忍者からみた世界

たくさんのふしぎ|2025年9月号

アニメや小説に描かれ、世界的な人気をほこる「忍者」。ほんものの忍者はどんな人たちだったのでしょう? 著書の三橋源一さんは、学術研究と忍術修行、文武両道から忍者を研究しています。そして、三重県伊賀市の忍者がくらした村に住み、日々の生活や自然環境から忍者と忍術がどう生まれたかを調べています。忍者たちの本当の姿を描いたノンフィクション絵本です。

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作者のことば

忍者の未来
三橋源一

この絵本を手に取って頂いたことに、深く感謝します。この絵本に書かれた内容は、実際に伊賀の山村に住んで、農作業をして、研究して、忍術修行をして、住んでいる皆さんと交流する中で紡がれた、自然と人々と歴史との交流のお話です。

本書の中で深く触れられなかった2つのことについて書いてみたいと思います。

一つ目は「自然とかかわる生活から忍術に迫ってみる」ということ。例えば忍者にはすごいジャンプ力を持っていたり、壁や縄梯子などをするする登ったりする一般的なイメージがあります。それはすごい鍛錬や万川集海などの巻物から学んで実践した……とされています。もちろんそうした面もありますが、本書で足半わらじを示したように、伊賀甲賀の自然環境や米つくり・林業などが、この地域に適したはき物を生み出し、普段から強靭な足指や下半身を身につけることにつながったことにふれました。忍術書には、具体的な体の使い方を記した部分はほぼありませんし、現代の忍術修行も道場などの平面で危険が少ない室内で行う内容がほとんどです。しかし、体の使い方を書いたものが残っていなくても、伊賀の自然は忍者が活躍していたころとほぼ同じで、しんどかったとしても当時の農作業は現在でもまねることはできます。半日農業で半日忍術を稽古した生活スタイルをまねる中で、忍術を学んでいます。皆さんも体を使って、自然から学ぶ機会をぜひ作ってください。

次に二つ目ですが「忍者を育んだ自然・生活のあり方も学ぶ」ということです。忍者は今も昔も大変人気ですが、華々しく格好いい部分ばかり研究やまねされがちです。伊賀・甲賀の忍者観光に関係する人達に注目が集まりがちですが、村の老人が私にぽつりと語りました。「この地域を代々守ってきたのは我々ではなかったのか」と。そうです。地域の皆さんがもっている山城や古文書などを使わせてもらって忍術を検証することで、皆さんが本当に知りたい忍者の実像にせまることができるのです。皆さんは忍者を愛しながらも、忍者を生み出した地域を守る人のことを大事に思ってください。また、忍者が忍術をつかって守りたかったものは、仲間と生活を支えてくれる里山でした。忍者の生活のあり方は「自存自衛」といわれます。普段から環境にやさしい持続可能な生活を行い、戦いや災害などの危険がせまるときは忍術をつかって村を守っていました。わたしがすんでいる地域も1200年以上続いています。これからの皆さんがいきる社会は、環境破壊から災害がたくさんおこる可能性があります。そんなとき、危険を乗り越えて環境も仲間もまもった忍者たちの生活のあり方を、今も研究している私のことを思い出してもらえると嬉しいです。忍術は「総合生存術」といわれます。いつの日か、災害や危機を雄々しく生き抜いた忍者たちの生活のあり方を一緒に学び、生活に活かす時がくれば、こんなに嬉しいことはありません。

基本情報

カテゴリ
月刊誌
ページ数
40ページ
サイズ
25×20cm
初版年月日
2025年09月01日
ISBN
テーマ

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