日々の絵本と読みもの

ひたむきに働くくまさん『しょうぼうしの くまさん』

『しょうぼうしの くまさん』


消防車に乗って、町の人々の困りごとに駆けつけるしょうぼうしのくまさん。『ゆうびんやの くまさん』をはじめとした、イギリスの絵本作家フィービ・ウォージントンの作品「くまさん」シリーズの中の一冊です。

消防署の2階に住むくまさんは、毎日消防車をぴかぴかに磨き上げ、町の人からの連絡にはすばやく対応するとても実直な仕事ぶりです。

くまさんの仕事ぶりを淡々と紹介するこの絵本。シリーズを通して、絵本の中ではほとんどくまさんのおしゃべりはないのですが、木から降りられなくなった猫を助けるときの表情や、燃えている納屋の消火活動をするときの表情から、くまさんのひたむきさが感じられて、胸が熱くなります。



物語が生まれたきっかけは、シリーズ3作品目まで一緒に作っていたきょうだいのセルビ・ウォージントンの息子が持っていたくまのぬいぐるみ。絵本の中で、くまさんが一日の仕事を終えて、2階の自宅でしょうぼうしの制服を脱ぎくつろいでいる姿は愛おしく、思わず抱きしめたくなるような、子どもに愛されるくまのぬいぐるみそのものです。

サイレンの音がする真っ赤な消防車は、今も昔も子どもたちに人気の車両。愛らしいくまさんがしょうぼうしとして活躍するこの作品は、原書の誕生から30年以上たった今も、イギリスから海を越えて日本でも愛され続けています。

担当・C
写真にある絵本の隣のくまのぬいぐるみは、子どもが生まれてすぐに大切な人が贈ってくれたもの。おままごとをするときも、眠るときも、お出かけするときもいつも一緒です。

2026.03.06

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