがところどころで見せる反応がおもしろくてたまりません。
 物語は、きつねの奥さんがたぬきの家にやってきて、「こんど、となりへ こし
てきた きつねです。(中略)これは、ほんの つまらない ものですが……」と
苺を差し出すところから始まります。気をよくしたたぬきの奥さんは「わたしも、
なにか おかえししなくっちゃ……」と、いそいそタケノコをもってきつねの家へ。
ここまでは、子どもの身近によくある光景でしょう。「さきほどは、けっこうなも
のを……」とか、「ほんの つまらないものですが」といった、親がよく使う社交
辞令に子どもたちは敏感に反応し、くすくす笑ったり、「うちのお母さんと同じ」
と教えてくれたり。
 ところが、「おかえし」を受け取ったきつねがそこで止めずに「おかえしの お
かえし」をもっていくところから、話はとんでもない方へと転がり始めます。きつ
ねの奥さんもたぬきの奥さんも、大まじめでおかえしを繰り返し続け、いつまでた
っても終わりません。
 絵をゆっくり見せながら読んでいると、みんながずりずり絵本に近づいてきて、
身をのりだして絵をのぞき込みはじめました。見開きページの右と左に描かれたき
つねの家とたぬきの家には、家具や道具がひとつひとつ丁寧に描かれています。み
んなは、「おかえし」になって違う家に移ったものが何かを確認したり、また、次
に「おかえし」に選ばれるのが何なのかを予想したりして楽しみます。でも、次の
「おかえし」になるものを当てられる子は滅多にいません。だって、この二人の奥
さんときたら、まったく常識外れなおかえしばかりするのですから。テーブルやら、
椅子やら、絨毯やらの、とんでもない「おかえし」を、必死の形相で運んでいく奥
さんの姿に「だめだよ!」と声をあげる子あり、「あげるのは傘にしなってば。あ
ーあ。傘にしとけば良かったのに」と小言をいう子あり。読んでいる最中に、どん
どん声があがります。
 特におもしろいのが、「もう、おかえしにできるものが何もない」と頭を抱えた
たぬきときつねの奥さんが、ついに自分の息子をおかえしにしてしまう場面です。
母親が息子を「ほんの つまらないものですが……」といいつつ誰かにあげちゃう
なんて、ぞくぞくするほど上等なクライマックスだと私は思うのですが、小学校の
低学年に読んでみると、もう、大変です。「ひどい親だ!」「かわいそうじゃない
か!」と本気で怒る子のなんと多いことよ。ぶーぶー文句をいう声を聞きながら、
私は、してやったりの気分で、内心ほくほくと大喜び。これぞ読み聞かせの醍醐味
です。
 じつはここを4、5歳児に読んでみると、小学生とは違う反応を見せてくれるこ
とがあります。ひとつは、息子が「おかえし」になるということ自体が理解できな
いのか、とまどった顔を見せる子ども。もうひとつは、そこまでは笑って聞いてい
たのに、急に悲しそうな顔をする子どもです。幼児には、このひねりのあるユーモ
アは難しすぎ、またこの話をきつねやたぬきの坊やの気持ちになって聞くので、親
が自分を他人にあげてしまうというショッキングなことだけが伝わるからでしょう。
でも、この絵本では、坊やは自分のお母さんとすぐに一緒になれるので大丈夫。彼
らの顔もすぐに明るくなります。
 また、この絵本を読み聞かせていると必ず起きる現象が、「おかえしの おかえ
しの おかえしの おかえしの……」の大合唱。子どもたちは、お話を楽しみなが
ら、この「おかえしの……」の繰り返し文句がくるのを待ちかまえ、それっとばか
りに声をあわせて読みあげます。自然に声にだして読みたくなってしまうのでしょ
う。
 にこにこ笑ってお人好で、いざとなると、「ええい、めんどうだわ」と残りの家
財道具を何もかもリアカーに積み、「おかえし」にしてしまうきつねとたぬきの奥
さんたち。この潔さとあっけらかんとした明るさが私は大好きです。

