日々の絵本と読みもの

真夜中の世界へようこそ『もののけしょくどう うらめしや』

『もののけしょくどう うらめしや』

「これは まよなかに ひっそりと ひらく すこし かわった しょくどうの おはなし。」

こんな一文で始まる絵本『もののけしょくどう うらめしや』。昼間、私たちが何気なく使っている家電や家具などの道具たちが、真夜中を過ぎると“もののけ”となって食堂「うらめしや」に集います。もしかして、こわい話の始まり!? とお化けや妖怪が苦手な子は絵本を閉じたくなるかもしれません……でも大丈夫! この絵本に出てくるもののけたちは、なんだかみんな可愛いんです。



 

リモコンさんは「でんちにぎりずし」を「バキッビリッ!!」、せんたくかごさんは「くつしたのてんぴぼし」、そうじきさんは「ほっこりスープ」をほおばります。ちょっとふしぎなメニューだけど、それを食べているもののけたちを見ていると、こちらまでおなかがすいてしまうほど豪快でおいしそう。

昼間にたくさん使われて、働きづめのもののけたちはもうくたくたです。おなかがすいて爆食するもののけや、なかにはビールのようなものを楽しみながら盛り上がっているテーブルも。それはまるで人間社会と変わらなくて、おとなが読んでも、「毎日疲れるよね~」と共感してしまうほど、もののけたちの表情や言葉が愛らしい。



みんなぐっすりと寝静まったあとの、真夜中の世界が不思議で少しこわくて、でもちょっと見てみたい、なんて想像を子どものころなら誰しも一度はしたことがあるのではないでしょうか。この絵本には、そんな心躍る世界が広がっています。おやすみ前の読み聞かせにおすすめの一冊です。

担当・C
「うらめしや」のメニュー、どれも気になりますが「ティッシュミルクレープ」にそそられます!

2025.08.08

記事の中で紹介した本