日々の絵本と読みもの

大きな見開きに、びっくり、ふしぎ、発見がいっぱい!『いきものづくし ものづくし』

いきものづくし ものづくし

今春から書店さんでも発売がはじまった「いきものづくし ものづくし」シリーズ。
すでに、店頭やお近くの図書館、幼稚園・保育園などで目にされた方もいらっしゃるかもしれません。
今月6巻目が刊行になり、シリーズ全12巻のちょうど折り返し地点! そこで、シリーズ全体の魅力と6巻までの見どころを簡単にご紹介します。

「いきものづくし ものづくし」シリーズのいちばんの特色は、とにかく大きな絵本であること!
ページを開くと縦38cm×横60cmの大画面、その見開きいっぱいに、さまざまな<いきもの>や<もの>が、テーマごとに見ごたえたっぷりに描かれます。
さらに、このシリーズならではの魅力は、全12巻84テーマの多様性と切り口の面白さにあります。
ひとつの巻に、動物や植物など自然にまつわる<いきもの>のテーマが4つ、乗り物や衣食住など暮らしや文化に関わる<もの>のテーマが3つ、全部で7テーマがおさめられています。最新巻(6巻)の<いきもの>では、「さるのかお」「とんでいるこんちゅう」「くさのとぶたね くっつくたね」「しまもようのいきもの」の4つのテーマ。<もの>では、「えもじ」「ぼうし」「あかり」の3つのテーマが登場します。

各巻、ページをめくるたびに、新しい出会いや驚き、発見や気づきがあることまちがいなし! 何度も手にとりたくなるシリーズなのです。

また、単にものの絵が並べられているのではなく、テーマごとの見せ方にも工夫が。例えば、1巻目の最初のテーマ「くだもの」を見てみると、左ページには果物が丸ごとのまま、右ページには果物が切られた断面の絵が描かれています。

なにか気づいたことはありますか?
色も大きさもいろいろ、丸いものが多い、おいしそう! いろんな声が聞こえてきそうですが、見比べてみると……そう、どれも中に「タネ」があるのがわかります。イチゴの小さなタネから、モモの大きなタネまで大小さまざまですが、味も見た目も違う果物にこんな共通点があったとは。絵を眺めているうちに、発見や驚きが生まれてくる。そんな楽しみがたくさんつまっているのが、「いきものづくし ものづくし」シリーズなのです。

さて、どうしてくだものにはタネがあるのだろう? そう思った方は、ぜひ巻末の封筒に入った別冊「よんでたのしむ いきものづくし ものづくし」を読んでみてください。
別冊には、テーマごとにさらに興味が広がるエピソードがおさめられているので、絵をたっぷり楽しんだあとに読むと、ますます世界の不思議さ、おもしろさにふれることができるはず。小学校2年生までの漢字遣い、総ルビで、大人も子どもも一緒に楽しめる内容になっています。

最後に、刊行されている1~6巻のなかから担当Mのおすすめのテーマをご紹介します。

角(つの)自慢の動物たちが威風堂々と行進しているような「つの」(1巻)、

たい焼きの焼け具合がたまらなくおいしそうな「おかし」(2巻)、

歴史的な空飛ぶ乗り物が一堂に会したような「そらの のりもの」(5巻)、

他にも、岩・木・泥・サンゴ・海藻・ヤシの葉など、さまざまな材料で作られた世界各地の楽しい形の「いえ」(3巻)、実際に同じ葉っぱを拾ってみたくなる「はっぱのかたち」(4巻)、肖像画のようにこちらを見る様子が圧巻の「さるのかお」(6巻)などなど。選びきれないくらい見どころはたくさんあるので、皆さんも、ぜひお気に入りのテーマを見つけてくださいね。

「いきものづくし ものづくし」シリーズは、引き続き、来年2月まで毎月1巻ずつ刊行してまいります。
どうぞ、お楽しみに!


担当M 見開きいっぱいにものが描かれている絵本といえば、『だるまちゃんとてんぐちゃん』。いつ見てもわくわくします。江戸時代にも遊び絵というものがあったそうで、“づくし”を楽しむ心は今も昔も変わらないのでしょうね。

2021.07.28

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