イベントレポート

『すてきなタータンチェック』刊行記念対談「穂積和夫と大橋歩が語るファッションイラストレーション」@銀座 蔦屋書店

福音館の社員が参加したイベントのご報告をするこちらのコーナー。今回は、1/25に銀座 蔦屋書店にて行われた、絵本『すてきなタータンチェック』(「たくさんのふしぎ」2018年9月号)のトークイベントの様子をお届けします! 絵を手がけた穂積和夫さんと、ゲストに大橋歩さん、そして飛び入りでファッションディレクターの石津祥介さんをお迎えし、華やかな鼎談となりました。

穂積和夫と大橋歩が語るファッションイラストレーション

『すてきなタータンチェック』刊行記念対談


「タータン」がテーマの対談にあわせて、穂積和夫さんは赤いタータンチェックのネクタイ、大橋歩さんはチェック・オン・チェックのおしゃれな装いで登場。そこに石津祥介さんが加わると、雑誌の1ページのような華やかさです。

『すてきなタータンチェック』の絵は、「すごく難しかった」と穂積さん。今回タータンについて勉強したことで、これまでタータンのつもりで描いてきた絵の、半分以上が間違っていたことに気づいたそうです。また、タータンの柄を正確に描こうとすると、動きが少なくなってあまりおもしろくない絵になってしまう、という感覚も持たれたのだとか。絵本に登場するたくさんのタータンは、穂積さんが試行錯誤しながら描いてくださったこともあって、思わず手に取ってみたくなるような魅力をたたえています。

その後も、「タータン」をキーワードにして、メンズファッションからユニフォームまで、お話がどんどん広がっていきました。装うことの楽しみやファッションイラストレーションの魅力、文化を生みだす「遊び」についてなど、ファッションの世界で長年にわたって活躍されてきたお三方だからこそ語れるお話をたくさんうかがうことができました。

ちなみに穂積さんのお気に入りは、プリンス・エドワード島を描いたページだそうです。「プリンス・エドワード島・タータン」にも取り入れられている、赤土の赤褐色と牧草地の緑の対比が美しい情景。みなさまもぜひじっくりと味わってみてくださいね。

また、『すてきなタータンチェック』のなかで、長年チェック柄を手織りしてきた工房タリフの明石恵子さんと穂積さんが「たくさんのふしぎタータン」をデザイン。無事にスコットランドのタータン登記書所に登録されました。
穂積さんが着用すると、こんなにすてきです!



穂積和夫(ほづみ・かずお)
1930年東京生まれ。東北大学工学部建築学科卒業。セツ・モードセミナー創設者の長沢節氏に絵を学ぶ。メンズファッションを中心に、車、日本の古い建築のイラストレーション、ファッション評論などで現在も活躍。著書に『文庫 着るか着られるか』『大人の男こそ、オシャレが似合う』『文庫 絵で見る明治の東京』(以上草思社)、『絵本アイビー図鑑』(万来舎)など。絵を担当した作品に『新装版 法隆寺』(草思社)、『宇宙ステーション』(福音館書店)などがある

大橋歩(おおはし・あゆみ)
イラストレーター。1940年三重県出身。多摩美術大学油画科卒。'64年から7年半『平凡パンチ』の表紙の絵を担当。以後、広告・雑誌などの仕事をする。'02年に個人誌『Arne』を創刊し、'09年30号まで刊行。'10年に大人の洋服『a.』の製造・販売を始める。同年、季刊誌『大人のおしゃれ』を創刊し、'18年17号まで刊行。'18年8月にフリーペーパー『LITTLE』を発行。エッセイなど著書多数。

石津祥介(いしづ・しょうすけ)
1935年岡山市生まれ。ファッションディレクター。明治大学文学部中退後、桑沢デザイン研究所卒。その後、婦人画報社「メンズクラブ」編集部を経て、1960年(株)ヴァンヂャケット入社、主に企画・宣伝部と役員兼務。1965年の写真集「TAKE IVY」著作。日本メンズファッション協会常務理事、日本ユニフォームセンター理事歴任。石津事務所代表として、アパレルブランディングや、衣・食・住 に伴う。企画ディレクション業務を行う。VAN創業者、石津謙介の長男。

(宣伝課)

2019.02.05

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