日々の絵本と読みもの

はじめての路線バスの旅は発見がいっぱい!『路線バスしゅっぱつ!』

『路線バスしゅっぱつ!』
小さいころ、バスの運転士さんに憧れた人は多いのではないでしょうか。あの大きなバスを自由に操り運転するのはなんともかっこいいですね。
街でも郊外でも毎日のように見かける「路線バス」ですが、知らないことがたくさんあります。たとえば、バスの運転士さんにはハンドルを握って運転する以外にも、たくさんの大切な仕事があるのです。
その様子を、初めてバスに乗って出かけるつばさくんの目を通して、臨場感たっぷりに紹介していくのが、この『路線バスしゅっぱつ!』です。

運転士さんの仕事は、バスに乗る前からはじまります。まずは、バスの外まわりの車両点検をすること。燃料、オイル、タイヤの空気、ライトの点灯などの確認を手際よく丁寧に進めます。
もし、運転中、バスが動かなくなったり、夜ライトがつかなくなったりしたら大変ですから。


 

つぎは、バスに乗り込んで、バスの車内の点検です。高い運転席の周辺には機械がいっぱい並んでいます。扉の開閉スイッチ、車内放送装置、降車合図ランプ、バックモニターなど、何十種類もの装置が正しく動いているか、確認しなければなりません。


ブルルルルルル……
こうしてやっと路線バスは出発します。
運転士さんは車外をミラーで確認しながら運転すると同時に、こんどは車内もミラーで乗客の様子を見ながらマイクでアナウンスしたりバス停にとまるとすぐさま前や後ろの扉を開いたり閉じたり、料金を受け取ったり……息つく暇もありません。
大きなバスを動かして、仕事をするのは、たったひとりの運転士さん。それだけ、運転士さんの責任は重大です。運転士さんの細やかな配慮があってこそ、わたしたちは毎日快適に路線バスに乗ることができているのだということがよくわかる作品です。
また、お子さんがひとりでバスに乗るときのイメージトレーニングにもぴったりです。身近な路線バスに乗ってプチ冒険旅行はいかがですか? きっと、作品には描かれていない新しい発見があることでしょう。

作者の鎌田歩さんは、これまでたくさんの乗り物を細やかなイラストで紹介されています。好評の『新幹線しゅっぱつ!』(主人公は同じつばさくん)『飛行機しゅっぱつ!』『巨大空港』なども、併せてお楽しみ下さい。


担当S バスの特等席は一番うしろ。どこの席よりも高くて王様気分です!

2021.09.20

  • Twitter
  • Facebook
  • Line

記事の中で紹介した本

関連記事