日々の絵本と読みもの

読みはじめるととまらない!! 現代の絵巻絵本『おへそがえる・ごん』

おへそがえる「ごん」の大奮闘

『おへそがえる・ごん』①〜③

おへそに“ぼたん”があるかえる・ごん。ぼたんを押すと、ごんの口からなぞの雲がでます。

ごんは、一番の相棒となる「けん」と友だちになり、ぽんこつやまに向かったり、山賊の攻撃や戦を止めたりしながら「けん」の父を探す旅にでます。ばけものにぺろんと食べられてしまったり、山賊に“ふうせんがえる”にされて飛ばされたり、おへそから雲を出しすぎておなかがぺったんこになったり……散々な目にあいながらも、ごんは口から出る雲を武器に、たぬきやきつね、手のあるへびやかみなりなど、ゆかいな仲間とともに悪者をやっつけます。

「鳥獣戯画」のような、現代の絵巻を作りたい! という作者・赤羽末吉さんの強い思いで作られた渾身の絵巻絵本である『おへそがえる・ごん』。実は、最晩年の漫画家・手塚治虫さんから赤羽さんへ「オリジナリティあふれるキャラクターに感服し、将来、機会があればアニメにさせていただきたい」というようなお手紙が届いていたそうです。(このエピソードは、義理の娘の赤羽茂乃さんによる『絵本画家 赤羽末吉』に収められています。ぜひこちらも手に取ってみてくださいね。)アニメ化の実現には至りませんでしたが、自由で楽しいごんの姿を見ていると、絵本から飛び出て軽妙に動き出す様子を見てみたい気持ちになります。

復刊のたびに新しいファンを獲得してきた『おへそがえる・ごん』。ごんにまだ出会っていない方はこの機会にぜひ!ごんの腰にさされた耳かきは何に使われるでしょう? それは読んでからのお楽しみ……!



担当・A  入社13年目、ごんファン歴7年。長男(年長)、次男(2歳児)が新規ファンになりました。

2020.04.22

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