★『おかえし』
  村山桂子 文/織茂恭子 絵 定価840円


代田知子(しろた ともこ)
1956年、東京に生まれる。埼玉県三芳町図書館勤務。日本子どもの本研究会理事。
図書館司書の仕事とともに、子どもの本の研究と普及活動をしている。図書館員、
教師、保育士などへの研修会講師も努める。著書に『読み聞かせわくわくハンドブ
ック』(一声社)、DVD『絵本・読み聞かせ おうちで実践編1~2』(アスク)な
どがある。


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《2》月刊誌最新号<6月号>のご案内
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☆月刊誌最新号<6月号>は、発売中です。

◇◆こどものとも0.1.2.『まって まって』
              ふくちのぶお 作 定価410円         ◇◆

お散歩中のアヒルさん。するとネコさんがやってきて「おさきに」といって追い越
していきます。一生懸命追いかけるアヒルさんですが……。

◇◆こどものとも年少版『こおりのしまのペンタ』
            鎌田暢子 作 定価380円            ◇◆

南極に棲むペンギンの子ども、ペンタ。1人で歩きだしたペンタを見た両親は、あ
わてて追いかけますが、なかなか追いつきません。

◇◆こどものとも年中向き『みんな くるくる さかのみち』
             東郷聖美 作 定価380円           ◇◆

地球の向こう側の南米ボリビアの町ラ・パスは坂の多い町。そこに暮らす女の子の
目線で坂を登るさまざまな人々が描かれます。

◇◆こどものとも『あかいじどうしゃ よんまるさん』
         堀川真 作 定価410円                ◇◆

赤い年取った自動車の「よんまるさん」が元気なトラックに生まれ変わるまでの物
語。読みごたえのある「のりもの絵本」です。

◇◆ちいさなかがくのとも『うめのみとり』
             市川宣子 文/城芽ハヤト 絵 定価380円    ◇◆

庭の垣根の下に、きれいな緑の実がころんと転がっていました。見上げた木には、
同じような実がいっぱい! さあ、梅の実とりの始まりです。

◇◆かがくのとも『くさいむし かめむし』
         吉谷昭憲 作 定価410円               ◇◆

カメムシって誰でも知っていますね。ああ、あの臭い虫ね。でも、どうしてカメム
シって臭いの? そのわけと生態を克明に描きます。

◇◆おおきなポケット かがくのポケット「やさいの花 くだものの花」
                    増村征夫 写真・文 定価770円 ◇◆

身近な野菜や果物が、とてもきれいな花を咲かせるのを知っていますか? 美しい
写真でその花々を見せていきます。他に楽しいお話が2話。

◇◆たくさんのふしぎ『アリクイサスライアリ』
           橋本佳明 文/稲田務 絵 定価700円        ◇◆

巣をもたず熱帯雨林を移動しながら、わずか2mmの体で他のアリを襲うアリ喰いア
リ。その暮らしを迫力ある絵でご紹介します。

◇◆母の友 特集「『母の友』を読む男たち」 定価530円         ◇◆

「母の友」はやっぱり母のもの? いえ、僕たちも読んでますと、4人のお父さん
が読んだきっかけ、子どもとの日々などを語りあいます。

★こちらから「母の友」6月号の目次をご覧いただけます。



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《3》月刊誌編集部からこんにちは
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☆毎月交代で月刊誌の編集部から読者の皆様にむけたメッセージをお届けしていま
す。今月は「こどものとも第1」編集部です。“「母の友」編集室の窓から”も、
毎月、このコーナーに掲載します。

