ゆうべのおもちゃ

ゆうべのおもちゃ 11 卵パックの仮面

もっと子どもと遊びたいのに、ついつい家事や仕事に追われてしまって……。そんな日々のすきま時間に、がんばらずに楽しめる手作りおもちゃを、毎月1つご紹介します。第11回は「卵パックの仮面」です。

卵パックの仮面


わが家はぴょん一兄ちゃんに卵アレルギーがあるので、卵料理をほとんど作らないのです。ところが、アレルギーの気配がまったくないぴょん子が、おままごとセットの卵に皮むき器をあてているのを見て、あやや、この子にはゆで卵くらい食べさせなくては!と、ここ1年ほどはたまに卵を買って、お菓子作りやぴょん子のお弁当に使ったりするようになりました。

10個入りパックは持てあましてしまうので、6個入り。お店によっては、紙パックの高級卵を買うことになります。面白い形ですよね、卵パック。だれが発明して、いつ頃からあるんでしょう。紙パックは質感も色もいいし・・・・・・と、眺めていたら、おや、目が、くちばしが、つんととがった鼻づらが!

早速じょきじょき切りとり、目になるくぼみに穴を開け、ぴょん子の顔に当ててみたらいい感じ。絵の具で色もぬってもらいました。おお、とても廃物利用とは思えません! 隠れるのは顔の上半分だけなので、「おめん」というよりも、まるでどこかの国のカーニバルの仮面。目の両脇に小さな穴をあけ、つなげた輪ゴムを通して、顔につけられるようにしました。小さな子にピッタリのサイズです。大人がすると、目が寄ってみえるせいか、ちょっと恐いです。初めて作ったとき、わたしがつけたのを見て、ぴょん子が大泣きしたことがあったのですが、あれから1年以上たち、また作ってみたら、今度は大爆笑。思わぬ成長のバロメーターにもなったのでした。


堀内紅子(ほりうち・もみこ)
1965年、東京都生まれ。翻訳家。訳書に『ラバ通りの人びと』『三つのミント・キャンディー』『ソーグのひと夏』『わたしの世界一ひどいパパ』、絵を担当した絵本にくまとりすのおやつ(以上福音館書店)などがある。東京都在住。現在、世田谷区の子育て支援拠点「おでかけひろば」で保育士として修行中。

※ 月刊絵本「かがくのとも」の折り込みふろく(2008年4月号から1年間連載)より転載。当時12歳の長男”ぴょん一くん”と3歳の長女”ぴょん子ちゃん”と一緒に楽しんだ手作りのおもちゃについて綴ったエッセイを、当時のままにお送りします。

2020.01.17

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