日々の絵本と読みもの

いつもは怖い夜の寝室も、今夜は想像力広がる空間に大変身! 『かいちゅうでんとう』

いつもは怖い夜の寝室も、今夜は想像力広がる空間に大変身!


『かいちゅうでんとう』

「懐中電灯」ときくとこんな遊びが思い起こされます。灯りのついていない懐中電灯をそっと顎の下に近づけて大きく息を吸い込み、スイッチをカチリとやるのと同時に、精一杯のおどろおどろしい声で「オバケェ~」。みなさんも一度や二度は試してみたことがあるのではないでしょうか。私の通った小学校では一時期これがとても流行り、お泊り会を開くたびにみんなで懐中電灯を持ち寄って、各々の思う最高の「オバケ顔」を披露しあっていたこともありました。今でも懐中電灯を持つと反射的に「オバケェ~」とやりたくなります。

もちろん、「オバケごっこ」以外にも、懐中電灯を使った遊びは盛りだくさん。ときに恐ろしく感じてしまう真っ暗な空間を、不思議でおもしろい場所に変えてしまう遊びもあります。そんな想像力広がる懐中電灯遊びを取り上げているのが、今回ご紹介する絵本『かいちゅうでんとう』。男の子のきょうだいが、懐中電灯を持って真っ暗な部屋の中を探検します。

夜、真っ暗な寝室に横たわる「ぼく」。でも怖い気持ちはありません。だって今日は、闇を照らす「かいちゅうでんとう」を持っているから。隣りに寝ているお兄ちゃんを誘って、闇夜の寝室探検に出発です。

懐中電灯の光をとおして部屋をみると、ものの影があちこちに映り込んで、部屋の中はまるで別世界のよう。いつもと違う雰囲気に「ぼく」はびっくりです。

懐中電灯を色々に動かしていたら、懐中電灯の「まあるい ひかり」が小さくなったり大きくなったり、たてにのびたりすることを発見。そうしてものに光を当ててみると、影の形まで変わることがわかりました。動く光をおもちゃに当てて人形劇をしてみたり、部屋に巨人を登場させてみたり、子ども部屋では様々な遊びがはじまりまります。

一緒に遊んでいたお兄ちゃんが、懐中電灯のひかりを手のひらでつかまえる技をみせてくれました。どうやって? それは絵本を開いてのお楽しみ。慣れ親しんだ空間にも、たくさんのワクワクやドキドキが秘められていることを教えてくれる一冊です。

日が暮れる時間がぐんぐんと早まるこの時期。夜、暗闇を怖がるお子さんがいたら、ぜひ懐中電灯をもってきて、絵本のきょうだいのように、親子でお部屋の中を照らしてみてください。楽しくて素敵な冬の夜の思い出ができることでしょう。



金曜担当・U
チームふくふく本棚のNew Face。趣味は、好きな俳優の演技を真似して悦に入ること。

2018.11.16

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