◇◆こどものとも第1編集部から◇◆

 私たちの編集部では、毎月の「こどものとも」「こどものとも(年中向き)」に
はさまれている付録「絵本のたのしみ」も作っています。
 「こどものとも」の付録では、この4月から、「絵本はステキ!」という新しい
連載がスタートしました。子どもの本の研究者で翻訳者の灰島かりさんが、毎月1
冊の絵本をとりあげて紹介するページですが、今までの絵本の評論とは一味ちがう
ものになっています。
 まず、切り口がとっても新鮮です。例えば『げんきなマドレーヌ』では、「12
人の女の子たちが、みんなマドレーヌに見えるステキさ」、『ぐりとぐら』では、
「見つけたのがふつうの卵300個ではなくて 大きな卵だったことのステキさ」とい
うぐあいで、読み慣れた絵本にも新しい発見がいっぱいです。私たちも、毎月、こ
んどはどの絵本をどんな切り口で見せてくれるんだろう、と楽しみにしています。
語り口も新鮮。たとえば『げんきなマドレーヌ』の瀬田貞二さんの訳文について、
「……香気のただよう日本語で、翻訳者のはしくれの私は『お師匠さまぁぁぁ』と
文章の裾にすがりついて泣きたいほどです(って、どうやるんだろ)」といった調
子で、これまでの評論にはない、気楽なおしゃべりの感覚が、とっても新鮮です。
 8月号は『ジャリおじさん』の「ヘンテコのステキ」です。どうぞお楽しみに!

★こちらから『こどものとも』をご覧いただけます。



◇◆「母の友」編集室の窓から◇◆

 「母の友」という誌名からして、読者は女性ばかり? いえいえ、じつは編集部
には男性からのお便りもよせられます。その男性読者たちに集まってもらい『井戸
端会議』してもらったのが今回の特集。ふだんの日々、子どもへの思いなどを語っ
てもらうなかで、なぜかみんながこだわったのは、風呂の残り湯を洗濯に使うか?
ということ。また、仕事に子育てにと忙しく悩みも多いお連れ合いとの接し方には、
みなさん気を遣っているようです。
 特集のもうひとつは、こどもの「かみつき」。子育て中の人にとっては、身近な
問題ですよね。どういうときに起きるのか、かんでしまったらどうするのか、を考
えていきます。
 好評連載「絵本作家のアトリエ」は、山本忠敬さん。『しょうぼうじどうしゃ 
じぷた』をはじめとする多くの乗り物絵本で子どもたちを楽しませてくれましたが、
4年前に亡くなられました。残された膨大な資料やノート、描きかけのスケッチや
原画からは、山本さんの絵本にかけた情熱と誠実さが、ひしひしと伝わります。

★こちらから「母の友」6月号の目次をご覧いただけます。



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《4》話題の新刊『魔女の宅急便 その5』の著者、角野栄子さんのエッセイ
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   キキは二十歳になりました
                       角野栄子

 今度出版される『魔女の宅急便 その5』では、キキは十代最後の歳をむかえま
す。
 こう書きながら、「あら、もう、そんな歳?」って、書いてる私は驚いています。
この物語が生まれて、もう二十二年もたってしまったのです。感無量です。その間
一日としてキキのことを考えない日はありませんでした。どうしているかしら……
何を食べているかしら……まるで遠くに住んでいる娘を気遣う母親の気分です。変
なものですね、書いているのは私なのだから、そんな暇があったら、ペンを動かし
て、ちゃんと食べさせたり、どこかに行かせたりするように書けばいいのにね。と
ころがそうはいかないところが長い物語の主人公と作家の不思議な関係なのです。
物語の主人公というのは、文字にされたとたんにもう自立した人になってしまうの
です。作家といえども勝手にできません。そこが難しくもあり、面白いところでも
あります。
 十三歳のとき、キキは旅立ちをまえに、「贈り物を開けるときのようにわくわく
してるわ」といいます。でも「その5」で、キキが開けようとしている贈り物は、
包装紙が複雑でなかなか開きません。その中には、もしかしたらキキの未来が入っ
ているかもしれないのです。ジジの方はちゃかちゃかと未来が見える場所を手に入
れているのにね。
 ある日キキは海底から引き上げられた古い鍵を届けることになります。鍵には、
相棒の鍵穴があるはず、その二つが一つになればなにかが開くはずです。キキが鍵
に記された住所に届けに行くと、鍵がぴたりとあう、鍵穴のついた箱はありました。
その家の人たちが、開かずの箱を見ながら、「中身は、なにかな、なにかな」とず
っと想像していたものといよいよ対面するのです。ところが開けるのを止めようと、
言い出します。開けたら不思議は終わってしまう。開けなければ、「もしかしたら
……」と想像する楽しさはつづいていく。キキも「もしかしたら……」っていう気
持ちは素敵だとおもいます。でもジジは「開けちゃっても終わりじゃないよ。また
不思議が現れるかもしれないじゃないか」というのでした。このちょっと夢見がち
なキキと、現実的なジジ、この二人のやりとりを書くのが、この物語のおおきな楽
しみでもあります。
 キキの暮らしには、華やかなことも、面白いこともあります。でも、いつもなに
か物足りないのです。足をどんどんとふみならしたいほど、物足りないのです。
 突然キキのほうきが低空飛行しかしなくなり、ジジの言葉が普通の猫語と魔女猫
語のまぜこぜになってしまいました。魔法がおかしくなってきたのでしょうか……。
 やがてお話は終わりにむかって、動き出します。キキの贈り物の箱がやっと開き
はじめました。そこにキキが見たものは、とても小さくって、でも限りないほどお
おきなものでした。
 この作品には新しい魔女も登場します。ジジがぽーっと見とれてしまうほど美人
の魔女ちゃんです。このライちゃんがこれからどう生きていくか、また書く楽しみ
が一つ増えました。
 私は今ほっとしています。キキは無事……? 成人式をむかえました。読んでく
ださるみなさまのおかげです。どうぞこれからもキキとジジを見守ってください。
 ひきつづき私も「もしかしたら」とわくわくしながら、キキの物語という贈り物
の包みを開けていきます。

