日々の絵本と読みもの

新幹線、出発前は大忙し。『新幹線しゅっぱつ!』

『新幹線しゅっぱつ!』

つばさくんとなすのちゃんは、家族で秋田のおじいちゃんとおばあちゃんの家に遊びに行くことになりました。つばさくんにとっては初めての新幹線です。

新幹線のホームには、乗り降りするお客さんの他にも、たくさんの人が働いています。わずかな停車時間を使って素早く車内の清掃を行う人、お客さんを案内する人、情報を管理する人、そして運転手に車掌、駅の係員など、それぞれさまざまな仕事をこなしています。

この本では特に東北・秋田新幹線「はやて・こまち17号」にスポットを当て、到着から発車までを、つばさくんの視点から追っています。東京駅を発着している新幹線は、一日に大変な数に上ります。新幹線がホームに入線し、どう出発していくのか。新幹線が出発するまでを、陰で支える多くの人もあわせて、精密なイラストレーションで丁寧に描きます。

本作の制作時には、JR東日本の協力をえて、新幹線の車両基地見学、走行中の運転席への同乗、また鉄道整備会社からは、普段一般の人が見ることのない、ホーム下の清掃基地ともいえる場所を案内してもらうなど、時間をかけて取材しました。
新幹線は日本の大動脈です。そこには最新技術が常に反映され、次々と新しい車両が投入される場となっています。このような技術の粋を集めた新幹線ですが、列車の発着、運行には多くの人手と工夫が必要とされます。なかでも驚かされるのが、新幹線の車内掃除の方々の働きです。

折り返し発車する新幹線の清掃に与えられる時間はわずか7分。その間にぞうきんやモップ(もちろん人力)を駆使して16両もの新幹線の車内を手際よくきれいにしていく技。これは経験と勘だけがものをいう世界でした。列車が走りだす際、清掃スタッフや駅員がお辞儀して見送る姿は、感慨深いものです。
最新車両が登場していくなかでも、この風景が新幹線を支えていくのでしょう。

担当M
絵本の中で、いよいよ出発するときに運転士さんが指差し確認する場面は臨場感があって、ちょっとわくわくします。

2022.08.31

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