学校図書館だより

【エッセイ】ぶどうの木のように|松岡理絵さん

ぶどうの木のように

松岡理絵さん(暁星小学校・学校司書)

私が働く小学校のロビーには聖書の「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」という言葉が掲げられています。はじめは「どういうことだろう?」と思いましたが、それは学校の子ども達を見ているとわかりました。

学校司書をしていて、子ども達に本を好きになってもらうことはもちろん、本を大切にしてほしいという気持ちもありました。週に1時間ある、2年生の図書の授業に福音館書店の編集者さんをお招きし、「ものがたりができるまで」をテーマに特別授業をしていただきました。2年生に身近な物語の本を例に、本はどうやって作って、印刷して、販売するのか、本が自分の手に届くまでの過程を教えていただきました。なかでも、物語のアイディアの段階の資料や、本のかたちになる前の印刷物などを見せていただいた時は、子どもも私たち大人もはじめて見るもので、あらためて本に興味を引かれる瞬間でした。2年間の図書授業の締めくくりとして、3学期に「本の帯作り」を行ったところ、特別授業の話を参考にして帯を作成した子もいました。子ども達にも記憶に残る授業だったことが分かります。

子ども達が「本物」に出会うと目はキラキラと輝き、夢中になって学びます。この授業は、その後の彼らに良い影響を与えてくれました。子ども達は授業直後に迎えた冬休みでぐんぐんと本を読み、学校の「おすすめ本リスト」の達成数が例年より増えました。今年3年生になった彼らは、休み時間に自由に学校図書館へ来られるようになったので、好きな本を借りたり、教室で飼う生きものの飼い方や、野菜の育て方の本を自ら探しに来たりするようになりました。さらには、本の破損にもよく気づくようになり、修理が増えることにもなりました(苦笑)。また、あるクラスでは、担任の先生に読み聞かせをしてもらうための本を選んで借りる「おはなし係」も活動するようになりました。本作りの「本物」に出会った子どもたちは、本を通して多方面に自発的成長を見せてくれています。

特別授業以降、子ども達の様子はまさに1本のぶどうの木から伸びる枝のようだと思いました。これからは、枝に実をつけるぶどうのように、学校図書館や本を通して子ども達の好きなものや、必要な情報を見つけ、小さなことからたくさんの学習の成果が実を結んでくれることを願っています。学校図書館には3つのセンター機能があり、あらゆる分野の資料が集まっているので、図書館利用だけでなく学校行事や学校生活全体のサポートを心がけて子ども達を見守っていきたいです。


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2026.01.08

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