★『魔女の宅急便 その5』
  角野栄子 作/佐竹美保 画 定価1575円



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《5》5月の新刊のご案内
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《5月2日(水)出荷開始》
★『てじな』
  土屋富士夫 作 定価780円

なにやら怪しげな手品師が、ほら、呪文を唱えます。「あんどら いんどら うんど
ら!」すると、2本の輪が9本の輪に増えた!

★『ポケットから なにがでる?』
  和田誠 作 定価1470円

ライオンのレオンくんのポケットからロケット! ぶたのはむおくんはフルート!
ページをめくるたび、動物たちがポケットからいいものを披露します。

★『あれこれたまご』
  とりやまみゆき 文/中の滋 絵 定価880円

卵は実にさまざまに料理できます。加熱したり、かきまぜたり、油を加えたりと。
はぎれのいい関西弁でつづる究極の卵料理絵本をお手元に。

《5月8日(火)出荷開始》
★『文庫版 第八森の子どもたち』
  E・ペルフロム 文/P・v・ストラーテン 絵/野坂悦子 訳 定価788円

第2次大戦末期のオランダ。厳しい戦争の冬を生きる人々の喜びや悲しみが、少女
の目を通して細やかにつづられる。

《5月9日(水)出荷開始》
★『10ぱんだ』
  岩合日出子 文/岩合光昭 写真 定価945円

ページをめくるごとに、つぎつぎとパンダがふえて、思わずさわってみたくなりま
す。動物写真家・岩合光昭氏の楽しい写真絵本。

★『まだですか?』
  柳生まち子 作 定価1155円

「まだですか?」と主人公の女の子がたずねるたびに絵からヒントが見えて、読者
も一緒に「いいことって何だろな」と期待がふくらみます。

★『魔女の宅急便 その5』
  角野栄子 作/佐竹美保 画 定価1575円

20歳になった魔女のキキのくらし。相変わらずそばにはジジがいて、新しい人と
の出会いや、懐かしい登場人物のその後の様子も描かれています。

《5月16日(水)出荷開始》
★『しろいは うさぎ』
  クォン ユンドク 文・絵/チョン ミヘ 訳 定価1260円

「くものすはしろい。しろいはうさぎ。うさぎはとぶよ。とぶのはからす。からす
は……」わらべ唄をもとにつくられたすてきな絵本です。

★『よじはん よじはん』
  ユン ソクチュン 文/イ ヨンギョン 絵/かみやにじ 訳 定価1155円

まだ特別な家にしか時計がなかった、昔の韓国を舞台にした詩の絵本です。静かで
のんびりとした世界を、ゆっくりお楽しみください。

《5月23日(水)出荷開始》
★『ふしぎのたね』
  ケビン・ヘンクス 文/アニタ・ローベル 絵/伊藤比呂美 訳 定価1260円

ふしぎのたねと、子うさぎと、男の子、それぞれが別々の物語として同時に進行し
ながら、最後にぴったり結びつき、喜びに満ちた結末が……。

★『トメック さかさま川の水1』
  ジャン=クロード・ムルルヴァ 作/堀内紅子 訳/平澤朋子 画 定価1785円

少年トメックは、不死の水を求める少女の面影を胸に旅立つ。数々の冒険の果てに
たどり着いたのは、さかさまに流れる川だった……。

★『ハンナ さかさま川の水2』
  ジャン=クロード・ムルルヴァ 作/堀内紅子 訳/平澤朋子 画 定価1680円

少女ハンナは、父親の形見の小鳥を救うため、不死の水を求めて旅にでる。山と砂
漠と海越え、さかさに流れる川で待っていたのは……。


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《6》書籍編集部だより
