日々の絵本と読みもの

真夜中の「闇鍋」で大盛り上がり! 『おばけのえんそく』

真夜中の「闇鍋」で大盛り上がり!

『おばけのえんそく』
とっぷりと夜が更けて、空もどんよりと曇っています。こんな真っ暗闇の日は、おばけの遠足にうってつけ。
おばけの子ども「さくぴー」と「たろぽう」も、おばけ保育園のみんなと一緒に遠足に出かけます。
途中、真っ暗なところでよく取れる「闇シロップ」を集めて、目的地の「うみぼうず浜」へ。浜辺に着くと、お鍋岩にシロップを入れて、おばけ流の「闇鍋」作り。へそもち、毒キノコ、ぼちぼち豆など、それぞれ持ってきたものを入れてみんなで食べます。そのあとは、うみぼうずの子どもたちも一緒になって昆布つなひきで盛り上がり、しらじらと水平線が明るくなり始めるころ、踊りながら楽しく保育園へ帰ります……。

人間が寝静まった夜に始まるおばけの暮らしをユーモラス描く「おばけかぞくの絵本」シリーズは、作者・西平あかねさんと子どもたちとのやりとりをヒントに生まれた人気シリーズ。5作目となる今作は、お子さんたちから遠足の話を聞き、うらやましく感じた西平さんの想像がどんどん膨らんで生まれたそうな。

真夜中の浜辺で「闇鍋」なんて、人間にとってはまるで罰ゲームですが、おばけの子どもたちがみんなで「闇鍋」を作って食べている様子は、ほのぼのとした楽しい遠足の風景そのもの。
この絵本を読んでもらう人間の子どもたちも、おばけたちの仲間入りをして、遠足気分を楽しむことでしょう。
絵本の舞台のモデルは、長崎県。上のページに出ている「眼鏡橋」など、長崎らしい風景も楽しめますよ。

「おばけかぞくの絵本」シリーズについては、詳しく紹介しているこちらのページをご覧ください。


「日々の絵本」水曜担当・Y
チームふくふく本棚の長老。趣味は、お酒と野球とトロンボーン。

2018.08.08

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