みんなの かきのみ
ちいさなかがくのとも|2025年11月号
おばあちゃんの家の柿の木に、りっぱな実がなりました。その実をめがけて、鳥や虫が次々とやってきます。柿の実は生き物みんなのごちそう。だからぜんぶとらないで、いくつか木に残してあげるんだ。秋の里山を舞台に、柿をとりまく生き物たちの営みを、生命力あふれる精緻な絵で描きます。読めば、柿の実がいっそう身近に、そして愛おしく感じられる1冊です。
- 読んであげるなら
3才から - 自分で読むなら
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ちいさなかがくのとも|2025年11月号
おばあちゃんの家の柿の木に、りっぱな実がなりました。その実をめがけて、鳥や虫が次々とやってきます。柿の実は生き物みんなのごちそう。だからぜんぶとらないで、いくつか木に残してあげるんだ。秋の里山を舞台に、柿をとりまく生き物たちの営みを、生命力あふれる精緻な絵で描きます。読めば、柿の実がいっそう身近に、そして愛おしく感じられる1冊です。
ずっと身近にある柿の木
かわしま はるこ
2022年、我が家の樹齢約70年の柿の木に沢山の実がなりました。数年実がならずに「そろそろ切ってしまおうか」と話していた矢先、柿にその声が聞こえたのか、鈴なりの実をつけました。遠方に住む娘の家にもダンボールにぎっしり詰めて送ると、3歳になったばかりの孫が、届いた柿に「柿ちゃん、いいこ いいこ だいじ」と愛おしそうに?擦りしている動画が届きました。葉っぱが付いていたり少し傷があったりする大きな柿を、まるで生きている小鳥の雛のように大切そうに抱きしめていました。その姿を見てこの絵本が生まれました。
柿の木を気にし始めると、なんと身近に多いこと。近所に、柿の木の上部に実が数個残っている木があることも不思議でした。持ち主に尋ねると、「じいさんやばあさんから柿の実は全部取らずに少し残すようにと言われた。理由は聞いていないけれど、生き物たちにも分けてあげるためだと思う」と皆さんほぼ同じ事を口にしました。柿の実を他の生き物たちに分け与え、木のためにもすべて取り尽くさない。自然への感謝の気持ちを忘れないという思いを皆が共有していることに驚き、『みんなの かきのみ』というタイトルにしました。
柿の木を観察していくと、沢山の生き物たちに出会えました。落ちた柿に群がる虫たちはカメラを向けてもなかなか逃げません。皆ご馳走に夢中でした。絵本の草むらの中にも虫たちがたくさん隠れているので探してみてくださいね。
不作だった昨年と違い、今年は「なり年」のようで沢山の実がついています。この絵本が出る秋頃には、初めて孫と一緒に柿取りをしようと思っています。皆さんも身近な柿の木に注目してみてくださいね。木の上、地面に落ちた実。どんな生き物に出会えるでしょう?
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