ゆうべのおもちゃ

ゆうべのおもちゃ 1 とびだす絵地図

子どもとの時間を楽しみたいのに、公園に連れて行くことも、絵本を読むこともままならない……。そんな日々のすきま時間に、がんばらずに楽しめる手作りおもちゃを、毎月1つご紹介します。第1回は「とびだす絵地図」です。

とびだす絵地図


夕ご飯の支度をするまえや布団に入るまえのちょっとした時間に、3歳の娘とおもちゃを作って遊ぶことがよくあります。たいていは、そこらに転がっていたものを手にとって、思いつくまま、なりゆきまかせ。翌朝には紙くずと化している、たあいもない代物なのですが、夢中で作って遊んで、笑って、「ああ、おもしろかった!」という充実感。こんなとき、子育てのだいご味は、大手をふって「遊べる」ことなんじゃないかなあと、思ったりします。
ある日の夕方、娘ぴょん子が「地図描いて」と紙を持ってきました。ぴょん子がいう地図とは、絵本の見返しなどによくのっている、絵地図のことです。
まずてきとうに紙いっぱいに道を描いて、あとはリクエストに応じて建物を加えていきます。ぴょん子の家、○ちゃんの家、学校、公園、スイカ畑に、パン屋にスーパー。ふと思いついて、カッターで建物や木のまわりを切って、折って立ててみました。
おお、なんかいい感じ。視線を低くしてみると、ちょっとジオラマみたいです。わたしが台所にいるあいだ、ぴょん子は小さな動物や人形を建物裏に置いて、かくれんぼ遊びしてました。



堀内紅子(ほりうち・もみこ)
1965年、東京都生まれ。翻訳家。訳書に『ラバ通りの人びと』『三つのミント・キャンディー』『ソーグのひと夏』『わたしの世界一ひどいパパ』、絵を担当した絵本にくまとりすのおやつ(以上福音館書店)などがある。東京都在住。昨年、保育士の資格を取り、世田谷区の子育て支援拠点「おでかけひろば」で修行中。

※ 月刊絵本「かがくのとも」の折り込みふろく(2008年4月号から1年間連載)より転載。当時12歳の長男”ぴょん一くん”と3歳の長女”ぴょん子ちゃん”と一緒に楽しんだ手作りのおもちゃについて綴ったエッセイを、当時のままにお送りします。

2019.04.24

  • Twitter
  • Facebook
  • Line