日々の絵本と読みもの

声に出して楽しく、目で見て楽しいピクニックの絵本『いかだは ぴしゃぴしゃ』

『いかだは ぴしゃぴしゃ』

お弁当をもって海にいこうと、いかだを作っているくまくん。そこへりすちゃんがやってきて、2匹は一緒に川を下っていきます。すると、キツネにウサギ、ヤギにカブトムシと、次々とお弁当を持った動物や虫たちがやってきて、みんなで一緒に川を下って海に向かいます。さて、みんなのお弁当の中身は、一体何でしょうか……。



本作は、お話を『かばくん』でおなじみの岸田衿子さん、絵を『ぐるんぱのようちえん』や『こすずめのぼうけん』などで知られる絵本作家の堀内誠一さんが手がけました。1987年に54歳の若さで亡くなられた堀内さんにとって、最晩年の作品となった本作ですが、「いかだは ぴしゃぴしゃ かわのうえ」「ざざざ どどん しゃら しゃら しゃら」とリズミカルで分かりやすいお話に、堀内さんの描く個性的なキャラクター達とが合わさって、子どもたちをあっという間に物語の中に引き込みます。

暖かな晴れた日にみんなで仲良くピクニックに行きたくなる、声に出して楽しく、目で見て楽しい絵本です。

担当Z: 最後にみんなで食べるあの野菜、一体どこにあったのか、ぜひ見つけてみてください!


『堀内誠一 絵本の世界 復刊セット』について

絵本作家としてだけでなく、デザイナーとしても大きな足跡を残された堀内誠一さん。福音館書店では、そんな堀内さんの長らく品切れとなっていた作品を、『いかだは ぴしゃぴしゃ』以外にも一挙に6作品復刊しました。それぞれ単品としてはもちろんのこと、6作品をセットにした「堀内誠一 絵本の世界 復刊セット」も販売中です。お話に合わせて絵柄を自在に変化させた堀内さんの作品をぜひお楽しみください。


展覧会「堀内誠一 絵の世界」について

今年2022年には、生誕90年を迎えることを記念して、堀内誠一さんの画業全般を回顧する展覧会「堀内誠一 絵の世界」が各地で順次開催予定です。1月4日(火)から1月24日(月)までは京都大丸ミュージアムで開催中。『ぐるんぱのようちえん』や『ロボット・カミイ』などの原画も展示されています。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
<開催情報>
2022年1月4日(火)~1月24日(月)    大丸ミュージアム京都 (大丸京都店6階)
2022年3月19日(土)~7月25日(月)   ベルナール・ビュフェ美術館 (静岡・長泉)
2022年7月30日(土)~9月25日(日)   県立神奈川近代文学館 (神奈川・横浜)
以降、全国巡回予定 (群馬、岩手、広島ほか)

2022.01.14

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