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読むとセミ探しに出かけたくなる、夏にぴったりの絵本『せみの こえ』

読むとセミ探しに出かけたくなる、夏にぴったりの絵本

『せみの こえ』(ちいさなかがくのとも7月号)

「ミーン ミンミン ミー」「シャア シャア シャア」……セミの声が各地で聞かれる季節になりました。街中でも見つけることができる身近な虫“セミ”。すでにお子さんとセミ捕りに出かけたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、読むとセミを探しに行きたくなる、夏にぴったりの絵本『せみの こえ』をご紹介します。

夏の陽ざしの中、木々が生い茂る森で、セミの大きな声が聞こえてきます。「ジリ ジリ ジリ」……大きな木の下から見上げると、アブラゼミが一匹。違うセミの声も聞こえます。「ニィー ンー」。こちらの声はニイニイゼミです。他にも「オーシン ツクツク」「ヂッ ヂッ ヂッ」「ギィィィィィィ」といった、いろんな鳴き声のセミを見つけることができました。

この絵本では、全部で8種類のセミが登場します。声に合わせてお腹を前後に動かすセミや、夕方になると鳴き始めるセミなどさまざまで、どれも魅力的です。
また、この絵本はページを縦にひらく作りとなっており、その構図を活かした迫力満点の絵も子どもたちをひきつけます。細部まで描かれたセミは手を伸ばせば触れられそうなほどです。縦に大きく伸びる森の木々はその高さを感じることができ、まるで夏の森の中で本当にセミ探しをしているような気持ちになります。
お話を読み進めながら、セミの姿をじっくり見ることができますので、図鑑とはまた違った形でセミの魅力を発見することができる作品でもあります。

8月はセミがたくさん見られますので、セミ探しに出かけるのに最適な時期です。お子さんと汗びっしょりになりながら、外を散策するもよし、室内で涼みながら鳴き声に耳を傾けるもよしです。こちらの絵本を読めば、お子さんと鳴き声をあてっこしたり、実際に見つけたセミを絵本で探してみたりと、さらに夏の楽しみが増えること間違いなしですよ。

2017.08.12

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