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☆絵本・童話・科学書の編集部から毎月交代で読者の皆様にむけたメッセージをお
届けします。今月は童話編集部です。

◎童話編集部から

 「1917年、ロシア革命」と歴史の授業で耳にはしても、年若い人たちにとっては
“なんとまあ遠い話”かもしれません。思えば「ソ連」が崩壊してすでに十数年。
「世界最初の社会主義国誕生!」が、遥かかなたの点景になってしまうのもしかた
のないことでしょう。
 6月に刊行される『ユーリーとソーニャ』には、“ロシア革命の嵐の中で”とサ
ブタイトルがついています。主人公ユーリー(11歳)は裕福な事業家の一人息子で、
何不自由のない田舎の暮らしを送っていますが、じつはそのときロシア社会は大混
乱のさなかにありました。第1次世界大戦が泥沼化する一方で、国内は体制を維持
しようとする皇帝派と、それをひっくり返そうとする革命派とに二分されて内戦状
態に陥っていたのです。今の私たちからは想像もできない事態ですね。
 やがて革命の波は“富裕階級”であるユーリーの家族にも及び、一家は南への逃
避行を余儀なくされます。有能な才女である小間使いドゥニャーシャと、その娘ソ
ーニャ(ユーリーと同い年)が一緒です。次々と襲いかかる苦難の中で、でもユー
リーとソーニャは運命の変転を、子どもらしい好奇心と興奮をもって受け入れてい
きます。芽生えたふたりの恋のゆくえ、歴史の動乱期に直面した庶民の実像、賢く
たくましく生き抜く生身の女性の姿、あっと驚くどんでん返し……実に読み応え満
点の、「小説の入門書」。
 現代フランスを代表する作家アンリ・トロワイヤの自伝的作品を最良の訳文で刊
行できることを、私たち童話セクションの誇りとしたいと思います。

★『ユーリーとソーニャ ロシア革命の嵐の中で』
  アンリ・トロワイヤ 作/山脇百合子 訳/太田大八 画 定価1995円
 6月刊行予定です。お楽しみに。


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《7》原画展のお知らせ
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「絵本作家 おぼまことの動物園」展
会期:3月20日(火)~6月17日(日)
会場:町田市民文学館 町田市原町田4-16-17
問合せ先:TEL.042-739-3420
開催時間:10:00~17:00
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館)と第二木曜日
入館料:無料

ぐりとぐらのなかまたち 山脇百合子絵本原画展
会期:4月14日(土)~6月3日(日)
会場:宮城県美術館
※宮城県美術館が所蔵する山脇百合子さんの絵本と挿絵の原画約320点。


日本の現在 絵本原画の光彩展
会期:4月21日(土)~6月3日(日)
会場:木城えほんの郷
※『くものすおやぶん とりものちょう』『お姫さまのアリの巣たんけん』
ほか。


堀内誠一原画展
会期:4月25日(水)~5月16日(水)
会場:教文館9階 ウェンライトホール
※印刷物とはひと味違う堀内誠一氏の色鮮やかな原画を展示。


水のファンタジー絵本原画展
会期:4月27日(金)~6月26日(火)
会場:絵本美術館&コテージ 森のおうち
※『貝の子プチキュー』『黒ねこのおきゃくさま』などの原画を展示。



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